オリエントコーポレーションとは消費者金融なの?
友人がコンビニでお金を引き出しているところを偶然見かけ、後で話を聞くとオリエントコーポレーションのカードで借入していると言うのです。
オリエントコーポレーションといえばクレジットカードで有名ですが、友人はクレジットカードでキャッシングではなく、カードローンでお金を借りているようです。オリエントコーポレーションは消費者金融と同じなのでしょうか。
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
目次
オリエントコーポレーションとは
そもそもオリエントコーポレーションとは割賦販売事業とカード融資事業、及び銀行保証事業を行っている金融機関です。
オリエントコーポレーションのことを略称で「オリコ」の名称で親しまれています。
簡単に言えばクレジットカードの発行をメインにオートローンやショッピングローン、銀行の保証会社などを行う全国でも有名なクレジットカード会社です。
正式名称を株式会社オリエントコーポレーションと言い、本社を東京に置き、創業1954年とかなり歴史を持った東証一部に上場している企業です。
三菱UFJニコスやJCBと同系列のクレジットカード会社と考えても差し支えありません。
クレジットカードの会員数は1,024万人と業界トップクラス、オートローン利用者は155万人、銀行の保証会社として500以上の金融機関と業務保証委託契約を結んでいます。
オリエントコーポレーションとはいわゆるクレジットカード会社で、イメージの悪い消費者金融ではありません。
ノンバンクという大きな括りで考えれば消費者金融と同じグループに入りますが、銀行以外の金融機関では、消費者金融よりもワンランク格上の存在ですね。
◆オリエントコーポレーション 企業情報
◆オリエントコーポレーション 数字で見るオリコ
オリコは消費者金融ではない
結論から触れておくと、オリコは消費者金融ではなく信販事業を行ったりクレジットカードの発行を行ったりしている会社で、業態で言うと「信販会社」という業態になります。
元々がクレジットカードを発行している会社ですので、クレジットカードの中のキャッシング枠の機能のみが付帯しているカードを作ったと考えていただくと、イメージしやすいかもしれませんね。
では、オリコで取り扱っているカードローンの商品詳細について簡単に説明していきましょう。
なおオリコのカードローンは「CREST」という商品名のため、以下の説明ではこの商品名を用いて説明を行っていきます。
CRESTの利用限度額や融資利率などは、以下の表のようになっています。
利用限度額 | 10万円~500万円 |
---|---|
借入利率 | 実質年率4.5%~18.0% |
返済方法 | 元利定額リボルビング方式 (残高スライド) |
返済日 | 毎月27日 |
遅延損害金利率 | 実質年率18.0% |
担保・保証人 | 不 要 |
オリコは消費者金融ではないものの、取り扱っているカードローンの商品詳細は消費者金融のものと大きな差はありません。
なおオリコでは、「CRESTジュエル」という女性専用のカードローンも取り扱っていますので、女性のかたはそちらの利用を検討してみてもいいかもしれませんね。
CRESTは「信販系」カードローン
CRESTはオリコが取り扱っているカードローンですがオリコは信販会社なので、CRESTのようなカードローンのことを取り扱っている会社の業態を用いて、「信販系カードローン」ということがあります。
これはカードローンを分類する際の切り口の1つであり、他には「銀行(系)カードローン」や「消費者金融系カードローン」といったカードローンがあります。
会社の業態ごとに分類はされるものの、「カードローン」という商品自体が同じである以上それぞれの商品詳細はある程度似通ってきますが、金利設定や利用限度額設定はそれぞれのカードローンで異なります。
カードローンを選ぶ際に重視したいポイント・譲れないポイントは人によって様々だと思いますが、各系統のカードローンの特徴に注目してみると、利用すべきカードローンを判断しやすいかもしれませんね。
CRESTのメリット
ではここからは、CRESTのメリットやデメリットについて考えていきましょう。
まずはメリットからです。
オンライン申し込みで金利引き下げ
CRESTの適用金利は消費者金融と同程度となっており決して低いとは言えませんが、オンライン申し込みでCRESTに入会することで、最大で2.0%の金利優遇を受けることが可能です。
少額での申し込みの場合は適用金利幅のうちもっとも高い金利を適用されることが多いですが、オンライン申し込みを行えばその金利から2.0%引き下げられた16.0%で借り入れを行える可能性があることになります。
金利は返済負担に大きく関わってくる要素だけに、最大で2.0%の引き下げはかなり魅力的だと言えるでしょう。
幅広いATMで利用可能
信販会社の取り扱っているカードローンを利用すると、利用できるATMが少なく思ったより使い勝手が悪いということが往々にしてあります。
しかしオリコは大手の信販会社であり、CRESTが利用できる提携ATMもコンビニATMやメガバンクのATMなど非常に多岐にわたっているため、使いづらさを感じることはほぼないでしょう。
利便性はカードローンを選ぶ際の重要な要素の1つなので、これは大きなメリットです。
利用明細書の郵送をストップできる
カードローンの利用を周囲にバレたくないと思っている人は多いと思いますが、CRESTはそういった人たちの要望にも対応しています。
カードローンを利用すると毎月の利用明細書が自宅に郵送されてくることが多いですが、CRESTでは利用明細書の郵送をストップすることが可能です。
その代わりに、CRESTのマイページ上でWeb明細を閲覧できるように設定できるため、書類の存在から家族などにカードローンの利用がバレてしまうという可能性を少しでも減らしたいというかたは、Web明細を利用するといいでしょう。
CRESTのデメリット
では反対に、CRESTのデメリットとしてはどのようなことが考えられるでしょうか。
初回の融資までに多少時間がかかる
CRESTでは、申し込みを行ってすぐに融資を受けられるわけではありません。
CRESTではローンカードが郵送で届く前に借り入れを行うことは基本的にはできませんが、1回だけローンカードの到着前に振り込みによる融資を受けることが可能です。
しかしホームページを確認してみると「最短5営業日後にお振込」という記載があるように、実際に融資を受けられるまでには多少の時間を必要とします。
5営業日後というのはあくまでも「最短」の場合なので、実際にはもう少し遅くなるケースも十分考えられます。
カードローンではすぐに融資を受けられるというイメージをお持ちのかたも多いと思いますが、そういったイメージを持ちながらCRESTを利用するのは危険かもしれませんね。
総量規制の対象となっている
オリコは信販会社であり信販会社は「貸金業者」というくくりに入りますが、貸金業者は貸金業法という法律の範囲内で事業を行わなければなりません。
そして貸金業法の中には、「貸金業者が申し込み者に対して融資を行うことができる金額の上限は年収の3分の1である」という内容の、「総量規制」という規制があります。
この総量規制が存在することにより貸金業者で借り入れを行う場合、自身の年収次第では借り入れたい金額を借り入れられないという可能性が出てくるのです。
なお同じ貸金業者に含まれる会社にはご存知消費者金融がありますが、消費者金融には「無利息サービス」などの便利なサービスがあるため、総量規制の対象で借り入れ金額が制限されてしまうというデメリットをそこでカバーできていると言えます。
総量規制の対象でありながら消費者金融のような無利息サービスは取り扱っていないCRESTは、ひどく中途半端なカードローンになってしまっているととらえられる可能性が高いかもしれません。
オリエントコーポレーションはキャッシングも行う
オリエントコーポレーション(以下オリコとする)はクレジットカード会社ですから、クレジットカードの機能としてキャッシングによってお金を借りることもできます。
もちろんクレジットカードはショッピング機能がメインですから、提携ブランドとしてVISA、MASTER、JCBを付帯させることで海外でも利用できるメリットは大きいです。
またクレジットカードのキャッシング機能を増強したカードローンも発行しているため、提携銀行やコンビニATMなどからキャッシングすることも可能です。
ATMから簡単にお金を借りることができることから、消費者金融と変わらないのではないかと思う人もいるかもしれません。
オリコの個人向けカードローンとして「CREST」をブランドとして持ち、最高融資限度額500万円まで、金利は年4.5%から年18.0%、インターネットで申込みが可能で審査時間は最短25分と数字だけ見るとまさに消費者金融のような商品内容です。
オリエントコーポレーションと消費者金融の違い
オリコのカードローンと消費者金融との最も大きな違いは即日融資と金利体系です。
大手消費者金融は申し込んだその日のうちに借りることができる即日融資に特化していますが、オリコはそもそもクレジットカード会社ですので、初めてオリコに申し込んでも借入できるまでは最短でも5営業日はかかってしまいます。
また借入金利体系が銀行カードローンとよく似ており、利用限度額によって金利が異なります。
消費者金融の場合は借入限度額が10万円以上100万円未満の場合、借入金利は年18.0%でほぼ統一されていますが、オリコのカードローンの借入金利は次のように細かく区分けされています。
・限度額50万円未満:年15.0%から年18.0%
・限度額50万円超100万円未満:年9.6%から年18.0%
・限度額100万円以上200万円未満:年7.8%から年15.0%
金利に幅があるのは利用者の審査内容や、利用年数、利用実績などによって利用者ごとに違いがあるからです。
消費者金融で借りるよりは金利はやや低め、銀行カードローンの標準金利と比べるとやや高めという感じですね。
なお利息計算方法やお金の借り方については消費者金融と変わりはなく、コンビニATMから直接現金を借りる以外にも振り込みキャッシングで借入することも可能です。
クレジットカード会社の特徴として返済日や支払い方法が固定されています。
返済日は毎月27日で決まっていて、支払方法は銀行口座振替のみです。
それに対して消費者金融は大手消費者金融奈良返済日を自由に決定することができ、支払方法は銀行口座振替以外にもATMからの返済、インターネットバンキングによる返済など多種多様な返済方法が選べます。
カードローンのくくりで考えればどこも同じ
カードローンを発行しているのは消費者金融だけではなく銀行やクレジットカード会社です。
消費者金融からお金を借りるのは悪いイメージでも、銀行カードローンでお金を借りるのはそれほど悪いイメージがないのはなぜでしょう。
それは銀行に対する安心感や信頼感が根付いているからではないでしょうか。
消費者金融は昔は「サラ金」や「高利貸し」と蔑称され、消費者金融からお金を借りることは悪いこと、と世間一般では考えていたようですね。
しかしカードローンはもはや消費者金融だけの独壇場ではなく、銀行やクレジットカード会社も個人向けカードローンを発行し、積極的に融資を行っている状態です。
もちろんオリコのカードローンも消費者金融のカードをも無担保無保証で借りることができ、利用限度額内なら何度でも追加借入ができるなどカードローン特性は変わることがありません。
銀行カードローンから借りるのは良い借り方、消費者金融から借りるのは悪い借り方と決めつけてはいけませんね。
無担保無保証で借りることを考えれば、オリコのカードローン、銀行カードローン、消費者金融カードローン共に何も変わらないのです。
オリコのカードローンも使い方次第
金融機関に対するイメージがどうのこうのではなく、オリコが発行するクレジットカードのキャッシングやカードローンも使い方次第ですね。
無計画に返済能力を超えた借入をすれば、支払滞納をしてしまい、返済滞納はオリコが加入する信用情報機関CICに登録され、他の金融機関でローン審査を行う場合に悪影響を与えることもあります。
3カ月以上の長期滞納は金融事故としてCICに登録されるだけでなく、他の信用情報機関であるJICCやKSCにもデータ共有されてしまいます。
オリコの借金を債務整理してしまえば、当然ながら金融事故として信用情報機関に登録され、情報は共有されますので5年から10年の間はお金に関する契約は出来なくなってしまうでしょう。
カードローンには銀行系、信販系、消費者金融系など区分けされていますが、区分けする意味は全くありません。
どこのカードローン会社でも法律遵守を徹底しており、違法な高金利での貸付は禁止され、借主の迷惑を顧みないような違法な取り立て行為も規制されています。
消費者金融だけを一方的にダークなイメージで捉えるのは、現在の法律ではナンセンスですね。
消費者金融から借りると信用力は落ちるけどオリコなら信用力は落ちないなんてことはありませんよ。
お金を借りてもしっかり返済すれば、良好なクレジットヒストリーが信用情報機関に登録されていくのです。
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