消費者金融を利用するとクレヒスにキズがつく?
消費者金融からお金を借りるとクレヒス(クレジットヒストリー)にキズがつき、銀行からの大型融資、例えば住宅ローンや自動車ローンの審査に通らなくなる、という話をよく聞きますね。
一見すると本当のような噂にも聞こえますが、もし消費者金融を利用したことによって住宅ローンが組めなくなるということがあったのでは大変です。消費者金融とクレヒスの関係をご説明します。
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
目次
クレヒスってなに?
クレヒスとはクレジットヒストリーの省略形で、簡単に言えば個人信用情報履歴のことです。
個人信用情報は信用情報機関に登録されており、金融機関からお金を借りることや、クレジットカードでショッピングすること、自動車ローンを契約することなど、お金が絡む契約を行うと金融機関が加盟している信用情報機関に登録します。
いつ契約したのか、何を契約したのか、お金を借りた場合はいくら借りたのか、返済状況はどうだったのかなどの利用状況が信用情報機関に登録され、他の金融機関から個人信用情報の照会を受けたときに金融機関に対して情報提供を行っています。
クレヒスが審査の対象となる
担保の提供によってお金の貸付が行われた場合、金融機関はお金をいくら貸すのかを担保の評価額によって判断することができますね。
しかしカードローンやクレジットカードなど、無担保無保証の契約の場合は申込者と金融機関との間に信頼関係がなければ契約することは難しいです。
お金を貸してもきちんと最後まで返済してくれるのか、確認するために金融機関は信用情報機関から信用情報履歴を取得します。
取得した信用情報履歴、つまりクレヒスに何か問題があった場合は契約を断ることができるわけです。
例えばお金を借りても返済期日までに返済しないとか、借金を完済する前に債務整理を行った人にお金を貸すわけにはいきません。
金融機関としても優良なクレヒスを持った人にお金を貸したいと考えるのです。なぜなら担保融資以外は信用取引だからです。
信用取引とは無担保無保証でお金を借りることや、クレジットカードなどを利用して現金を支払うことなく商品を購入することなどのことを言います。
金融機関はクレヒスを見れば、申込者のお金の付き合い方がどうだったのか、真面目に支払っていたのかなど調べることができますね。
これは返済能力があるかどうか、お金を借りすぎていないか、お金を借りてもきちんと借入残高が減っているのかを参考することによって契約するかどうかの審査に利用します。
クレヒスを管理している信用情報機関
既にご説明のようにクレヒスを管理しているのは信用情報機関です。
信用情報機関は次のように3箇所あり、金融機関は必ずどこかの信用情報機関に加盟しなければなりません。
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
・日本信用情報機構(JICC)
・シー・アイー・シー(CIC)
KSCに加盟できるのは銀行や信用金庫、信用組合やJA、ろうきんなど銀行業務を行うことができる金融機関です。
JICCやCICは消費者金融やクレジットカード会社が加盟することが多く、大手業者になるほどJICCとCICの2つの信用情報機関に加盟しています。
一般的な考えとしては消費者金融はJICC、クレジットカード会社はCICに加盟していると考えれば良いでしょう。
信用情報機関は金融機関に借入の申し込みがあった場合、必ず個人信用情報を取得して審査を行います。
どこの誰ともわからない人とお金の契約をするわけですから、信用情報がどのようになっているのか調査しなければ怖くて契約をすることはできませんね。
信用情報機関はデータの共有をしている
3つある信用情報機関は、それぞれ単独で情報を金融機関から提供を受けていますが、金融事故を中心としてデータの共有を行っています。
例えば銀行カードローンで長期返済滞納や債務整理を行った情報は、JICCとCICに即座にデータ共有が行われます。
データ共有が行われるのはどこの信用情報機関でも同じことで、一箇所の信用情報機関に悪い個人信用情報が登録されれば、全ての信用情報機関でデータの共有ができるのです。
とくにCICとJICCは密接にデータの相互交流を行っており、金融事故情報だけではなく他社借入件数や金額、毎月の返済状況についても共有されています。
CICに登録されるクレヒスの種類
CICに登録されるクレヒスの種類はクレジットカードのショッピング、及びキャッシング情報が登録され、ショッピング利用代金がどのくらいあるのか、キャッシングでいくら借りているのか、毎月の返済状況はどうなのかなど細かいところまで登録されます。
クレヒスはクレジットカードの利用履歴だけではありません。
ノンバンクによる自動車ローンやショッピングローン、リース契約情報などお金に関する情報で、直接現金を借りるカードローン情報以外はすべて登録されていると考えても差し支えありません。
ただし銀行による貸付や住宅ローン情報まではCICに登録されることはありません。
意外なところでは契約端末機器代を含んだ携帯電話料金の支払い状況もCICに登録されることです。
契約端末機器代の分割払いは携帯電話会社が行うのではなく、割賦販売業者やクレジットカード会社が行っているため、契約情報をCICに登録しなければならないのです。
ですから携帯電話料金の支払い遅れもしっかりCICに登録されてしまいますよ。
大手消費者金融はクレヒスも審査対象とする
既にご説明の通り大手消費者金融はJICC以外にCICにも加盟しています。
大手消費者金融の借入審査でクレヒスを見られてしまうのか不安に思っている人もいるかもしれませんね。
・携帯電話料金の支払いを滞納したことがある
・クレジットのショッピング利用代金の支払いに遅れたことがある
・個人契約した車のリース料金の支払いを滞納したことがある
クレヒスに不安がある人がアコムやプロミスなど大手消費者金融に借入を申し込むと、内心審査に通るかどうかハラハラドキドキですよね。
しかしカードローンの審査でCICの個人信用情報を取得するのはまれな場合です。
例えばWEBフォームに記入した内容とJICCに登録されている内容に相違がある、どこか怪しい、念のためにCICの情報も見ておくか、という場合ですね。
JICCに登録されている個人信用情報に全く問題がないなら、わざわざCICの情報を取得する必要はありませんので、よほど審査に不安がない限り心配は要りません。
CICの金融事故情報はJICCでもバレる
ただし気をつけなければならないのはCICでの金融事故情報です。
クレジットカードや各種ローン、携帯電話料金やリース料金などの支払いが長期間にわたって滞納した場合は金融事故として登録され、その情報はFINEと呼ばれる相互情報交流データシステムによってJICCにもデータ共有されてしまいます。
たとえ長期滞納とならなくても短い期間の返済滞納を繰り返した場合も悪質な利用者と認定されてしまい、金融事故情報に登録される可能性があります。
具体的に言えば1年に3回以上返済滞納した場合に金融事故情報として載るようです。
返済滞納による金融事故情報は滞納を解消しても5年間CICに登録され続けますので、カードローン審査においても審査に落ちる原因になります。
クレヒスが登録される期間
たとえ支払いに遅れることなくしっかり返済していたとしても、クレヒスの利用履歴は5年先まで遡って調べることが可能です。
つまりクレヒスの登録期間は5年間ということですね。
5年の間に返済遅れ何回あるのか、しっかり調べられてしまうとカードローンの審査だけではなく、住宅ローンや自動車ローンの審査にも影響が出てきますので、クレジットカードの返済だからといって甘く見てはいけません。
クレヒスにキズがつくとは?
クレヒスにキズがつくとは金融事故を起こした場合のことを言います。
金融事故とは3カ月以上の長期滞納や、任意整理、自己破産といった債務整理を行ったことをいい、消費者金融からお金を借りたというだけではクレヒスにキズがつくことはありません。
ちなみに3カ月以上の長期滞納は滞納が解消されてもすぐに消えることはなく、最低でも5年間は金融事故情報として信用情報機関に載っています。
任意整理は任意整理によって借金が軽減され、返済が完全に終わってから5年間信用情報機関残り続けます。
自己破産になると政府が発行する新聞である官報に掲載される重大な金融事故情報として取り扱われ、信用情報機関には10年間登録が残ります。
もちろん金融事故にはカードの強制解約や、銀行カードローンなどの支払いを保証会社が行った場合でも登録されますが、やはり5年間は金融事故として信用情報機関残ってしまいます。
一般に金融事故を起こした人のことを「ブラック」というように、一度ブラックになってしまうと信用情報機関からブラック情報が消えない限り、お金が絡む契約を金融機関と結ぶことはできません。
・カードローンの借入
・クレジットカードの契約並びに更新
・銀行による貸付
・携帯電話の端末機器代を分割払いにすること
・各種ショッピングローンの契約
少なくとも以上の契約はできなくなると考えた方が良いですね。
金融事故を起こした人は金融機関から信用を失ったと同然です。
ただし住宅ローンや自動車ローンについては頭金をどの程度入れることができるのか、連帯保証人を何人立てることができるのかによって、条件によっては契約できる可能性も残されていますが、必ずしも審査に通るとは言えません。
消費者金融はクレヒスにキズつかない
クレヒスにキズがつく条件は金融事故を起こした場合です。
消費者金融からお金を借りても借金を完済すれば通常は5年で情報は消えますが、カードローン契約した場合は契約を解除しない限りいつまでも信用情報履歴に残ってしまいます。
借金が0円でも、契約が残っていると金融機関によっては審査に影響が出ないとは言い切れない部分もあります。
とくに住宅ローンや自動車ローンなど大型融資を銀行から借入する場合は、出来れば消費者金融の借入はないことに越したことはありません。
とっくの昔に消費者金融の支払いが終わっているなら、解約手続きを行いましょう。解約をすれば5年後には信用情報機関にクレヒスは残っていません。
たとえ消費者金融の借入がクレヒスに残っていたとしても、契約解除していれば審査に影響しないとしている銀行も少なくありません。
クレジットカードを契約する場合でも関係してくるのはキャッシング枠だけです。
他社借入がある場合は枠が減少しますが、契約解除しているのであれば審査には全く問題ありません。
将来において住宅ローンや自動車ローンの利用を考えているのであれば、消費者金融はできるだけ完済しておくと安心です。
カードローンの審査に通るためには
CICの信用情報に不安がある人がカードローンの審査に通るためには、CICに加盟していない消費者金融に申し込むことです。
そうなると大手消費者金融では無理ですから、借入先として候補になるのは中小消費者金融となりますね。
銀行カードローンはどうかというと、実際に審査を行うのは保証会社です。
保証会社は大手消費者金融やクレジットカード会社になっている場合に、借入申込者の保証人となっても大丈夫かどうか入念に調べます。
当然ながらCICの情報まで見られてしまいますので、クレジットカードや各種ローンの返済に滞納がある場合は審査に落ちる可能性がありますね。
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