日立キャピタル債権回収会社からの奨学金支払請求は分割も可能!
日立キャピタル債権回収会社からの奨学金支払請求に、驚いたというかたはすくなくないでしょう。
- 日立キャピタル債権回収会社って?
- 日本学生支援機構から借りたはずなのに
- もしかして詐欺?
突然知らないところから請求がああれば、上記のような不安を感じてしまうのも無理はありません。
しかし、日立キャピタル債権回収会社は日本学生支援機構から、奨学金の回収業務を請け負っている正規の回収会社です。
よって、この支払請求は正規の取立てなのです。
しかも、この請求を放っておくと一括請求を求められることになり、分割支払いの機会を逃してしまうことになってしまいます。
目次
なんで奨学金の取立てが日立キャピタルから?
まずはなんで奨学金の取立てが日立キャピタル債権回収会社からくるのかについて説明します。
普通ならば金銭貸借契約に関与していない第三者が、代わりに取り立てすることは法的に認められていません。
しかし、法務大臣が承認した債権回収会社だけが、サービサー特措法に基づいて代わりに債権回収を行うことができるのです。
日立キャピタル債権回収会社も法務大臣の承認を受けた債権回収会社の1つになります。
日立キャピタル債権回収会社の概要と取引先
しかし、全く知らない会社から奨学金の支払いを求められたとしても、安心して支払うことはできないというかたもいることでしょう。
そこで日立キャピタル債権回収会社の概要と主要な取引先について、簡単に紹介しておくことにします。
日立キャピタル債権回収会社の概要と主要取扱債権
日立キャピタル債権回収会社の概要は下記のとおりです。
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親会社となる日立キャピタル株式会社は、日本でも最大級の総合ファイナンス会社として知られており、日立製作所と三菱UFJフィナンシャル・グループ関連会社に当たります。
この点からも十分、信頼性が高い会社であることがうかがえます。
それでは次は主要取扱債権を紹介していきましょう。
日立キャピタル債権回収会社は関連会社である日立グループおよび、三菱UFJフィナンシャル・グループの下記債権を主に扱っています。
- 属する金融機関の金銭債権
- 属するクレジットカード会社の金銭債権
- 属するリース会社の金銭債権
そして、これに今回主題となっている日本学生支援機構の奨学金債権と、住宅金融支援機構の住宅ローン債権の回収業務が加わります。
基本的には関連会社の金銭債権回収業務を主要業務としているというわけです。
債権回収業務とは?
債権回収業務は下記のどちらかに区分されます。
- 委託管理
- 債権譲渡
つまり、長期延滞債権の回収業務と管理業務を委託される場合と、自ら債権自体を買い取って回収を行う業務のどちらかです。
日立キャピタル債権回収会社が日本学生支援機構の回収業務が、どちらに当たるのかは明確化されていません。
しかし、日本学生支援機構のキャッシュフロー計算書には奨学金債権の売却益が計上されているため、すべての奨学金債権が売却譲渡されているわけではないでしょうが、委託管理だけでなく、債権譲渡が行われるケースもあると考えておきましょう。
日立キャピタル債権回収会社に債権譲渡が行われているかどうかは、債権譲渡通知書が送られてきているかどうかで判断できます。
送られてきているようならば、自分の奨学金債権が日本学生支援機構から、日立キャピタル債権回収会社に譲渡されていることになります。
以降の返済に日本学生支援機構は全く関与しないという状態になっているというわけです。
債権譲渡が行われたからといって、以前と大きく変わる請求が行われるわけではありませんが、この点はよく理解しておきましょう。
裁判所からの支払督促には要注意!
日立キャピタル債権回収会社から奨学金の返済請求を無視していると、相手は次の回収手段を取ることになります。
それがよく聞く差し押さえです。
日立キャピタル債権回収会社から奨学金の回収が行われるということは、その時点でかなり長期間の返済滞納をしている状態です。
日本学生支援機構が独自で回収できないと判断した結果ですから、少なくても3ヶ月以上の滞納となっているはずです。
日立キャピタル債権回収会社からの返済請求に対して、明確な返済意思を見せれば継続して分割返済も可能ですが、それさえせず滞納を続ければ相手は法的措置をとって回収にかかります。
その方法が支払督促や民事訴訟です。
支払督促とは?
支払督促も民事訴訟も法的措置に則り、法的強制力によって回収を行う方法です。
しかし、支払督促は民事訴訟と違い、裁判を行うことなく短期間で借金の督促(支払い命令)を裁判所に行ってもらうことができます。
支払督促は裁判所ではなく裁判所書記官への申し立てだけの手続きで完了するため、民事裁判のように債権者と債務者が出廷してことの是非を判決によって決定してもらう必要がありません。
しかも、この続きは裁判所書記官が債権者からの申し立て内容だけを審査して、相手の債務者の意向は全く考慮されないため、債権者にとってかなり有利な法的措置となります。
申し立て後、債務者に支払督促が通達され、それに異議を示さない場合は金銭債権への強制執行が可能となり、財産の差し押さえや不動産等の競売によって、金銭債権の一括回収ができるようになるといった具合です。
そしてここで重要となってくるのが、支払督促が届いた時の債務者の対応です。
払えない借金の請求書は届いていても見たくないという思いから、そのまま放置してしまうかたもいるようですが、この裁判所書記官から通達された支払督促は絶対に放置しては行けません。
先ほど言ったように支払督促による強制執行が行われるのは、債務者が支払督促に対して異議を申し立てなかった場合に限定されます。
よって、一気に強制執行となり財産が差し押さえや競売の対象とならないためにも、必ず支払督促が届いたら異議申し立てを行わなければなりません。
異議申し立てをしないとこんなリスクが・・・
異議申し立てをすれば、支払督促による強制執行は行われず、民事訴訟の手続きに移行されます。
これによって強制執行による財産の差し押さえや競売を、一時的に回避することができるのですが、この異議申し立てをしなければ下記のようなデメリットを負ってしまうことになるのです。
- 分割支払いできる権利がなくなる
- 減額できる可能性がなくなる
- 時効の中断が行われる
- 支払えなければ債務整理という手しかない
支払督促による強制執行は一括請求に基づくので、支払督促が認められてしまえば、返済方法は一括返済のみです。
財産の差し押さえや競売で返済額が間に合えばまだましですが、足りない場合には最悪、債務整理による自己破産という手しか残らないこともあります。
また、民事訴訟ならば下記のような話し合いができるため、自分にとって無理のない返済計画を認めてもらえる可能性もあります。
- 返済開始日の相談
- 毎月の返済額の相談
- 返済期間の相談
- 利息カットの相談
異議申し立てをしなければ支払督促により、これらメリットとなることすべてを失う事になるのです。
となれば支払督促に対する異議申し立てがいかに重要なのかは、よく理解してもらえたかと思います。
支払督促が届いたら、迅速に異議申し立てを!
支払督促が届いた場合の異議申し立ては、支払督促の受け取り後2週間以内となっています。
ここで誤解して欲しくないのは2週間以内に発送するのではなく、2週間以内に裁判所へ異議申し立てが届いていいなければ、異議申し立ては無効となってしまう点です。
この点は勘違いのないように、よく覚えておきましょう。
異議申し立てのやりかた
異議申し立ては所定の督促異議申立書にある下記必要事項を記入し、裁判所へ提出するだけです。
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また記入事項は特段難しいものはありませんが、異議申し立ての言い分は自分の意見を書く欄とは別に「分割払いの話し合い」といったように所定の言い分が用意されている場合があります。
その言い分が該当する場合にはそれにチェックを入れ、それ以外に言い分がある場合には「言い分」欄にチェックを入れて、その言い分を記入するようにしてください。
また「言い分」欄では書ききれないといった場合には、別の用紙に続きを記入し、それを本状にホッチキスで留めて提出することも可能です。
督促異議申立書の提出先
異議申し立ては督促異議申立書を裁判所へ郵送、または持ち込むことで完了します。
郵送では間に合いそうにないという場合には、直接裁判所へ持ち込むようにしましょう。
郵送先と持ち込み先は異議申立書に下記のように記載されています。
(郵送先住所)
〒番号130-8637
東京都墨田区錦糸4-16-7
TEL 03-5819-0341・0346
(持ち込み先)
東京簡易裁判所(墨田庁舎)
民事第7室(支払督促係)
なお、FAXでの受付は行っていないので、勘違いのないようによく覚えていおきましょう。
奨学金を滞納したら専門家への相談を!
奨学金を滞納し、日立キャピタル債権回収会社から請求が発生した場合には、その請求に対して返済できる状態かどうかが重要なポイントとなってきます。
日立キャピタル債権回収会社からの返済請求は、初めから一括請求が求められるわけではありません。
よって、請求に対して返済できるようであれば、何の問題もないでしょう。
しかし、今回説明してきたような、返済できず滞納を継続しなければならないなら、早急に専門家へ相談をすることをおすすめします。
返済問題は専門家に
ここまで説明してきたように、日立キャピタル債権回収会社からの請求を無視し、対安濃を継続すれば、最終的には法的措置がとられます。
一般的に奨学金は滞納が9ヶ月以上になると、日立キャピタル債権回収会社から一括返還の督促状が届き、それに応じない場合には裁判所への支払督促の申してたてが行われます。
今回の記事を読んでもらったかたならば、異議申し立ての重要性を理解してもらえたでしょうが、そうでないかたは支払督促がどういうものかがわからず、強制執行されてしまう可能性も考えられます。
支払督促が認められてしまえば、後からどんなことをしても強制執行は逃れられません。
法律に詳しくない一般のかたには、このような危険性も出てくるのです。
また、支払督促を回避できたとしても、その後の民事訴訟は避けることができません。
裁判ともなれば専門的な知識や駆け引きが必要になるので、専門家の助けが必要になってきます。
となれば、最悪の事態を回避し、裁判後の支払いを有利なものにするためにも、日立キャピタル債権回収会社からの請求に答えられない場合には、早急に専門家に相談することをおすすめします。
奨学金返済の民事訴訟は簡易裁判所で行われるため、高額となる弁護士でなくても、簡易裁判所の訴訟代理権を持つ司法書士への依頼も可能です。
また早めに専門家に相談することで法的措置がとられる前に、日立キャピタル債権回収会社との話し合いで利息のカットなどによる支払い減額ができる可能性も出てきます。
今の状態では返済できないというかたは、まずは専門家に相談し、どうすればいいのか適切なアドバイスをもらうようにしましょう。
消滅時効の可能性も!
奨学金にも消滅時効が存在します。
奨学金は非営利目的に行われているため、時効は銀行や貸金業者からの借入等に適用される5年よりも長い10年となりますが、その可能性がないわけではありません。
事実、日立キャピタル債権回収会社からの請求には、時効が成立した案件が少なからず含まれています。
しかし、これも専門家の知識があってこそわかる話です。
これまでに日本学生支援機構から支払督促や民事訴訟といった法的請求があった場合には、時効の中断が成立し、時効は成立しませんが、10年間にそのような請求がない場合には、十分時効が成立している可能性があるでしょう。
奨学金の返済が10年以上滞っているかたは、時効の成立を確認するためにも、専門家へ相談するようにしてください。
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