【馬三郎が】法テラスに電話と無料相談してみた
皆さんこんにちは、馬三郎です。
借金や離婚問題など、法律に絡んだ様々な問題を相談することができる「法テラス」という機関をご存知でしょうか。
法テラスであれば、お金がない人でも無料で法律相談を行うことができます。
今回は、実際に私が法テラスで無料相談を行ってきましたので、その内容を紹介します。
この記事はこんな方におすすめです
この記事は以下のような人におすすめの記事になります。
- 法律で解決できそうなトラブルを抱えている人
- 弁護士に相談したいけどお金がない人
- 法テラスとは何かを知りたい人
- 弁護士相談に対して不安を感じている人
無料の法律相談窓口法テラスについて詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
まずは法テラスについて知ろう
法テラスは法律の相談を受け付けたり、弁護士や司法書士、相談者の抱える問題を解決するために最適な機関の紹介、弁護士費用の建て替え等を行ってくれます。
法テラスでは、大きく分けると以下のような相談を受け付けています。
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あくまでも「よくあるお問い合わせ」として法テラスの公式サイトに記載されているものですので、実際にはこれら以外の相談をしても全く問題はありません。
例えば「有給休暇はいつでもとれるのか」、「何をしたら免許取消になるのか」といった、「相談」というよりも生活や仕事などの身近な「質問」に近い内容でも法テラスでは丁寧に答えてくれます。
法テラスの役割は多岐にわたりますので、整理してみます。
司法過疎対策業務
法律について相談したいけれども、近くに弁護士や司法書士といった法律の専門家がいない場合がありますね。
法テラスは地域事務所を設置し、地域事務所に弁護士が常駐することで法律の相談や依頼を行うことができる司法過疎対策業務も行なっています。
犯罪被害者支援業務
犯罪被害にあった人や家族は精神的被害や肉体的被害に苦しまないように、警察の捜査段階や裁判所で協力を求められた場合でも、刑事裁判の手続きがどのようになるのか、または犯罪により被ってしまった損害の回復や軽減を手助けすることもしています。
国選弁護士等関連業務
裁判で国選弁護士を選任しなければならない場合でも、法テラスから契約している弁護士に国選弁護人として協力できるように派遣も行っています。
法律問題を法律の専門家に依頼することにためらうことのないように、問題の大小に関わらず法律的な困りごとを解決してくれる身近な存在として法テラスはあるのです。
法テラスの基本的な情報についてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
情報提供業務
法的な解決まで望んでいなくても、情報提供を受けるだけでも利用できます。
- 具体的な法律に関する情報
- 相談窓口(どこで相談したら良いのか)
- 弁護士会や司法書士会
- 市区町村役場の相談窓口
に関する情報を無料で提供しています。
すでにトラブルで困っている人、これから起こるかもしれないトラブルに備えない人、どちらの人でも法テラスは無料で活用することができるのです。
無料相談を受けられる条件
法テラスでの相談は無料ですが、利用することができる人は、以下の2つの条件を満たす日本国内に住所のある日本人か、適切な在留資格のある外国人です。
- 収入が一定額以下であること
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
法テラスでは収入基準というものが具体的に決まっており、世帯人数に応じて以下のようになっています。
世帯人数 | 手取月収額の基準 (東京、大阪など生活保護一級地の場合) | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に 加算できる限度額 (東京、大阪など生活保護一級地の場合) |
---|---|---|
1人 | 18万2,000円以下 (20万200円以下) | 4万1,000円以下 (5万3,000円以下) |
2人 | 25万1,000円以下 (27万6,100円以下) | 5万3,000円以下 (6万8,000円以下) |
3人 | 27万2,000円以下 (29万9,200円以下) | 6万6,000円以下 (8万5,000円以下) |
4人 | 29万9,000円以下 (32万8,900円以下) | 7万1,000円以下 (9万2,000円以下) |
また、上記の収入基準の他に、資産基準というものも設けられており、収入が上記以下の他にも資産も世帯の応じて以下の金額以下であることも求められます。
世帯人数 | 資産合計額の基準 |
---|---|
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
1人暮らしの人の場合、月収が18万2千円以下で資産が180万円以下であれば法テラスを無料で利用することができます。
そこまで厳しいハードルではないと言えるでしょう。
ちなみに、民事法律扶助の趣旨に適することというのは、法テラスのホームページに「報復的感情を満たすだけや宣伝のためといった場合、または権利濫用的な訴訟の場合などは援助できません。」と記載されていることから、本当に困っている場合しか利用することはできないというような意味と解釈しておけば問題ないでしょう。
弁護士費用を立て替えてくれる「民事法律扶助制度」がある
法テラスは、無料の法律相談会を実施しています。
しかし法律相談が無料といっても、債務整理に進む場合や、実際訴訟を起こす場合の費用は無料にはなりません。
そこで無料法律相談によって弁護士や司法書士に依頼した方が良いと判断されれば、法律の専門家に支払う費用の立替払いも行っています。
費用はあくまでも立替払いですから必ず返済の義務は生じますが、分割払いもできます。
立替費用の例1
「友人や知人などに貸したお金が返済されないと」いうケースを想定してみます。
法律の専門家に依頼すると、相談料や着手金、及び成功報酬など40万円以上かかることも珍しくありません。
しかし法テラスを介することで、およそ25万円で済みます。
裁判訴訟になったとしても訴状を作成してくれ、費用は4万円ほどですから合計で30万円くらいあると間に合います。
立替費用の例2
「お金を10社から借りている場合の自己破産費用」を想定してみます。
民間の法律の専門家に直接依頼すれば、50万円程度かかってしまいます。
法テラスでは自己破産申立書類作成費と、法律の専門家に支払う着手金や成功報酬などの名目費用を合わせて、およそ26万円程度で済ますことができます。
民事法律扶助制度を利用できる条件
民事法律扶助制度は、誰でも利用することができるわけではありません。
民事法律扶助制度を利用するためには以下の3つの条件を全て満たしていないと利用不可能です。
- 収入が一定額以下であること
- 勝訴の見込みがないとはいえないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
1と3に関しては前述した法テラスを利用する条件と同じです。
2に関しては、法テラスも勝訴の見込みがない弁護士費用を立て替えてしまったら返済が危うくなってしまいます。
そのため、勝訴の見込みがある争いの費用のみ立て替え払いに応じてもらうことができるのです。
なお、「勝訴の見込み」の中には、和解・調停・示談によって解決の見込みがあるものや、自己破産などによって免責の見込みがあるものも含まれますので、借金問題で困っている人は民事法律扶助制度の対象になる可能性は低くはないでしょう。
法テラスのメリット
法テラスには、メリットがいくつもあります。
弁護士費用が安くなる
法テラスには民事法律扶助制度によって、弁護士費用が非常に安くなります。
前述したように、通常であれば50万円ほどかかる自己破産の費用が25万円程度の半分で済みますし、その他の法的な手続きも非常に安く行うことができます。
直接、弁護士事務所に依頼してしまうと、相談だけでも相談料が発生してしまうこともあることに比べると、相談から裁判まで弁護士への費用そのものを安く抑えることができるのは間違いなく法テラスのメリットです。
弁護士費用は少額で分割払いができる
法テラスの民事法律扶助制度は弁護士費用が安くなるだけではありません。
法テラスでは、手元にお金がない人でも弁護士費用の立て替え払いを行なってくれるので、例えば、借金を多額に抱えた人が債務整理を行いたい場合なども建て替え払いによって手元にお金がなくても弁護士は手続きを進めてくれます。
立て替えてもらった弁護士費用は、後から分割で返済して行くことができますので、裁判や債務整理が終わった後にある程度余裕を持って計画的に支払うことができるので経済的な負担を少なく弁護士費用を払って行くことが可能になります。
法テラスのデメリット
法テラスにはいくつかデメリットもあります。
そのうち以下の3点が大きなデメリットということができるでしょう。
- 順番待ちになりすぐに相談を受けることができない
- 相談内容によっては引き受けてもらえない
- 3回までしか相談できない
順番待ちになりすぐに相談を受けることができない
予約を受けてから相談できるまでは1ヶ月以上待たされることもザラにあります。
予約を行うと、法テラスを利用できるかどうかの審査が行われますが、書類審査によって法律の無料相談を受けることができるかどうかを決定する審査には時間がかかります。
その間は弁護士や司法書士は何も着手しない、及び法律相談を受けるまでの間は相手先の対応は本人がしなければならないとなっています。
しかし借金の返済で困っている場合や、督促をされて困っている場合は一刻も早く解決したいと思いますね。
法テラスの書類審査は2週間から1カ月程度かかってしまい、法律支援が遅れてしまうと相談した人の状況がますます悪くなってしまいます。
法律の専門家が着手し受任通知を金融機関に送らなければ、請求は止まりませんし、裁判に移行されてしまうこともあります。
(相談の内容によって至急手続きをしなければならないと弁護士や司法書士が判断した場合は、書類審査中であっても貸金業者からの請求をストップさせるケースもあります。)
相談内容によっては引き受けてもらえない
請求に妥当性があるかどうかの判断は法律の専門家が行いますが、仕返しのために訴えるなどの場合は法テラスでは協力をしません。
なお法テラスで相談できるのは民事や行政、家事についてのみであり刑事事件についての相談をすることはできません。
3回までしか相談できない
法テラスでは無料の法律相談会はひとつの事案に対して3回までに限定しています。
弁護士や司法書士が多くの人に適切な解決方法を見つけることができるように、1回の相談で30分を目安に時間を区切っています。
相談するには事前予約が必要ですし、時間が限られているというわけです。
この他のデメリットについても以下で確認しておきましょう。
収入などの条件がある
前述したように、法テラスへ相談するためには収入や資産などの条件があります。
一定以上の収入や資産の人は法テラスへ相談することはできません。
「お金があるのだったら、直接弁護士事務所へ相談してください」ということになってしまうのです。
民事法律扶助制度を利用する際の審査に時間がかかる
前述したように、法テラスには弁護士費用を安くしたり、弁護士費用の立て替え払いを行う「民事法律扶助制度」というものがあります。
この制度を利用するためには法テラスの審査に通過する必要がありますが、審査の結果が出るまでに1ヶ月以上の時間がかかってしまうこともあります。
一刻も早く法的な手続きを進めたい時に制度そのものの利用について時間がかかってしまうというのもやはり法テラスのデメリットということができるでしょう。
弁護士を選ぶことができない
法テラスで担当する弁護士は、法テラスと契約しているスタッフ弁護士の中から自動的に選ばれます。
法律相談の内容によって得意不得意があるわけです。金融問題の相談であれば金融問題に詳しい法律の専門家が選ばれることになります。
一見すると、弁護士や司法書士などの法律の専門家は自分で選ぶことができないと勘違いしてしまいそうです。
しかし、必ずしも法テラスが紹介した弁護士や司法書士に依頼しなければならないことはありません。
気持ち良くスムーズに手続きを進めるためにも、法テラスに登録してある弁護士を探し、その弁護士を指名して法テラスを利用する方法もあります。
持ち込みについて
自分で弁護士や司法書士を選ぶ方法を「持ち込み」といい、現在行われている法テラスの対応は多くが持ち込みです。
地域で金融問題に詳しい弁護士がいる、しかもその弁護士は法テラスと協力関係にあるのであればその弁護士に依頼します。
その場合は法テラスに申し込むのではなく、直接法律事務所に行って法テラスの制度を利用したいと伝えればOKです。
しかし法テラスの定める報酬額は民間から比べればかなり割安となっているため、モチベーションが下がってしまう専門家もいるのも事実です。
法テラスの支援制度を利用できる法律の専門家は、必ず法テラスに登録してありますのでその中から選ぶのが最も良い選択になるでしょう。
●実際に法テラスのサポートダイヤルに電話相談をしてみた
法テラスでは、電話やメールでの相談を受け付けています。
もちろん皆さんがお住まいの地域の法テラス窓口まで行っても良いのですが、簡単な質問内容であれば電話でも教えてもらうことができます。
また、債務整理や離婚のように、専門的な相談の場合は窓口に行ったからといってもすぐに対応してくれるわけではありませんので、まずは電話を掛けることをおすすめします。
100万円の借金を抱えている友人がおり、その件で相談しました。
初めて電話するんですけど、どういった流れになるんでしょうか。
無料相談を受けられる条件
法テラスでは無料相談ができると聞いたことがある人がいるかもしれませんが、電話で担当者が言っていたように、無料相談を受けるためには条件があります。
月収と資産が共に一定以下でなければならず、世帯人数によって以下のように定められています。
家族構成 | 月収 | 資産 |
---|---|---|
単身者 | 18万2,000円以下 | 180万円以下 |
2人世帯 | 25万1,000円以下 | 250万円以下 |
3人世帯 | 27万2,000円以下 | 270万円以下 |
4人世帯 | 29万9,000円以下 | 300万円以下 |
5人世帯以上 | 家族1人につき+3万円 |
※首都圏や関西圏など、生活保護一等地は月収に+2万円
なお、この金額は医療費や親への仕送りなど、やむを得ない事情があればその分を除外して計算することができるようです。
馬三郎はこの条件を満たしていることもあり馬三郎が代わりに相談することになりました。
●地元の法テラスで無料相談の予約をしてみた
先ほど電話をしたのは全国の法テラス共通の窓口でしたが、続いて地元の法テラスに電話を行います。
あとは名前と電話番号を伝えれば法テラスの予約は完了です。
先ほども言った通り、法テラスの無料相談には収入の条件がありますが、書類の提出は求められませんでした。
ですので、仮に条件を満たしていなかった場合でも無料相談を受けることはできるのではないかと思います。
私の場合は借金についての相談なので「どうせお金はないだろう」と考えられたのかもしれませんね。
●予約当日、法テラスに行ってみた
予約当日になりましたので、実際に法テラスに行ってみましょう。
予約は11時ですが申込書類を書かなければならないため、15分前に来て欲しいと言われました。
言われた通り10時45分に到着しました。
こちらが今回私が行った法テラス千葉です。
行くまでは緊張していたのですが、外観はかなり入りやすく感じます。
また、入口はすりガラスになっており、外から中の様子はわからないようになっています。
中に入ると待合用の椅子があり、その奥に受付がありますので、まずは受付を行います。
11時に予約している馬三郎であることを伝えると、二枚の書類と番号札、そして法テラスについての説明用紙を渡されました。
書類の内の一枚は氏名や住所などの個人情報を記入するものです。
無料相談を受けるため、年収や資産、家族構成等も申告しなければなりません。
もう一枚は、私は借金問題の相談なので借り入れ先や使用目的、債務額などの情報です。
他の案件の場合はどのような用紙になるのかはっきりとはわかりませんが、例えば離婚問題の場合は結婚年数や離婚の理由、子供の有無などが聞かれるのではないかと思います。
資金使途は「交遊費」、2社合わせて約100万円と書類に書いていきます。
書類に記入して受付に提出したら、後は渡された番号札の番号が呼ばれるまで椅子に座って待ちます。
事前に予約をしてきたので、おそらくそれほど待たされることはないでしょう。
利用者は意外と多いようだ
法テラスに来るまでは、利用者はそれほど多くないと思っていました。
しかし、私が到着した時点では私以外にも30代、40代、50代の女性が一人ずつの合計3人が相談待ちをしてる状態でした。
私が行ったのは午前中だったので、それほど人が集中する時間というわけでもないと思います。
それでも3人待っていたということは、意外と法テラスの利用者は多いのかもしれませんね。
待合席では法テラスの紹介動画が流れている
待合席の正面にはテレビが置いてあります。
この写真ではニュースをやっているように見えますが、実際は法テラス紹介のビデオが流れていました。
すでに法テラスに来ている人に見せて果たして意味があるのでしょうか。
椅子の後ろの棚には法テラスそのものや様々な法律上の問題向けのパンフレットがあり、すべて自由に持って帰ることができます。
相談ではなく、とりあえずこのパンフレットだけ取りに来てもいいと思います。
待合席からはよくわかりませんが、この細い廊下の向こうに相談室が用意されているようです。
相談中の声が聞こえないように離れた所に設けられているのでしょうか。
待っている間も相談室の声が聞こえてくることは一切ありませんでしたのでプライバシーはしっかりと守られています。
●無料相談開始~8つの過程~
キョロキョロしながら待っていると、15分ほど経っておそらく夫婦と思われる60代の男女が相談室の内の1つから出てきました。
「熟年離婚の相談かな?」そんなことを考えているとすぐに空いた部屋へ待合席の40代と50代の女性が案内されます。
続いて40代の女性、40代の男性が退室が順番に相談を終えたようです。そこで番号が呼ばれ、相談室②に入るよう促されます。
いよいよ私の順番が回ってきました。
私が来る前から先に待っていた30代の女性よりも私の方が先に呼ばれたのは不思議ですが、もしかしたら相談者の付き添いか、女性の弁護士を指名しているなどの理由があるのかもしれません。
①部屋に入ると弁護士が待っている
写真からもなんとなくわかるように、相談室は小さな部屋です。
横長の机と椅子が4脚あるだけの大体3畳程度の広さでしょうか。
部屋の中には弁護士が一人座って待っていました。
ネットでは1対2の相談という情報も見つけることができますが、私の場合は弁護士一人だけでした。
眼鏡をかけた優しそうな30代後半の男性弁護士です。
②しつこく質問されることはない
今回はとりあえずどういった解決方法があるのかだけ詳しく教えて欲しいです。
借金について弁護士から質問されたのは始めて借金した時期だけです。
本来は書類を元に借金について色々質問されるのだと思いますが、私は友人の借金なのであまり詳しく答えることができません。
「解決方法だけ教えて欲しい」と伝えたところ、それ以上借金や生計について詮索されることもなく、すぐにこちらの質問に答えてくれました。
③債務整理の種類を教えてもらう
任意整理は利息が付かないようにして、3年から5年で返して行きます。
弁護士と業者との私的な交渉ですので裁判所や国の機関が入ることはないです。
自己破産は交遊費とかだと認められないかもしれないですね。
あと特定調停というのもあると昨日電話で聞いたんですけど。
ただ、業者があまり裁判所の意見を尊重せず、裁判所の費用も掛かるので任意整理の方が良いと思います。
なので100万円より下がることはありません。
まずは債務整理の種類について説明してもらいました。
無料相談だからといって適当に対応されるということもなく、一つ一つ丁寧に答えてくれます。
特定調停にはあまりメリットがないということまで教えてもらえました。
④自己破産は家計簿が必要だという説明を受ける
住民票、すべての銀行通帳のコピー、あとは家計簿を毎月つけて直近2ヶ月分を提出します。
自己破産と聞くと、一般的なイメージでは「新しく人生をやり直す」と言えるくらいの大きな決断のように思えますよね。
しかし、今回担当してもらった弁護士さんによると結局ブラックリストに載ることに変わりはないので、自己破産を特別に重く考える必要はないようです。
確かに以下のページで説明している通り、任意整理でもJICCには登録されてしまいます。
⑤自己破産の費用は15万円程度だと教えてもらう
自己破産ですと法テラスで15,6万円、個人再生は自己破産より高くて1.5倍くらいかかります。
法テラスでは通常よりも安い費用で債務整理を依頼することができます。
普通に自己破産を弁護士に依頼すると20万円以上が相場のようですが、法テラスなら15万円くらいで済みます。
⑥交遊費では自己破産は難しいという説明を受ける
最初の方でも軽く言われましたが、自己破産は借入の目的によっては裁判所の認可を得ることができません。
私は申込用紙に「交遊費」と記載しておりましたので、どうやら自己破産はできないようです。
もちろん借入理由で嘘をついて自己破産の申請をすることは認められていません。
しかし、本来は答えられないことにも独り言として回答してくれる非常にやさしい弁護士です。
⑦私の友人の場合は「任意整理が適している」という結論に至る
個人再生では借金が100万円よりも少なくなることはなく、交遊費目的の借入は自己破産することができません。
特定調停はやる意味があまりないとのことなので、私の友人には任意整理が適しているようです。
もし弁護士に頼らずに自分一人で業者と話し合いた人には特定調停が良いらしく、むしろ特定調停はそういう人のためにある制度とのことです。
⑧相談終了・相談継続・審査回付のいずれかを選択して終了
相談の最後に、
- 相談終了
- 相談継続
- 審査回付
といった選択肢の中から今後の手続きを決定します。
法テラスでは3回まで無料相談が可能なので、私の場合はあと2回無料相談が受けられます。
引き続き相談を受けたいのであれば「相談継続」、今回で相談を終えて良いのであれば「相談終了」ということです。
また、法テラスを介して弁護士に債務整理などを依頼する事を審査回付と呼ぶようです。
相談の最後に、「相談終了」「継続相談」「審査回付」のいずれかを選択して法テラスでの相談は終了になります。
その場で弁護士に依頼することも可能
法テラスが弁護士費用を立て替えて毎月5,000円を分割払いで返済していくということになります。
審査回付にしときます?3回まで無料で相談できるので相談継続でも構いませんが。
このように、法テラスでは「審査回付」を選択し、そのまま任意整理の申し込みを行うことも可能です。
「弁護士に依頼する」というと非常に面倒なこととだという認識がありましたが、法テラスではこんな感じで気軽にそのまま審査回付を行うこともできるのです。
私はとりあえず相談継続を選択し、再び相談する場合は改めて連絡することにして法テラスを後にしましたが、相談継続を依頼すれば次の予約を入れることも可能です。
番号札を受付に返して法テラスを後にします。
依頼や次回の相談予約の勧誘はない
法テラスは営利目的の機関ではありませんので、特に次の相談予約を提案されたり債務整理の勧誘をされることもありません。
通常の弁護士事務所への相談であればもしかしたら手続きを勧められて断りづらくなっていたかもしれません。
そういった意味でも法テラスは安心して利用することができます。
法テラスで相談してみて…
今回私は、とりあえず債務整理にどんな種類があってそれぞれどう違うのか、依頼した場合の費用など、を質問しました。
しかし、各消費者金融からの借入金額や毎月の返済内容などが分かる資料があれば、皆さんの状況に応じたさらに具体的な相談も可能です。
弁護士の相談費用は1時間1万円程度が相場らしいので、法テラスの無料相談には5,000円分の価値があるということです。
ですので、少しでも無駄にしないよう実際に法テラスに相談に行く場合は支払い明細、契約書類等なんでもいいので持って行ける資料は全部持って行くようにしましょう。
法律相談というと重々しく感じている人がほとんどですが、実際にはとても気さくな雰囲気で法律相談ができるという印象でした。
法テラスに関する5つのQ&A
法テラスに関してよくある質問をご紹介します。
①任意整理や個人再生の場合はどれぐらい費用がかかりますか?
法テラスで任意整理をする場合には5万円〜10万円程度、個人再生の場合には20万円〜30万円程度の費用がかかります。
もちろん借金の金額によっても異なりますが、直接弁護士事務所へ相談すると、任意整理の場合には減額できた借金の2割程度が成功報酬として発生してしまいますので100万円の借金でも20万円程度の費用がかかりますし、個人再生の場合には50万円〜60万円程度の費用がかかってしまうことに比較すると、費用的には法テラスの方が半分程度の費用に抑えることができます。
②法テラスで相談する際と弁護士事務所に依頼する際の費用はどれぐらい変わりますか?
相談案件によってケースバイケースですので一概には何とも言えませんが、半分程度の費用で法的手続きが可能になると考えておけばよいでしょう。
③法テラスの弁護士さんは費用が安い分、意欲的ではない…というイメージがありますが、実際はどうなんですか?
弁護士さんの中にはそのような人がいるというのも事実なようです。
前述したように、法テラスでは自分で弁護士を探して「法テラスで手続きしたい」という持ち込みを行うこともできますので、法テラスへの持ち込みでも意欲的に仕事をしてくれる弁護士さんを自分で探すのがよいでしょう。
④法テラスはメールでの相談も対応してくれますか?
法テラスはメールで個別の相談を行うことはしていませんが、法律一般についての回答はしてくれます。
例えば「借金を〇〇円抱えており自己破産を検討していますが、自分には自己破産は向いているのでしょうか?そもそも自己破産とはどのような制度なのでしょうか?」と質問した場合、法テラスでは「自己破産とは」の部分にはメールで回答してくれますが、「自分には自己破産が向いているのかどうか」という個別の質問に回答してくれることはありません。
一般的な質問ではなく、相談したい場合には予約をとり、面談で相談を行う必要があります。
⑤民事法律扶助制度はどんな相談でも利用できますか?
前述たように、「勝訴の見込みがないとはいえないこと」「民事法律扶助の趣旨に適していること」の条件を満たさない限り利用することはできません。
そのため、勝訴の見込みのない争いの相談や、「仕返しをしたい」などの民事法律扶助の趣旨に反した相談に関しては民事法律扶助制度を利用することはできません。
まとめ
今回は「お金がないけど弁護士に相談したい」という人におすすめの法テラスを体験してきました。
友人の借金の相談なんかしたら何か言われるのではないかと心配でしたが、そんなことはなくとてもやさしく対応してもらえました。
それほど入りづらい空気もありませんでしたので、小さな悩みでも気軽に相談して大丈夫だと思います。
何か法律で解決できるかもしれない問題を抱えている人は気軽に相談してみましょう。
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