CICの見方を極めて住宅ローン審査を乗り切る!
夢のマイホームを購入しようと住宅ローンに申し込んだのに審査に通らなかった。
そんな時は大抵、申込者の個人信用情報に問題があるのです。
そこで今回は個人信用情報の1つであるCICの開示情報の見方を極めて、審査通過を妨げる原因解明の仕方と対応策をお教えします。
目次
住宅ローン審査では個人信用情報が重要!
これは住宅ローン審査に限った話ではないのですが、金融機関からの借り入れやローン申込時には、必ず申込者の個人信用情報が確認されます。
そして、この個人信用情報が最終的に審査合否を決定する最重要情報となってくるのです。
ほかの情報になんの問題もなく、審査通過する条件が揃っていたとしても、この個人信用情報に問題があれば全てが水の泡になってしまいます。
個人信用情報とは?
それではまずはそんなに重要になる個人信用情報とは、どんな情報なのかを簡単に説明します。
個人信用情報は一言で言うと、個人信用取引の情報です。
一般的に信用取引とは現金や株式を証券会社に担保として預けて、証券会社からお金を借りて株を売買することを指しますが、個人信用取引は個人の信用をもとに、金融機関からお金を借りたり、ローンを組んだりすることを指します。
私たちは生活していく上で必要なものを自分が得た収入で購入しますが、全てを現金購入しているわけではありません。
必要なものをローンを組んで購入することもありますし、お金が必要になった場合は金融機関から借入をします。
この借入やローンが個人信用取引に当たるのです。
個人の信用を元にお金を借りたり、ローンを組んだりすること、と考えてもらえばいいでしょう。
そしてその取引情報の全てが記録されているのが個人信用情報で、下記いずれかの信用情報機関で管理されています。
- 日本信用情報機構(JICC)
主な会員:貸金業者、クレジットカード会社、リース会社、保証会社 - シー・アイ・シー(CIC)
主な会員:クレジットカード会社、信販会社、貸金業者、保証会社 - 全国銀行個人信用センター(KSC)
主な会員:銀行、信用金庫、信用組合、農協、ろうきん
見てもらえばわかるとおり、各信用情報機関に加盟している金融機関には特徴があり、どの金融機関で個人信用取引をしたかによって、取引情報の保管先が違ってくるというわけです。
住宅ローン審査で重要になる個人信用情報とは?
この個人信用情報には下記のような情報が保管されています。
- 個人情報(氏名、生年月日、住所、電話番号などの基本情報)
- 借入、ローンの申込情報
- 借入、ローンの契約金額情報
- 借入、ローンの残金情報
- 借入、ローンの返済情報
これら情報で住宅ローン審査に最も影響を及ぼすことになるのが、「借入、ローンの残金情報」と「借入、ローンの返済情報」です。
金融機関からの借入やローン審査においては、申込者に返済能力と信用度があるかが一番重要なポイントになってきます。
審査落ちとなる個人信用情報はコレ!
審査ではちゃんと返済できるだけの返済原資となる年収や財産があるか、毎月きちんと決まった日に返済してくれると信用できるだけの信用度があるかを審議します。
返済できるだけの懐事情でない、借入やローンの返済が遅れがちであるとか、滞っているといった場合は、返済能力、信用度ともに「ナシ!」と判断するのです。
よって、金融機関への借入やローン申し込みで審査落ちしたというかたは、このどちらかに問題があったと考えられます。
しかし、何十年という長期的な返済が必要になる住宅ローンに申し込むくらいですから、借入やローンの残金が大きすぎるということは考えられません。
となれば、なんで審査落ちしたのかわからないというかたは、「借入、ローンの返済情報」に問題があると考えた方がいいでしょう。
個人信用情報には毎月の返済が確実にされているか、その情報が登録されています。
返済に問題があり、下記のような金融事故情報と呼ばれる情報が登録されていれば、まず審査を通過することはありえないのです。
- 度重なる遅延
- 延滞
- 代位弁済
(クレジットカードやカードローン) - 強制退会
(クレジットカードやカードローン) - 債務整理
(任意整理、民事再生、自己破産)
住宅ローン審査でCICの情報が確認されるワケ
先に説明したとおり、日本には3つの信用情報機関が存在するのですが、住宅ローン審査で必ず個人信用情報の確認が行われるのがCICです。
ではなぜ3つある中から、必ずCICの情報が確認されるのでしょうか。
ここではその理由について説明していきましょう。
CICは指定信用情報機関
先にも紹介しましたが、CICには下記の金融機関が加盟しています。
- クレジットカード会社
- 信販会社
- 貸金業者
- 保証会社
なぜCICの会員がこのような布陣になっているのかというと、それはCICが割賦販売法と貸金業法の指定信用情報機関だからです。
割賦販売法と貸金業法の遵守しなければならない業務を行っているところは、CICに加盟してくださいということです。
住宅ローンを扱う主な金融機関は銀行ですが、銀行が加盟しているのは全国銀行個人信用センター(KSC)ですから、ここで下記の情報を確認することはできません。
- クレジットカード会社や信販会社の利用情報
- 貸金業者の利用情報
KSCでは銀行関連の借入やローン情報しか確認できないので、審査時の情報としては不十分です。
今時、クレジットカードやカードローンの使用、信販系のショッピングローンを利用して家電等の購入は当たり前の話となっています。
となれば、これらの情報を無視して審査を行うことなんてできるはずがありませんよね。
よって、住宅ローン審査ではその情報を最も多く抱えるCICの個人信用情報を必ず確認しているのです。
銀行はどうやってCICの個人信用情報が得ているの?
信用情報機関に保管されている個人信用情報を開示請求できるのは、その情報を持つ本人と加盟会員だけです。
となればCICではなく、KSCに加盟している銀行がどうやってCICの個人信用情報を得ているのでしょうか。
その理由について説明しましょう。
銀行がCICの個人信用情報が得ている方法
これは保証会社が大きく関係しています。
ネット銀行を除き、基本的に銀行の住宅ローンでは、申込者が保証会社からの保証を受けられることを申込条件としています。
保証会社はローン契約者が返済不能となった時、残りのローン残債を銀行に代位弁済するのですが、この保証会社の大半が大手消費者金融(貸金業者)と信販会社なのです。
住宅ローン申し込み後には、この保証会社でも審査が行われます。
保証を受けるかどうかを審査する必要があるからです。
その時、保証会社に当たる貸金業者と信販会社が、加盟しているCICから申込者の個人信用情報を取り寄せるというわけです。
また近年は複数の信用情報機関に加盟している金融機関が増えています。
これは銀行も同様で、下記のようにCICに加盟している銀行も多く存在しています。
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銀行独自でCICの個人信用情報を確認できるところも少なくないというわけです。
CICの情報確認時のポイント
ここまでの説明で個人信用情報がいかに、住宅ローン審査で重要な決め手になってくるのかはおわかりいただけたでしょう。
そこで住宅ローン審査に安心して臨んでもらうために、やってもらいたいのがCICに登録されているご自分の個人信用情報の確認です。
CICに保管されている個人信用情報は本人であれば開示請求して見ることができます。
しかし、取り寄せても情報の見方がわからず、チンプンカンプンというかたが大半です。
ここではCICの情報がきちんとわかるように、住宅ローン審査に影響してくるポイントの見方について説明します。
CICの事故情報の見方
今回説明したように、住宅ローン審査で審査落ちとなる個人信用情報は返済情報です。
CICの返済情報に問題がなければ、個人信用情報が元で審査落ちとなることはありません。
CICに個人信用情報の開示請求を行うと、契約している借入やローンの各総合情報が信用情報開示報告書として開示されます。
借入やローンの総数が6つならば、全部で6枚の信用情報開示報告書が開示されるといった具合です。
そして、その信用情報開示報告書で確認して欲しいのが下記の2つになります。
- 入金状況
- 返済状況
入金状況の見方
信用情報開示報告書には過去24ヶ月分の入金状況が一番したに表形式で記載されており、毎月の入金状況が下記の記号で表示されています。
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この入金状況で問題となるのは、「A」です。
「A」は一般的には入金遅れ、もしくは遅延と呼ばれますが、3ヶ月連続で続いていれば延滞と呼ばれる金融事故情報とみなされるので、審査落ちとなる可能性が高くなってきます。
また度々見られるようだと、これも審査では大きなナイナス評価となるため、審査の総合評価点を落とすことになり、審査落ちの可能性は高くなってくるでしょう。
返済状況の見方
返済状況の欄に異動という記載があれば、これも審査落ちの原因となってしまいます。
この異動は61日以上の遅延がある場合に記載されるのですが、これも延滞という金融事故の扱いになるためです。
またこの異動が記録されると、延滞が解消された後も、5年間抹消されることはありません。
つまり、延滞解消後、5年間は住宅ローン審査に通る可能性は極めて低いということです。
遅延情報ならば最長24ヶ月で抹消される!
異動と記載される延滞情報は金融事故と呼ばれるくらい審査においてはNG情報ですが、入金情報に「A」と記載されている遅延情報は、連続していたり、度々見かけられるという状況でなければ審査に影響することはありません。
ですが審査の厳しい銀行では、この「A」の記載が審査に影響しないと断言はできません。
特に2ヶ月連続した情報はマイナス評価に繋がる可能性があるので要注意です。
しかし、延滞ではない遅延情報なら、最長24ヶ月で入金状況から抹消することができます。
「A」情報は最長24ヶ月で消える
信用情報開示報告書の見方で説明したとおり、入金状況は最新の24ヶ月分が記載されています。
つまり、1ヶ月ごとに一番古い記録が抹消されていくのです。
ここまで言えばもうご理解いただけているかと思いますが、審査で延滞ほどではないにしても、大きなマイナス評価となる下記の入金情報は、最長24ヶ月待てばCICの個人信用情報から抹消されるというわけです。
- 「A」が連続している
- 「A」が度々見かけられる
金利の低い住宅ローンほど審査基準は厳しくなってくるので、上記2つの入金状況が確認されれば審査落ちの原因になることも考えられます。
条件のいい契約を目指すのであれば、「A」の情報が消えるのを待って、住宅ローン申し込みをすることをおすすめします。
CICに個人信用情報を開示請求するには?
それでは最後にCICの個人信用情報の開示請求方法について簡単に説明します。
CICの信用個人情報は下記4つの方法で開示請求することができます。
- パソコン
- スマートフォン
- 郵送
- 窓口
今回はこの中でも最も簡単で時間がかからない、インターネットからの申し込みとなるスマートフォンからの申込手順を紹介します。
スマートフォンからの利用条件は下記のとおりです。
- 利用可能時間 毎日8時~21時45分
- 手数料 1,000円
気をつけて欲しいのは手数料の支払いがクレジットカードからになる点です。
今時クレジットカードを持っていない人はいないかと思いますが、もし持っていない場合はスマートフォンからの開示請求はできないので、残りの方法で行うようにしてください。
CICの個人信用情報開示の手順
スマートフォンからの申込手順は下記のとおりです。
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開示報告書は初回開示後96時間以内ならば再開示ができますし、パソコンから再開示することもできるので便利だと思います。
ですがこの開示請求方法で気をつけてもらいたいのが、クレジットカード契約時に申告している電話番号です。
申し込みで電話をかけなければなりませんが、その際にはクレジットカードを契約した時に申告した電話番号からでなければなりません。
ほかの電話番号からだと電話番号が一致しないことで、申し込みを受け付けてもらえません。
電話番号が変わったかたは、クレジットカード会社で電話番号の変更をするか、ほかの申込方法で開示請求するようにしてください。
また必要となるクレジットカードですが、利用できるクレジットカードが下のものに限定されています。
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この点も併せて注意するようにしてください。
信用情報を見るメリット
住宅ローンなどの申込前に、ご自身の個人信用情報を確認することにはメリットがあります。
個人信用情報を確認してみると、全く心当たりがないにも関わらず、借入や延滞情報が登録されてしまっているというケースがあります。
ご自身で借入を行っていて、さらに、延滞した記憶があるものに関して、異動情報があるのであればやむを得ません。
しかし、心当たりのない借入情報や延滞履歴であれば、CICなどの信用調査機関に抹消を依頼する必要があります。
信用調査機関のミスなどによって情報が登録されてしまう可能性もありますし、誰かがご自身に成りすまして借入を行っているということもあり得ます。
これらのケースは極めてまれなケースですが、可能性がないわけではありません。
また、実際に行った延滞であれば、その登録期間が経過してから住宅ローンを申込するのも良いでしょう。
CICなどの情報を確認した結果、異動情報があるのであれば、該当する延滞が解消してから5年間経過後に住宅購入を始めるということも大切です。
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