住宅ローン2000万円借り入れした時の金利と返済額
住宅ローンは、借入額が数千万円になり、一生の中で最も高い買い物などと言われています。
平均的な住宅ローンの借入額は2,500万円程度と言われていますが、貯金を頑張り、2,000万円程度を借りる場合の返済額はいくらになるでしょうか?
住宅ローンを2,000万円借りた場合の利息負担や返済額などについて解説していきたいと思います。
- 執筆者の情報
- 名前:馬沢結愛(30歳)
職歴:平成18年4月より信用金庫勤務
この記事はこんな人におすすめ
この記事は以下のような人におすすめの記事です。
- 2,000万円住宅ローンを借りる場合にはどのくらいの返済額になるのか心配な人
- 自分の年収でいくらの住宅ローンを借りることができるのか知りたい人
- どのくらいの返済額であれば無理のない返済ができるのか知りたい人
2,000万円の住宅ローンを借りる場合の返済額や金利などについて解説していますのでぜひご覧ください。
2000万円借り入れする時の金利
個人が2000万円を借り入れする時のほとんどは住宅ローンとなります。
住宅ローンで借りる場合の金利は「変動金利」と「固定金利」の2種類から選ぶことになります。
また、固定金利には借り入れから完済までのすべての期間を同じ金利とする「全期間固定金型」と一定の期間を固定金利とする「固定期間選択型」があります。
これらの金利には違いがあり、どの金利タイプを選択するのかによって金利負担は大きく違ってきます。
例えば大手銀行の三菱UFJ銀行の住宅ローンの場合、新規で住宅ローンを借りる場合には以下のような金利が適用されます。
- 変動金利・・・0.625%
- 固定期間選択型(10年固定)・・・1.10%
- 全期間固定金利型(31年~35年)・・・1.49%
これらのいずれかを選んだとすると同じ2000万円を借りたとしても金利選択によって最大0.865%も金利が変わります。
変動金利は金利が最も低いですが、今後金利が上昇する可能性があります。
また、三菱UFJ銀行の住宅ローンは保証料が別途必要になり、前払いの場合には20万円以上になることもありますし、分割の場合には金利0.2%高くなってしまいます。
変動金利と固定金利のメリット
住宅ローンの金利選択をする場合、多くの人が変動金利と固定金利のどちらを選ぶ方がいいのかということを悩みます。
結論から言いますと変動金利と固定金利のどちらを選択すればいいのかということは明確に言うことはできません。
ですので、それぞれのメリットが自分にとってどちらを選ぶといいのかということを考える必要があります。
変動金利のメリットはやはり適用金利を低金利で借りることができるということですが、変動金利の場合には金利情勢が変化するとその影響を受けることになります。
変動金利は基本的に年2回金融機関が見直しした金利が適用されますので、金利変動があった場合には毎月の返済額も一緒に変動します。
固定金利は全期間または一定期間はたとえ金利情勢が変わったとしても契約時の金利がずっと続きますので毎月の返済額が変わることなく常に一定の金額で返済することができます。
つまり、途中で金利が変わるリスクがあってもとにかく低金利の方がいいという人は変動金利を、金利変動のリスクを取りたくないという人は固定金利を選ぶといいです。
また、段階金利といって最初は低金利が適用され、借入金額が少なくなると金利が上がるというローンも存在します。
住宅ローンの金利タイプは様々ですので、自分のライフプランの最もあった住宅ローンを選択するようにしてください。
2000万円借り入れした時の返済額
実際に住宅ローンで2000万円を借り入れした時の返済額を考えていきます。
返済額を計算するためには金利がわからなくてはなりませんので、ここでは先ほどの三菱UFJ銀行住宅ローンの金利を使用したいと思います。
ただし、変動金利および固定期間選択型については途中の金利変動がなく、契約から完済までの期間同じ金利であったと仮定してこの住宅ローン借入事例を計算していきます。
また、住宅ローンでは借入金の一定割合をボーナス返済してくことができますが、ここでの計算はボーナス返済はしないで毎月の返済だけで返済していった場合とします。
金利タイプ | 変動金利 | 固定期間選択型 | 全期間固定金利型 |
---|---|---|---|
適用金利 | 0.625% | 1.10% | 1.49% |
返済期間 | 35年 | ||
毎月返済額 | 53,029円 | 57,394円 | 61,139円 |
総返済額 | 22,906,710円 | 24,740,010円 | 26,312,910円 |
すべての期間で金利が変動しなかった場合にはやはり金利が低い変動金利が最も毎月の返済額や総返済額は少なく、最も金利が高い全期間固定金利型とは毎月返済額で8,110円、総返済額で3,406,200円も違います。
金利が変動した場合のシミュレーション
金利の変動、つまり金利情勢の変化を読むことはできませんが、金利がどのように変動するとどのように毎月返済額が変わり、総返済額が変わるのかということをシミュレーションすることができます。
三菱UFJ銀行住宅ローンで変動金利を選択して借り入れから5年後に1%、15年後に1%、20年後さらに1%金利が上がったとしてシミュレーションしてみます。
契約後年数 | 適用金利 | 毎月返済額 |
---|---|---|
借り入れ当初 | 0.625% | 53,029円 |
5年後 | 1.625% | 61,112円 |
15年後 | 2.625% | 67,081円 |
20年後 | 3.625% | 71,903円 |
総返済額 | 27,482,559円 |
この住宅ローンシミュレーションのように金利が変動していった場合、全期間固定金利型で金利1.49%を契約して返済していったものよりも1,169,649円高くなってしまいます。
もちろんこのような金利変動となるというわけではありませんが、超低金利時代の現在から景気回復などで金利が今よりも上がることは避けられないかもしれません。
変動金利は、借入当初は低い金利で借りることができ、借りている間は全期間が引下期間ですが、金利上昇リスクがあり、社会の金利情勢が大きく上がってしまった場合には、生活を圧迫するほどの高金利となってしまう可能性もあります。
このため、将来のことまでよく考えて、住宅ローンの金利プランを選択するようにしましょう。
借入期間で見るシミュレーション
住宅ローンの返済額などは借入期間によって大きく異なります。
借入額2,000万円、金利全期間固定で1.490%とした場合の毎月返済額と返済総額は以下のようになります。
借入期間 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
15年 | 120,459円 | 21,682,620円 |
20年 | 96,417円 | 23,140,080円 |
25年 | 79,893円 | 23,967,900円 |
30年 | 68,928円 | 24,814,080円 |
35年 | 61,139円 | 25,678,380円 |
このローンシミュレーションでは借入期間によって総返済額が大きく異なることがわかります。
借りている金額は2,000万円と同じですので、この総返済額の違いは利息負担の違いということができます。
借入期間15年と35年では、利息負担だけで約400万円もの違いが生じてしまうので、やはりできる限り短い借入期間で借りた方が、負担を少なくすることができるのです。
ただし、借入期間が短くなると、返済額が大きくなって家計を圧迫してしまいます。
無理のない範囲でできる限り借入期間を短くすることが大切です。
年収別で見るシミュレーション
借入金額は年収によって大きく異なります。
住宅ローンには返済負担比率があるので、多くの住宅ローンで35%までしか許容されません。
年収が大きくなれば、許容される年間返済負担額も大きくなり借りることができる金額も多くなるのです。
年収別ではどのくらいの金額を借りることができるのでしょうか?
返済負担比率を35%とした場合の、年収300・400・500・600・700万円の年収の人が全期間固定1.490%で35年間ローンを組んだ場合の年収別のシミュレーションを行なっていきます。
年収 | 返済負担率で許容される年間返済金額 | 借入期間35年での借入可能額 | 月々返済額 | 返済総額 |
---|---|---|---|---|
300万円 | 105万円 | 28,623,316円 | 87,500円 | 36,750,000円 |
400万円 | 140万円 | 38,142,614円 | 116,600円 | 48,972,000円 |
500万円 | 175万円 | 47,694,623円 | 145,800円 | 61,236,000円 |
600万円 | 210万円 | 57,246,633円 | 175,000円 | 73,500,000円 |
700万円 | 245万円 | 66,765,931円 | 204,100円 | 85,722,000円 |
上記のシミュレーションは額面年収でのシミュレーションです。
手取り収入は額面の70%程度と言われているため、手取り年収で計算した方がより無理のない住宅関連予算を組むことができ、リアルな数字となります。
手取り年収でのシミュレーションも以下で行なってみました。
手取り額での返済負担比率
年収 | 返済負担率で許容される年間返済金額 | 借入期間35年での借入可能額 | 月々返済額 | 返済総額 |
---|---|---|---|---|
300万円 | 73.5万円 | 20,036,321円 | 61,250円 | 25,725,000円 |
400万円 | 98万円 | 26,693,287円 | 81,600円 | 34,272,000円 |
500万円 | 122.5万円 | 33,366,609円 | 102,000円 | 42,840,000円 |
600万円 | 147万円 | 40,072,643円 | 122,500円 | 51,450,000円 |
700万円 | 171.5万円 | 47,400,212円 | 144,900円 | 60,858,000円 |
住宅ローン審査のポイント
住宅ローン2000万円を借りる場合の金利や返済額についてわかったところで、今度は住宅ローンの審査に通るためのポイントについて紹介していきます。
住宅ローンは個人の借入としてはどうしても高額になりやすいローンであり、その審査は厳しいものになります。
審査にあたっては「年収」「職業」「勤続年数」「他の借り入れ状況・返済状況」などの基本的な信用が重要となります。
年収は高ければ高いほどいいですし、職業は公務員や会社員などのように毎月安定して給与収入がある方が信用は高いです。
また、勤続年数は長いほど退職する確率は下がりますので信用は高くなります。
他の借入状況や返済状況はカードローンなどのように自由に使うことができるローンが少ない方が良く、返済も延滞なくきちんとしていれば信用は高くなります。
これらを総合して住宅ローンを融資しても返済していくことができる人なのかということを判断しますので、総合的な信用がなければ住宅ローンを借りることはできません。
返済負担率も重要
住宅ローンの審査では年収に対して年間どれだけ借入金の返済をするのかという「返済負担率」が重要となります。
この返済負担率はこれから借り入れする住宅ローンも含めたすべての年間返済額で計算することになり、以下の計算式で求められます。
返済負担率(%)= 借入金の年間返済額(万円)÷ 年収(万円)× 100
銀行によって返済負担率の上限が設定されており、一般的には25%~35%以内の返済負担率でなければならないという条件があります。
例えば年収が800万円の人の場合、住宅ローンを含めた年間の返済額が200万円~280万円以内にしなければならず、毎月返済額にするとおよそ16万円~23万円となります。
もちろん返済負担率は少ない方がいいですので、これよりも少ない金額を年間で返済している方が審査に通りやすくなります。
自己資金が多ければ、住宅購入費用のうち借入金額が少なくなるので、返済負担率を軽くすることができますので、できる限り自己資金を多くした方が審査に通過しやすくなるでしょう。
使用していないクレジットカードなどは解約する
返済負担率の計算にはクレジットカードのキャッシング枠やカードローンも含まれます。
これらは利用限度額の範囲内で利用することになるものですが、返済負担率に計算ではたとえ借り入れしていなくても利用していると見做して計算されます。
ですので、返済負担率を下げるためには使用していないものは解約した方が良く、住宅ローンの審査結果次第では解約を求められることもあります。
収入合算で通過率を上げる
夫婦で収入合算をすると、確かに分母になる収入は大きくなります。
しかし、収入合算者に借金がある場合にはその借金も合算されてしまいます。
借金がない場合には合算した方が返済負担率に余裕ができますが、借金が多い場合には合算したことによってさらに許容される年間返済額が少なくなってしまうこともあります。
合算をする場合には、合算者の借入状況も加味して申し込みをする方がよいでしょう。
計画的な繰上返済で利息負担を軽減
住宅ローンはただ決めた返済額だけを返済していくと数百万円もの利息を支払うことになります。
この利息をより少なくするためには計画的な繰上返済で元金をより早く少なくすることが望ましいです。
また、繰上返済をする場合には借り入れしてから早い段階にすることが望ましいです。
特に変動金利で金利負担を少なくしている場合には返済しながら繰上返済する分を貯蓄し、一定金額が貯まった時点で繰上返済をすることで金利が変動したとしても影響を少なくされることもできます。
固定金利の場合も適用されている金利は高いですのでできるだけ早く元金を減らすことで利息負担を減らすことができます。
借り換えで利息負担を軽減
借り入れしている住宅ローンよりも他銀行の住宅ローン金利の方が低金利だということも返済しているとあり得る話です。
また、借り入れ当初から変動金利を選択している場合や当初は固定期間選択型を選択していたが固定期間終了後は変動金利を選択したという場合には固定金利へ変えることができない銀行も多いです。
このような場合、他銀行の住宅ローンに借り換えをすることで金利負担を軽減することができますし、固定金利へ選択し直すこともできます。
最近の住宅ローン事情は新築などで借りいれするよりも借り換えすることの方が多く、各銀行は借り換えに力を入れて金利を低くしています。
借り換えでメリットが出る目安は「借入残高1000万円以上、金利差1%以上、残り返済期間10年以上」のすべてを満たしているとメリットがあると言われております。
このような状況の場合には借り換えすることを検討し、金利の見直しなどをすることで住宅ローンの返済がしやすくなります。
まずは住宅ローンの元金残高を確認し、借り換えをしてメリットがあるかどうかを確認しましょう。
上手に借り換えを行えば毎月の支出を数万円減らせることもありますよ。
住宅ローン控除で戻ってくる
住宅ローンを借りると住宅ローン控除が適用されます。
住宅ローン控除は住宅ローンの年末残高の1%が所得税や住民税から還付されますので、利息負担よりも還付額の方が住宅ローン借入当初10年間は大きくなります。
住宅ローンで自分の物件を購入でき、さらに税額控除まで受けることができるので、金銭的には大きなメリットがあるということができるでしょう。
いざ住宅ローンを契約する前に
住宅ローンを契約する前には、まずは自分にとって無理のない借入額かどうかということを考えることが最も重要です。
マイホームという一生の買い物をこだわりたいし、妥協したくないという気持ちはわかりますが、長い人生の中でお金がかかるのは、住宅だけではありません。
住宅会社はできるだけ高い住宅を注文してもらうために様々な営業をかけてきますが、購入する住宅ありきで住宅ローンの金額を決めるのではなく、返済額のシミュレーションを行い、無理のない金額で住宅ローンを組むことが重要です。
今後の借入れは住宅ローンだけとは限らない
人生の中で住宅購入は1つの大きなイベントであるものの、お金を使う場面は住宅だけではありません。
返済期間35年間の中では、生活に関わる車や学資ローンといった必ず直面する資金需要や物価上昇などが出てくる可能性がありますので、住宅ローンを年収目一杯借りることのないように余裕を持ったローン計画を考えることも大事です。
このようなライフプランを考慮した土地や建物購入のための資金計画を立てて住宅費を検討しましょう。
また、返済負担率35%ギリギリで借りてしまうと、住宅ローン月々返済額は家計を圧迫される可能性もありますので、将来のライフプランと現在の家計また物価上昇率などを考慮して無理のない金額で住宅ローンを組むようにしましょう。
各種ローン
ライフプランの中では、教育費にかかる教育ローンの借入、自動車購入のための自動車ローンの借入、また住宅は10年経過すると外壁塗装などの修繕費が必要になるのでリフォームローンを借りなければならない場面も出てきます。
将来に備えて貯蓄をするのはもちろんですが、将来的にこれらの借入が必要になった場合に備えて、住宅ローンの返済金の余裕を持たせておくということも重要です。
税金・保険等
さらに住宅を購入すると、これまで発生しなかった税金や保険料などの負担も生じます。
固定資産税や管理費がかかることになりますし、住宅ローンを組んだ場合には火災保険や地震保険への加入も必須です。
これら、返済にかかるお金は、住宅ローン控除によって還付された所得税の中から支払っている人が多いようですが、所得税は住宅ローン借入後10年間だけしか控除されないので、住宅ローン控除が終了した時のことも考えて、やはり余裕を持って住宅ローンを組む必要があります。
生活可能な世帯収入があれば返済負担比率ギリギリでも可
返済負担比率ギリギリで借りてしまうと、一般的にかなり生活は厳しくなりますし、他のローンを返していく余裕はなくなってしまいます。
しかし、世帯の中にお金を稼ぐ人がいるのであれば、返済負担率ギリギリで借りてしまっても問題ありません。
申込者本人の収入以外に給与所得者・年金受給者の援助があれば返済負担率ギリギリでも生活可能だと考えられますので、世帯全体での収入を考えて住宅ローンを組むことを考えましょう。
おすすめの住宅ローン取り扱い金融機関はココ!
おすすめの住宅ローンとして、変動金利で低い金利で住宅ローンを借りたいのであれば、住信SBIやじぶん銀行住宅ローン商品がおすすめです。
変動金利は0.5%を切る超低金利で借りることができるので、物件価格が高くなり、希望する住宅ローンいくら高額になったとしても他の銀行の住宅ローン商品よりも少ない負担で借りることができます。
また、金利が歴史的に低い今のうちに金利を固定させておきたいという人は住宅金融支援機構のフラット35がおすすめです。
最長35年固定金利ですので、今後金利が上昇したとしても低い金利のまま固定されます。
ただ、フラット35住宅ローンを借りるためには、対象となる住宅の資格基準を満たす必要があります。
注文住宅などであれば問題ありませんが、中古の平屋住宅や狭小住宅などの物件に関しては借りることができない場合もあります。
まとめ
住宅ローンは借りる銀行や選択する金利タイプによって負担する利息や完済までの総返済額に大きな違いが出ます。
特に金利のタイプはどのタイプを選択した方がいいのかということが判断しにくいものであり、借りる人の考え方によって変わります。
どれが最も自分に合っているのかということは納得がいくまで担当者と相談して決めることが望ましいです。
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