バスに乗って、お金が足りない場合どうする?
バスに揺られて目的のバス停目前…さてそろそろ運賃を準備しないと…え、財布を忘れた!?
もし自分がこのような状態に陥ったら冷や汗が止まらなさそうですが、皆さんの中にはこのような経験をされたことがある方はいらっしゃいませんでしょうか。
今回は、バスに乗っている途中で運賃を支払うお金を持っていないことに気づいた場合の対処法について解説していきます。
備えあれば憂いなし、ぜひ参考にしてみてください。
記事の目次
素直にお金が無いことを伝える
まずパッと頭に浮かぶのは、「正直にお金がないということを伝える」という方法だと思いますが、そのような場合はどうなるのでしょうか。
次回きちんと精算すればOK
「お金が無いのにバスに乗った!?無賃乗車ってことだな!警察にしょっぴいてやる!」…とはなりませんからご安心を。
バス会社や車掌さんによって細かい対応は異なるでしょうが、ほとんどの場合は「仕方がないね、じゃぁ次回払う時に一緒に払ってね」と言って降ろしてくれます。
おそらくこの手のケースはバス会社にとってある程度想定の範囲内なのかもしれません。
ちなみに筆者には妹がいるのですが、妹も同じような経験をしたことがあると言っていました。
ただし妹の場合は、降りるバス停が終点であり、近くにバイト先があったことから、降りてすぐバイト先にかけこんで事情を話してバスの運賃分を貸してもらって支払ったそうです。
筆者の妹のようなケースはレアケースかもしれませんが、とにかくお金が無い場合は正直にその旨を伝えてみるといいでしょう。
悪用は厳禁
ただしこの方法は、人の善意を前提としています。
「今日はたまたま支払うお金がなかっただけで、次回はきちんと支払ってくれるだろう」というバス会社の好意が無ければ、この方法は成立しないのです。
ですから悪用することだけは絶対に辞めましょう。
正直に言えば、この方法を繰り返し利用して一度も運賃を支払わなかったとしても、そのことがバレる可能性は非常に低いと言えるでしょう。
車掌さんが乗客の顔を一人一人覚えておくこと、「次回払います」と約束した人が本当に支払ったかどうかを確認することは、どちらも非常に困難だからです。
人の好意に付け込んで少額の現金を借りる行為は寸借詐欺と呼ばれ、立派な犯罪行為です。
あくまで運賃分を「借りている」立場なわけですから、後日きちんと支払いを行うようにしましょう。
着駅精算を行う
お金が無いと正直に伝えたときに、バス会社によってはもう少し厳正な対処を行う場合があります。
厳正なと言っても、警察に突き出すとか本来の運賃の数倍のペナルティを科すといったようなことではありません。
「次回きちんと払ってね」の口約束を、きちんとした書類にしたためるということです。
本来払うべき運賃を支払えなかったため次回改めて支払います、という誓約書を作成することを「着駅精算」と言います。
着駅精算を行うにせよ行わないにせよ、今回払えなかった運賃を次回支払うということに変わりはないのですが、誓約書があったほうがバス会社としても安心できるということなのでしょう。
いずれにせよ、保留にしてもらっている運賃代はなるべく早く支払うようにしましょうね。
公衆接遇弁消費を利用
よく「外出先でお金に困ったら警察からお金を借りることができる!」という話を聞きますが、バスの運賃がなくて困っている場合も、警察からお金を借りられる可能性があります。
この際に借りることができるお金のことを「公衆接遇弁消費」と呼び、1,000円を上限として必要なお金を借りることができます。
所定の用紙に自分の名前や住所などを記載し、場合によっては身分証明書も提示しなければなりませんが、お金を借りる以上これぐらいは当然と言えるでしょう。
また、警察署や交番に行って「お金が無いんです」と言って事情を話してもすんなりお金を貸してくれるわけではありません。
近くにお金を借りられる友人知人はいないか、誰かに連絡は取れないかなど色々なことを確認された上で、どうしようもなければお金を貸してくれるという形です。
無事お金を借りることができた場合にはきちんとお礼を伝えて、なるべく早く返済を行うようにしましょう。
制度がない都道府県もあり
また、公衆接遇弁消費は全国的に適用されている制度というわけではなく、都道府県や自治体によっては利用できない場合もあります。
ですから、「警察に頼めば何とかなるだろう」と思って交番に足を運んでも門前払いになってしまう可能性も否定できないのです。
自分が住んでいる・生活している自治体に、公衆接遇弁消費の制度があるかどうかなど普段は気にすることもないでしょうが、この時ばかりは制度が適用されていることを祈るほかありません。
車内に知り合いがいないかを探す
バスの車内でお金が無い!困った!となってしまった場合、もしそのバスが自分が普段から利用しているバスなのであれば、車内に友人や知り合いがいる可能性もゼロではないはずです。
運よく車内に友人知人が乗り合わせていれば、事情を説明してお金を貸してもらえるように頼み込みましょう。
バスの運賃と言えばよほど長い区間乗車していない限りは数百円程度でしょうから、「それぐらいなら」と快く貸してくれるかもしれません。
知り合いからお金を貸してもらって事なきを得た場合も、なるべく早くお金を返すようにしましょう。
返済する際には、ピンチを救ってもらったお礼の意味も込めて少し上乗せして返すなり、何かお礼の品物を一緒に返すなりすれば相手も悪い気分はしないでしょう。
ただし、お金を貸してくれるかどうかはあくまであなたと知り合いの関係性および、相手の善意次第です。
お金を貸してくれなかったからといって、相手を恨むのは筋違いですよ。
お金はあるが小銭がない!
お金がない、というのが少し異なる意味で用いられる場合もあります。
つまり「お金はあるけど(バスの支払いに使える)小銭がない」という場合です。
たいていのバスでは1,000円札が両替できますが、5,000円と1万円が両替できるバスはほとんどありません。
では、財布に5,000円札もしくは1万円札しか入っていない状況でバスに乗ってしまったら、どうすればいいのでしょうか。
車掌もしくは乗客に両替をお願いする
車内が混雑していなければ、本来はバスの回数券の精算等の際に用いるお札を用いて車掌さんが両替をしてくれる場合もあります。
ただし、車内が混雑しているような場合や車掌さんの手元に両替できるだけのお札が無い場合など、両替をしてもらえないケースもあり得るでしょう。
車掌さんに両替をしてもらえないとなれば、残るは車内のお客さんしかいません。
事情を説明して自分の5,000円札or1万円札を1,000円札と両替してもらえないかとお願いすれば中には応じてくれる人もいるかもしれません。
ただしこの場合も知り合いからお金を貸してもらう場合と同様に、両替してくれるかどうかは相手次第です。
両替してくれる人がいればラッキー、ぐらいに思っておくといいでしょう。
最悪少し損することも我慢
もしかしたら1万円の両替希望に対して、「1,000円札9枚と500円だったらあるんだけど…」という人が出てくるかもしれません。
もちろん金額的には同等の両替とはなりませんが、そういった場合でもありがたく両替させてもらうようにしましょう。
バスで運賃が払えないことの恥ずかしさに比べれば、500円程度多く払うことぐらい何でもありません。
「バスに乗る際には小銭をしっかり準備しておく」ということの勉強代だと思えば安いものでしょう。
多めに払う分には問題ない?
先ほどのようなケースでもし誰も両替に応じてくれなかった場合、5,000円札や1万円札を用いて支払わなければなりませんが、数百円の運賃に数千円を支払うのはさすがにどうにかならないかと思ってしまいます。
実はそのような場合にも、きちんと対応策が用意されているのです。
運賃に対してお金を支払いすぎている場合、つまり過払いの場合は「何円分多く支払ったか」ということを証明書でもらうことができるのです。
その証明書を後日バス会社の営業所等に持って行けば、過払い分を返還してくれるという仕組みになっています。
それなら最初からその方法を選ぶのがいいのではと思うかもしれませんが、バス会社の営業所が自分の生活圏内から離れたところにあれば、お金を返してもらうためだけにわざわざ足を運ぶのが面倒くさいと思う人もいるでしょう。
ただし後日証明書を営業所に持って行かなくても困るのは自分だけであり、その場を乗り切れる方法であることは間違いないので、多めに支払っても問題ないということは覚えておくとよいかもしれません。
こうならないための対処法
ここまではお金が無い時の対処法を説明してきましたが、最後にそういった状況に陥らないための対処法をいくつか説明しておきましょう。
予備のお金を常にストックしておく
最も簡単な方法は、予備のお金を常にストックするようにしておくという方法です。
ただし財布の中等に入れていては、財布を忘れてしまった場合にどうしようもないので、常に持ち歩いているカバンや定期入れなどに入れておくようにするのがいいでしょう。
そしてできれば、予備のお金をストックしていることを忘れてしまうぐらい自分でも気づきにくいところに隠しておくほうがいいと言えます。
カバンや定期入れに予備のお金が入っていることを覚えていては、何かの拍子に使ってしまうかもしれませんからね。
オートチャージ機能付きのICカード
最近ではICカードで支払いを行えるバスも増えてきていますが、そもそもICカードの多くは事前チャージ式なので、お金が無い時にICカードだけ持っていても意味はありません。
しかし、銀行口座と紐づいているICカードの中には、ICカードの残高が一定金額を下回った場合に口座からICカードに自動的にチャージが行われるものがあります。
これを利用することで、口座にお金が残っている限りはICカードの残高が一定以上に保たれるため、バス車内で「お金が無い!」となった時にも安心です。
前払い制のバスに乗る
バスには「降りる時に支払いを行う」後払いタイプと、「乗る時に支払いを行う」前払いタイプの2つのタイプがあります。
今回のケースでは全て後払いタイプのバスを想定して話を進めていますが、そもそも前払いタイプのバスを利用するのであれば、このような事態は起こり得ません。
ですから前払いタイプのバスを利用すれば、バスでお金が無いという事態に陥ることを防げます。
とは言え、普段利用しているバスが後払い式の人の場合はどうしようもありません。
バス網が発達している場所では、1つのバス停を複数のバス会社で利用している場合があります。
もしかすると普段利用しているバス会社のバスは後払いタイプでも、同じコースを走っている別のバス会社のバスは前払い式かもしれません。
そういう可能性がある地域に住んでいる人は、別のバス会社のバスを利用することも含めて検討してみるといいでしょう。
さまざまなバスの運転手さんの対応
バスの運転手さんの一存にゆだねられているのだとすると、運転手さんの経験や資質、人間性やその日の機嫌などによっても、ずいぶん対応に差が出るように思われます。
実際に、バスでお金が足りなかったという人の体験談を集めてみました。
- 今度バスに乗ったときに支払ってくれればいいよ、とバスを降ろしてくれた
- 終点の車庫まで乗っていき、身分証明書のコピーと連絡先を渡すと、家族に確認の電話をされ、後日事務所で支払うことになった
- 運転手さんは、「規則ですから」の一点張りで、見かねたほかのお客さんが払ってくれた
- バスを降りたのが駅前だったので、目の前の銀行でお金を引き出してきて、すぐに支払った
- とりあえず手持ちで支払える分だけ支払って、足りない分は後日支払うように言われた
鹿児島市の市バスの対応
鹿児島市の市バスでは、対応方法を公開しています。
どんな対応方法かというと、そのバスの乗務員に対して、手持ちがない旨と名前、連絡先を伝えて、後で乗車券発売窓口またはバス乗務員に、名前といつの未清算分かを伝えて支払うというものです。
とてもシンプルでわかりやすいルールですね。
毎回対応が違うというのは困りますが、このように、対応を明確にしてもらえると、万が一の場合にも安心してバスに乗ることが出来ます。
まとめ
以上、バスに乗車した後に運賃を支払うお金が無いことに気づいた場合の対処法でした。
普段バスを利用している人でも、意外と知らないことが多かったのではないかと思います。
知っているか知らないかでは大きな違いが生まれることばかりなので、バス利用者の方にはぜひ覚えておいてほしいと思います。