消費者金融がサラ金ビルに集まるのはなぜ?

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みなさんは「サラ金ビル」って聞いたことがありますか?

サラ金ビルとは、消費者金融が栄華を極めた頃、新宿などの駅前や商店街・繁華街の雑居ビルに、複数の消費者金融が入居していた建物のことを言います。

低迷する景気と高いテナント料によって、中心部の雑居ビルに会社を構える企業が少なくなり、ビルのオーナーはやむなく消費者金融の営業所や自動契約機の設置場所として消費者金融と賃貸契約を結ぶことが多かったのです。

もちろん、消費者金融が集中して一箇所のビルにあることで業者にとっても利用者にとっても利便性が高かったことが、サラ金ビルを生み出す要因にもなりました。

現在ではサラ金ビルは絶滅危惧種となっており、ロードサイドに自動契約機が集中しています。

この記事はこんな方におすすめです

今回ご紹介するのは、以下の人におすすめの内容になります。

  • サラ金ビルとは何かについて知りたい人
  • サラ金ビルが減ってきている理由が気になる人

消費者金融の店舗が1つのビルに集まっていた4つの理由


冒頭でも少し触れましたが、消費者金融の店舗が1つのビルに集まっていた理由について、あらためて説明していきましょう。

①消費者金融の店舗が入店することへの抵抗感

今でこそ消費者金融は、ある程度の市民権を得てきているとは言えますが、以前は「高利で融資を行って容赦なく取り立てを行う金貸し」のように考えられていました。

そのため、イメージも決していいものではなく、消費者金融の店舗が入居することを嫌がるビルオーナーも多かったのです。

結果として、消費者金融の店舗でも入居できるビルが限られてしまい、そのわずかなビルに消費者金融の店舗が軒並み入居することになったんですね。

②消費者金融の店舗が一ヶ所に集まることで目立てる

サラ金ビルが駅前や商店街・繁華街にあったのは、貸金業法が改正される前のことです。

今では見る影すらありませんが、当時は消費者金融は一箇所に集まり華やかな電飾広告は人目を引いたものです。

普通に考えると、同業者がひとつのビルに集中するというのは顧客の奪い合い・競争の激化を連想させますが、なぜか消費者金融だけは違っていたのです。

立地のいいところに立つビルというのは、総じてテナント料も高いため、世の中が不況になるとそのテナント料を毎月支払える業種はなかなかいないものです。

しかし消費者金融は、世の中の経済に関係なく不景気でも儲かる業種であったため、どこの消費者金融も駅前の一等地を狙えるだけの資金力がありました。

駅前の一等地なら完全に「目立つ」わけで、どこの消費者金融も「目立つ」ことを重要視していたため、自然に駅前の雑居ビルに集中するようになったのです。

通勤者に毎日その存在を見せつけることで、お金を借りるならサラ金ビルに行けばいい、とのサブリミナル効果もあったのでしょう。

サラ金ビルとなる前は、各消費者金融はそれぞれ違う場所に存在していました。

顧客から借り入れ希望の電話が入っても、どこに事務所があるのか説明をするのに苦労します。

しかし目立つところに店舗を構えることで、利用者のほうも簡単に店舗の場所を把握できるようになり、場所を説明する必要がなくなりました。

お金を借りたいと思っている人はサラ金ビルに行けば借りられると思っているため、集客能力に優れていたのですね。

③自動契約機1台置ける程度の敷地面積には需要がない

サラ金ビルに入っている消費者金融の店舗は有人店舗だけとは限らず、むしろ自動契約機が置いてあるだけの無人店舗も多数ありました。

普通の業種であれば、自動契約機1台しか置けないほどの敷地では、まともな商売を行うことは難しいでしょう。

そのため、そういった極小の敷地面積しかないビルには、消費者金融の無人店舗ぐらいしか入居してくれるテナントがなかったということも、サラ金ビルが生まれる背景にあったと考えられます。

東京都を始めとする都会には縦長の「ペンシルビル」が多い

敷地面積が小さく縦長のビルのことを、一般的に「ペンシルビル」と呼びますが、東京都をはじめとする都会には、そのようなペンシルビルが多数ありました。

敷地面積が少ない中で、いかにしてビルの容積を増やすかと考えた際の苦肉の策だったのでしょう。

都会にペンシルビルが増え始めたタイミングと、消費者金融が店舗数を増やし始めたタイミングがくしくも合致したことも、サラ金ビルが生まれた要因として、見逃すことはできません。

④他社の審査に落ちた人をお客様として吸い寄せられる

当時の消費者金融は大手5社と言われ、サラ金ビルの2階から6階まで全部消費者金融が入居することもざらにありました。

そのため、サラ金ビルに入居している1つの消費者金融での審査に落ちた人は、入居しているその他の消費者金融の顧客になりえました。

消費者金融にとってみても、新たな顧客を得るために、サラ金ビルは非常に都合がよかったわけです。

サラ金ビルが1ヶ所に集まるのも同じ理由

サラ金ビル同士が、1ヶ所に集中するのも同じような理由からです。

1つのサラ金ビルに入居している、すべての消費者金融での審査に落ちてしまうこともあります。

その場合、それでもなお融資を受けたければ新たに別の消費者金融に申し込む必要がありますが、同じようなサラ金ビルが近くにあることで、消費者金融が機械損失をしにくくなるわけです。

サラ金ビルというのは、消費者金融にとって非常に理想的な構造でありシステムだったんですね。

借りる側にとっても効率的だった

サラ金ビルに関して、消費者金融側からのメリットばかり説明してきましたが、実はサラ金ビルは、借りる側にとっても非常に効率的でした。

お金を借りるときはもちろんのこと、返済する場合でも、エレベーターで上に上がって上階の店舗から下の階の店舗まで順番に利用していけばよかったからです。

さらに多重債務者は、借金をして他社に返済する方法をとっていたため、消費者金融が全てサラ金ビルに集中することで、借りては返すをこともなくできるメリットも大きかったのでしょう。

貸金業法改正やグレーゾーン金利廃止によってサラ金ビルは激減


しかし、消費者金融による過剰融資やそれに伴う自己破産者の激増などを受けて、貸金業法が改正されることになりました。

貸金業法が改正されることによって、悪名高き「グレーゾーン金利」も廃止されることになり、これにより消費者金融は大打撃を受けることになりました。

営業基盤が傾きかねないほどの経営的危機に追い込まれた消費者金融に、サラ金ビルに入居し続けられるような体力が残されているはずもありません。

一店舗そしてまた一店舗と、徐々にサラ金ビルから退居していき、一時期はあれほどの栄華を誇ったサラ金ビルも、その数を激減させることになったのです。

2007年の貸金業法改正とは?

貸金業法は、以前は「貸金業の規制等に関する法律」という名称だった法律で、貸金業者が適正な形で事業運営を行っていけるようにするためのものでした。

しかし、グレーゾーン金利等やみなし弁済など様々な問題を抱えていたために、2006年に改正されることが決定され、2007年に改正貸金業法の本体部分が施行されたのを皮切りに、段階的に改正されてきました。

この改正貸金業法には、従来の貸金業法にはなかった「総量規制」と呼ばれる規制が含まれており、これが消費者金融に大きな打撃を与えることになったのです。

以前までは、消費者金融の利用者が借りられる金額については上限が設けられていませんでしたが、そのことが結果として過剰融資を受けてしまう利用者が激増した一因でもありました。

そこで総量規制では、貸金業者が融資できる金額を「申し込み者の年収の3分の1まで」と制限したのです。

これによって、消費者金融の貸出残高は大幅に減少することになりました。

グレーゾーン金利とは?

グレーゾーン金利は、利息制限法で定められていた上限金利と出資法で定められていた上限金利が異なることから、生まれた金利です。

利息制限法で定められていた上限金利が、融資金額にもよりますが、15%~20%だったのに対して、出資法で定められていた上限金利は29.2%でした。

そして厄介なことに、出資法で定められた上限金利を超えて融資をした場合には刑事罰が科されましたが、利息制限法に関しては違反しても刑事罰の対象にはならなかったのです。

その結果、「15%(20%)超~29.2%」の範囲で適用された金利に関しては、「違法ではあるものの、そのことで消費者金融に刑事罰が科されることはない金利」となってしまいました。

この金利こそがまさに「グレーゾーン金利」であり、高い金利を適用したほうが多くの利益を得られる消費者金融は、こぞってグレーゾーン金利で融資を行っていたというわけです。

そのため、貸金業法が改正される際に、グレーゾーン金利がなくなるように、上限金利に関しても調整が行われました。

サラ金ビルが衰退した4つの理由

サラ金ビルが衰退した直接的な理由は、上述した貸金業法改正やグレーゾーン金利廃止だと考えられますが、その他にもサラ金ビルが衰退した理由はいくつか考えられます。

①日本賃金業協会の自主規制規則によるもの

貸金業法の改正等を踏まえて、日本貸金業協会では、以前より制定していた自主規制規則の内容を、より厳しいものにしました。

過剰な取り立て行為の規制・誇大広告の禁止など、その内容は多岐に亘りますが、それらはすべて消費者金融が「適正に」営業を行い、利用者が「適正に」融資を受けるためのものです。

言葉を選ばずにお伝えするなら、貸金業法が改正される前の消費者金融は適正ではない状態で事業を行い、利益を拡大していたことになります。

その反省を踏まえて自主規制規則を厳しいものにした結果、以前ほどの状態は維持できなくなり、サラ金ビルから退居せざるを得なくなったのです。

②新宿区を始めとする主要都市には出店済みだから

企業が新しい店舗を出店する場合、既存店舗の周辺には新店舗を出さないようにするのが、基本的な方針です。

しかし、これまで破竹の勢いで店舗を増やしていった消費者金融の場合、新宿区を始めとする主要都市にはすでに店舗を出店済みであり、新規店舗を構える余地がありませんでした。

そのため、サラ金ビルを増やそうにも、もうすでにそのようなスペースが残されていなかったと考えられます。

③銀行とのグループ提携が進んだから

貸金業法改正で、事業の縮小や見直しを余儀なくされた消費者金融の中には、大手銀行とのグループ提携を進めるところもありました。

プロミスは三井住友銀行、アコムは三菱UFJ銀行(現在の銀行名を用いています)の傘下に入ることで、経営体質の改善を図っていきました。

しかし、企業イメージを大切にする銀行は、傘下に入った消費者金融がサラ金ビルに店舗を構えていることを、あまりよしとしません。

そのため、銀行の意向に沿って、消費者金融の店舗をサラ金ビルから退去させるところが出てきたことも、サラ金ビルの衰退に拍車をかけた要因と言えるでしょう。

④WEB完結でカードローンが利用できるようになったから

サラ金ビルがなくなったのは、WEB完結で消費者金融への申し込みができるようになったことも、大きな要因と考えられます。

自宅にいながらパソコンやスマホから借り入れ申し込みができる、たとえ自宅にいなくてもスマホがあれば借り入れ申し込みができるのは、既に自動契約機の役目も半分くらいはなくなっているのかもしれませんね。

そのため、大手消費者金融各社は自動契約機の設置をこれ以上進めることなく、逆に不採算となっている自動契約機の廃止を決定しているくらいです。

大手消費者金融各社は、カードレスでの申し込みに力を注いでおり、振込キャッシングとスマホキャッシングにシフトさせようとしています。

現在あるロードサイドの自動契約機コーナーも、いずれはサラ金ビルと同じように絶滅してしまう日も近いことでしょう。

サラ金ビルQ&A

ではここで、サラ金ビルについて、よくある質問にまとめてお答えしていきましょう。

①消費者金融業者がサラ金ビルに2店舗以上出店するのは可能だったの?

A.可能だとは思いますが旨味は少ないでしょう

同じ消費者金融業者が、同一ビルに複数の店舗を出店することには何ら制限はありません。

しかし、消費者金融に限らず他の業種でもそうですが、同一地域に複数の店舗があったとしても、お互いの客を食い合うだけで集客力が2倍になるわけではありません。

サラ金ビルの場合、たとえば2階と6階に同じ消費者金融業者の店舗が入っていたとしても、利用しやすい2階の店舗ばかり利用されて、6階の店舗はテナント料の払い損となることが容易に想像できます。

そのため、同じサラ金ビルに複数の店舗を出店する業者はいませんでした。

②サラ金ビルのオーナーってヤバイ人だったの?

A.ごく一般的なビルオーナーが大半です

サラ金が以前怖いイメージを持っていたことも相まって、サラ金ビルのオーナーはさぞヤバい人なのだろうと想像する人もいるようですが、決してそんなことはありません。

サラ金ビルは、はじめからサラ金の店舗を誘致しようと思って建てられたのではなく、結果としてサラ金がたくさん集まってくるようになっただけであり、そのオーナーも普通のかたが大半です。

何を持って「ヤバい」とするかは、それぞれの人の判断次第だとは思いますが、サラ金ビル自体は決して「ヤバい」ビルではないですよ。

③パチンコ屋や場外馬券売り場の前にサラ金ビルがあったことは偶然だったの?

A.意図されていた場合もあると思います

サラ金は、人が集まりやすく利用しやすいところに店舗を出店するのが原則です。

そのため、駅前や繁華街の近く・幹線道路沿いなどに多く店舗を出店していますが、ただ単に人が多いだけではなく、「お金を借りたい」と思っている人が多いほうが、利用効率は上がるはずです。

ギャンブルに負けた人の中には、「お金を借りたい」と思う人がたくさんいるはずですから、パチンコ屋や場外馬券売り場の前にサラ金ビルがあったのは、偶然ではない可能性もあったと思いますよ。

④サラ金ビルってどんな客層だったの?

A.多重債務者が中心でした

消費者金融を利用している人でも、決まった1社からしか借り入れていないような人であれば、わざわざサラ金ビルを利用する必要はありません。

サラ金ビルは、複数の消費者金融を利用している人にとって使い勝手のいいビルでしたから、利用者の客層は必然的に多重債務者が中心だったと考えられます。

さようなら、サラ金ビル

上述したように、サラ金ビルは最近ではどんどん姿を消していっており、バブル時代の遺物のように取り扱われています。

Twitterでサラ金ビルに関する発言を探してみても、「昔は、以前はこうだった」とか「サラ金ビルつぶれてる!」というような内容が大半です。

この世のすべては、時代の移り変わりと共に、淘汰され変化していきます。

バブル時代に栄華を極めたサラ金ビルは、その後の消費者金融業界をめぐる変化には付いてこれないものだったのでしょう。

これから時代を重ねていくごとに、サラ金ビルというものの存在自体が、人々の記憶から消え去っていくと思います。

ただ、サラ金ビルの成立そして衰退を経ていく中で我々が得た教訓は、時代がどれだけ移ろおうとも、決して忘れてはなりません。

まとめ

まさにこれから消費者金融で借り入れを行おうと考えている人であれば、まだサラ金ビルを利用する機会はあるかもしれません。

しかし、今から10年後・20年後の人が初めて消費者金融を利用しようとする場合に、サラ金ビルを利用する可能性はほぼないと考えられます。

自然界でも、変化についていけない種が淘汰されていくように、サラ金ビルもいつの日にかその姿を自然と消していくことでしょう。

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