銀行で融資?預貯金がないときに資金調達をする方法
銀行から融資を受けることは、便宜上を考えると必要なこともあります。
事業性では開業の準備や、マイホーム、マイカーを買うために融資を受けることがあります。
将来的に融資を受けるとすると、預貯金があると何かと融通が利ききます。
そこで、預貯金を準備するための効果的な方法や、なぜ融通が利くのかを解説します。
この記事はこんな人におすすめ
- 中小企業経営者もしくは個人事業主でどのような事業資金調達方法があるかを知りたい人
- 中小企業経営者もしくは個人事業主で銀行から融資を受けるコツが知りたい人
- 起業するために資金を貯めたい人
事業資金調達方法の選び方
事業性資金を借りると言えば、銀行を思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし、事業を始めたばかりの個人事業主では銀行から融資を受けることが困難です。
したがって、企業の規模や業歴などに合わせて、適切な資金調達方法を選択しなければなりません。
具体的な資金調達方法は後で紹介するので、まずは企業の規模によってどのような資金調達を選ぶべきかを見ていきましょう。
スモールビジネスの資金調達
規模の小さいスモールビジネスの場合は、銀行からの融資は難しいでしょう。
特にメガバンクからの融資は現実的ではないので、地方銀行や信用組合に申し込むことになるでしょう。
もし、銀行の審査に通過できなかった企業の経営者におすすめしたいのが、日本政策金融公庫です。
これから事業を始める人にも、銀行に比べて積極的に融資を行っています。
また、助成金を利用することも重要です。
ベンチャー企業やスタートアップの資金調達
ベンチャー企業やスタートアップは、今までにないタイプの事業を立ち上げるため、銀行からの融資は難しいと考えられます。
前例がないということは、銀行が審査を行うときに何を基準にして良いかわからないということでもあります。
したがって、事業内容を重要視するベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達が向いていると言えるでしょう。
ただし、企業家として明確な事業計画を立てることができなければ資金調達は難しいですが、魅力的な事業計画があればクラウドファンディングで資金調達することもできます。
また、スモールビジネスと同様に、助成金や補助金を利用することも検討しましょう。
資金調達方法①日本政策金融公庫
日本政策金融公庫という個人の開業融資を積極的に行なっている金融機関があり、これから開業する、もしくは開業して間もない場合に利用できる創業融資を初めとして様々な融資を行っています。
日本政策金融公庫から融資を受けるときには、10分の1以上の自己資金が必要とされており、開業に向けてそれなりの蓄えを用意しているかが大事になります。
仮に、3,000万円のマイホームの購入を検討しているAさんとBさんがいたとします。
そして、Aさんは1,500万円、Bさんは貯金無しだとすると、どちらに融資されやすいか考えてください。
頭金が準備できるAさんの方が、融資されやすいのが容易に想像できるでしょう。
このように、どのような融資を受けるためにも預貯金は欠かすことができません。
自分がお金を貸す立場になっても、全く資産がない人と、ある程度資産がある人とではどちらにお金を貸しやすいのか考えると簡単に想像ができます。
なお、消費者金融から借金をしている人は審査に通過しにくくなる可能性がありますので、できるだけ借金は返済しておきましょう。
なお、消費者金融からの借金の有無は日本政策金融公庫に限らず、マイホームやマイカーの融資でも同じように審査に影響しますので、できるだけ不要な借金を作らないように注意しましょう。
資金調達方法②自治体の制度資金
地方自治体の商工課などに、「制度資金を借りたい」と相談に行くことで審査に通る可能性が上がることがあります。
経営に関する相談事を聞いてもらうこともできますので、事業を始めたばかりの人にもおすすめです。
地方自治体からの紹介は断りにくい
地方自治体には制度資金融資という融資制度があります。
この制度は、銀行と信用保証協会と地方自治体が3社でそれぞれの役割を果たし融資を行う制度です。
地方自治体が利息や保証料の一部を税金から負担し、信用保証協会が保証を行い、銀行が融資を実行するというスキームです。
中小企業向けに銀行が制度資金の融資を利用する場面は非常に多いのですが、銀行は月末や期末までに融資を実行するために、地方自治体の担当者に無理を言って審査を急いでもらうことなど珍しくありません。
つまり、多くの場合で銀行は自治体には頭が上がらないのです。
このため、地方自治体の担当者が銀行へ「この案件を融資できませんか?」と依頼してきたら、銀行はその案件を無下にはできません。
筆者も地方自治体から融資案件の紹介を受けたことがありましたが、この案件に対して、上司も保証協会も「自治体からの紹介案件」というと本気度が違い、できる限り速やかに融資ができるように、優先して案件を進めていたということがありました。
資金調達方法③信用保証協会の保証付き銀行融資
信用保証協会でも中小企業の資金繰りの相談を行っていますので、銀行よりも先に信用保証協会へ相談に行くことで、銀行に申し込みをするよりもお金を借りることができる可能性が上がることがあります。
保証があれば必ず実行する
先ほどから述べているように、中小企業融資において、鍵を握るのは信用保証協会の保証がつくかどうかであるため、先に信用保証協会へ相談に行き、保証を受けることができるかどうかを相談してみましょう。
信用保証協会の担当者も普段は銀行越しに顧客を審査しているため数字でしか事業者を審査しない側面がありますが、実際に面談すれば「保証で資金繰りを助けてあげたい」という心理が沸くものです。
先に保証協会の保証さえ得ることができれば、あとは銀行の審査は簡単にクリアできるため、本丸である信用保証協会の担当者を先に落とすという方法も効果的です。
この際には決算書をはじめとして会社の状況がわかる書類をできる限り持参し、現在の状況、今後の見通しなどを理路整然と説明できるよう準備をしておきましょう。
資金調達方法④保証付き融資
起業して間もない場合や、業況があまり良くないときは保証会社保証付き融資の利用がおすすめです。
保証会社付き融資とは、信販会社等が保証するビジネスローン(事業者ローン)のことを指します。
銀行の融資にはプロパー融資と保証会社保証付き融資がありますが、プロパー融資は銀行にとってリスクの高い融資のため審査が厳しいと言われています。
それに対して保証会社保証付き融資は、融資した資金を確実に回収できるため、銀行は融資しやすくなるのです。
ただし、プロパー融資に比べて、保証会社保証付き融資は金利が高く設定されています。返済期間が長くなると、返済総額が大きくなってしまうことがデメリットです。
保証会社保証付き融資を利用するときは、本当に必要な資金を算出し必要最低限の資金だけを借りるようにする必要があります。
資金調達方法⑤中小機構のファンド出資
中小機構では、「起業支援ファンド」「中小企業成長支援ファンド」「中小企業再生ファンド」の3種類のファンド出資事業を行っています。
中小機構は、ベンチャー企業だけでなく中小企業に投資を行っています。
創業後間もないベンチャー企業はなかなか出資してもらうことはできませんが、中小機構はベンチャー企業への出資も積極的に行っていますので、中小機構はベンチャー企業におすすめの資金調達方法と言えるでしょう。
ただし、融資を受けるためには経営計画や資金計画をしっかりと立てなければなりません。
なお、中小機構では無料で経営相談も行っているため、経営計画などを立てるサポートを受けられます。
資金調達方法⑥個人投資家やエンジェル投資家
個人投資家やエンジェル投資家から出資を受けることも手段のひとつです。
個人投資家に出資してもらうことのメリットは、投資家からの様々なサポートを得られるということです。
また、個人投資家のもつ幅広い人脈から、事業を行う上で最適な手助けをしてくれる人を紹介してくれることもあるでしょう。
資金調達だけではなく、自分ではなかなか築くことができない人脈を必要としている人におすすめできます。
ただし、自分に出資してくれる個人投資家を探すことが難しいことや、融資を受けられる金額が少額になるということがデメリットとなります。
また、投資家と企業化を結ぶマッチングサイトでは詐欺師が紛れ込んでいることもあるため、。簡単に投資家の言うことを信じるとトラブルに巻き込まれる可能性も十分にありますので、騙されることの無いよう慎重に判断する必要があります。
資金調達方法⑦ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルは、上場前の企業が成長することを見込んで出資を行う機関です。
もし、出資したベンチャー企業が成長しなければ利益を確保することができないため、積極的な支援を行ってくれます。
ベンチャーキャピタルからの成長支援を受けることによって、より短い期間で事業を軌道に乗せることができるでしょう。
また、ベンチャーキャピタルからの出資した資金を返済する必要がないことは大きなメリットです。
しかし、出資してもらっている以上はベンチャーキャピタルの意向を無視することはできないでしょうから、自分の裁量だけで経営方針を決めにくくなる可能性があります。
また、支援後しばらく経過し「成長する見込みがない。」と判断されてしまえば、早々に撤退し資金回収が行われる可能性がありますので事業の継続が難しくなるでしょう。
シード、シリーズA、B、Cの資金調達とは
ベンチャー企業は成長段階に応じて、資金調達のポイントが変わっていきます。
企業がどの成長段階にあるかは、投資をする側の判断材料としても用いられるので重要な要素です。
なお、シードは起業前、シリーズAは事業を開始した直後、シリーズBは軌道に乗るかどうかという状況です。そして、シリーズCは黒字経営となり安定してきた状況を示しています。
シリーズCへと近づくにしたがって、信用も増していくため投資額も増えていき、自社の段階に応じて必要となる経営支援も変わっていきますから、ステージに合わせたベンチャーキャピタル選びも必要になるでしょう。
資金調達方法⑧ネットでクラウトファンディング
クラウドファンディングでは、不特定多数の人から出資を募ることができ、出資者は投資家に限らず、どんな人でも出資することができます。
なお、クラウドファンディングにはいくつかの種類がありますが、「購入型」「融資型」が有名です。
金融機関の審査に通るかどうかにかかわらず、多くの人の共感を得ることができれば資金を調達することできます。
新しいサービスを提供しようと考えるベンチャー起業にとっては、事前に消費者の反応を伺えるという点もメリットと言えるでしょう。
ただし、クラウドファンディングで調達できる資金は、あまり高額とは言えません。
また、一般的に資金を得るまでには4~5か月必要とされているため、すぐに出資して欲しいときには不向きな方法と言えます。
資金調達方法⑨ファクタリング
ファクタリングは、売掛債権を期日より前に現金化することができるサービスであり、最短即日で資金を調達できるので、急いでいるときにも対応できます。
あくまでも売掛債権を現金化しているだけであり、借金をしているわけではありません。
また、2社間のファクタリングであれば、売掛先に知られることもないため安心して利用することができます。
ただし、ファクタリングを利用するためには、ある程度まとまった売掛金が必要であるため、事業開始直後では活用することが難しい資金調達方法であることがデメリットでしょう。
資金調達方法⑩補助金・助成金
補助金や助成金は、融資と違って返済する必要がないというメリットがあります。
返済負担が大きすぎるせいで経営が上手くいかないというケースを考えると、返済不要で資金を調達できることのメリットは大きいと言えるでしょう。
しかし、以下2つのようにデメリットが全くないというわけではありません。
- 事務処理が増える
- 申込時期に制約がある
まず、事務処理が増えるということです。
不正受給していないことを証明しなければなりませんから、補助金や助成金なしで経営するよりも多くの事務処理が必要になる可能性があります。
場合によっては事務処理のための人員を新たに確保する必要もあるでしょう。
また、「創業1年以内の事業者に限る」など利用できる時間的な制約がついていることもデメリットでしょう。
気づいたときには利用できなかったということもあるため、先ほど紹介した日本政策金融公庫・商工会や商工会議所・銀行などで積極的に情報収集する必要があるでしょう。
資金調達方法⑪エクイティファイナンス
エクイティとは株式資本のことです。エクイティファイナンスとは、新しく株式を発行することによる資金調達方法となります。
エクイティファイナンスのメリットは、融資を受けることと違って返済期限がないということです。
一方で、新株を発行するということは、株の総量が増えるということであり、総量が増えることで株ひとつ辺りの価値は下がってしまうため株主に十分な説明をしなければならないでしょう。
また、誰かが多くの株を取得してしまった場合には、経営に影響力を持たせることにつながることはデメリットとなりうるでしょう。
資金調達方法⑫私募債
私募債を簡単な言葉で説明すると、中小企業が発行する社債のことです。
私募債の発行は自社で勝手に行うわけではなく、金融機関などからの保証を得て発行することになります。
言葉を変えれば、銀行から高い評価を得ることができたということでもあります。
したがって、会社の信用を高めることに繋がるということがメリットです。
なお、私募債は発行手数料が必要になることから、融資と比較したときに資金調達するときのコストが割高になることがあります。
他の資金調達方法も検討した上で利用するとよいでしょう。
資金調達方法⑬家族や知り合いから借りる
金融機関からの融資を得ることができなくても、家族や知り合いを頼ることはできます。
ただし、例え家族や知り合いから借りる場合であったとしても、金利や返済期日などについてはしっかりと書面を交わしましょう。
家族や知り合いからであれば、金融機関からの融資よりも好条件で借りることができますし、金利や返済期間など返済負担が重くなりすぎないように設定できることはメリットと言えます。
しかし、家族であったとしても、借りたお金を返すことができなかった場合には、関係性がこじれてしまう可能性があります。
家族や知り合いは金融機関よりも頼りやすいかもしれませんが、最終手段だと考えておくべきでしょう。
なお、借りたお金を返す際には、金利と同額とは言いませんが多少のお礼を準備することが常識的ですね。
銀行融資を成功させるコツ
やはり、金利の低さを考えると銀行からの融資を受けたいと考える人が多いでしょう。
銀行から融資を受けるには企業実績や取引実績を積むことが重要と言われますが、いざ融資を受けたいと考えてからでは実積を作る十分な時間などないでしょう。
そこで、すぐに銀行融資を受けるために実践できるコツを紹介しますので、銀行に融資を申し込むときの参考にしてください。
銀行にとって貸したい時期を狙う
銀行には融資をしたい時期があるとご存知でしょうか?
この時期に融資に申し込みを行うと、審査に通過できる可能性が高くなることがあります。
すぐに資金が必要な場合には、銀行が貸したい時期を待っている余裕はありませんが、時間的な余裕がある場合には時期に注意して申し込むとよいでしょう。
銀行にはノルマがある
銀行には支店ごと営業担当者ごとにノルマがあり、ノルマは銀行員や支店の評価にとって絶対的なものです。
銀行はあくまでも民間企業ですから、クリアするノルマが設定せれていてもおかしくはありません。
このノルマをどうしても達成したい時期に融資申込を行うと、普段断っているような先からの融資相談であっても実行する可能性が高まります。
それでは、具体的にどのようなタイミングを狙えば良いのかを見ていきましょう。
期末と年末がチャンス
銀行のノルマは大抵半年ごとの上期と下期に別れています。
また、銀行員のノルマは膨大で、よほど頑張らないと達成できない数字が割り当てられているため、ほとんどの場合、期末まで残り数日で達成できていないか、達成できるかどうか微妙なラインなのです。
このため、銀行からお金を借りたければ期末である9月と3月に申し込みを行うほうが銀行はノルマ達成のためにかなり力を入れてくれます。
決算書の内容が変わらないのに、銀行が本気になるかならないかが時期によって変わる理由は、銀行が審査の基準を甘くしているからではありません。
中小企業に対しては信用保証協会の保証をつけて融資を行うため、このような何がなんでも融資をしたい時期は、銀行が保証協会が保証を渋っている案件を保証するように、かなりしつこく保証を依頼してくれるのです。
銀行と信用保証協会は人間関係で持ちつ持たれつで成り立っているため、保証協会も銀行が普通に保証を依頼する案件と、なんどもなんども「いくらでもいいので保証してくれ」というような雰囲気で本気になって頼まれるのとでは、本気になって頼んでくる案件の方が保証協会が断りにくくなるため、期末の方が審査には通過しやすくなります。
また、年末は銀行も信用保証協会も年末資金相談窓口などを設けて、年末に緊急にお金が必要になる企業に対する融資に対して積極的になります。
3月と9月に加えて、年末も銀行からお金を借りやすい時期であると言えるでしょう。
家族が付き合いのある銀行を狙う
銀行に自分や家族などの預金がある事業者への審査は比較的甘くなる傾向があり、特に大口預金先の関係者の融資は断りにくいのが実態です。
やはり、融資を断ったことが原因で、大金を預けてくれる優良な顧客を失うことは銀行からしても避けたいことなのでしょう。
したがって、これまで全く付き合いのない銀行よりも、何らかの関係のある銀行を選択し申し込んでみるとよいでしょう。
預金者の親族は融資が受けやすい
銀行は大口預金者が預金を下ろしてしまわないように気を使っています。
なぜなら、銀行は顧客からの預金を使って運用しているため、預金がなくなってしまうと企業として営業できなくなってしまうからです。
もしも預金者の家族の融資を断ってしまったら、預金者の機嫌を損ねてしまい預金を払い戻される可能性があります。
このため、銀行も信用保証協会にどうしても断れない案件だと、熱意を持って交渉する必要があります。
また、そもそも家族や本人が当該銀行へ預金があれば、融資案件の稟議の際に「最悪の場合には、大口預金者の家族からの返済支援も期待できる」というロジックが成り立つため、銀行が預金者に気を使おうが使うまいが、審査には通過しやすいのです。
家族が預金している銀行に、家族から紹介してもらうという形で事業資金の申し込みを行うのがベストでしょう。
仲の良い社長に相談する
自分が仲の良い社長に銀行を紹介してもらうという方法も効果的です。
ここまで紹介した中では最も効果的で、最も誰でも実践可能な裏ワザと言えるかもしれません。
できる限り大きな会社で、会社に頻繁に銀行員が訪れてくるような会社の社長に紹介してもらうことが重要です。
大口取引先の社長の顔は潰せない
銀行がいつも「お金を借りてもらっている」ような優良取引先からの紹介案件には銀行は非常に敏感になります。
融資を断ってしまったら紹介してくれた優良取引先の社長の顔を潰してしまいますし、逆にスピード感を持って融資をすれば取引先の社長から感謝される可能性があるためです。
何も紹介がなく銀行へ融資の相談に行くのと、銀行にとって大事な人からの紹介で銀行に行くのとでは銀行の本気度は全く異なるため、できる限り紹介で銀行に行くようにしましょう。
支店長と知り合いになる
もともと銀行の支店長と知り合いであれば、その人に融資の話をしてみましょう。
知り合いではない場合には、異業種交流会などに行けば、支店長も人脈を広げるために参加していることが多いため知り合いになれる可能性がありますので、人脈を普段から広げておくことも審査通過においては重要です。
支店長案件は重要度が違う
銀行の支店長は、融資に関してかなり大きな権限を持っています。
業務効率化のため、一定以内の融資金額に関しては本部まで決済せず、支店長決済だけで融資ができるようになっています。
また、信用保証協会も支店長から「保証をお願いします」と頼まれると、かなり断りにくくなります。
筆者も銀行員時代は信用保証協会が保証を渋っている案件に関しては、支店長から信用保証協会へ電話を入れてもらうことで、これまで自分が交渉しても保証が下りなかった案件の保証が簡単に下りたという経験が何度となくありました。
信用保証協会の審査はカードローン審査のように無機質なスコアリングで行なっているわけではなく、保証協会も銀行との人間関係の上に成り立っているため、偉い人が交渉するほど保証を断りにくくなります。
さらに部下は支店長の顔を潰せないため、支店長案件に対しては優先して稟議の作成などを行いますので、融資までのスピードも早くなる傾向があります。
起業資金を貯める方法
預貯金がない状態でいきなり100万、1,000万円もの高額な蓄えをするといっても現実味がありません。
しかし、毎月2万円貯金ができたとすれば、年間で24万円になり、5年間もすれば100万円以上の預貯金を行なうことができます。
日本政策金融公庫で融資を受ける場合、最低でも10分の1以上の自己資金を確保する必要があります。
100万円の貯金ができれば、1,000万円以内の融資を受けられる可能性があります。
例え少額であったとしても毎月コツコツ預貯金を行なえば、将来的に融資が必要なときには役に立つ金額が貯まっているでしょう。
貯金を行なうにはまずは収支の確認
預貯金を行なうために何よりも大切なことは、自分のお金の収支を把握することです。
預貯金ができない人は、毎月自分の給料の手取りがいくらで、どのようなことにお金を使っているのかを把握できていないことが多いと言えます。
預貯金をするには、偏った出費を減らすことがポイントになります。
そこで、まずは自分の支出を把握して、何にお金を使いすぎているかを把握してください。
必要以上に使っている資金を貯金に回すことができれば、起業資金が貯まるペースも格段に上がるでしょう。
さらに、お金の出入りを把握し無駄を無くすことは、会社を経営する上で欠かすことができない作業であり、自分のお金の収支を把握する訓練を積むことで、将来の会社経営にも役立てることもできます。
家計簿を付ける習慣を付ける
収支を把握する方法はいくつかありますが、家計簿を付けることが定番でおすすめとなります。
家計簿のメリットは、自分の収支を目に見える形で確認することができることです。
また、支出の項目を細かくも大まかにも付けることができるため、初めてでも記入しやすいように調整できることもポイントです。
ただし、せっかく家計簿を付け始めても、途中で挫折してしまう人もいます。
挫折する理由として、習慣になる前に三日坊主でやめてしまうことがよくあげられますが、そのような人には、スマホアプリを使ってな家計簿を付けることがおすすめです。
紙で家計簿を付けると、どうしても買い物から家に帰って手帳やノートを開いて時間をとらなければいけません。
しかし、スマホで家計簿をすることで、「ラインなどのメッセージを送るついで」や「インターネットを見たついで」で家計簿を付けることができます。
ついでに行なうことが習慣化するコツになるので、覚えておきましょう。
また、無料アプリを利用すれば、レシートを写真で取り込むことで、簡単に家計を管理ができるようになります。
できるだけ簡単にできることが継続のしやすさに繋がるでしょう。
また、職場でパソコンをよく使うのであれば、エクセルで家計簿を付けるのもおすすめです。
高額な支出から節約しよう
家計簿を付けて自分の支出を把握することができたら、次は自分の支出の中で大きい金額を占めるものから節約できないか考えましょう。
注意点として、光熱費などの比較的少額の生活費は、最初は節約しないことです。
なぜなら、光熱費などの生活費はよほど偏った使い方をしていなければ、節約効果は非常に少ないからです。
例えば、こまめに電気を消したりシャワーの時間を短くしたりなどの節約ができたとしても、せいぜい月々数100円程度の削減にしかなりません。
そこで、節約をする項目は趣味や住居費、交際費などの中で特に高額になってしまうものから始めることがおすすめします。
預貯金口座を作っておく
預貯金のコツは、貯金専用の口座を作っておくことです。
貯金専用の口座を持っておくことで、生活費とお金を区別できるため貯金が行ないやすくなりますし、預貯金用の口座に手をつけなければ毎月一定の金額が貯まっていくでしょう。
目に見えて貯金の金額が増えることが分かるということは、起業資金を貯めるためのモチベーションの向上につながります。
なお、貯金のタイミングは給料日直後が最適であり、給料日直後に決めた金額を貯金専用の口座に振り込むようにしましょう。
このようにすることで、毎月一定の金額を確実に貯金にまわすことができるため、「思った金額が貯金できない」というケースを防ぐことができます。
また、貯金が長続きする大きなポイントは、貯金の金額を無理のない金額で設定することです。
もし貯金する金額が多すぎて生活費が足りなくなってしまい、預貯金専用の口座からお金をおろすのは貯金を目的としている以上、最も避けたいことです。
貯金を切り崩す頻度が増えると習慣になってしまい、預貯金ができないということにつながりますので注意をしてください。
融資を見据えるなら借金をしてはダメ
預貯金が一定の金額に貯まってくると、使わずに手元に貯めておきたい気持ちがはたらき、貯金を使いたくなくなってきます。
使わないことが一番ですが、冠婚葬祭や高価な買い物のときにはお金を用意しなければなりません。
このようなケースの場合、貯金を切り崩すかローンを組むかの選択肢がありますが、融資を見据えるならば貯金を使うといいでしょう。
なぜなら、ローンの返済があると融資の申込時に不利になるからです。
ローンは利息もかかってしまうため、一括での支払いよりも確実に高く費用がかかることもデメリットです。
もしもどうしてもローンを組みたい場合は、融資の申し込みの前までに返済が終われば不利になりませんので、できる限り短めに設定しましょう。
ツイッターでの資金調達には要注意!
ツイッターでは、まるで投資家のように融資希望者を募っている人がいますが、詐欺を行う人も含まれているので十分に注意してください。
せっかく起業のための資金を貯めていたので、詐欺に引っかかってしまうと、資金を騙しとられてしまいます。
場合によっては人生を台無しにするような出来事にもなりかねませんし、魅力的すぎる話には裏があるのではないかと疑うようにしてください。
審査に通過できず資金調達に苦労することもあるかもしれませんが、この記事で紹介したように資金調達するには数多くの方法があります。
ツイッターでの資金調達以外の方法も、是非、検討してください。
Q&A:資金調達に関する5つの質問
それでは最後に、資金調達に関する質問に答えていきます。
まとめ
事業性資金を調達する方法で一番最初に思い付くのは、銀行から融資を受けることかもしれません。
しかし、銀行から借りること以外にも、様々な資金調達方法があるため、銀行の審査に通過できなかったからと嘆く必要はないでしょう。
事業規模や業歴などによって、相性のよい資金調達方法があります。
なお、日本政策金融公庫から融資を受ける場合など、自己資金を10%以上確保することが条件です。
起業に向けて、貯蓄をすることは重要であるので、普段から家計簿をつけるなどして資金管理のスキルを磨いておくと経営してからも役に立ちます。
なお、銀行から融資を受けたい場合には、融資のタイミングや銀行に影響力を持つ人物を頼るなどを検討してください。
また、借金があると審査に通りにくくなる傾向があるため、できるだけ借金をしなくても済むように計画的に生活しましょう。
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