退去費用の請求額に納得いかない時の対処法|高額請求されやすいケースとは

賃貸契約をしていたアパートやマンションを退去する際に、原状回復を理由に家主や管理会社から高額の退去費用を請求されるケースがあります。
年々減少傾向にあるものの、国民生活センターには「賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル」に関する相談が多く持ち込まれているほどです。

「退去費用が高過ぎる」「この金額の退去費用を払うのは納得がいかない」、このような時にどうすればいいのか分からない、貸主の請求通りに退去日を支払うしかないと考える方もいるのではないでしょうか。

当記事では、そのような方に向けて、退去費用の請求額に納得がいかない場合の対処法について解説。また、記事内では退去費用に関する知識をはじめ、高額な退去費用を請求されやすいケースや、高額な退去費用を請求されないためのコツも紹介します

「退去費用に納得がいかない」だけの理由で請求を放置するのはリスクが高いです。そこで、退去費用を払えないとどうなるのかを下記ページにまとめました。ぜひ合わせてご覧ください。
>>>退去費用が高額で払えない時の対処法

退去費用の請求額に納得がいかない場合の対処法

退去費用の内訳を確認して納得できない場合、家主や管理会社に説明を求めてください。それでも納得できない場合、国民生活センターに相談したり、民事調停や少額訴訟も検討したりしてみましょう。

家主や管理会社と交渉

賃貸物件退去時に高額の退去費用を請求された場合、家主や管理会社に金額が高い旨を伝えてください。その際に、退去時の部屋の写真を証拠として提出する、費用内訳の説明を求めるなどして、借主に不利な部分がないかを確認するようにしましょう。

退去費用の金額に納得できるまでは、支払いに同意しないでください。

退去費用の内容・内訳の明細を請求

家主や管理会社に対し、退去費用の内容および内訳の明細を請求します。なぜなら、住んでいた部屋の原状回復にかかる費用は、基本的に入居時に家主や管理会社に支払った敷金から差し引かれるからです。

敷金は、借主が部屋を汚したり損傷させたりした場合、原状回復の費用に充てるためのお金です。2020年4月1日の民法改正によって敷金と原状回復についてのルールが明文化され、家賃の滞納や借主の故意・過失による損傷がなければ敷金は返還されます

借主負担部分と家主・管理会社負担部分に分ける

原状回復費用にかかった費用の明細を受け取ったら、借主負担部分と家主・管理会社負担部分を分けてみてください。

経年変化・通常損耗が原状回復費用に含まれているか、「経年変化や通常損耗による原状回復費用は家主・管理会社が負担」といった特約がある場合はその内容は有効かどうかを確認しましょう。

家主・管理会社が負担すべき原状回復費用が借主負担になっていたら、その旨を伝えて請求を拒否しても問題ありません

借主自身で原状回復にかかる費用を見積もって請求の妥当性を確認

借主自身で原状回復にかかる費用を見積もって、家主・管理会社が提示した金額が妥当かどうかを判断するのも効果的です。

「借主負担だから相場よりも高額な費用を請求しても問題ない」と考える家主や管理会社も少なからず存在します。借主が取得した見積書の金額と家主・管理会社が提示した原状回復費用があまりにもかけ離れている場合、具体的な根拠を伝えて適切に反論してください

国民生活センターに相談

家主や管理会社が退去費用の交渉に応じない場合、国民生活センターに相談をしてみましょう。相談料無料で、専門の相談員が対応してくれます

ただし国民生活センターでは、法的拘束力のある指導を受けたり、家主や管理会社の間に入って交渉してもらえたりするわけではありません。法律での決まりや今後どのように対応すればいいのかをアドバイスしてもらえます。

相談は、下記の国民生活センターが案内する番号に電話をかけてください。

消費者ホットライン:市外局番なしの188

消費者ホットラインに電話がつながらない場合、国民生活センターの「平日バックアップ相談」の電話番号がアナウンスされます。

国民生活センター「平日バックアップ相談」:03-3446-1623(土日祝日、年末年始を除く10:00~12:00、13:00~16:00)

参考元:全国の消費生活センター等_国民生活センター

民事調停や少額訴訟に持ち込む

アパート・マンションの退去費用トラブルに活用できる方法が、民事調停や少額訴訟です。

民事調停

民事調停は、裁判官のほかに調停委員会が借主と家主の間に入って、話し合いが円満に進むようにサポートしてくれます。簡易裁判所で行われるもので、窓口に設置されている申立書に必要事項を記入して提出するだけで手続きができます。

裁判所に納める費用も安く、10万円の退去費用の返済を求める際の手数料が500円です。申し立てをした後に2、3回の調停期日を行い、通常3ヶ月以内で解決に至っています。

参考元:民事調停 | 裁判所

少額訴訟

民事調停で家主との話し合いに折り合いが付かなかったら、少額訴訟を検討してください。
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限って利用できる訴訟手続きです。退去費用のトラブル解決によく使われていて、減額、分割払い、支払猶予の免除などの判決がされる場合があります。

民事調停よりも費用は高く、退去費用10万円ごとにかかる手数料は1,000円。取り戻したい退去費用が20万円だったら、納める手数料は2,000円です

参考元:少額訴訟 | 裁判所

踏み倒してもいいことはない

退去費用の金額に納得がいかないからといって、踏み倒しを考えるのは避けてください。退去費用の支払いは、借金と同じように負債の扱いだからです。

連帯保証人を立てているなら、借主に代わって連帯保証人が退去費用を支払わなければなりません。金銭的な迷惑をかけるだけでなく、連帯保証人との今後の関係性には悪影響を与えるでしょう。

その他に退去費用の支払いを求めて、家主や管理会社から少額訴訟を起こされる可能性も高いです。そこで家主や管理会社の訴えが認められれば、借主の給与や預金口座が差し押さえられるのを避けられません。

賃貸物件退去の際に退去費用の支払いが必要

アパートやマンションなどの賃貸物件から退去する際、借主が家主や管理会社に支払うお金が退去費用です。物件の原状回復に必要な費用で「原状回復費用」と呼ばれる場合もあります。

退去費用は、借主の故意や過失による汚れや傷を元の状態に直すために使われる費用です。入居時に掃除やメンテナンスをしっかりと行って、汚れや傷が付かないようにしていれば、発生しないものでしょう。

しかし実際には高額の退去費用を請求されるケースも多く、2018~2021年に国民生活センターに寄せられた退去費用に関する相談は3万9000件近くありました。

相談内容はさまざまですが、主な相談例は以下を参考にしてください。

  • 入居時に付いていた傷を含めた修復費用を請求された
  • 壁紙の修理をするため敷金は返金できないと連絡があった
  • 管理会社へ確認後に賃貸マンションの光回線工事をしたが、退去時に工事の許可をしていないと言われて原状回復費用を請求された
  • 原状回復費用としてふすまの張替費用などを請求された

参考元:賃貸住宅の敷金・原状回復トラブル(各種相談の件数や傾向)_国民生活センター

退去費用は住んでいたアパートやマンションを退去する際に発生する費用です。必ず支払うべき費用なのは理解しているものの「退去費用が決まるのはいつなのだろう」といった心配がある方もいるのではないでしょうか。
そこで、退去費用がいつ決まるのかについて下記ページにまとめました。ぜひ参考にしてください。
>>> 賃貸の退去費用はいつ決まる?

家主や管理会社が請求してくる退去費用が正しいとは限らない

退去費用を支払う前に、原状回復にかかった費用の内訳が妥当かどうかを確認してください。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を確認

国土交通省住宅局の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、具体的なケース別に、借主側と家主側のどちらが原状回復費用を負担するべきかの記載があります。
退去費用を巡ってトラブルになったり高額請求されたりした場合、ガイドラインに基づいて請求されているのかを確認してください。

ガイドラインの内容はあくまでも指標に過ぎません。しかし、実際に調停や訴訟になった時は、ガイドラインに近い判断になるケースが多いため、参考にしても問題ないでしょう。

参考元:原状回復をめぐるトラブルとガイドライン|国土交通省住宅局

修繕費が入居者負担になる例

借主の故意や過失による損傷をはじめ、通常の生活では発生しない損耗がある場合、修繕にかかる費用を負担するのは借主です。具体的な負担例は以下を参考にしてください。

  • 飲み物などをこぼした際にできたシミやカビ
  • 雨の吹き込みによるフローリングや畳の変色
  • 喫煙による壁紙の変色
  • 結露を放置してできた壁やフローリング、畳などのシミやカビ
  • 壁に付けたくぎやネジの穴
  • 借主の不注意で破損した網戸や窓ガラス
  • 風呂・トイレ・洗面台の水あかやカビ
  • 台所の壁やガスコンロ、換気扇などにこびりついた油汚れ

修繕費が家主や管理会社負担になる例

退去費用は原状回復にかかる費用、つまり物件を元通りにするための費用です。ただし元通りとはいっても、入居時の状態そのままに戻すわけではありません。

誰かが住んでいても住んでいなくても劣化するものは、経年劣化として貸主に負担義務があります。その他に、年月がたって品質が下がるものについては「通常損耗」として貸主の負担となります。

貸主負担になるケースは以下を参考にしてください。

  • 家具を置いてできたへこみや跡
  • 日照によるフローリング、畳などの変色
  • 日照などの自然現象による壁紙の変色
  • 冷蔵庫の後部壁面の黒ずみや電気焼け
  • 壁の画びょうの穴(下地ボードの張替え不要な程度)
  • 破損していない網戸の張り替え
  • 自然災害で破損した窓ガラス
  • 風呂・トイレの消毒
  • エアコンの内部洗浄(タバコ臭がない場合)
  • 次の借主のための浴槽や風呂釜などの交換

提示された見積金額が妥当かを確認

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に、退去費用の見積金額や請求金額に貸主負担の費用がないかを確認してください。借主負担でない費用が含まれていたら、ガイドラインの記載内容を提示して減額の交渉をしましょう

一般的にハウスクリーニング代が必要

次に物件を借りる方が気持ち良く入居してもらうのを目的に、ハウスクリーニングを行うのが一般的です。ハウスクリーニング代は、借主負担の特約が付いているケースが多く、費用は入居時に支払った敷金から充当されます。

高額な退去費用を請求されやすいケース

以下に該当する場合、退去費用が高額になる可能性が高いです。

  • 敷金なしの物件だった
  • ガイドラインにはない特約があった

それぞれの内容を解説します。

敷金なしの物件だった

「敷金0円」の賃貸物件を選んだ場合、退去時にまとまったお金が必要になる可能性が高いでしょう。原状回復のためにかかる費用がそのまま退去費用となります

入居者獲得のために「敷金0円」をアピールポイントにする賃貸物件も多く存在します。このような賃貸物件は初期費用を安くできるので、入居時はとても魅力的です。しかし、敷金0円の賃貸物件を選ぶなら、退去時に高額な費用がかかる点を理解しておいてください。

ガイドラインにはない特約があった

「通常損耗補修特約」という契約をしている場合も、高額な退去費用を請求される可能性が高いです。なぜなら通常損耗補修特約とは、通常損耗による汚れや傷などの修繕費用も借主負担とする特約だからです。

そのため、ハウスクリーニング代、畳交換、壁や天井のクロス全面貼り替えといった費用が借主負担になります。契約時に支払った敷金ではまかないきれず、退去費用として請求されるのです。

「家主や管理会社に言われるがままに高額な退去費用の支払いに応じる」という方もいるのではないでしょうか。支払いに応じる前に、退去費用の相場を確認して請求された金額が適切なのかを再確認してください。退去費用の相場をはじめ、退去費用を下げる方法を下記ページにまとめました。ぜひ合わせてご覧ください。
>>> アパートの退去費用の相場は?

高額な退去費用を請求されないための4つのコツ

高額な退去費用を請求されないために、以下で紹介する4つのコツを覚えておきましょう。

  • 入居時に部屋の原状を確認
  • 徹底的に掃除をする
  • 穴やへこみは補修しておく
  • 退去立ち会いを必ずする

一つずつ詳しく解説します。

入居時に部屋の原状を確認

退去費用における原状回復とは、入居時の状態に戻すことを意味します。そのため、入居時にすでにあった汚れや傷に支払い義務はありません。

入居開始前に、前の借主による傷や破損がないかを確認してください。傷や汚れを見つけたら、該当箇所の写真を撮って家主や管理会社に報告しましょう

徹底的に掃除をする

退去前に掃除を徹底的に行うだけでも、退去費用を抑えられます。台所の壁や換気扇にこびりついた油汚れ、喫煙による壁紙の黄ばみ、風呂・トイレ・洗面台の水あかやカビなどは、しっかりと落としておきましょう。

穴やへこみは補修しておく

壁に穴を開けたり、へこみを付けてしまったりしたら、退去前に補修しておきましょう。借主が付けた穴やへこみは退去時の見積もりにも入るからです。

退去立ち会いを必ずする

物件から退去する際に、家主や管理会社から「退去立ち会いなし」を提案される場合があります。そこで「立ち会いがないなら楽に退去できる」と思わないでください。立ち会いがなければ、部屋の状態を双方で確認できないからです。

借主の意思で退去立ち会いをしなかった場合、退去費用の金額や原状回復の内容に不満が出ても対応してもらえない可能性が高いです。借主に不利な費用請求を避けるためにも、必ず退去立ち会いを行いましょう。

借主自身が立ち会えない場合は、代理人を立てても問題ありません。ただし委任状が必要になるケースもあるので、家主や管理会社に詳細を確認してください。

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