大学費用(入学金や学費)を借りるには|奨学金?教育ローン?

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以下表のように、大学に入るだけでもかなりのお金が必要です。

【学部別 初年度納入金平均額】
学部系統公立大学(地域内)公立大学(地域外)私立大学
文学部77万1,84290万6,779129万9,956
教育学部80万5,60395万1,521134万7,947
法学部78万6,73595万697123万4,607
経済学部81万2,08096万8,717126万4,226
医学部93万4,841123万9,561728万4,392
芸術学部82万7,92498万4,930162万4,397

参考元:2019年度 学費平均額|旺文社教育情報センター

大学進学の学費の借り入れを行う場合、奨学金と教育ローンのどちらを選んだ方が良いのでしょうか。
奨学金も教育ローン同じではないかと思っている人も多いですが、申込時期の違いや借入限度額の違いあるため注意が必要です。

その違いを理解していなければ、高い利息を払って損をしかねません。

経済状況によって対策が変わるので、自分の世帯にあった解決方法を選んでください。

執筆者の情報
名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営

目次

大学費用を借りるなら奨学金と教育ローンの2つを利用するのが最適

奨学金と教育ローンのことを調べていると「同時に借りることはできるの?」という疑問を目にしますが、奨学金と教育ローンの同時借り入れは可能です。

奨学金は学生本人が借り、教育ローンは親が借りるので、そもそもの契約者が異なります。つまり、奨学金の審査は学生の能力を対象とするのに対し、教育ローンは親の信用を対象に審査をします。

借り入れというくくりでまとめれば同じですが、審査基準がまったく異なり、契約者・返済者も異なるため、併用して借り入れしても何ら問題はありません。

ちなみに、奨学金を返済しない場合には、信用情報に返済に遅れた旨や金融事故情報が記録されますが、期日通りに返済しているかぎりは他のローンの審査に影響することはありません

たとえ親に奨学金の借り入れが残っていたとしても、教育ローンなどその他のローンは借りることはでき、多重債務とは判断されません。

親子で大学必要資金を工面するほうがいい理由

じつは奨学金と教育ローンを併用して借り入れしている人は意外と多くいます。
奨学金は入学してからでなければ貸与してもらえないため、入学前にかかる費用は教育ローンで借りなければ支払うことができません。

つまり、引っ越し代やアパートの敷金礼金などの入学準備金は、奨学金でまかなうことは不可能なのです。

親としても卒業後に発生する返済を少しでも楽にしてあげたいという想いから、できるだけ奨学金を借りないようにし、自分達が教育ローンを借りているという人もいます。

このように、一方では対応できない資金や今後のことを考え、奨学金と教育ローンを併用しています。

入学金と学費のみなら奨学金だけを利用しよう

奨学金を扱っている機関は、国が主導して立ち上げた独立行政法人である日本学生支援機構です。
この奨学金は「家庭の経済的な理由によって、優れた能力を持ちながら進学を断念せざるを得ない学生に対して貸付を行うもの」です。

家庭の経済状況を気にすることなく、安心して学ぶことができるように、大学の学費を貸与または給付によって支援します。

給付型の奨学金は全面的なバックアップなので、支援を受けても返済する義務はありません。一方で貸与型は卒業後に返済する義務を負います。給付型は選考基準が厳しいため、一般的には貸与型の奨学金を申し込む場合が多いですね。

貸与型の奨学金には「無利子でお金を貸してもらえるもの」と「利息がかかるもの」の2つのタイプがあります。
保証制度として機関保証か人的保証のいずれかを選択しなければなりません。

  • 機関保証⋯⋯保証機関である日本国際教育支援協会が連帯保証を請け負う。一定の保証料を支払う
  • 人的保証⋯⋯連帯保証人(原則、父母)と保証人(4親等以内の親族で本人及び連帯保証人と別生計の人)を選任

奨学金の借入金は、学費に合わせて毎月一定額での振り込みで行われます。大学在学中は利息がかからず、卒業後に就職してから利息が計算されはじめます。返済開始となるのは大学卒業後からです。

貸与型奨学金のメリット・デメリット

ここで奨学金の知識を深めるために、メリット・デメリットを解説していきます。
奨学金はいわば借金なので、自分で性質を理解して、借りるべきか否かの判断をしましょう。

貸与型奨学金のメリット

奨学金のメリットは大きく分けて以下3つがあります。

①有利子タイプの奨学金はハードルが低い

利息が発生する第2種奨学金は、親の年収が一定以下で成績も平均程度という条件しか求められません。
親の年収基準もそれほど低いわけではないため、希望する学生のほとんどが利用できる奨学金といえます。

無利息の第1種奨学金は成績が上位3分の1以上で、親の年収も第2種よりも厳しい条件を求められます。つまり、第1種は第2種と異なり、簡単に借りることはできません。利息はかかるものの、第2種奨学金の有利子タイプの方が間違いなく借りやすいでしょう。

②奨学金の審査は難しくない

奨学金の借主は学生本人です。
審査の基準は所得と成績だけなので、信用情報などの審査は一切行いません

たとえば親の信用情報や属性評価が悪く、銀行などからお金を借りることができない学生でも、奨学金なら借りやすいということです。

「お金を返せる人かどうか」が一般的な銀行や消費者金融の審査ですが、奨学金の審査は「条件に当てはまる人かどうか」だけです。条件さえ満たしていれば誰でも借りることができます

③無利子タイプなら元金だけの返済でOK

第1種奨学金を借りることができれば金利は一切発生しません。
お金を借りるということは、利息が発生することが当たり前ですが、第1種を借りることができれば利息負担ゼロで教育資金を借りることができます。

「大学卒業後に借りた元金だけを返済すれば良い」ということは、第2種に比べてかなり優遇されていると思って良いでしょう。

貸与型奨学金のデメリット

奨学金にはデメリットもあります。
お金を借りることができない人もいますし、借りられるからといって借りすぎてしまえば後が大変になります。

デメリットは主に以下2つです。

①世帯所得の基準に合わなければ借りられない

奨学金の審査基準は一定以下の所得でなければいけません。
親の所得が多い場合は奨学金を借りることはできません。

②奨学金が原因で自己破産する可能性がある

何度も言いますが、奨学金の借主は学生本人であり、卒業した後に返済義務が生じます。

奨学金は入り口のハードルが低いですが、返済という出口部分で苦労する人が続出しており、借りすぎによって自己破産する若者もいます。これはアメリカをはじめとした各国でも社会問題となっており、日本も例外ではありません。

条件さえ満たしていればかなり高額な借金が若いうちからできてしまいます。医学生や留学費用をまかなうための資金目的で借りてしまうと、どうしても借りすぎてしまう傾向にあるようです。

第2種奨学金を借りた場合には有利子貸与になってしまうので、高額を借りたときは利息負担が重くのしかかります。借りすぎると社会人になってからの返済に苦労することになるでしょう。

奨学金の返済履歴は個人信用情報機関に記録されるため、返済遅れが頻繁に生じた場合には信用情報に傷がついたり、ブラックリストになる可能性が十分にあります。

2020年6月現在では、給付型奨学金というものが登場しており、この奨学金であれば借りすぎてしまっても返済の義務がないので安心です。
ただし、条件が非常に狭く、生活保護世帯や住民税非課税世帯など本当にお金がない家の子供だけが対象です。

予約採用も行っているので、詳しくは日本学生支援機構ホームページを参考にしましょう。

⇒ 独立行政法人|日本学生支援機構|JASSO

奨学金の上手な借り入れ方法

教育ローンだけで大学にかかる費用すべてをまかなうことはあまり現実的とはいえません。
子供が生まれてから計画的にお金を貯めていた場合には問題ないかもしれませんが、そうではない人も当然います。

そんなときには「教育ローン」と「奨学金」から、お金を上手に借り入れして問題を解決しましょう。

奨学金は最小限になるように

奨学金は、子供が社会人になったと同時に借金を背負わせてしまうものです。将来の子供の負担を減らすためにも、できる限り利用する金額は低く抑えることが大事です。

社会人になれば給与をもらうので子供自身が稼げるようになりますが、新卒社員のうちは給料も少なく、一人暮らしや会社付き合いで出費も多いため、返済できない若者もいるでしょう。

事前に教育のために積み立てておいたお金があれば、それと教育ローンから借りる事で、奨学金の利用金額を少なくすることができます

奨学金の中には、卒業後に地域や特定の企業に就職すれば返済が免除になるものもあります。これら免除制度の利用なども検討すると良いですね。

奨学金の申請はできるだけ早く

大学入学が決まった後に奨学金の申請をする人が多いですが、申請自体は高校3年生の春に高校を通じて申し込むことが可能です。
これを予約採用といいます。

早く申し込んだからといって、何かしらの優遇処置があるわけではありませんが、教育資金の計画を立てる時間を作ることができます。

たとえば、「大学在学中にお金を用意することができるのか」などという不安があれば、借り入れしなければならない金額を精査することができるでしょう。精査する時間や比較する時間、考える時間が少ないと「とりあえず足りなくならないように多く借りよう」と考えてしまいます。

計画を立てて借りる金額を熟考(じゅっこう)できれば、返済額もそれだけ低く抑えることができます

奨学金がNGなら「国の教育ローン」か「民間教育ローン」で大学費用を借りる

教育ローンは奨学金とは違い、借入申込者は学生ではなく保護者が契約者です。
契約が完了すると借入金額が一括で支払われ、契約が完了した時点でいつでもお金を使うことができます。大学に進学する子供の成績は審査の対象になることはありません

大学の学費だけでなく、遠方の大学に進学した場合のアパート契約や家財道具の購入資金、引っ越し費用などにも利用することが可能です。

奨学金が大学進学することを必須条件にしていることに対して、教育ローンは大学でなくても専門学校の進学でも利用できるため、奨学金よりは使い勝手が優れています

返済に関しては、お金を借りた翌月から行います。

教育ローンとして多くの人に利用されるのが、日本政策金融公庫が行っている「国の教育ローン」です。
借り入れできる金額は上限があり、子供1人当たり350万円以内、海外へ留学する場合は最大で450万円の上限があります。

■教育一般貸付(国の教育ローン)|日本政策金融公庫
■政府広報オンライン|国の教育ローン

「国の教育ローン」から借りる|メリット・デメリット

日本政策金融公庫は100%国が出資する金融機関で、所得が低い人向けに「国の教育ローン」を取り扱っています。
日本政策金融公庫は税金で成り立っていて、営利を目的としていないため金利が低いという大きなメリットがあります。

このようにお得に利用できることから、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は積極的に利用したい金融機関であり、人気が高い教育ローンといえるでしょう。

ここではメリット・デメリットを具体的に解説していきます。

国の教育ローンのメリット

国の教育ローンを利用できれば以下のようなメリットを享受することができます。

金利が低い

国の教育ローンの金利は、銀行の教育ローンよりも低い「1.70%」です(2020年6月現在)。
教育資金としてのローンであれば、最も低金利で借りることができるでしょう。

この金利は変動金利ではなく固定金利なので、「毎月の返済金額が上がってしまうのではないか」と不安を抱える必要はありません。

世帯所得が低くても借り入れ可能

国の教育ローンは所得の低い人向けの融資制度なので、所得が低い人ほど借りやすいというメリットがあります。

銀行教育ローンはお金がある人の方が借りやすいのに対して、国の教育ローンはいわば逆なので、銀行で借りることができない人でも教育資金の融資を受けられる可能性が高いです。

利用には年収の上限が設けられており、たとえば子供が1人の家庭では年収が790万円以下である必要があります。
年収790万円を境にして、銀行の教育ローンと使い分けなければなりません。

子供の人数で年収条件が変わる

国の教育ローンは子供1人あたり350万円まで融資が可能です。
銀行教育ローンは親1人あたりで融資限度額が算出されるため、子供が多い家庭では銀行教育ローンだけで必要資金の調達は難しいのが現実でしょう。

国の教育ローンでは子供1人あたりの融資限度額が設けられているため、子供が多い家庭の教育資金もしっかりとまかなうことができます

国の教育ローンのデメリット

メリットの次にデメリットを見ていきましょう。メリット以上に注意しなければなりません。

銀行のような高額限度額の設定はない

先述しましたが、国の教育ローンの融資限度額は子供1人あたり350万円までです。
これは、銀行教育ローンが500万円程度まで融資に応じていることと比較すると少ない金額です。

複数子供がいる場合、国の教育ローンは活用できますが、子供1人に対して多額の教育資金が必要になるような場合には満たされない人もいるでしょう。

世帯収入が多いと借り入れ不可

こちらもまた先述していますが、国の教育ローンは所得が一定以下でないと利用することはできません。
国の教育ローンは低金利ですが、この低金利を享受することができる人は一定以下の所得の人だけとなってしまいます。

低所得世帯・母子世帯・父子世帯などの人は借りやすく設計されているのですが、一定以上の所得の人は利用することができない、という不満を感じている人も少なからずいるようです。

民間教育ローンから借りる

民間教育ローンは銀行や信金、JAやろうきん、またはノンバンクでも扱っており、借入金利や審査などに違いがあります。
親に継続安定した収入があり、信用情報に問題がなければ返済能力の範囲内で借り入れすることが可能です。

金利や審査難易度に関して大まかに比較をすると、下の表のような形になります。

【各教育ローンの比較】
金利融資限度額審査難易度
国の教育ローン年1.70%
(母子・父子家庭などは年1.31%)
~350万円普通
銀行教育ローン年3.0~6.0%~3,000万円高い
ノンバンク
教育ローン
年5.0~10.0%~500万円銀行よりは低い

ノンバンクよりも銀行教育ローンの方が審査基準が甘い傾向にありますが、契約者である親に信用情報上問題があった場合に審査に通ることはありません

借り入れできる金額は銀行が最も大きいですが、たとえばろうきんの教育ローンだと最高2,000万円まで借りることも可能です。不動産担保などを検討した場合さらに選択肢は広がるでしょう。

民間教育ローンは連帯保証人は不要で融資実行まで1ヶ月近くかかる!

国の教育ローンでは、連帯保証人や保証人を求められますが、民間教育ローンでは原則として連帯保証人は必要ありません
ただし、借入希望額や属性次第では求められることがあります。

申し込み時期について締め切りはなく、大学や専門学校の進学が決まってから申し込むことも可能です。
銀行教育ローンは目的ローンの1つとして考えられており、必要な書類を持って金融機関の窓口に行くか、インターネットから申し込みをします。融資実行まで2~4週間程度かかるのでタイミングを間違えないように気をつけましょう。

合格通知をもらってから教育ローンに申し込むと、比較的混雑しやすく融資実行まで時間がかかる場合があります。

借り入れする日にちは指定できるため、万が一不合格だった場合は取り消すことも可能です。受験シーズンに突入する前に借り入れを申し込むことで、スムーズに手続きを進めることができます。

民間教育ローンの適用金利は奨学金より高い

多くの学生は、利息が付くタイプの第二種奨学金でお金を借りています。
奨学金と合わせて入学時の一時金として借りることができる「入学時特別増額」というものもあり、こちらも利息が付きます。

第二種と入学時特別増額の金利は、貸与が終了した時期によって異なります。例として平成30年4月に貸与が終了した人に適用される金利は以下のようになりました。

基本月額利率固定方式0.22%
利率見直し方式0.01%
増額部分利率固定方式0.42%
利率見直し方式0.21%

これに対して教育ローンは、国の教育ローンですら1.70%なので、奨学金の方が圧倒的に低金利であることがわかります。

奨学金の金利は「固定」か「変動」どっちを選ぶべき?

日本学生支援機構の奨学金の金利は「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類があり、どちらもあまり聞いたことがない言葉でしょう。

利率固定方式とは、金利が常に一定となるものであり、銀行などでいうところの「固定金利」です。
利率見直し方式とは、情勢によって金利が変動するものであり、銀行などでいうところの「変動金利」です。

どちらを選ぶ方が良いというのは今後の金利情勢によることなので一概に言うことはできませんが、より低金利で借りたい場合は利率見直し方式がおすすめです。

ちなみに、国の教育ローンは固定金利であり、民間教育ローンは固定金利か変動金利かを選べます。

銀行教育ローンから借りる|メリット・デメリット

ここまで民間教育ローンという大きな範囲で紹介をしてきましたが、教育ローンの中でも多種多様な商品を揃える銀行教育ローンについて解説します。
そのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

銀行教育ローンのメリット

銀行の教育ローンのメリットは以下2点です。

①所得が多いと審査に有利

銀行は教育資金といえども、基本的には所得が多い人の方が審査で有利です。
この視点はほかのローンと変わりありません。

そのため、所得が多く奨学金や国の教育ローンを借りることができないという人の方が、銀行の教育ローンの審査では有利です。

②最高3,000万円まで借りられる教育ローンも

所得が多ければ多いほど審査が有利になるので、高額借り入れしたいというときに、その力を最大限発揮できるでしょう。

教育ローンの中には不動産を担保に入れることで、さらに高額借り入れができるものもあります。資産があり所得が多い家で、医学部進学などで高額学費が必要になる場合、まさにピッタリな資金調達方法といえるでしょう。

銀行教育ローンのデメリット

銀行教育ローンは上記のようなメリットが所得の低い人はそのままデメリットになってしまいます。

①本当に必要としている人が借りられない

銀行教育ローンの視点は、他のローン審査と基本的には変わりません。
収入が高い人、勤務先が上場企業や公務員の人の方は顕著に審査通過しやすくなります。

このような人は、本来収入が低い人よりも教育資金の借り入れを必要としていない場合が多いです。しかし、このような属性良好の人の方が教育資金を借りやすく、収入が少ない人ほど審査に通過することが難しいのが現実です。

②年収が200万円以上ないと申し込めない

教育ローンは親に対して融資を行うものなので、親の所得から算出される借入限度額が教育ローン総額の借入可能額です。子供が何人いようとも考慮されません。

本来、子供の教育費というものは子供1人あたりにかかるものです。子供の人数に応じて、親が必要とする教育費は変わるのが当たり前でしょう。

しかし、あくまでも親の返済能力に応じて融資を行う銀行教育ローンは、全く同じ属性の人で、子供が1人いる人と2人いる人で融資可能な限度額は同じになってしまいます。

このことから、子供の人数が多い人は子供全員分の教育資金を銀行教育ローンだけで調達することは難しいでしょう。銀行は融資によって収益を得ており、教育ローンを保証する保証会社は保証料収入によって収益を得ています。非営利団体ではありません。

最低でも年収200万円ないと審査に通過することはないでしょう。各銀行によって異なりますが、年収の条件を設けているところもあるので事前確認は必須です。

大学費用を借りる前に確認!各種教育ローンや奨学金の返済シミュレーション

奨学金と教育ローンを借りた場合、総額で支払う利息などがどのようになるのかをシミュレーションしていきます。

シミュレーションをするにあたって、借入金額を200万円、返済期間はそれぞれの最長期間とし、変動金利の場合は返済中に金利の変動がなかったものとして計算していきます。

奨学金のシミュレーション

日本学生支援機構で200万円(月額5万円を40ヶ月)借りた場合、返済期間は14年(168回)となります。

これを「利率固定方式」「利率見直し方式」それぞれで返済した場合にはこのようになります。

毎月返済額支払利息合計総返済額
利率固定方式1万2,090円3万1,141円203万1,141円
利率見直し方式1万1,913円1,408円200万1,408円

日本政策金融公庫「国の教育ローン」のシミュレーション

国の教育ローンは、元金を据え置きして利息のみを返済する期間を設定することができます。

ここでのシミュレーションは、元金を据え置きしないパターンと在学期間中(4年間)は元金据え置きをするパターンの2種類で行います。設定することができる返済期間は15年が最長です。

元金据置なし元金据置あり
支払利息
(在学期間中)
0円3,000円
毎月返済額1万2,800円1万6,700円
支払利息合計27万5,500円34万2,100円
総返済額227万5,500円234万2,100円

銀行教育ローンの返済シミュレーション

銀行や信用金庫、信用組合などで提供されている教育ローンは、最高借入額や金利に大きな差があります。

シミュレーションをするにあたっては、メガバンクである三菱UFJ銀行と三井住友銀行の教育ローンで行っていきます。在学期間中の元金据置はしないものとし、それぞれの最長返済期間である10年で計算していきます。

銀行名三菱UFJ銀行三井住友銀行
金 利変動3.975%変動3.475%
毎月返済額2万225円1万9,753円
支払利息合計42万7,032円37万451円
総返済額242万7,032円237万451円

信販会社の場合(ジャックスやオリコなど)

信販会社では、各学校と提携して専用の教育ローンを提供しており、金利などの条件は、提携している学校によって異なります。

ここでは、信販会社をジャックスとし、東海大学高輪キャンパス(在校生用)と中央大学でシミュレーションしていきます。

学校名東海大学中央大学
金 利3.50%2.50%
毎月返済額2万4,000円2万4,000円
支払利息合計29万4,673円19万8,982円
総返済額229万4,673円219万8,982円

このように、金利などの融資条件がそれぞれ異なっています。お金は信販会社が直接学校に支払う仕組みとなっており、ローン契約者が融資金に触れることはありません。

ジャックスが学校にお金を支払ったあとは、返済をジャックスにしていきます。

高額な借り入れは奨学金の方がお得

奨学金と教育ローンとでは金利が大きく異なり、金利の違いによって生まれる支払利息の合計は、奨学金の方が20~30万円安くなります。

借入金額が高額になるほど利息負担の差は大きくなるため、高額借り入れは奨学金の方が断然お得です。どちらも併用する場合には、奨学金から多めに借りて教育ローンは極力少額にすることを意識しましょう。

大学や専門学校の学費納入期限|除籍のタイミングとは

大学や専門学校に合格すると、1週間~2ヶ月以内に入学金を納めるようにとの案内を学校側から受け取ります。
その際に、1学期分の授業料もあわせて支払うように指示されるケースが多いですが、学校によっては学期が始まる前なら待ってもらえることがあります

学費を支払わないまま学期が始まったとしても、入学金を支払っている場合は即退学とはなりません。
しかし、学期が終了する時点で学費が納入できていない場合は、学生課から勧告を受けます。

次の記事では、大学と専門学校の学費納入期限について解説しています。ぜひ参考にしてください。

⇒ 大学や専門学校の学費,入学金が払えない!分納や奨学金・教育ローンを活用

学費を払えないとどうなる?

学校によって学費納入の規則は異なりますが、半年~1年滞納すると強制退学措置を取られることが一般的です。
退学になったとしても、学費支払いの責任から免除されるわけではありません。

学校側から訴えられることもあるので絶対に放置しないでください。

別記事「学費を滞納するとどうなる?学校種別に解説!」では、滞納することのリスクや督促の流れなどについて解説をしています。滞納によって卒業証書を発行しないケースもあるので十分な注意が必要です。

長期間にわたって学費が払えないと除籍になることも

退学措置とは、学校を途中で辞めさせられるということです。
退学措置を受けた場合でも、滞納していた学費を完納して所定の手続きを行えば、大学や専門学校に復帰できる可能性はあります。

しかし、学費滞納が悪質だと判断される場合は、退学ではなく「除籍措置」が取られることもあります。除籍となると、入学したという事実も取り消されるため学費を完済しても学校に復帰できませんし、受験をしても再入学が認められない可能性もあります

教育支援資金(社会福祉協議会)は入学費も学費もまかなえる

教育支援資金とは、生活福祉資金貸付制度の1つで、収入が低く金融機関からお金が借りられない人にお金を貸す公的制度です。厚生労働省が管轄し、各都道府県・市町村の社会福祉協議会が窓口となっています

教育支援資金は下記の2つがあり、学費と入学費用の両方をまかなうことができます

  • 教育支援費:高校、大学、高専の学費
  • 就学支援費:高校、大学、高専の入学費用

これら支援費の借り入れ可能額は下記のとおりです。

  • 教育支援費 高校:3.5万円以内(月額)
    高専:6万円以内(月額)
    短大:6万円以内(月額)
    大学:6.5万円以内(月額)
  • 就学支援費 50万円以内

教育支援資金の最大の魅力は無利子!

生活福祉資金貸付制度は連帯保証人がいれば無利子、いなければ有利子というのが基本です。

教育支援資金はお金を借りるのが親ではなく、学生本人です。同居している親が連帯保証人となるため、わざわざ連帯保証人を探す必要もなく、無利子でお金を借りられるでしょう。

返済期間が最長で20年というのも、見逃すことのできない大きなメリットといえます。

利用条件が厳しいのがネック!

無利子で日本学生支援機構の奨学金制度とほぼ変わらない融資を受けられるのは、大きな魅力です。

しかし、教育支援資金は低所得層の支援策である生活福祉資金貸付制度の1つなので、利用できるのは下記世帯に限られます

  • 低所得者世帯:低収入で金融間から借り入れができない世帯
  • 高齢者世帯:65歳以上の高齢者がいる世帯
  • 障害者世帯:身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳にいずれかを持つ人がいる世帯

低所得者世帯とする基準は各自治体で異なりますが、基本的には市町村民税が非課税対象となっている程度が、認定基準値となってくるでしょう。
この点は、利用する際に重要なポイントとなるので、まずは住んでいる地域の社会福祉協議会に問い合わせてみると安心です。

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母子父子寡婦福祉資金貸付制度

ひとり親世帯の人であれば、同じく社会福祉協議会経由で利用できる「母子父子寡婦福祉資金貸付制度」に申し込むことができます。

保証人を立てることができれば無利子で借りられ、保証人が見つからないときは年利1.0%の超低金利で融資を受けることができます。

該当する世帯の人は、まずは社会福祉協議会に相談してみましょう。

⇒ 【母子家庭,シングルマザーの生活苦】生活費が足りないなら公的貸付制度に相談

急ぎで大学資金が必要ならカードローンから借りる

「奨学金の申し込みが遅れてしまった」「教育ローンが希望額に届かなかった」こういった状況の人は、一時的にカードローンからの借り入れを検討してみましょう。

カードローンは使い道が自由なローンなので、教育資金の支払いにも利用することができますが、メリットも大きなデメリットもあるため、よく考えてから利用する必要があります。

無理にカードローンでお金を借りても返済に困り、多重債務などになってしまう可能性もあるので注意しましょう。
ここからカードローンのメリットデメリットについて解説をしていきます。

教育資金としてのカードローンのメリット

①最短即日融資も可能

たとえば銀行カードローンの審査は3営業日程度で完了します。
国の教育ローンは、申し込みから最短2週間程度の時間がかかってしまいます。それと比べれば融資スピードはかなり早いといえるでしょう。

国の教育ローンや銀行教育ローンの審査に落ちてしまった後に、カードローンへ申し込みをしても期限までに資金が間に合う可能性があります。

どうしても即日でお金が必要という場合は、レイクなどの大手消費者金融カードローンが最適です。
レイクではWebで最短25分融資が可能なので、私立大学しか受からずに急いで数十万円の入学金が必要になった場合などに役立つことでしょう。
※21時(日曜日は18時)までのご契約手続き完了(審査・必要書類の確認含む)で、当日中にお振込が可能です。一部金融機関および、メンテナンス時間等を除く。

②教育ローンより審査が甘い

銀行教育ローンの審査は甘くありません。
正社員で勤続年数が一定以上でないと借りることは難しいですが、カードローンの審査であれば教育ローンほど厳しくありません

銀行教育ローンの審査に落ちた場合は、カードローンへの申し込みを検討してみてもよいでしょう。

③教育ローン並みの低金利で利用できる可能性がある

カードローンというと、金利が高いというイメージを持つ人が多いでしょう。
しかし、借入額によっては低金利で借りられます。

たとえば銀行カードローンは限度額が大きくなるほど金利が下がっていきます。
必要金額が数百万円にもなることが多い教育資金の場合には、低金利が適用される可能性があり、カードローンによっては300万円程度の借り入れで5%前後の低金利が適用される商品もあるのです。

場合によっては、教育ローンと遜色がない金利で教育資金を調達できる可能性もあります。

教育資金としてのカードローンのデメリット

①金利が高い

高額であれば金利が低くなると述べましたが、逆に100万円未満の少額であればカードローンは10%を超えるような高金利が適用されます。

金額に関係なく低金利が適用される教育ローンと比較して、この点は最大のデメリットといえるでしょう。

カードローンなどの貸金業法が適用されるサービスでは、上限金利が法律で定められています。以下の記事では、借金の金利相場について解説をしているので、金利について詳しく知りたいという人は参考にしてください。

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②奨学金のような返済の据置期間がない

奨学金、国の教育ローン、一部の銀行教育ローンは、子供が在学中は利息の支払いだけを行い、元金の返済を据え置くことができます。
しかし、カードローンはそのようなことはできません。

契約を行なった融資実行日の次の約定日から返済が始まります

ただでさえ子供への仕送りなどで毎月大変なところに、カードローンの返済まで始まってしまうため、生活が苦しくなってしまうこともあります。子供のためにカードローンを利用する場合には、借入後すぐに始まる返済のことも考慮した上で利用しましょう

返済が大変になり生活のためにカードローンを利用してしまったら、限度額はすぐにいっぱいになります。このようなときに、新たなカードローンに手を出すということをしてしまうと、多重債務の始まりで借金地獄に苦しむことになってしまいます。

このような事態に陥らないように、カードローンは借入前に返済計画をしっかりと立てることがとても重要です。

金利が高いので、教育ローンの融資が実行される前のつなぎ資金として利用するのも良いでしょう。プロミスなどの大手消費者金融には無利息キャッシングサービスがあるので、教育ローンが下りてくるまでの短期間だけの利用なら利息は一切かかりません

AO入試や推薦入試など、合格してから入学手続きまでに時間があるときにはカードローンを使用せず、時間がない場合やつなぎ資金の時、どうしても何の審査にも通過できない時だけカードローンを利用するようにしてください。

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学生本人はカードローンを利用できるの?

ここまで親が子供の教育資金のために、カードローンを利用するための情報を伝えてきました。
では、学生本人がカードローンの契約者になれるのでしょうか?

18歳以上の学生なら親の同意不要で利用できる

18歳を超えている学生であれば、成人なのでカードローンが利用できます。
未成年者の学生の場合、親の同意書や連帯保証人をつけたとしても、大手消費者金融や銀行のカードローンを利用することはできないと思っておきましょう。

ただし、18歳を超えているといっても、学生はまだ親の庇護(ひご)の下に生活していることや経済能力や判断能力が未熟である場合が多いことから、高額の借り入れには対応していないのが現状です。借り入れられる金額は10万円程度と思っておきましょう。

借りる際に必要なものは本人確認書類だけ

カードローンは、20歳以上の安定した収入がある人であれば誰でも申し込めます。
学生がカードローンに申し込む際に必要となる書類は、実質的には自動車運転免許証などの本人確認書類だけです。

通常、銀行カードローンは100~300万円程度、消費者金融カードローンは50万円を超えるか、他社との借入額の合計が100万円を超える場合には、収入確認資料の提出を求められます。

学生が借り入れを行う場合には、そのような高額の借り入れを行うことはほとんどないため、収入確認資料の提出を求められることはないでしょう。

学生専用の学生ローンから借り入れるのであれば学生証の提出を求められますが、銀行や消費者金融のカードローンでは不要です。

収入があれば借りられるのでアルバイトでも利用できる

学生の場合、カードローンはアルバイトなどで一定の収入のある人しか借り入れはできず、年収の3分の1以内しかお金を借り入れできません

たとえば月に5万円程度バイト収入を得ている学生の場合は年収60万円なので、その3分の1の20万円までしか借りられないということです。

審査の際には勤務先に審査担当者が電話をかけて、本当に申告した勤務先に在籍しているかを確認します。これを「電話連絡の在籍確認」などと言います。

業者によっては、この在籍確認を学生というだけで省略する場合もあるため、実際にはアルバイトによる収入がなくても審査に通過できてしまうような場合があるようです。

ですが、基本的には無収入の学生はあらゆるローンを利用できないので、借り入れしたいのであればアルバイトを始める必要があります。

業者から親への連絡はいかない

カードローンの契約は秘密厳守が原則なので、親の同意が必要ないことはもちろん、親にローン会社から借りたことをバラすようなことはしません
たとえ親であっても、親に借り入れを行ったことを話してしまったら、個人情報の流出にあたるためです。

ただし、カードローンを契約すると自宅に郵送でカードが届く場合がありますが、このときにカードが届く場所は住民票の住所です。実家から離れて暮らしている場合には、自分が実家にいない間に親元にローンカードが届くことになってしまいます。

そうすると親にカードの封筒をあけられてしまい、カードローンを契約した事実がバレてしまう可能性があります。同様に、返済が滞ると督促状が届きますが、これも基本的には住民票の住所に送付されるので親にバレてしまう可能性があります。

学生が郵送以外の方法でカードを受け取りたいのであれば、自動契約機でカードが受け取れる大手消費者金融やメガバンクのカードローンを選びましょう。

カードローンを選ぶときのポイントは?

カードローンは多くの会社で取り扱われているので、どのカードローンを選ぶべきかで悩んでしまうということもあるでしょう。
そんなときのためにカードローンを選ぶ際のポイントについて、説明していきます。

低金利かどうか

お金を借りた後は返済しなければならない以上、返済負担ができるだけ軽いローンを選ぶことは非常に重要です。
返済負担に直接的に関わってくる要素は金利であり、できるだけ低金利のローンを選んだほうが、支払う利息は少なくて済みます

実際に適用される金利は審査によって決まりますが、総じて銀行カードローンのほうが消費者金融のカードローンよりも金利が低い傾向にあるので、銀行カードローンを中心に検討するといいでしょう。

毎月の返済額に無理はないか

毎月の返済額は、借入残高や契約極度額によって決まります。
どれぐらいの返済額だと無理がないかは、人それぞれ収支事情で異なりますが、毎月の返済が苦しいような状態だと、いつか返済を滞納することになってしまいかねません。

カードローンの返済も考慮に入れた収支計画を立てて、無理なく生活が続けていけると判断したうえで、借り入れを行うようにしましょう。

無利息期間が設けてあるか

消費者金融の中には、初回利用者限定で無利息期間が設けてあるところもあります。
無利息期間中に返済を終えられれば、本来支払わなければならないはずの利息を支払わずに済むので、返済負担をかなり抑えられます。

お金を借りた後にすぐ返済できる予定であれば、無利息サービスが利用できる消費者金融を中心に検討してください。

学生が借りられる額は最大でも30万円程度という現実

消費者金融のカードローンでは、最大融資限度額が数百万円程度に設定されており、銀行カードローンの中には1,000万円を超すような最大融資限度額を設定しているものもあります。

「学生でもそれぐらいのお金を借りられるのではないか」と夢見る人もいるかもしれませんが、残念ながら可能性はほぼゼロです。実際に融資を受けられる金額は審査によって決まるとはいえ、融資限度額と年収はある程度比例する関係にあるからです。

消費者金融の場合は、「総量規制」というルールによって、申し込み者の年収の3分の1を超す金額の融資は行えません

銀行カードローンは総量規制には影響されませんが、銀行カードローンの過剰融資に対して世間からの風当たりが強くなっていることを受けて、自主的に総量規制の範囲内での融資を行うように心がけています。

学生がアルバイトなどで稼げる金額が多くても年間で100万円ちょっとであろうことを考えると、学生がカードローンで借りられる金額は最大でも30万円程度となるでしょう。

30万円でも学生にとっては十分すぎる大金であり、それ以上の金額を借り入れようと考える人は少ないと思いますが、この金額は学生が融資を受けられる金額上限の目安と思っておいてください。

学生ローンから借りて学費に充てることも可能

学生専用のローンも検討しよう※マルイ公式サイトより引用

先ほど軽く触れましたが、ローンの中には学生専用のものが存在します。学生ローンのことですね。

この学生ローンにはどのような特徴があるのでしょうか。

学生ローンは通常のカードローンに比べて審査が緩い?

学生ローンは以下の理由から審査が緩いと言われています。

  • 収入がなくても親がいる
  • 数年後には就職して安定した収入を得やすい

学生の間に完済せずに卒業後に完済するような計画でも、問題がない場合がほとんどです。

学生ローンを取り扱う業者のほとんどは消費者金融と同じ貸金業者で、総量規制の対象です。つまり、年収の3分の1以内までしか借り入れを行えません。

カードローンの場合と同じように、学生は収入が少ないことから収入確認資料の提出を必ずしも必要としないことや、学生というだけで勤務先への在籍確認を行わないことが多いです。そのため、実際にはアルバイト収入がなくても融資を行っている業者も存在します。

総じて、学生ローンは大手カードローンに比べて審査が緩いと言えるでしょう。

金利が比較的低め?

学生ローンは、アルバイトなどで収入のある学生であれば誰でも申し込めます。
借入金額は10万円までと少額に設定している業者も多いですが、中には50万円程度までの借り入れに対応している業者も存在します。

金利は消費者金融から10万円借り入れた場合には18%となる場合がほとんどですが、学生ローンの場合には15~17%程度の金利が設定されるのが一般的で、金利的なメリットは学生ローンの方があります。

必要書類は、基本的に本人確認書類と収入確認書類だけです。審査にもそれほど時間はかからず、最短20分という業者も存在します。

未成年の学生でもアルバイトなどの収入があれば借り入れ可能

上掲したツイートにもあるように、学生ローンは18歳や19歳であっても学生であれば(高校生不可)融資に応じる業者もあるという点で、カードローンと異なります。

では、未成年者が学生ローンを借り入れするための条件とは、どのようなものなのでしょうか?

親の同意は必要?

未成年者借り入れOKの学生ローンの多くは、親の同意や保証人を必要としません

アルバイトなどで収入があることが必須で、申込時には給与明細や給与が振り込まれている銀行通帳の写しなどの提出が求められ、収入の確認はしっかりと行っている業者が多いです。また、総量規制の対象となので、年収の3分の1を超える借り入れは行えません。

学生のローン審査は信用情報が重要

学生の審査は信用情報が重要

学生は収入が少ないため、審査においてはやはり不利な立場なのでしょうか?
あまり審査する項目がなさそうな学生の場合は、どこを見て審査を行っているのか説明します。

信用情報に問題がなければ審査は通過する

基本的に学生の審査は、フリーターの審査とそれほど変わりはありません。

最初に個人信用情報へ照会を行い、個人信用情報に問題がなかったら、勤務先、年収、勤続年数などの属性を点数化するスコアリングという審査を行います。

個人信用情報の照会結果とスコアリングの点数をもとにして、融資をするか否か、いくらまでどの程度の金利で融資を行うかなどを決定します。

ただし、学生の場合、勤務先はアルバイトである場合がほとんどですし、勤続年数は数ヶ月~1年程度である場合がほとんどです。そのためスコアリングの審査はほとんど意味をなしません。

学生の審査において最も大切なものは個人信用情報です

個人信用情報には以下の情報が記録されています。

  1. 過去の借り入れやクレジットカードの利用で自己破産、個人再生、債務整理、代位弁済、数ヶ月に及ぶ延滞などの事故がなかったかどうか
  2. 現在、他の借り入れがどの程度あるのか
  3. 他の貸入金やクレジットカードの過去2年分の支払状況

基本的に学生の場合、ここで問題がなければ審査には通過します。その他の項目は、年収以外は審査の判断材料がほとんどないためです。

お金がある人でもお金にだらしない人はいますし、お金がない人でも支払いだけはきっちりと行う人もいます。大切なことはその人のお金に対する考え方なので、個人信用情報から「この人はお金の支払いをちゃんとする人だ」と判断してもらえらなければ、融資してもらえないでしょう。

大学費用を借りる前に見ておきたい6つのQ&A

最後に、学費を借りるということや学費の支払いについて、Q&A形式で答えていきます。

「自分への先行投資」という意味で学費を子供に払わせる親をどう思いますか?

それぞれの家庭の事情次第でしょう。

各家庭には、それぞれの事情があり子供と親それぞれの思惑・考えがあります。

「大学に通っているんだから、アルバイトなんかせずにすべての時間を勉強に捧げなさい(捧げたい)」と考える親や子供もいるでしょう。

その一方で、「勉強も大事だけどそれがすべてじゃない、自分の力でお金を稼ぐ経験も重要」と考える親・子供もいるはずです。

学費のすべてを子供自身が支払うとなると、かなりの時間をアルバイト等に費やさなければならなくなりますが、それを「是」とするかどうかは、各家庭の考え方次第です。

自分の家庭として「学費は子供に稼がせるor親が出す」という方針はあってしかるべきだと思いますが、それを一般的な意見として他の家庭にまで強要するのは、よくないですね。

アルバイトで学費を稼ぐことは現実的に可能?

国公立大学なら可能ですが無理は禁物です。

私立大学や医歯薬系の学部の場合、1年間の学費が100万円を超すので、アルバイトだけでそのすべてをまかなうことは現実的にはほぼ無理でしょう。

しかし、国公立大学であれば1年間の学費は55万円弱なので、1ヶ月に6万円程度を稼げればアルバイトだけで学費をまかなえる可能性があります。

ただ、大学生活を続けていくのに必要なお金は当然授業料だけではないので、実際にはさらに稼がなければいけません。そうなってくるとバイトにかける比重が重くなってしまい、勉強に費やせる時間が相対的に減ってしまいます。

何のために大学に通っているのかをよく考えた上で、無理のない範囲でアルバイトを行うようにしましょう。

専門学校に入学する際に奨学金を全額借り入れることは可能?

可能です。

専門学校では、学校独自の奨学金を設けているところもあり、入学時に奨学金を借り入れられる場合もあります。

奨学金の借り入れを考えている場合には、入学予定の専門学校の奨学金制度について、確認してみるといいでしょう。

民間の教育ローン(学費ローン)は母子家庭でも借りられますか?

借りられます。

民間のローンは教育ローンに限らず、融資を行うかどうかは「返済能力があるかどうか」という点で判断されます。
たとえ母子家庭であっても安定して継続した収入があり、返済能力があると判断されれば、教育ローンを利用できるでしょう。

ただし、教育ローンの中には、親が正社員であることを融資の条件にしているものもあります。収入が安定していても、派遣社員・契約社員・アルバイト等の場合は利用できないこともあるので注意してください。

大学の授業料は前期・後期一括払い?何回かに分納払いすることは可能?

分納が可能な大学もあります。

大学の授業料は、前期分と後期分を別にしてそれぞれ一括で支払うのが基本です。ただし大学によっては、半期分の学費を1度で支払うのが経済的に困難である家庭に対して、分納や延納を認めているところもあります。

分納が可能な大学では、多くの場合支払い回数を2~6回程度に分割できるので、家計の事情も考慮に入れて、分割回数を選ぶといいでしょう。分納を希望する場合は、前期分と後期分それぞれに設定された申請期間内に、分納を希望する旨を申請しなければなりません。

大学ごとに申請期間は異なるので、申請し忘れのないように注意しましょう。

奨学金の利用と教育ローンの利用、一般的にどちらが多い?

奨学金のほうが多いと考えられます。

Yahoo!知恵袋に、以下のような質問が投稿されていました。

奨学金と教育ローン、大学生で借りてる人が多いのはどっちですか?

この質問に関しては、投稿者も回答者も、奨学金やローンという制度を批判することに主眼が置かれているようで、実際にどちらのほうが多いかについては言及されていませんでした。

奨学金と教育ローンの利用を比較したような調査も行われていないため、どちらのほうが利用されているかを客観的に判断することは難しそうです。

しかし上述した通り、大学生の半数近くが奨学金を利用しているという状況を考えると、教育ローンよりも奨学金を利用している人のほうが多いといえそうです。

奨学金と教育ローンは、どちらにも相応のメリット・デメリットがあり、どちらのほうを利用したほうがいいとは、一概には言えません。

自身もしくは自身の家庭が置かれている現状と、奨学金と教育ローンそれぞれの特徴をきちんと把握して、利用すべき制度を選ぶといいでしょう。

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