役員借入金を付け替えして様々な問題に準備をしておこう!役員貸付金との違い

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会社にとって、役員借入金は返済する必要がありません。

ただし、多額の役員役員借入金を残しておくことと経営上は好ましくありません。

それは、役員借入金が増えることで銀行融資や税金面に影響するからです。

そこで、その理由と対策方法についてまとめましたので、経営者は順番に確認してポイントを押さえてください。

執筆者の情報
名前:馬野 伸斗(50歳)
職歴:信用組合に20年以上勤務

役員借入金とは

役員借入金とは

役員借金は、社長借入金ともいわれているとおり、会社が社長やその親族から借入したお金です。

役員借入の特徴は銀行借入と異なりますので、しっかりとポイントを押さえるために順番に確認していきましょう。

役員借入金の注意点は?

役員借入金は社長が会社の支払いを立て替えることで発生します。

したがって、立替えが積み重なり役員借入金が多額となっている会社も多いようです。

役員借入金が多額となると会社にどのような影響があるのかについてこれから説明をしていきます。

返済が自由にできる

役員借入金は原則返済する必要がありません。

言い換えれば役員借入金はあるとき払いの催促なしです。

それは、中小企業の場合は会社の財布と社長の財布に明確な区別がなく、役員借入金は必ずしも返済する必要がないからです。

このように返済が自由にできることは、会社の資金繰りにとってはメリットとなります。

ただし、役員借入金が増えすぎるとこれから話しするデメリットが生じますので注意しましょう。

取締役会の承認が必要?

役員借入金は、利息を付けて返済する場合や、会社の資産を担保提供する場合は取締役会の承認が必要となります。

そのような場合は利益相反といって、会社に損害を与える可能性があるからです。

取締役会の承認なしに社長が利息を受け取ったり、担保を受け入れたりすると無効になりますので注意しましょう。

銀行など金融機関の印象が悪い

役員借入金が増えると、銀行などの金融機関の印象が悪くなる可能性があります。

それは、役員借入金が増えすぎると、負債の額が資産の額を超えて債務超過になるからです。

債務超過の会社は、銀行融資受けられなくなる可能性がありますので注意しましょう。

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相続税の対象になる可能性がある

役員借入金が増えると、社長が相続税を支払う可能性があります。

それは、役員借入金は社長にとっては、貸付金という相続財産となるからです。

このように役員借入金が増えすぎるとデメリットも生じてきます。

役員借入金の解消方法

役員借入金の解消方法

先ほど話ししたとおり、役員借入金が増えすぎると様々なデメリットが生じます。

そこで、役員借入金を減らす方法をまとめましたので紹介します。

債権放棄し赤字を補塡しよう

役員借入金は、社長が債権放棄することでゼロにすることができます。

具体的には、債権者である社長が会社への貸付に対してもう返さなくていいよと放棄するのです。

また、この方法により、会社には債務免除益という利益が発生します。

したがって、赤字の会社は社長が債権放棄することで、赤字を補塡できますので覚えておきましょう。

資金繰りで役員借入金を返済する

役員借入金を確実に返済する方法は、会社の利益から生じる資金繰りで返済することです。

ただし、役員借入金は原則返済する必要がないため、支払いの優先順位が低いと考えられます。

そこで、経営者は毎月の返済日と返済額を決めて、計画的に返済することを意識しましょう。

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役員借入金を資本金に付け替え処理

役員借入金は、資本金に振り替えることで残高をゼロにすることができます。

資本金に振り替えられる理由として中小企業が社長から借りた役員借入金は、実質的には社長が出資したものと同等と見なされるからです。

また、債務超過となっている会社はこの方法で負債が減るため、債務超過が解消されるメリットがあります。

ただし、役員借入金を資本金に振り替えると現物出資といって株主である社長に贈与税が発生する可能性がありますので注意しましょう。

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銀行からの融資の借り換え・制度融資

銀行からの融資の借り換え・制度融資

先ほど話ししたように会社にとって役員借入金が増えすぎるとデメリットが発生します。

ただし、役員借入金が増える原因のひとつとして、会社の資金調達を社長の財布に頼りすぎているという可能性があります。

そこで、他の資金調達手段とし銀行融資について検討してみましょう。

借入金を有効利用しよう

中小企業の資金調達手段は銀行借入と役員借入のふたつに大きく分かれます。

ただし、資金調達を全て役員借入でまかなうと先ほど話しした問題が発生しかねません。

そのようなことをいっても、銀行から簡単に借入することができない中小企業もいるでしょう。

そこで、これから話しする銀行の制度融資を活用することで、中小企業でも条件の良い借入ができる可能性が高くなります。

制度融資を確認しておこう

制度融資は銀行が信用保証協会や、地方自治体と連携して行う融資商品です。

制度融資のメリットを話しします。

まずは、制度融資は銀行からしても融資したい商品だということです。

それは、銀行は信用保証協会や地方自治体から、返済の保証を受けているため最低限のリスクで利息収入を得られるからです。

したがって、利用する会社にとっても制度融資の審査の敷居は比較的低くなっています。

また、制度融資の金利は2.0%前後と低めであることもメリットといえるでしょう。

制度融資を利用することで、中小企業でも資金調達のバランスをとることができますので覚えておきましょう。

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役員貸付金とは

役員貸付金とはどのような勘定科目で、どのような場合に利用されるのでしょうか?

また、そのメリットとデメリットとはどのような点にあるのでしょうか?

資産の勘定科目

役員貸付金とは企業のバランスシート(貸借対照表)上に記載される資産の勘定科目です。

文字通り、会社が役員にお金を貸し付けた際に計上されます。

誰かにお金を貸すとそれは債権となり、債権は資産です。

売掛金や受取手形と同じように、将来お金を受け取れると約束された権利です。

しかし、役員貸付金は売掛金や受取手形とは大分性格が異なるようです。

役員報酬の代わりとして支払われることが多い

会社が役員にお金を貸し付けると聞くと、役員個人がお金に困って会社のお金を借りたと連想する人がほとんどではないでしょうか?

実際にそのような理由で役員貸付金を計上している会社もあります。しかし、基本的には別の理由で役員貸付金は計上されます。

役員貸付金は役員に支払う給料である役員報酬の代わりに利用されるのです。役員報酬は費用です。また、費用は収益を圧迫します。

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役員貸付金の仕分け

例えば売上2,000万円、売上原価1,000万円、役員報酬以外の販売費および一般管理費が700万円であった会社の営業利益は300万円になります。

この販売費および一般管理費に役員報酬500万円を計上するとします。

すると

売上高2,000万円
△売上原価1,000万円
△販売費および一般管理費(役員報酬含む)1,200万円
営業利益△200万円

この会社は営業赤字となってしまいます。

営業利益とはその会社が本業でいくら儲けたかを示す指標で、会社の収益性を見る際に最も重要な部分です。ですので、会社は融資などの目的で営業赤字を出したくありません。

そのため、販売費および一般管理費を少なくするため、費用項目である役員報酬を使用せず、役員にお金を貸したという形で役員に給料を支払います。

役員の給料を役員報酬として支払った場合

借方貸方
役員報酬(費用) 500万円現金(資産の減少) 500万円

となります。役員報酬という費用の支払いのために、現金という資産が減少したという考え方になります。一方、

役員への給料を貸付金として支払った場合

借方貸方
役員貸付金(資産の増加) 500万円現金(資産の減少) 500万円

となります。役員貸付金という資産と現金という資産を交換したという考え方になります。

資産と資産の交換で損益計算書への影響はない

このように、役員報酬は損益計算書上の経費を圧縮するため、損益計算書に影響を与えない資産と資産の交換という解釈にするために役員貸付金という科目が利用されます。

また、役員報酬は従業員の給料と意味合いが似ています。役員報酬には税金や社会保険料も発生します。

さらに、役員報酬の金額は期初から3ヶ月以内に決定しなければならないと決められています。

創業間もない間などは、通期の見通しが立たず、期末になった時にどれほどの利益が出ているのか不透明です。

期初から高額の役員報酬を決定して、期末になって期待したような利益が出ていなかったら、赤字になることも考えられます。

つまり、役員報酬を期初から3ヶ月以内に決定すること自体が、業況が安定していない企業にとってはリスクが高いのです。

このため、期末までのリスクマネジメントとしても役員報酬を役員貸付金として利用するということが創業間もない会社にはよくあります。

役員貸付金のメリット

役員貸付金には、

  1. 経費を圧縮して利益を圧迫しない
  2. 期初3ヶ月以内に役員報酬を決定するリスクの回避

という2つの目的があり、創業間もない会社や銀行向けなどのために利益を出したい会社にはうまく利用することで、メリットがあります。

中小企業の決算書などにはよく出てくる役員貸付金ですが、その理由は大抵上記2つの目的のために行われています。

役員貸付金のデメリット

役員貸付金は役員報酬の代わりに支払っているということは銀行なども当然分かっています。

しかし、銀行にとって貸付金はあくまでも貸付金です。

また、役員貸付金は貸借対照表上には短期貸付金として計上されます。

短期貸付金とは1年以内に返済期限が到来する貸付金という意味です。

しかし、あくまでも給料として役員貸付金は支払われていますので、この貸付金が実際に返済にならない場合は、1年以内に返済される予定の貸付金が返済されないという解釈になります。

つまり、会社にとっては不良債権なのです。

利益の調整機能や見通しの不透明さにたいするリスク回避の意味合いが大きい役員貸付金ですが、あまり多用しすぎると会社の不良債権が増大することになり、決算書の印象は非常に悪くなってしまいます。

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役員借入金とは

役員借入金とは文字通り、会社が役員から借りたお金を示します。

銀行からの借入と同じ分類ですが、こちらも役員貸付金と同様に意味合いが大きく異なるようです。

負債の勘定科目

役員借入金とはバランスシート上は、負債の勘定科目です。

将来的には返済すると約束した債務ですので、銀行からの借入と大きな分類では同じですが、こちらも用途や目的が通常の借入金とは大きく異なるようです。

代表者が個人資産を出資する代わりに使用される

会社経営の中でお金が足りなくなると、経営者が個人資産を会社へつぎ込むということはよくあることです。

本来であればこれは増資で、資本金の増加になります。

しかし、1度個人資産を会社の資本金に組み入れてしまうと、この資本金を取り戻すためには役員報酬によって支払うしか方法がありません。

前述したように役員報酬は費用ですので、出資したお金を役員報酬で返済するということにしてしまうと、費用が増大し、利益を圧迫しますし、税金や社会保険料も発生してくることになります

そこで、コストがかからずに会社へ出資したお金を取り戻すためには「役員借入金」という勘定科目を使用して、後日、役員に返済するという形で役員報酬を返済していくことが出来ます。

つまり出資ではなく会社への貸付という解釈を行うい、役員借入金は出資金の代わりとして使用されることが多いのです。

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役員借入金のメリット

役員借入金には増資という正規の方法では取り戻すことが困難になる役員の個人資産を、借入金という負債勘定を使用することで、簡単に返済を行うことができるというメリットがあります。

こちらも多くの中小企業の決算書に見られる項目です。

また、役員借入金は当然ながら会社にお金がないため、役員の個人資産を会社へ投入するものです。

そのため、そもそも役員借入金が簡単には戻ってくることがないと考えている経営者も少なくありません。

よって、役員への給料である役員報酬の代わりとして、会社へ貸し付けた役員借入金を返済するという形で、役員への給料を支払っている会社も数多くあります。

役員報酬ではなく、あくまで役員借入金の返済ですので、役員報酬という費用によって会社の利益を圧迫されるということもないですし、役員報酬にともなう税金や社会保険料も発生しません。

役員借入金には1度会社へ役員借入金として貸したあとは、給料の代わりとして返済金という形で会社から自身の給料を取ることができるというメリットもあります。

役員借入金のデメリット

役員借入金はあくまでも借入金ですので、バランスシート上は負債として分類されます。

負債が大きければ、資本金と負債の比率を占める割合である自己資本比率は低下することになります。

総資産が1,000万円あったとして、このうち500万円が負債、500万円が資本であれば自己資本比率は50%です。

ここに役員が500万円増資した場合には、負債が500万円、自己資本が1000万円となり、自己資本比率は約67%まで上昇することになります。

一方、役員借入金によって500万円を会社が役員からの借入によって用立てた場合には、負債が1,000万円、自己資本が500万円となるため、自己資本比率は約33%となってしまいます。

このように、資本金として計上するか、役員借入金として計上するかによって、自己資本比率は大きく異なります。

役員借入金は役員にお金を返済する時には非常に便利ですが、会社の決算書を棄損することになるということも理解しておきましょう。

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役員貸付金と役員借入金は銀行審査に影響する

会社の決算書を利用して活用する方法が盛りだくさんの役員貸付金と役員借入金ですが、これらの勘定を多用すると銀行からの借入審査に悪影響を及ぼすことがあります。

どのような形で銀行審査に影響するのでしょうか?

長期間金額が変わらない場合には不良債権と見做されることがある

前述したように、役員貸付金は短期貸付金ですので1年以内で返済が見込まれる貸付金です。

とは言え、1年分の報酬として役員報酬を支払っているのですから、1年以内で役員個人が1年分の給料に相当する額を会社へ返済できるとは限りません。

このような場合には、短期借入金が1年以上にわたって決算書に計上されたままになるということです。

銀行は審査の際に、会社の貸付金や売掛金の実態がどうなっているのかを査定します。

現金化してもらえる資産がどうかを検討し、不良債権と見做されれば、損失処理されてしまいます。

役員貸付金が長期にわたって返済されないと、銀行は審査の際に不良債権として決算書を修正します。

これによって、決算書の実態が悪化してしまい、結果として審査に著しく不利になってしまうということになります。

負債が多いと会社の格付けは下落する

役員借入金はどのような理由があっても決算書上は負債です。

負債が多いと審査の際には当然ながら不利になります。

前述したように自己資本比率が低下します。

自己資本比率は会社にとっては健全性を示す大きな指標の1つですので、自己資本比率が低ければ低いほど審査には不利になります。

これによって会社の格付けが下落することにもつながります。

まとめ

これまで話ししたとおり、役員借入金が増えすぎることは好ましくありません。

したがって、経営者は制度融資などの融資を活用することで日ごろから資金調達のバランスをとるようにしましょう。

また、返済できないほど役員借入金が多額となった場合は、債権放棄や資本金への振替を検討するようにしましょう。

役員貸付金も役員借入金も上手に利用することで役員報酬の削減によって会社の利益を圧迫せず、経費を節減でき、役員個人資産への返済も簡単にできるというメリットを生み出すことができます。

しかし、銀行から融資を受ける際には、決算書の審査に悪影響を及ぼしますので、審査の際には著しく不利になってしまいます。

また、現代は借入金も貸付金も少なくして、バランスシートを縮小するというバランスシートのオフバランス化が求められている時代でもあります。

役員貸付金と役員借入金が多すぎると、当然ながらバランスシートは重くなってしまいます。

便利な勘定科目である役員貸付金と役員借入金ですが、多用しすぎると銀行からの信頼は失墜してしまうということを理解しておきましょう。

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