CICの開示請求とアメックスのクレヒス
クレジットカードのブランドであるアメリカンエキスプレスカードをようやく手に入れた、というわけで数カ月後にCICに情報開示請求してみたら、信用情報の入金状況に「$」がなくてびっくりしたことがある人もいるのではないでしょうか?
実はアメックスのカードを利用して決済しても「$」マークがつくことはなく、「空欄」になるのです。これでは良好なクレヒスが育たないじゃないか、と思うのも当然ですよね。しかしクレヒスは何も「$」マークだけで育つわけではありません。
CICはアメックスのクレヒス修行に向いていない?
クレジットカードのブラックカードやプラチナカードの審査に通過しやすいようにと、クレジットカードのクレヒス修行に励んでいる方も多いと思います。
CICの入金状況欄に「$」マークがずらーっと24分月分ついていると、気持ちもすっきりココロも晴れ晴れしますよね。
自分のクレヒスは順調に育っているな、よしよし、というわけです。
しかしアメリカンエキスプレスカードで決済しても入金状況欄に「$」マークがつくことはありません。びっくりですよね。
入金状況欄はただ「空欄」になっているだけで、ちゃんとアメックスの人はCICに入金状況を報告しているの?と思いたくなります。
クレヒスを育てて上位カードを持ちたい、ステータスのあるカードを持ちたいとせっかく修行しているのに、CICの入金状況ランナー「空欄」になっていたのでは意味がないじゃないか、とがっかりするのも無理はありません。
インターネットの情報サイトでは良好なクレヒスを育てるには「$」が欠かせない、と情報提供しているのに、なんだよアメックスは使えないじゃないかと怒りたくもなりますが、何も「$」マークだけがクレヒスだけではありません。
クレヒスを育てることで信用力や返済能力をアピールできるというのは、今までずっと現金主義で生活している、いわゆる「スーパーホワイト」の人だけに限ったことなのです。
現金主義の人はCICに情報がないため、クレジットカードやローンに申し込んでも通りにくい不便さがありますね。
信用情報が登録されていないと、過去に金融事故を起こしてそれでデータが消えてしまったのではないか、CICの情報保有期間が過ぎてリセットされてしまったのではないかと思われてしまうからです。
そこでせめて携帯端末機器代を分割購入して毎月きちんと支払うことによって、利用状況に「$」マークをつけた方が審査に有利になるというだけの話です。
アメックスはクレヒスがつかないの?
アメックスはCICのクレヒスがつかないのか、と残念がる必要は全くありません。入金状況欄が空欄になっていても「A」マークがないことが重要なのです。
「$」は正常入金、「A」マークは支払期日に支払われなかった、いわゆる延滞情報であるからですね。
CICの公式サイトでもマークの意味について説明していますが、入金状況欄が空欄になっているのは、クレジット会社から情報の更新がなかったという意味で決して悪い情報ではないのです。
つまり入金状況欄の記号はクレジットカード会社によって入力する、入力しないを選択できるという意味です。
良好なクレジットヒストリーは「$」マークがついていることではなく、「A」マークがついていないことが大切です。
「A」マークは完全にネガティブな情報であり、支払期日にキチンと入金していないことを示すものですから、アメックスでも正常入金でない場合はしっかり「A」マークをつけてきます。
「$」マークをいけないのはアメックス以外にもダイナースクラブカード、JCBプロパーカード、トヨタファイナンス系のクレジットカードも入金状況欄に「$」マークはつけません。
クレジット契約をローン契約申し込んだ際に、金融機関がCICの信用情報を参照しても、どのクレジットカード会社が空欄なのか知っているため、クレヒスはしっかり育っていると考えても良いのです。
もちろん任意整理した場合は交渉の過程で返済滞納となることから、「A」マークが2カ月か3カ月連続して入力されるため金融事故情報(異動情報)か記録されます。
それに任意整理後は請求金額の一部しか入金されないことから、「P」マークが連続されて入金状況欄に記録されるでしょう。
ですから入金状況欄が空欄になっているということは、返済滞納や任意整理していない良好なクレジットヒストリーなのです。
申込情報と利用記録は6カ月残るためカード会社名がわかる
CICに開示請求するとわかりますが、開示請求報告書は三部構成になっています。
①申込情報
②クレジット情報
③利用記録
以上にあるクレジット情報にはどこのクレジットカード会社、及びローン会社と契約しているのかまで登録されていないため、他社の金融機関は知ることができません。
わかるのは契約内容として金融商品名、及び支払い状況、キャッシングしていればその金額と返済状況、そして皆さんが一番気になるクレジットヒストリーとなる入金状況だけです。
クレジットカード会社が審査する上で、きちんと支払っているのかな、このような契約をしているのかな、年間支払い見込額に余裕があるのかな、ということはわかってもどこのカード会社と契約しているのかまではわからないのです。
そもそも審査にはどこのカード会社と契約しているという情報までは必要ありませんね。大切なのは契約通りに支払っているかどうかという点です。
しかし開示請求報告書の申込情報と利用記録にはどこの金融機関に申し込んだのかの情報と、契約後の途上与信はどこの金融機関が実施したのかが登録されているため、他の金融機関も見ればわかります。
それぞれの情報はCICで6カ月間登録しているため、登録期間中にクレジット審査やローン審査を受けた場合に、「この人はアメックスカードを持っているよ」ということが判明します。
途上与信は概ね1カ月から3カ月のスパンで実施されることから、アメックスカードだから入金状況欄が空欄なんだねと納得できるわけです。
CICの開示手数料はアメックスで支払いできない
CICとアメックスカードは相性が悪いのかなと思えるフシにあるのが、開示請求手数料の支払いがアメックスでできないことです。
最近の傾向としてCICの開示請求はインターネット開示が多く、インターネット開示には手数料を決済するためのクレジットカードが必要です。
しかしCICの開示手数料を決済できるクレジットカードは種類が決まっており、そのなかにアメックスカードがありません。
開示請求手数料の決済で利用できるクレジットカードは、代表的な日本のカードはすべて網羅しているのにアメックスカードがないのは、もしかしたらCICへの報告に「$」マークや「A」マークをつけないことと何かしら関係があるのかもしれませんね。
参考までに利用可能なクレジットカードの種類をご紹介しておきます。
・イオンカード
・ダイナースクラブカード
・トヨタファイナンス系カード
・UCカード
・エポスカード
・JCBカード
・三井住友カード
・ライフカード
・オリコカード
・ジャックスカード
・クレディセゾン系カード
・セディナカード
系列カードを含めればほぼ代表的なクレジットカードは利用できることがわかりますね。どうしてアメックスカードで決済できないのかな、と不思議でなりません。
信用情報について確認しよう!
日本には3つの個人信用情報機関
信用情報を保管、管理する個人信用情報機関は日本に3つあります。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
上記の3つの個人信用情報機関に加盟する、金融機関はそれぞれ異なります。
株式会社シー・アイ・シーは主にクレジットカードなどの信販会社や、消費者金融などと一部の銀行です。
日本信用情報機構は消費者金融と、信販会社そして一部の銀行が加盟しています。
そして、全国銀行個人信用情報センターは、銀行と信用金庫及び信用組合の加盟する情報機関です。
それぞれの信用情報機関は加盟している会社の情報を保管するため、全ての信用情報を保管している訳ではありません。
しかし金融事故情報などは共有しているため、審査を受けるときに金融事故情報は見られてしまいます。
加盟する会社から照会を求められたときと、登録されている本人にのみ情報開示を行っています。
登録される内容
個人信用情報機関に何が登録されているのか、把握することで審査にどう対処すればいいのか分かります。
個人信用情報は大きく分けて申込情報と契約情報、金融事故情報が登録されています。
以下にまとめましたので参考にしてください。
申込情報 | 申込日、申込商品名、申込希望金額 | 申込日から6か月 |
---|---|---|
契約情報 | 取引実績(返済状況と借入残高)、契約した商品名、契約日、種類、貸付金額 | 契約解除から5年 |
金融事故情報 | 異 動 | 任意整理・特定調停は5年 個人再生は5~10年 自己破産は10年 多重申込は6か |
なお、登録内容は個人信用情報機関によって、異なりますので気を付けてください。
信用機関の保管期間
個人信用情報機関に登録された信用情報は、ずっと登録されている訳ではなく、一定の期間で登録されています。
また登録されている期間は、信用情報機関や信用情報の内容により違います。
さらにローンを完済して支払が終了となっていても、契約を解除しない限りは情報が登録されたままとなるので気を付けてください。
ローンの完済をして利用することがないときは、早めに契約を解除することをおすすめします。
アメックスカードと信用情報の関係は?
アメリカンエキスプレスが加盟している個人信用情報機関
アメリカンエキスプレスが加盟している個人信用情報機関は、3つの個人信用情報センターです。
アメックスカードに申し込むときに、信用情報が不安なる人は全ての個人信用情報機関に情報開示をして確認することもひとつの方法です。
また外資系のクレジットカードのため、申込み条件や審査基準が一般的なクレジットカードと異なることも忘れないでください。
信用情報から何が分かる?
信用情報から何が分かるかと言うと、申込者の信用度や他社での借り入れ状況です。
これまでのクレジットカードの取引実績(クレジットヒストリー:クレヒス)見て、しっかり返済をすることができる人かどうか確認されます。
1年に1回ほどであれば、うっかり忘れたで済み審査に余り影響しません。
しかし2~3回ともなると、支払えないほどお金に困っていると判断されます。
日でも支払期日に遅れると、遅延情報として扱われるので注意しましょう。
審査に落ちたときの対処法
信用度をあげる
審査に落ちてしまったときは、何が原因かしっかり確認しておきましょう。
審査に落ちる原因のひとつとして信用度が足りなかったときは、現在抱えている借入れの返済をしっかり期日通りに行いましょう。
所持するカードを見直す
所持しているカードを見直すことも忘れないでください。
使用していないカードで今後も使わないものは早めに解約しましょう。
また使用しているカードでも、キャッシング枠が付いているものは低い金額やゼロ円に設定するといいでしょう。
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