消費者金融の利用率,利用者層ってどういう人?
消費者金融の金利は銀行カードローンに比べて高いですよね。金利が高いことを知りながら消費者金融を利用する利用者層とはどのような属性なのでしょうか。身近に存在している消費者金融の利用実態について調査してみました。
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
消費者金融で借りている人の数
消費者金融でお金を借りている人はどのくらいいるの、というのがまず気になりますよね。消費者金融を利用している人を隠している人も結構いるはずです。
というわけでまずは消費者金融でお金を借りている人の数からご紹介します。
平成30年3月1日現在の日本の総人口は1億2,652万人ですが、消費者金融でお金を借りれるのは年齢が20歳以上であることを考えて、19歳までの人口を差し引いてみましょう。
0歳から19歳までの人口は2,149万人で、そうすると消費者金融で借りれる人口は1億503万人です。
消費者金融で新規に申し込みができる年齢は69歳までですが、69歳を過ぎても借入残高が残っている人もいるため、推定で75歳以上の人口1,770万人を差し引くと実際に消費者金融を利用できる人口は8,733万人です。
そこで消費者金融から借りている人の数は日本信用情報機構の統計データによると、合計1,070万人です。
また1人当たりの1.5件ですので消費者金融の利用者数1,070万人を1.5で割ると実際は713万人です。
消費者金融を利用できる人口は8,733万人、契約者数が713万人であることを考えるとおよそ12人に1人の割合でお金を借りていることになりますね。
一部の噂や評判では6人に1人消費者金融から借りているとか、7人に1人は消費者金融からお金を借りているとなっていますが、実際的には12人に1人しか消費者金融を利用していないことがはっきりします。
世間で言われているほど消費者金融を利用している人は少ないようです。日本人の堅実的な考え方がよくわかる数字ですね。
日本信用情報機構 各種統計データ
総務省 人口推計
消費者金融を利用している男女比
では消費者金融の契約者数が713万人のうち、男女の構成比は男性の利用者は63.7%で女性の利用者は36.3%です。
この数字を見ると男性の利用者が女性よりも約2倍近く多く借りていることになりますが、女性の利用者が少ないのは女性の社会進出が遅れているのも原因のひとつでしょう。
消費者金を利用している男女比を見ると、割合女性の利用者も多いという印象です。
大手消費者金融はとくに女性向けサービスのためにレディースローンを拡充していますので、今後はさらに女性の利用者数が増えるのではないかと推測できますね。
日本貸金業協会 資金需要者等の借入に対する意識や行動に関する調査結果報告
消費者金融を利用している人の年収はどのくらいなのか
消費者金融からお金を借りる人のイメージは、毎月の生活が苦しい、給料だけでは食べていけない印象が強いですね。
だからこそ消費者金融からお金を借りて毎月の生活費の赤字を補填し、ボーナスで消費者金融に返済するイメージです。
では消費者金融を借りている人の個人年収について構成比をご紹介していきます。
・100万円未満:12.5%
・100万円以上200万円未満:14.1%
・200万円以上300万円未満:17.1%
・300万円以上500万円未満:28.0%
・500万円以上700万円未満:16.3%
・700万円以上:12.0%
消費者金融パート収入やアルバイト収入でも申し込み可能であることを考えても、年収200万円未満の構成比は26.6%とほぼ予想通りです。
また派遣社員や契約社員など正社員に比べて年収が低い層の年収300万円未満の構成比は17.1%で、比較的収入が低い年収300万円未満の消費者金融からお金を借りている人の割合は全体の43.7%と過半数に迫る勢いです。
しかしサラリーマンの平均年収と言われる400万円を挟んだ、年収300万円から500万円の人の借入割合は28.0%です。
ここまでの合計で、年収500万円未満の消費者金融を利用している人の割合は全体の71.7%とかなり高い数字です。
消費者金融は銀行カードローンに比べて審査に通りやすい、と言われているのを裏付けているかのようですね。
消費者金融で借りている年代層は?
人生の中で最もお金がかかるのは40代から50代にかけてと言われています。
子供の進学や住宅のリフォーム、会社内における同僚との付き合いや接待などにお金を使わなければならないシーンがたくさんあります。
一方で住宅ローンを契約し始める30代は、消費者金融の借り入れがあると審査に通りにくいと言われていることから、予想通り消費者金融を利用している数は少ないようです。
・20代:12.2%
・30代:20.6%
・40代:26.8%
・50代:20.5%
・60代以上:19.9%
最近の若者の車離れによって、会社の給料だけでは生活していけないということはなさそうですね。20代で消費者金融から借りている人の割合は12.2%しかありません。
若者は派手にお金を使いやすいイメージがあっても、消費者金融からお金を借りてまでお金を使おうとまでは考えていないのでしょう。
一方で60代以上の利用者数も19.9%あるのは、60歳になってから消費者金融に借り入れを申し込んだのではなくて、40代から50代にかけて消費者金融からお金を借りて現在でも利用残高が残っている推測できますね。
住宅ローンの契約を考える年代である30代から40代にかけての利用者数は合計で47.4%と比較的高いのは、子供の教育費にお金がかかることや住宅ローンを契約した後に、どうしても生活費が足りなくなって穴埋めとしてお金を借りたのだろうと考えることもできるでしょう。
消費者金融からお金を借りて何に使っているの?
景気が良いと言われる割合には給料がなかなか上がらない状態が続いている経済状況です。
給料は上がらなくても、それまで必要がなかったスマホ代やインターネットの費用、スマホのサービス課金などが増えていることから、実質的に使える収入は1980年代とそれほど変わらないと言われています。
それでは消費者金融からお金を借りる目的は何なのか、お金を借りて何に使っているのかご紹介します。
・食費:32.0%
・趣味や娯楽:27.8%
・医療費:21.3%
・通信費:16.5%
・水道光熱費:14.9%
・税金の支払い:14.5%
・授業料や保育料:13.8%
以上の数字を見てもやはり食費のために消費者金融からお金を借りる人の割合が多いことがわかりますね。
結局趣味や娯楽、スマホ代にお金がかかってしまい、そのしわ寄せが食費にかかるお金を圧迫したと考えるべきですね。
もちろん消費者金融からお金を借りて何に使ったのかは、他にもたくさんありますが意外に少なかったのはパチンコや競馬などのギャンブルです。
ギャンブルに必要なお金として消費者金融からお金を借りた人の割合は2.9%しかありません。
もちろん消費者金融に申し込む際の資金使途に「パチンコや競馬のためにお金が必要」とは書けません。
本当はギャンブルにお金を使ってしまって、その結果として生活費が足りなくなったというのが現実的な理由でしょう。
消費者金融の借入行動は最も低い
消費者金融の利用者層を考える上で重要なのは、初めから金利の高い消費者金融を選んだわけではないことです。
借入先を選定する上で最も重要視するポイントは金利が低いことが65.1%の割合で存在しているということは、かなり利息負担のことを重荷に感じている証拠ですね。
しかも借入先の候補として最も高かったのが銀行、その次がクレジットカード、そして大手消費者金融の順番です。
むやみやたらに消費者金融から借りれば良いと考えているわけではなく、なるべく金利が安く借りれる金融機関を選んでいることがよくわかります。
消費者金融はお金を借りる候補として最終的に考えていることからも、ここでも日本人の真面目さが垣間見えます。だからこそ消費者金融の商売が日本で成り立っているとも言えるのではないでしょうか。
消費者金融の利用は叩かれる雰囲気?
冒頭で、消費者金融の利用に関して周囲の人と話し合うことはほぼないということについて触れましたが、それは消費者金融の利用に関して公にはしづらいような空気が1つの原因として挙げられると思います。
これだけ消費者金融に関する広告が世の中にあふれているような状態でも、消費者金融を利用するということはあまり良くないことであるという空気がいまだに蔓延しているように思われるからです。
確かに消費者金融がまだ「消費者金融」という呼び名を持たず、「サラ金」や「街金」と言われていたころは、非常に高利での融資や厳しい取り立てが横行していたために、現在になっても消費者金融に対してあまりよくないイメージを持っている人が多いのも事実でしょう。
しかし、契約を行っただけの人も含めれば日本国民の約7~8人に1人が消費者金融を利用しているという現状において、消費者金融が昔のように危険な存在のままであるという認識を固辞し続けるのは正直頭が固いと言わざるを得ません。
消費者金融を利用するということがもう少し世間的に許容されて、消費者金融に関わる議論が活発に行われるような雰囲気に変わっていくことを望みたいですね。
賢く利用できるかどうかは自分次第
ただし、消費者金融が以前のように高利での融資を行わなくなったとは言え、各個人の利用法次第では未だに身を持ち崩してしまう危険性を孕んでいるのは事実です。
道具は使い方次第で正反対の結果を生み出すこともあるように、「消費者金融のおかげで生活を立て直すことができた」となるか、「消費者金融を利用したせいで生活が破綻していった」となるかは、それぞれに委ねられているのです。
消費者金融のCMでも頻繁に「ご利用は計画的に」と言われているように、計画的に利用して賢い消費者になれるように努力しましょう。
消費者金融を使う人の特徴
消費者金融からお金を借りる人の特徴は顕著で、お金をきちんと管理できない人です。
もちろん前項で説明したように収入が低くて生活さえままならない人がお金を借りることもありますが、基本的に消費者金融は返済能力のない人にお金を貸すことはありません。
消費者金融は必ず借入申し込みを受けると信用情報機関から個人信用情報を入手しますので、借入申込者にどの程度返済能力があるのか調べることが可能です。
年収の割合には借金額が多い、またはすでに年収の1/3近く借りている人に対して消費者金融はお金を貸すことがありません。
つまり消費者金融からお金を借りることができるということは、それだけ返済能力があると見ることもできます。
返済能力があるのになぜ消費者金融からお金を借りてしまうのか、それは給料が入っても生活費や水道光熱費など生活に関わる諸費用にどのくらいお金がかかるのか計算できていないからです。
どんぶり勘定とはよく言ったもので、給料は全てどんぶりに入れてしまい支払の都度そこからお金を持って行くわけです。
どんぶりに残っているお金がいくらあるのか計算することもなく、何の計算もなくただお金を使ってしまいます。
これではさすがにお金が足りなくなってしまいますね。
性格的に楽天家である
消費者金融を使う人は性格的に楽天家であって、細かいことにいちいち気を配ることはありません。
消費者金融からお金を借りても、借りた以上は自分のお金と考えてしまい、給料が入っても同じ財布の中に入れてしまいます。
財布の中に入ってしまったら消費者金融から借りたお金なのか、自分のお金なのか見分けることはできません。
それでも性格的に楽天的ですから、毎月きちんと支払っていればそのうち消費者金融の借金はなくなるんじゃないの?みたいな感覚で毎日を過ごすだけです。
消費者金融の返済はリボ払いであるため、返済途中で追加借入を行っても返済額はそれほど変動がありません。
利用限度額が50万円なら50万円全部使ってしまうまで、欲しいものは何でも手に入れてしまいます。
50万円の借金でも、毎月の返済額は1万2,000円のため給料から返済額を支払うことは何でもないと考えてしまうのです。
しかし50万円の借金を全額返済するには5年間かかることも一向に気にしません。
利用限度額が増額になると全部使う
きちんとお金の管理のできない人は消費者金融からお金を借りても、いつになったら借金完済できるのか気にしません。
まして利用限度額が増額になったら、それほど欲しいわけでもないのに増額された分を全て使い果たしてしまいます。
さすがに利用限度額が増額になって枠を使い切ってしまったら、毎月の返済額は増額された分だけ増えてしまいますね。
生活に余裕がなくなった、ちょっとまずいな、と気がついてももう遅いです。
借金返済のために新たな消費者金融に申し込むのも目前です。
借入件数が2件になったら、相当努力しないと借金完済することはできません。
多重債務となる前に借金をまとめる
借入件数が3件以上になると消費者金融では審査が厳しくなりお金を借りれないことが多くなってしまいます。
どこもお金を貸してくれないと返済の目処すら立ちません。
いくら生活費を切り詰めても限界があります。
そこで借入件数が3件くらいになったら、おまとめローンを検討してみましょう。
おまとめローンは返済専用のローンです。
他社借入件数が多くても一箇所にまとめることができれば金利が安くなることや、返済回数が月に1回になること、返済額を低く抑えることも十分に期待できます。
多重債務になってしまうとおまとめローンの審査に通らなくなってしまいますので、借金返済で首が回らなくなる前に早め早めの対策を取る必要がありますね。
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