400万円の借金を返済するには
「借金の返済」と言葉にするのは簡単ですが、実際に行うのは容易くはありません。特にそれが400万といったような高額な金額になった場合にはなおさらです。
今回はそんな借金の返済に関して、返済計画や支払金額を少しでも減らすような方法に関して説明していきます。借金の返済に悩まれているかたは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
400万円の返済期間は2年~10年程度
では、400万円の借金を返済するにはどの程度の期間が必要になるのでしょうか。
消費者金融で100万円以上を借りるる場合には15%程度の金利が適用されることが一般的です。
金利15%で2年〜10年かけて400万円を返済した場合には、毎月返済額はそれぞれ以下のようになります。
返済年数 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|
2年 | 193,947円 | 4,654,728円 |
3年 | 138,661 円 | 4,991,796円 |
4年 | 111,323円 | 5,343,504円 |
5年 | 95,160円 | 5,709,600円 |
6年 | 84,580円 | 6,089,760円 |
7年 | 77,187円 | 6,483,708円 |
8年 | 71,782円 | 6,891,072円 |
9年 | 67,697円 | 7,311,276円 |
10年 | 65,534円 | 7,864,080円 |
月々に無理なく行える返済が3万円、5万円、10万円とした場合、10万円の場合は、4年から5年返済で完済することができます。
また、5万円、3万円とした場合には、利息だけでも毎月3万円以上となってしまうので、返済回数を算出することができません。
つまり、400万円を金利15%で借りてしまった場合には、最低でも10年以内では完済しないと、元金が減少しないということになります。
借金の金額・月々の返済金額によってばらつきはあるものの、かなり長いスパンで返済を行わなければならないことが分かっていただけたと思います。
また、毎月返済回数を長くすればするほど、月々の負担は軽くなりますが、利息負担が多くなります。
10年返済として場合の利息負担額は借りた額と同じ程度になってしまうので、できる限り早く借金は返済した方がよいということです。
300万の借金の場合
では、300万円の借金を返済する場合ではどうなるでしょうか?
2年返済〜10年返済で金利15%で300万円借りた場合の返済額はそれぞれ以下のようになります。
返済期間 | 毎月返済額 |
2年 | 145,460円 |
3年 | 103,996円 |
4年 | 83,493円 |
5年 | 71,370円 |
6年 | 63,436円 |
7年 | 57,891円 |
8年 | 53,837円 |
9年 | 50,774円 |
10年 | 48,401円 |
300万円の場合には、400万円よりも毎月の返済額に負担は軽減されるものの、やはり最低でも毎月5万円程度の返済は覚悟して置かなければなりません。
なお、カードローンですので、短期間だけ借りて、すぐに返済するということも可能です。
例えば、借金300万円を半年返済した方法の毎月返済額522,102円で、利息負担額132,606円ですので、少ない負担で短期間で返済してしまうという方法もあります。
ただし、一般の個人の方がこのような返済方法を採用することは難しいでしょう。
400万円の借金の利息
実は、実際に借金をしている人でも、最終返済総額に占める利息の割合がどれぐらいになるのかということを、きちんと理解していない場合があります。
そこで、400万円の借金それぞれにおいて金利を考慮に入れたうえでの返済シミュレーションを行っていきます。
返済年数 | 利息負担額 |
---|---|
2年 | 654,728円 |
3年 | 991,796円 |
4年 | 1,343,504円 |
5年 | 1,709,600円 |
6年 | 2,089,760円 |
7年 | 2,483,708円 |
8年 | 2,891,072円 |
9年 | 3,311,276円 |
10年 | 3,864,080円 |
ご覧のように、返済期間が長くなればなるほど、利息負担額は大きくなってしまいます。
例えば、3年返済の利息負担額は100万円弱ですが、これが10年返済になってしまうと、利息負担は約300万円大きくなり、400万円弱まで負担が上昇します。
返済期間が7年違うだけで、利息負担だけで300万円もの差が生じることを考えれば、いかにローンは早く返済すべきかということがよくお分りいただけるのではないでしょうか?
400万円の借金返済計画
では、400万円それぞれの場合の返済計画について考えていきます。
とは言っても各々が抱える事情によって計画の立て方は異なると思いますので、ここではそれぞれの返済パターンがどの程度実現可能かということに焦点を当てて説明していきます。
毎月同額を返す場合
毎月同額を返済する場合には、総返済額と利息負担額が大きくなりすぎないように、かつ、無理なく返済して行くことができる金額であることが重要になります。
先ほどの事例では、返済期間が5年以内であれば、総返済額は600万円を超えませんが、返済期間が6年以上になると、総返済額は600万円を超えてしまいます。
毎月の負担をできるだけ軽くしたいと考えれば、総返済額が大きくなり、利息負担もバカにできない金額になってしまうのです。
ボーナスがある場合
ボーナス返済がある場合には、毎月返済していく分とボーナス返済をしていく分を分けて考えましょう。
例えば、毎月返済分を300万円、ボーナス分を100万円とした場合を考えてみましょう。
返済期間 | 毎月返済分 | ボーナス時加算分 |
---|---|---|
3年 | 103,995円 | 213,044円 |
5年 | 71,369円 | 145,685円 |
7年 | 57,890円 | 117,797円 |
10年 | 48,400円 | 98,092円 |
このように、ボーナス時に頑張って返済をしていくことができるのであれば、毎月返済額は例え3年返済でも10万円程度に抑えることができます。
ボーナス返済分をもっと多くしたい、少なくしたいという場合には、ボーナス分を加減することで、お好みの返済額になるようご自身で調整するようにしてください。
奨学金の場合
奨学金は無理に短期間で返済しようとしない方がよいかもしれません。
金利は、借りたときに決まっていますが、だいたい2018年11月の金利は0.33%と超低金利です。
このため、返済期間が長くなってしまったとしても、それほど利息負担は大きくなりません。
ちなみに、400万円を0.33%で借りて、5年で返済した場合は、利息は33,610円、10年返済の場合にはその約倍の66,851円と利息負担は5年返済を伸ばしてもそれほど大きな負担にはなりません。
このため、所得が低い若い間でも無理なく返済することができる程度の長期で返済してしまった方がよいかもしれません。
車ローンの場合
車のローンは、ディーラーローンか銀行ローンかによって、利息負担が全く異なります。
ディーラーローンであれば15%程度の金利が設定されますが、銀行ローンの場合には2%程度の低金利でお金を借りることができます。
このため、ディーラーローンで借りた場合には、無理のない範囲でできるだけ早く完済してしまった方がメリットがあります。
一方、銀行ローンの場合には、多少返済期間が長くなってしまったとしても、金利が低いので利息負担はわずかですみますので、短期間で完済してしまうのも1つの方法かもしれません。
なお、自動車の場合には、いずれ買い替えの必要性が生じることも頭に入れておきましょう。
中古自動車屋さんの中には、10年ローンをおすすめしてくる会社もあります。
しかし、一般的には中古自動車を10年間乗るというのは現実的ではありません。
数年たち、自動車に買い替えの必要性が生じた場合でもローンが残っているという可能性も十二分に考えることができますので、車の寿命も考慮して、買い替えまでに車のローンが終わるように、返済期間を設定することも大切です。
おまとめローン利用で返済利息を減らす!
※具体的な金額を例に出して、どのくらいお得になる可能性があるかを追記お願いします。
まずは、最近CM等で耳にする機会も多くなった「おまとめローン」を利用する方法です。
おまとめローンとは、借入先が複数に分散している際に、借入先を1つにまとめることで利息の支払いを少なくするために利用されるローンのことを指します。
消費者金融等で融資を受ける場合には、元本の金額が大きくなればなるほど、適用される金利は低くなっていきます。
そのため、200万円を2社から借り入れている場合と400万円を1社から借り入れている場合では、後者のほうが利息を含めた最終返済総額は小さくなる可能性が高いです。
あくまで「可能性が高い」と表現したのは、利用する消費者金融及びおまとめローンによって金利の適用基準が微妙に異なるからであり、おまとめローンを利用した後のほうが返済総額が膨らんでしまったというケースもあります。
おまとめローンだから安全、と盲目的に利用するのではなく利用前後の月々の返済額・返済総額を確認したうえで利用することが重要です。
とは言え、借金を減らすために有効な方法の1つであることは間違いありません。
はやく返すための自分でできる3つの方法
早く返済するためには、とにかく繰り上げ返済を行うのが効果的です。
繰り上げ返済とは、毎月1回の約定返済とは別に、お金に余裕があるときに、任意の金額を返済するという方法です。
繰り上げ返済は、毎月1回の約定返済で、利息を支払ってしまっているので、返済金額のほとんどが元金の返済に回すことができ、借入残高をサクサク返済していくことが可能です。
繰り上げ返済をするためには、とにかく毎月の余剰金を増やしていく必要があります。
主な方法としては、以下の方法を考えることができます。
- 生活費の節約
- 所得を上げる
- 不要なモノを売却する
それぞれの方法について詳しく解説していきたいと思います。
①生活費を節約する
早く返済するためには、生活を節約して、毎月数千円でもよいので、繰り上げ返済を行なっていきましょう。
最近は、これまで当たり前のようにかかっていた、生活の中での固定費が節約できるようになっています。
具体的になスマホを大手キャリアから格安SIMに変える、生命保険や自動車保険をネット保険に変えることで、月額1万円以上節約できる場合もあります。
また、夜型の生活の人は、夜間に安い電気料金プランに変えるなどすれば、数千円を節約することも可能です。
さらに、ふるさと納税なども利用できます。
2,000円を支払うだけで、所得税と住民税が(寄付額−2,000円)分還付され、さらに返礼品まで受け取ることができます。
所得にもよりますが、ふるさと納税で食費を節約している人も多いので、ぜひ活用してみましょう。
毎月1万円も繰り上げ返済に回すことができれば、完済までの期間はかなり早くなりますよね?
主な節約方法としては以下のようなものがあります。
節約方法 | 節約額 |
---|---|
格安SIM | 最大8,000円くらい |
ネット保険 | 最大20,000円くらい |
電気料金の見直し | 最大2,000円円くらい |
ふるさと納税の活用 | 所得による |
②収入を増やす
収入を増やすことで、増えた収入を返済に回せば、より早く返済することができる場合があります。
ただし、今の勤務先での収入を増やすということは簡単ではありません。
このため、空いた時間で副業をすることをオススメします。
今は、スマホなどで簡単なアンケートをするだけで1日数百円程度なら稼ぐことも難しくありません。
慣れてきたらライディングなどを行えば月に数万円収入を増やすことも夢ではありません。
また、モニタリング、レビューなどで報酬をもらうことができる場合もあります。
クラウドソーシングサイトなどに登録して、まずは自分にできる仕事がないかどうか、探してみましょう。
③不用品を売る
自宅に眠っている服、ゲーム、ブランド品などを売却することでも比較的簡単に現金を手に入れることができます。
ヤフオクやメルカリなど、今は個人が不用品を売却することが簡単にできますので、自宅に眠っているものをどんどん出品してみましょう。
借金の原因はキャッシング?
借金の返済に関して話を進めていく前に、まずはなぜ高額な借金を背負うことになったかということに関して考えておく必要があります。
お金を借りた相手が仮に仲のいい友人等であれば、多少の融通はしてくれるかもしれませんからね。
しかし、いくら仲がよくとも400万円もの大金を貸してくれるかどうかというのはまた別の話です。
それほど多額のお金を借り入れる先となると、融資自体を仕事としている業者と考えるのが普通です。
融資の種類にも色々あり、事業性資金や目的別の資金等もありますが、利用者の母数の多さで考えるとサラ金、現代的な表現で言うのであれば消費者金融で融資を受けることによって負ってしまった借金である可能性が高いと言えます。
より深刻な場合には債務整理の検討も
おまとめローンは利息の返済を減らす際には有用ですが、そもそも元本の返済すら難しいというような場合では、おまとめローンを利用したところで焼け石に水です。
そのような場合には、元本自体を減らせることのできる債務整理の利用を検討するべきです。
債務整理にも、任意整理・民事再生・自己破産と程度によっていくつかの方法があります。それぞれについて見ていきましょう。
債務整理の相談ができる場所
債務整理の相談ができる場所としては、お金がかかってもよいのであれば、債務整理に強い弁護士を探すのが最も確実で、時間のかからない方法でしょう。
任意整理などは、優秀な弁護士に頼むほど減額できる借金の金額が大きくなりますし、家族にバレずに手続きを進めてくれます。
無料で相談したいのであれば、都道府県の相談窓口、法テラス、弁護士会などで相談しましょう。
金融庁ホームページには相談先の窓口が一覧化されているので、そこから相談先を探してみるのもよいでしょう。https://www.fsa.go.jp/soudan/
任意整理
まずは任意整理です。
任意整理は、比較的困窮度合いの低いかたが利用を検討する債務整理の手段です。任意整理は債権者との話し合いによって、将来的な利息をカットしたうえで、現在ある借金を3年~5年程度で返済するように返済計画を立てていくための方法です。
任意整理を行う上では裁判所が関与する必要はなく、債権者と債務者だけで完結できる手続きとなります。また、債権者との話し合いや交渉に関しても、弁護士や司法書士の方にお願いすることができるので、心配する必要はありません。
今ある財産を手放す必要もなく、職業選択に関する制限がかかるわけでもない代わりに、借金の元本自体は減りません。債務整理の中では比較的「マイルド」な方法であると言えます。
民事再生
続いては民事再生です。
民事再生は任意整理とは異なり、裁判所を介した手続きを行う必要があります。そのため、民事再生は全ての債権者を対象にして行われます。
これに対して裁判所を介さずに手続きが行える任意整理では、整理する債権者を任意に選択することが可能です。民事再生では任意整理とは異なり、借金の元本自体を減らしてもらうことが可能です。
そのうえで、数年間で返済を行えばよいので、債務者からするとかなり負担を減らせる方法となります。ただし、裁判所を通すため、手続きが非常に複雑になるうえ、そのための費用もかさみます。
また、民事再生は申請すれば必ず受理されるというものではありません。
民事再生を行っても返済できる見込みがないと判断されれば、自己破産に移行されてしまう可能性があることは念頭に置いておく必要があります。
自己破産
最後は自己破産です。自己破産という言葉自体は非常によく知られているため、「債務整理=自己破産」と考えているかたもいるでしょう。しかし、自己破産は債務整理の中の一手段に過ぎません。
ですが、一手段であると同時に最終手段でもあり、その効果は非常にドラスティックなものです。まず自己破産を行うと、一切の債務の支払いが免除されます。
債務残高がいくらであろうとも、それ以降の支払い義務がなくなるわけですから、これだけ聞くと債務者からすれば夢のような話です。
しかし当然デメリットもあり、まず住宅や自動車といったような財産は原則没収されます。手元に残せる現金も99万円以下で、預貯金は全て没収されてしまいます。
その上で弁護士・司法書士・公認会計士・税理士といったような職業には就けなくなります。これだけのデメリットを負いつつも、債務をなくしてもらいたいと思うような状態に陥っている人が取るべき手段が、自己破産なのです。
もちろん債務者の方は色々な事情を抱えていることと思いますが、できれば自己破産ではなく任意整理や民事再生といった手続きで乗り越えられる状態で踏みとどまってほしいと思います。
400万円の借金があるけど結婚できる?
400万円もの借金があると、結婚するのは難しいのでしょうか?
先ほど説明したように、400万円を金利15%で10年返済した場合の毎月返済額は約65,000円です。
もしも、20代で結婚しようとした場合、20代の平均年収は300万円弱で、手取り月収20万円弱ですので、20万円の所得の中から、65,000円もの金額を返済に持っていかれたら、自分1人でカツカツです。
奥さんとの共働きでない限り、家族を養っていくことは現実的に難しいと言えるかもしれません。
ましてや、結婚式を挙げるためのお金、新婚旅行、新居への転居、ファミリーカーの購入、将来のための貯蓄など、結婚したらお金はさらに必要になります。
自分の400万円もの借金のために、家族は貧しい思いをしてしまう可能性が高いことを考えれば、やはり結婚前に借金は精算しておく方が無難でしょう。
どうしても自力で精算できない場合には独身のうちに債務整理をした方がよいでしょう。
債務整理をすると信用情報はブラック化しますが、5年から10年で信用情報は綺麗になるので、傷がつくなら早い方がよいのです。
まとめ
400万円というお金は大金です。
このため、返済すると言っても簡単にできることでもありません。
特に金利の高いカードローンなどを借りてしまうと、利息だけで、借入額と同程度の金額を返済して行かなければならないケースも想定できます。
借りるときには返済の計画もしっかりと立てて借りないと、後から返済できなくなり、最悪の場合には自己破産などになってしまうという可能性も十分にあります。
もしも400万円もの大金を高金利で借りてしまい、借金を抱えて悩まれている方は、まずは色々な情報を探してみて、少しでも負担を減らせる方法があればそれに頼ってみてほしいと思います。その際に、今回お伝えした情報が参考になれば幸いです。
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