商工ローン問題の厳しい取立ては今もある?返済できなくなったら
中小企業の経営者や個人事業主であれば、商工ローンという名は1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
商工ローンと聞くと、過去の事件を思い出してしまい、なかなか申し込みを躊躇するという人もいることでしょう。
しかし、現在の商工ローンは、そんな心配はありません。
違法な貸付や取り立てをするところはないので、安心して利用してもらって結構です。
そこで今回は現在の商工ローンはどのようなローン商品となっているのか、その実態を見ていきながら、利用時の注意点について徹底解説していきます。
商工ローンの基本
商工ローンと言えば最近ではとんと耳にしなくなったローン商品ですが、それでも商工ローンを扱う業者は多々見受けられます。
商工ローンを簡単に説明すると、ノンバンクの1つに当たる消費者金融が開発した、事業者向けのローン商品です。
銀行から融資を断られた企業向けに開発され、開発当時は下記のような特徴を持つローン商品として知られていました。
- 担保不要
- 即日融資可能
- 高金利
借りやすいけれど、金利が高く、返済負担が大きいローン商品というわけですね。
しかし、資金が乏しく、銀行融資も受けられない中小企業や個人事業主にとっては、資金調達しやすい借入手段だったため、高金利というデメリットには敢えて目をつむり、多くの事業主が利用することになったのです。
当時はグレーゾ-ン金利が違法でなかったため、年29.2%もの高金利貸付が可能でしたから、返済負担は大変なものだったでしょう。
ですが現在は貸金業法の改正にともない、利息制限法に定められた金利を上回る貸付を行う業者はいなくなったので安心してください。
貸金業法の改正後は当時の商工ローンとは、性質が大きく異なるものになりましたが、根幹としてはこの3つの特徴はまだまだ健在で、主には運転資金などの短期資金の調達手段として利用されています。
それでは実際に現在の商工ローンは、どのようなローン商品となっているのかを見ていくことにしましょう。
金利
商工ローンは多くのノンバンクで取り扱われており、短期資金の調達に利用されることが多いため、借入上限額は500万円くらいのものが多く、数十何円くらいから借入することが可能です。
そして気になる適用金利ですが、これは申し込んできた事業所の経営状況や、事業主の評価にもよりますが、決して銀行のような低金利は望めず、ハッキリ言って間違いなく高金利となっています。
借入上限額が500万円くらいであれば、上限金利は年18.0%、下限金利は年6.0%前後が一般的です。
500万円の借入でも、一番いい金利条件は年6.0%にしかなりません。
しかも金利はカードローンのように上限金利と下限金利が設定されており、審査結果に応じて適用金利が決定されるため、申込先によっては銀行とは比べ物にならないような金利適用となることも多いでしょう。
政府の銀行とも呼ばれる日本政策金融公庫の金利が年1.66%から2.90%、銀行だと年2.0%から年9.0%であることを考慮すれば、いかに高金利設定となっているのかは、一目良縁です。
審査
金融機関における融資難易度は、金利を見ればある程度の予測が付くとも言われます。
審査評価が悪いところに貸付する場合は、貸し倒れとなる可能性が高くなるため、そのリスク回避のために保険として金利を高く設定し、その心配がない高評価のところにはリスク対策の必要がないため、低金利で貸付できるといった具合です。
その点で言えば先に比較した金利を見れば、商工ローンの審査は金融機関の中でも、一番審査難易度が低いことが予測できます。
商工ローンの審査は甘いと言われているのは、あながち嘘ではないというわけです。
中小企業や個人事業主が事業性資金の融資を受けるのであれば、一番審査通過率が高いローン商品だと言えるでしょう。
ビジネスローンとの違い
近年は商工ローンよりも、ビジネスローンの存在の方が大きくなっていますが、この両者にはどのような違いがあるのでしょう。
全く違うローン商品だと思っている人も多いようですが、この両者に違いはありません。
商工ローンはノンバンクとも呼ばれる消費者金融が開発した、事業者向けのローン商品だと説明しましたが、これに対してビジネスローンは銀行が開発した事業者向けのローン商品となります。
プロパー融資や保証付融資で対応できない、中小企業や個人事業は商工ローンに頼るしかなかったのですが、その市場を取りこぼしたくない銀行が、商工ローンに流れないように開発したのがビジネスローンだったのです。
しかし、販売したのはいいが、余りにも貸し倒れが多かったため、有益な商品とは言えず、銀行は次第に撤退し、今では取り扱う銀行はごく一部という状態となっています。
そこでこのビジネスローンという名称を使い始めたのが、商工ローンを取り扱っていたノンバンクです。
後述となりますが、商工ローンという名称が余りにもイメージが悪くなったため、商工ローンからビジネスローンに名称変更して販売するノンバンクが続出し、それが現在に至っています。
よって、現在は商工ローンとビジネストーンという2つの呼び名に分かれてはいるものの、ローン商品としては全く同じものと言っても差し障りはありません。
というよりも、中小企業や個人事業主への事業性資金の貸付を目的とした、全く同一のローン商品と言えるでしょう。
商工ローン=厳しいのイメージのきっかけ。商工ローン問題とは?
現在の商工ローンの正体はビジネスローンであり、以前の商工ローンとは全く違うローン商品となっていることを知ってもらったところで、先にも触れたノンバンクの多くが、商工ローンからビジネスローンへと名称変更する原因となった、商工ローン問題について簡単に話しておくことにします。
今でも商工ローンと聞けば、「大丈夫なの?」と疑問を持つ人が多い原因となる事件ですから、知らない人はどのような事件だったのか、しっかりと目を通すようにしてくださいね。
「商工ローン=脅迫的な取立」というイメージを生むことになったのが、1998年から1999年に社会的問題となった下記の業者による脅迫的な取立事件です。
- 日栄
- 商工ファンド
この頃はちょうどバブル崩壊後という時代背景もあり、銀行の貸し渋りが酷くなり、中小企業や個人事業主は銀行から資金調達することが困難な状況となっていました。
そこで貸し渋りの対象となった事業主ニーズの波に乗って、台頭してきたのが商工ローンです。
当時はまだ認められていた年29.2%ともの高金利となるグレーゾーン金利による貸付と、高い回収率を武器に、この2社が一気に業績を伸ばし、日栄は東証一部上場をするほどの企業に成長し、商工ローン業界の王者とも言われる存在にまで上り詰めました。
しかし、商工ローンはとある事件によって、その絶対的地位から崩れ落ちることになります。
日栄元社員が違法な取り立てによる、貸金業規制法違反容疑で逮捕されたことをきっかけに、この事件が各メディアによって報道され、「日栄・商工ファンド問題」として社会的問題にまで発展したのです。
しかも、その後に訪れるリーマンショックの影響で、リーマン・ブラザーズ・グループから巨額借入をしていた商工ファンドはそのあおりを食い、負債総額3380億4000万円で民事再生を申請し、それが認められることになります。
ですがその後、商工ファンドに下記のような違法行為が認められ、民事再背の適用が却下されて、破断手続きに移行されるという事件が発覚したのです。
- 保有債権の二重譲渡
- 粉飾決算を行い、それによる違法配当
- 経営陣による意図的な財産の流出
以上のように脅迫的な取立だけでなく、違法性の高い企業運営が発覚したことから、国民には「商工ローンは危険!」という意識が一気に根付いてしまうことになります。
これが商工ローンは危険と言われるようになった、一連の事件の内容です。
商工ローンの取立ては厳しい?
今話した商工ローン問題が尾を引いて、今でも「商工ローン=違法な取立て」が行われるという印象を持つ人は少なくないのが実情です。
特に実際に利用する事業主にとっては、これは切実な問題となってくるでしょう。
しかし、現在では法令順守(法律を守る)の観点から、違法な取立てを行う商工ローンは皆無です。
商工ローンを取り扱う貸金業者は、貸金業法において、取立時の規制行為が取り決められており、これに違反すると違法行為となり、金融庁から業務改善命令や業務停止といった罰則が課せられることになります。
よって、まともに貸金業者として業務を営んでいるところであれば、商工ローン問題で取り上げられた、脅迫的な取立行為を行うようなバカな行為をすることはなでしょう。
違法行為の取立て内容とは
法に従って取立てを行っていると言われても、何が違法行為なのか事前に知らないと、万が一のときに思わぬトラブルに発展してしまいます。
違法な取り立てをされているとしても、違法取立がどのようなものであるか知らなければ、嫌がらせに悩まされ続けることにもなりかねません。
基本的には嫌がらせをされていると感じる行為があれば、大抵の場合は違法な取立行為に当たると考えていいでしょう。
ですが具体的な違法行為がどんなものなのかを、知っておいた方が確実です。
ここでは違法とされている取立て行為がどのようなものか、具体的に規制内容を挙げて見ていくことにします。
1.大人数で押し掛けること
自宅の訪問については後で詳しく話しますが、取立目的で自宅を訪ねられることは、状況次第では違法ではありません。
つまり自宅に金融機関などの債権者がきても、その行為自体は問題とはなりません。
問題となるのは、何人で訪れたかという点で、基本的には訪問人数は1人とされています。
誰でも大人数で自宅まで来られたら、精神的に追い込まれてしまうでしょう。
そうなれば脅迫的な取立行為となってしまいますよね。
そのため訪問者は原則1人で、契約内容によっては2人とされています。
1人、もしくは2人を超える人数での取立訪問は、違法行為に当たると覚えておいてください。
2.正当な理由なく午後9時から午前8時に電話連絡や訪問は違法
返済が遅れていれば、金融機関はまず電話連絡で督促を行います。
電話連絡できるのは、午後9時から午前8時の間だけです。
しかし、正当な理由があれば、それ以外の時間帯でも、電話連絡することができるようになります。
電話で連絡が付かず、その後に書面で返済が遅れている旨の督促状を発送し、それでも何の返事もない場合、午後9時から午前8時の電話連絡や訪問では交渉できないことを理由に、この時間帯以外の電話連絡や訪問が許されるのです。
これを「正当な理由」と言います。
電話対応も書面による通知もきちんと対応しているにも関わらず、21時から8時までの時間帯に電話連絡や訪問、電報を送ってきた場合は違法行為です。
ですが通常決められたこの時間帯に対応せず、無視していると、正当な理由を盾に、この時間帯以外の電話連絡や訪問が始まることになるでしょう。
無視し続ければ、こうなることを、よく理解しておくようにしてください。
3.反復継続して電話連絡や電報送達、訪問などすること
電話の場合は1日3回までと決められています。
仮に電話が契約者とつながらなかったときでも、上限は3回までです。
電話がつながらないという理由で、3回以上着信があった場合は違法行為になります。
4.張り紙や落書きなどで他人にプライバシーをあからさまにすること
昔のテレビドラマの演出であったような、玄関に「金返せ」などの張り紙も禁止されています。
また近隣の人に「○○さんの借金の件で」と借入の事実について、借金をしている人の承諾なしに勝手に話すことも違法行為です。
借金というのは借主と貸主との2者間の契約となるため、その情報を第三者に伝聞することは情報漏洩に当たります。
その情報を家族や親族に伝聞することすら禁じられているのです。
となれば借金していることが周囲に知られるような行為が、違法な取立行為として規制されているのは当然のことですよね。
5.他の貸金業者から借入などにより弁済することを要求
お金がなく返済できない人に対して、他の金融業者から借入を行うことを要求することも違法です。
このような行為は、1998年に起きた、商工ローン問題と同じです。
内臓を売買して返済を強要するといったことは、決して許される行為ではありません。
また、金融機関だけでなく保証人ではない借金をしている本人の家族などに、代わりに支払うように要求することも違法行為です。
自分の子供がしでかしたことだから、代わりの弁済するのは親として当然の義務だろう。
昔的な考えでいえば、この言い分はもっともなものですが、契約に関係していない人に、返済義務は生じません。
金融業者の口車に乗らないよう、よく覚えておきましょう。
6.大声をあげたり乱暴な言葉を使ったりする
恐怖を感じる言葉は人によって異なるので、威嚇されたかどうかは判断が付きにくいケースもあります。
しかし、訪問先で大声を出したり、乱暴な言葉を使ったりすることは、明らかな恫喝行為です。
また言うまでもありませんが、暴力的な態度をとることも、同様に恫喝行為として禁じられています。
こういった恫喝行為は受けた側はすぐわかると思いますので、すぐに警察に通報するようにしてください。
また訪問してきた業者に対して、退去することを要求したにもかかわらず、退去してくれないという行為も恫喝行為とみなされます。
玄関先で立ったまま動かないといったケースなどが、それに当たる行為となるでしょう。
こういった恫喝行為は身に危険を及ぼす危険性があるので、すぐに警察へ通報するようにしてくださいね。
商工ローンの取立てがきても返済できない場合は放置?
商工ローンの取立てが怖くないと言っても、そのまま放置する考えは危険です。
商工ローンでも商工ローン以外の借入であっても、借りたのであれば返済しなくてはいけません。
中には返済するお金がないんだから仕方がないだろうと、開き直る人もいるようですが、借金の返済問題は放置すれば何とかなるというものではないのです。
放置したままで、相手からの督促を無視していると、最終的には必ず後悔するような結末を迎えることになるでしょう。
そこでここでは返済できすに何も対処しなかったときに、金融機関はどのような対応をとるのか、その対応によりどのようなリスクを被ることになるのかについて確認していきましょう。
返済ができなくなった場合の督促の流れ
返済日に入金が確認できないときには、金融機関は登録されている電話番号に電話をします。
商工ローンだと、会社の電話番号が一般的です。
電話は1日3回までで、電話に出られなかったときには、必ず折り返しの連絡をすることで自宅への訪問は避けられます。
金融機関は電話で連絡が付かないときに、自宅宛てに書面を送付してきます。
書類を送付して、反応がなければ自宅訪問という流れです。
この段階で返済方法について話し合いが付けば何の問題もありませんが、不在や無視を続ければ、回収不可能と判断して、法的措置を取ることになるでしょう。
そうなってしまえば、もうどうしようもありません。
できればこの段階で、返済計画を立て直すなどの対応を取り、法的措置を取られないよう対処することをおすすめします。
しかし金融機関によっては、あっさりと回収不能と見切りをつけて、自宅訪問を省略して裁判所に訴えるケースもありますので、そう判断されないように言動にだけは注意するようにしてください。
裁判所からの通知も無視した場合には強制執行
裁判所に訴えられた場合は、裁判所から通知が届きます。
お金を貸した人が訴えていることについて、間違いないかを聞いてくる内容の書面で、その書類には必ず異議申立書が同封されています。
この意義申立書をチャンと返送しさえすれば、裁判所を介して、今後の返済方法について相手との話し合いの場を持つことが可能です。
ここで上手く話しが決着する可能背もあるでしょう。
しかし、裁判所の通知を無視した場合には、強制執行がとられてしまい、財産などの差押え処分に入ります。
差押えの手続きが始まってしまうと、もう止める手段はありません。
このようにならないためにも、必ずお金を借りた金融機関と話合いをしておくことが重要になります。
放置したり、無視を決め込んでいたも、何の問題解決にはならず、このように最悪な結果を招いてしまうだけです。
この点をよく理解して、事業主として正しい対応をとることを、心がけるようにしましょう。
現在の商工ローンも取立てが厳しい?
2018年現在の商工ローンは、かつての商工ローンのような違法金利での貸付けや、恐喝じみた取立てを行うことはありません。
これは先に説明した貸金業法で、取り立て行為が規制されていることからも、ご理解いただけたことでしょう。
正規の貸金業者からの借入であれば、違法な取立行為を受けることはありません。
そのようなことをすれば貸金業法で違法となる上、刑事処罰の対象となるので、まともな貸金業者であれば、まずそんな行為に出ることはないでしょう。
また金利においても、厳格な規定が設けられています。
現在の貸金業法では出資法の上限金利は20%となっていて、それ以上の金利での貸付けはすべて違法です。
また100万円を超える貸付けは、利息制限法により15%以下の金利設定にする必要があります。
このように、今では35%などといった考えられない高金利での貸付けはできないので、以前の商工ローンのように高金利による返済負担を強いられることはありません。
しかし、これは正規の貸金業者から借入した場合の話で、それ以外の違法業者には通じません。
事業主の中には商工ローンの審査にさえ通らず、資金繰りに頭を抱えている人も多いため、借りられるという甘い誘いに乗って、ついつい違法な闇金に手を出してしまうケースも多々見られます。
次はその闇金業者について、その危険性と見分け方を説明していくことにしましょう。
違法金利で貸付けしている業者もいる
現在の商工ローンは法遵守による貸付業務が行われているので、違法な行為は全く心配する必要はありません。
しかし、それでも闇金業者は存在しているのは事実です。
「審査なし」「ブラックでも通る」などといった、うたい文句を見て申込みをしてきた人に対して、考えられない高金利で貸付けをします。
今の闇金業者は取立てが厳しくない場合もあり、高金利にもかかわらず、つい借りてしまうといった被害者が後を絶ちません。
ですがよく覚えておいてください。
違法な金利での貸付は、間違いなく返済不能の状態を招きます。
一瞬お金を手にできたとしても、その後は以前よりも最悪な状況を生むだけです。
闇金に頼るくらいならば、倒産することになったとしても、借入以外の対処法を模索することをおすすめします。
また、知らずに借りてしまう事業主もいることでしょう。
先ほども解説したように、出資法では上限金利が20%、利息制限法で、元本100万円以上借入時の上限金利は15%です。
それ以上の利息は支払い義務がありません。
この金利を超える請求をしてくるところは、違法業者となる闇金のみです。
もし現在借りている業者が闇金業者ではないかと思った場合は、すぐに警察か国民生活センターや消費生活センター、または弁護士などの専門家に相談をしましょう。
安全な業者の見分け方
安全な業者かどうかの見分け方は、借入先が貸金業の登録業者であるかどうかです。
まずは、この点を確認するようにしてください。
一番簡単な見分け方は、貸金業登録番号の確認です。
貸金業者は企業時に財務局や知事に申請して、この貸金業登録番号の交付を受けなければなりません。
そして、交付されたこの貸金業番号を店舗の誰でも、確認しやすい場所に表示することが義務付けられており、広告を打つ際にも同じように表示義務が課せられています。
よって、この貸金業登録番号が表示されていない業者は、登録されていない違法業者と判断できるのです。
しかし、近年の違法業差は手が込んでおり、この貸金業登録番号を偽造しているケースも少なくありません。
表示されているからといっても、必ずしも安全だと判断するのは避けた方が良いでしょう。
貸金業登録番号は下記のいずれかで確認することができます。
その場ですぐに借入れはせず、ここで貸金業登録番号を検索して、安心な業者であることを確認するようにしましょう。
商工ローンのメリットとデメリットとは?
現在では違法な高金利での貸付けなどは行っていない商工ローンですが、商工ローンを利用する場合にはメリットとデメリットがあります。
商工ローンを利用するのは、銀行からの融資に頼れないケースとなってくるので、銀行よりも融資が受けやすいというメリットは十分に理解していることでしょう。
しかし、メリットはこれだけではありませんし、抑えておかなければならないデメリットも存在します。
商工ローン利用時には、この2つをしっかりと把握しておく必要があるでしょう。
ここではその商工ローンのメリット・デメリットについて説明します。
商工ローンのメリット
商工ローンのメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。
- 早く融資が受けられる
- 用意する書類が少ない
- 無担保、無保証人で借りられる
(法人格の場合は代表者の連帯保証が必要) - 銀行融資より審査に通りやすい
通常、金融機関から事業資金を借りる場合は、融資を受けるまでに2週間程度かそれ以上時間がかかります。
しかし商工ローンでは最短即日融資、または3日以内には融資を受けることができる場合が多くなっています。
そして、何よりも銀行融資より審査に通りやすいというところが、大きなメリットです。
特に税金の滞納があっても、融資を受けることができる点は見逃せません。
銀行の事業性融資は税金の滞納があれば、審査を通過することができないため、これが原因となって資金調達できない中小企業や個人事業主が数多く存在します。
ですが商工ローンの場合は、税金滞納している事業所でも申込OKとなっているので、申し込みできる事業所が確実に多くなってきます。
この点は銀行や日本政策金融公庫よりも、確実に審査難易度が低いことの証でもありますね。
商工ローンのデメリット
商工ローンにはメリットも多いのですが、当然デメリットも存在し、そのデメリットとしては下記のものが挙げられます。
- 金利が高い
- 連帯保証人が必要な場合もある
- 不動産担保型は注意が必要
商工ローンの大きなデメリットは、借入時の金利が高いことです。
先にも説明しましたが、商工ローンの上限金利は年18.0%で、下限金利は年6.0前後が一般的で、個人向けの消費者金融カードローンと同程度の金利となっています。
商工ローンを扱うのが、同じノンバンクであることからも、これは仕方のないことですが、この金利の高さは一番のデメリットとなってくるでしょう。
このような高金利で事業資金を借りてしまうと、返済負担が高くなってしまい、借入上限額となる500万円の借入れともなれば、その後の返済が追い付かないということも考えられます。
また、個人事業主では不要の連帯保証人も、法人格となると代表者の連帯保証が必要な場合がほとんどです。
会社が倒産しても連帯保証人の返済義務はなくならないため、どうしても連帯保証人への負担が大きくなってしまいます。
さらに最近では、不動産担保型の商工ローンも増えており、無担保借入よりも高額借入が可能なことから、利用者が増加していますが、利用時には注意が必要です。
不動産を担保にいれて商工ローンを借りてしまうと、返済できなかった場合に不動産を競売かけられ、売却されてしまうというリスクがあります。
利用時には慎重に事業契約や資金繰りを検討した上での申し込みが必要になってくるでしょう。
競売にかけられる結果になるなら、最初から不動産を売却しておいた方が得られるお金を大きかった。
こういった結果にもなりかねません。
十分に気を付けるようにしてください。
まとめ
2019年現在は、貸金業法の改正に伴い、厳しい規制が敷かれたことにより、以前は問題視された商工ローンも、貸金業法を遵守した業務運営が行われているので、違法行為をするところはありません。
この点に関しては心配することなく、利用してもらって結構です。
しかも、今では商工ローンではなく、ビジネスローンへ名称変更しているノンバンクが多いため、実際のところは「商工ローン=ビジネスローン」という認識となるので、そう考えれば違法性という面においては安心していただけることでしょう。
短期借入を目的とした資金繰りに苦しむ、中小企業や個人事業主にとっては、いざというときは心強い味方となってくれます。
しかし、高金利であることからも、返済不能とならないように、しっかりとした返済計画を立てておくことが必須です。
今の商工ローンは取立云々を心配するよりも、返済できる借入なのかを心配しなければなりません。
仮に返済に窮することになったとしたら、しっかりと金融機関と話合いをしなくては、最終的に裁判所に訴えられるという流れになっています。
借金の返済に困ったのであれば絶対に放置せずに、返済計画の見直しについて、金融機関と話し合ってみるようにしてくださいね。
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