アコムの滞納で給料が差し押さえされるまでの期間と回避策
アコムの返済滞納を長期間放置した場合は、最終的に給料が差し押さえされてしまいます。
給料の差し押さえは会社に裁判所から差押命令が届くため、アコムの借金を滞納していることが会社バレしてしまいます。
また給料の差し押さえだけでなく、ブラックリストに入ってしまうことでローンが組めない、クレジットカードが利用停止になるなどデメリットばかりが多いです。
今回はアコムが給料を差し押さえしてくるまでの期間や、差し押さえを回避する方法などについても分かりやすく説明します。
- 執筆者の情報
- 名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
目次
一か月以上の滞納でカードを停止される?
「延滞すれば即カードが使えなくなる」というイメージが強いものですが、消費者金融系のカードローンであれば短期の延滞程度で即カード停止にはなりません。
もちろん延滞中であれば日付に関わらずカードは使用できませんが、再振替などで入金が確認できれば、今までと同じようにカード利用が可能です。
しかし1か月以上の滞納であれば、カードが停止する可能性が非常に高くなります。
カードが一度でも停止すると今後は追加融資が受けられず返済のみ、ということも珍しくはないのです。
理由は信用の低下です。
アコムは保証人も担保もつけない、いわゆる「信用貸し」で契約を結んでいます。
滞納が1か月以上になれば、もはや信用がないと判断されてしまいます。
また1か月以上の滞納ではなくても、過去に何度も短期延滞を繰り返せば同じく信用がなくなり、カード停止の手続きが入ってしまうので注意しておきましょう。
借金の滞納でアコムから訴えられるまでの流れ
「たかが借金の督促で裁判所って大げさな」と甘く考えてはいけません。
結論から言えばアコムも、借金の滞納があれば裁判所に訴えます。
そこは少額融資であろうと、問題ではありません。
アコムが裁判所へ訴えるまでの流れは以下のとおりです。
- 返済日に入金が確認できなかった場合には、電話もしくはメールで連絡が入る
- 電話連絡などで反応がなければ、自宅へ督促状が届く
- 数回、督促状を送っても反応がなければ、一括請求、最終通告書が届く
裁判所に訴える
- 裁判所から「アコムから訴えられている」という、内容の書類と異議申立書が届く
- 裁判開始
上記のものが、一般的な流れです。
期間で見れば滞納から裁判まで、最短で3か月程度といったところでしょう。
もちろんその間にきちんとアコムに連絡を行うなどすれば、裁判を回避できる可能性は出てきます。
一括請求されても分割返済の相談はできる
アコムから一括請求とともに督促状が郵送されてきたとしても、まだ話合いの余地は残されています。
ちなみに借金の一括請求が行われるのは、アコムのカードローン契約書に書いてあるように「期限の利益が喪失」したからです。
期限の利益については理解しにくい部分もあるかと思いますから、簡単にご説明しておきます。
お金を借りても返済期日までは自由にお金を使うことができ、返済期日までは返済しなくても良いことを期限の利益と言います。
しかし返済期日に遅れた場合は期限の利益を失い、アコムから一括返済を求められることが普通です。
ざっくり言うと、ここが「期限の利益の損失」にあたります。
要は、返済日を守ればアコムから何も言われることはないものの、返済日を守らなかった(約束をやぶった)からには、もう「アコムとしても分割で付き合う約束は守りませんよ」ということです。
ただし返済期日に1日遅れただけで期限の利益を失うのは、社会通念上好ましくないとされ、アコムを含めた消費者金融では返済期日から2か月で期限の利益が喪失されることが一般的です。
さて督促状とともに一括返済請求の請求書が届いたとしても、それは必ず一括返済しなくても大丈夫です。
電話連絡してもなかなか連絡が取れないし、一向に借金を返済する意思が見られないためアコムとしても、やむを得ないと判断して借主へ請求してくる訳です。
この段階で督促状の書面に書いてある連絡先に電話することで、一括返済を分割返済とする相談はいくらでも可能です。
催促状(催告書)を無視するとブラックリスト入り
返済期日から遅れること3か月目には、アコムから催促状(催告書)が郵送されてきます。
催促状は借金回収を法的措置によって行う旨が書いてあり、そうならないためにも至急ご連絡くださいとのメッセージも添えられています。
消費者金融は貸金業法によって、借入の事実を第三者に明らかにすることができません。
催促状の発行も取立て行為の一部であり、取立て行為の規制の範囲に収まるためアコムの社名を出すことはありません。
だからといって催促状を無視していいということではありませんよ。
催促状が郵送されてくるのは前述のとおり、支払期日から3か月目となりますので、長期返済滞納として信用情報に登録しなければならない期間です。
金融事故を起こしたとしてブラックリスト入りになってしまい、アコム以外のカードローン、クレジットカードの利用も徐々に停止されていくことでしょう。
もちろん新たなお金に関する契約、例えば自動車ローンに申し込んだとしても、金融事故歴があったのでは審査にはとおりません。
ブラックリストに登録されると他のカードの審査にとおらなくなる
ブラックリストに登録されてしまうと、新規にクレジットカードに申し込んでも審査落ちです。
どこの金融機関であったとしても、申込時の段階で他社の支払いをしていない人に対して、信用してお金を貸すほど甘くはありません。
長期返済滞納は、仮に借金を一括で返済したとしても、返済してから5年間は金融事故歴が残ってしまいますので、当分の間はローン関係の手続きができないばかりか、場合によっては携帯電話の契約にも影響が出てきます。
携帯電話端末機器代を分割払いするということは、割賦販売業者やクレジットカード会社が中間に入っていますので、個人信用情報をチェックするのは当然のことです。
裁判の前には法的手続きの予告書が届く
できる限り裁判まで、話が発展しない方が望ましいものです。
裁判になるまでの流れで分かるように、ある日突然裁判所から呼び出し通知がくる訳ではありません。
必ず事前に「今から法的手続きに入ります」という旨の予告書が届きますので、その書類が最終通告だと認識しておくといいでしょう。
それまでに何度も勧告書や督促状が自宅に届いているでしょうから、「もう内容も見たくない」と放置してしまう人もいるのです。
しかし、このように裁判になる前に予告書が届くので、どんな書類でも必ず目をとおしておきましょう。
返済滞納した場合の裁判はいつ行われる?
アコムからの催促状(催告書)には、最終連絡期日が書いてあります。
大抵の場合は催告状の発行日から、2週間以内に設定されています。
それまでの間にアコムに連絡すればまだ話合いの余地が残っていますので、アコムとの和解交渉をすすめることも可能です。
しかし催促状を無視し続けた場合は、最終連絡期日から2週間以内には裁判が行われるでしょう。
アコムが裁判によって借金を回収する方法は、支払督促と少額訴訟の2つです。正確には支払督促は裁判ではありません。
しかし、支払督促を無視した場合は、裁判を起こしたのと同じ効力を発揮します。
当然ながら少額訴訟はその名のとおり民事訴訟のひとつですので、裁判所から借主に対して呼出し状が郵送されてきます。
裁判所からの呼出し状は裁判所名がしっかり入っているため、完全に家族バレするとすればこの時点です。
アコムの借金額が60万円以下の場合に少額訴訟が行われ、借主が出廷してもしなくても1日で審理が終了し判決が言い渡されます。
借主が出廷していれば裁判官はアコムとの和解を勧告する可能性もありますが、出廷しない場合はアコムの全面勝訴となり、アコムは直ちに強制執行の準備に入るでしょう。
支払督促においても借主からの異議申立てがない場合は、30日以内に強制執行の手続きをすることによって、少額訴訟と同じように差し押さえがいつ行われても良い状態になります。
法的手続きの内容について
「裁判をされても支払えないものは支払えない」と嘆きたくなりますが、アコムもお金がないから支払えないことくらい理解しています。
それでは何のために裁判まで起こすのか、という点ですが、財産の差し押さえのためです。
要は、手元に支払えるだけの現金がないのであれば、その他の財産を差し押さえて返済に充てましょう、という内容の裁判なのです。
差し押さえになる対象は以下のとおりです。
- 給料
- 銀行口座
- 自宅にある現金(66万円以上保有していた場合のみ)
- 高級家具(大型テレビやプロジェクター、DVDプライヤーなど)
その他、不動産や自動車なども差し押さえの対象になりますが、換金する価値がなかったりすることもあるので、優先順位としては低いものです。
アコムの差し押さえは給料
アコムの差し押さえ対象となるのは、給料がほとんどです。
家財道具や電化製品、書画骨とうなども差し押さえの対象となるものの、差押え禁止物件になる場合が多いことや、すぐに換金できないなどの不便さがあります。
そのため、最も回収しやすい給料を、差し押さえ対象とするのです。
借主の勤務先に裁判所から差押命令を郵送してもらうことで、手取り33万円以下の給料は最大で1/4まで差し押さえができ、借金返済まで継続して天引きすることが可能になります。
実際的には法定控除と言って給料の約20%を控除でき、控除後の金額の1/4が差し押さえの対象となります。
33万円の給料なら法定控除後の1/4である66,000円まで差し押さえされるため、まともな生活を送ることは厳しいですね。
差し押さえを回避する方法
アコムの差し押さえを回避する方法は、アコムから連絡が来たら必ず電話することです。
返済期日に間に合わなくて最初に電話督促されたときに、話合いをするか後で折り返し電話して話合いをすることが最も簡単な方法です。
督促状や催促状が郵送されたとしても、連絡先に電話すれば差し押さえまで発展することはありません。
アコムの担当者と話し合い、毎月いくらなら支払えるのかなど、具体的な数字をあげながら返済計画を立てればそれで良いのです。
万が一支払督促が届いてしまった場合でも、取りあえず異議申立てを行いアコムに連絡し和解交渉すればそれで差し押さえまでされることはありません。
少額訴訟で訴えられた場合でも必ず出廷し、アコムと和解することでお互いの妥協点を見つけることができるでしょう。
いずれにしてもアコムからの連絡が来たら逃げることなく、必ず連絡することを徹底しましょう。
どうしてもアコムが強硬な態度を取ってきた場合は、弁護士や司法書士などの法律の専門家に依頼して任意整理するというのも、差し押さえを回避する方法としては得策です。
借金は10年で時効を主張することも可能
実は借金にも時効があります。
消費者金融など業者の借金の時効は5年、友人知人などへの借金の時効は10年なのですが、刑事事件とは異なり単純に10年経過したら即、時効という話ではありません。
まず「いつから数えて5年もしくは、10年なのか」という起算日です。
これは最初に借入をした日からではなく、最後に返済をした日から5年もしくは10年経過する必要があります。
もちろんその間に督促などが入り、1円でも返済をすれば時効はリセットされます。
また裁判の申立てなどが入れば、同じく時効がリセットされるので、実際に消費者金融などのお金のプロ相手に、時効を成立させることは難しいと思っておきましょう。
しかしすべての条件がそろえば、借りた相手に対して「もうこの借金は時効です」と、主張(時効の援用)することで時効が成立します。
時効の主張なしではアコムの取立てはいつまでも続く
先に話したように、途中1円も支払っていない、また裁判も起こされておらず5年を経過したとしても、最後に「時効を迎えました」と主張しない限り、時効は適用されません。
つまり最後に時効の主張をしなければ、延々とアコムからの取立ては続くのです。そのため時効の条件がそろった時点で、アコム宛てに内容証明書で「この借金はもう時効である」「返済義務はない」という旨の書類を送る必要があります。
アコムの長期返済滞納は家族バレの原因
アコムの返済期日に遅れると必ず3日程度で、電話やメールによって借金の督促が行われます。
借金の督促と言うとちょっと大げさな感じもしますが、実際的な内容としては返済期日に遅れていることの連絡と、いつになったら返済できるのか聞かせてほしいという内容です。
うっかり返済期日に忘れているアコム会員もいるはずですので、頭ごなしに叱られることはありません。
それに借主がアコムに対して畏怖を抱かせるような発言は法律によって禁止されており、脅迫的な言動、暴力的な言動も禁止されています。
しかし電話督促によって次回支払日を約束しても、約束通りにアコムの借金を返済できないとなると事態は急激に悪化していきます。
もちろん違法な取立て行為は禁止されていますので、闇金のような恐怖を感じることはないにしても法律に従って粛々と借金回収の手段が講じられるのは明らかです。
返済期日から遅れること2か月目には、アコムから借金の一括返済のお願いとともに督促状が自宅に郵送されてきます。
督促状は本人限定郵便ではなく簡易書留で郵送されてくるため、アコムの借主以外の家族が受け取ることも可能です。
差出人名はACセンターとなっているため、すぐにアコムからの郵送物であるとは分からないにしても、不審な郵便物と思われるに違いありません。
借主本人以外の家族が開封してしまえばすぐにアコムの督促状であることがバレてしまいますし、インターネットで「ACセンター」を検索すればアコムであることが判明してしまいます。
返済が間に合わないときの対処法について
どうしても都合がつかず、返済が間に合わないときも出てくるでしょう。
その場合には先延ばしにせずに、「返済が難しい」と思った時点ですぐにアコムに電話相談を行いましょう。
アコムも返済日が過ぎてからの相談と、返済日前の相談では、受ける心証も変わってきますし提案できる内容の幅も増えてきます。
そのため重要なのは必ず自ら、返済日前に必ず相談を行うことです。
アコムのフリーコール(0120-629-215)は、平日の9時~18時までが営業時間ですので、営業時間内に問い合わせを行うようにしておきましょう。
また既に返済が遅れてしまった場合にも同様です。
督促状など待たずに遅れた時点で電話相談をし、いつなら返済が可能なのかなど建設的な話合いをすすめていくことをおすすめします。
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