みずほ銀行から法人が融資を受ける場合の商品・方法をご紹介します
中小規模の法人や、個人事業主にとって資金調達は生命線ともなる経営課題です。
調達能力を安定化させることが、経営の安定につながります。
中小法人も融資を得やすい銀行として、みずほ銀行の融資制度をご紹介します。
- 執筆者の情報
- 名前: 芦田春馬
年齢:39歳
性別:男性
職歴: 平成13年に都市銀行に就職。その後、ノンバンクに転職
みずほ銀行とは?
みずほ銀行は大手都市銀行であり、東京、大阪、名古屋などの大都市圏や、一部の地域だけでなく、全国に拠点を持っています。
そのため、みずほ銀行からの融資を希望する多くの法人にとって、「営業エリア」を問題とせず、相談しやすい銀行と言えるでしょう。
みずほ銀行は、日本の銀行業界のなかで、最大手となる3つの銀行グループの1つであり、「メガバンク」と呼ばれることもあります。
2013年に、中堅・中小企業取引を主とする「みずほ銀行」と、大企業取引を行う「みずほコーポレート銀行」が合併して、現在の「みずほ銀行」になりました。
そのため、現在のみずほ銀行は、中堅・中小企業との取引を得意とする部門と、大企業取引を主とする部門の両方を包含する銀行となっています。
信用保証協会の保証付融資
中小法人、個人事業主がみずほ銀行に融資相談をする場合、最初に案内されることが多いのは、「信用保証協会の保証付融資」でしょう。
信用保証協会とは、政府が出資する公的金融機関であり、中小法人・個人事業主が融資を受けやすくなるようにサポートしてくれます。
信用保証協会自体が直接融資するわけではなく、お金を借入する法人などの連帯保証人となることで、銀行の貸倒リスクを軽減し、融資審査に通りやすくしてくれます。
銀行は貸倒リスクの低い融資ができますし、融資を受ける法人も審査に通りやすくなるメリットがあります。
みずほ銀行は全国に営業展開していますので、全国の信用保証協会の利用が可能であり、さらに、信用保証協会の利用実績も豊富です。
但し、保証協会を利用する融資は、借入人毎に保証協会が定めた融資枠の範囲内でのみ利用できます。
この融資枠は、利用する銀行を別けても、信用保証協会が変わらなければ、同一ですので、調達できる金額は増えません。
さらに、各銀行とも、保証協会利用時の「金利」などの条件は似通った水準になりますので、地方銀行を利用しても、みずほ銀行を利用しても、借入条件に大きな違いは生まれません。
そのため、相談力、対応の良さといったソフト面での違いはあっても、それ以外に、みずほ銀行を利用する大きなメリットは無いと考えられます。
環境配慮型の融資
次に、みずほ銀行の独自性が発揮された融資商品をご紹介します。
みずほ銀行には、「環境配慮型」と言われる融資商品が用意されています。
融資は、「みずほエコアシスト」と名づけられており、「環境に配慮する経営を行う」または「環境良化・改善を目的とする設備投資を行う」法人、もしくは個人事業主を対象とする融資商品です。
運転資金として利用する場合、ISO14001等の外部認証の取得、環境報告書の発行、みずほ情報総研・みずほ総研による環境コンサルティングの実施、みずほ銀行独自で行う「環境チェックリスト」で一定以上の水準にあることなどが、融資を受けるための条件になります。
設備資金の場合には、省エネ対策設備・新エネルギー発電設備・地球温暖化対策設備などの設備投資を行う方が対象です。
みずほエコアシストの融資金額は1,000万円以上(100万円単位)となり、適用金利は審査結果によって決定されることになります。
なお、みずほエコアシストには、さらに上位の環境配慮型融資として、「みずほエコアシスト<プラス>」も用意されています。
みずほエコアシスト<プラス>を利用するには、みずほ独自の環境格付「みずほエコグレード」を取得する必要があり、取得するためには、別途費用が必要となりますが、1億円以上という規模の大きな融資が可能となります。
みずほエコアシスト<プラス>を利用できるのは、法人企業のみで、個人事業主は利用できません。
ハートフル企業への融資
みずほ銀行には、ハートフル企業向け融資制度「みずほハートフルローン」が用意されています。
「ハートフル企業」とは、高齢・障害のある方向けの商品・サービスを提供している企業、高齢・障害のある方の雇用を促進している企業などを指します。
みずほ銀行は、「超高齢社会」となった日本で、少子高齢化に、ビジネス・雇用の面から対応できる企業として、「ハートフル企業」を位置づけています。
ハートフルローンの利用可否は、「事業活動」、「高齢者雇用」、「障害者雇用」、「ダイバーシティの推進」といった点から、みずほ銀行が借入申込者の状況を判定して決定します。
みずほハートフルローンでは、融資金額1,000万円以上、借入期間6ヶ月以上の融資を受けることができます。
それに加えて、「損保ジャパン日本興亜の公的助成金受給可能性診断サービス」、「SOMPOリスケアマネジメントのCSR現状分析サービス」、「みずほハートフルローン実行証」の贈呈といった付帯サービスが受けられるのもハートフルローンの特徴となります。
動産活用ローン
みずほ銀行では動産を活用した融資も取り扱っています。
動産活用ローンは、「不動産(土地や建物など)」を保有していない事業者でも利用できる融資方法であり、事業に使用する「機械」などを担保として融資します。
動産活用ローンは、1,000万円以上、3億円以内の融資を、最長10年という長期間で借入可能できるのが特徴です。
新たに購入する機械だけでなく、既に使用中の機械を担保とすることもできます。
そのため、融資の資金使途は、対象となる機械の購入資金だけでなく、運転資金としても利用できます。
動産活用ローンの対象となる機械には、工作機械、鍛圧機械、印刷機械、建設機械、射出成型機械、農業機械等などがありますが、融資を希望する場合は、対象となるかを、直接みずほ銀行に確認してもらうのが良いでしょう。
なお、動産活用ローンは、リース会社が保証を行うタイプの融資制度です。
リース会社とは、「東京センチュリーリース株式会社」、「興銀リース株式会社」、「芙蓉総合リース株式会社」の3社であり、融資申込があった場合には、対象となる機械の価値をリース会社が評価します。
リース会社が担保価値ありと判断した場合には、リース会社が対象機械を担保に取得して、融資に対する債務保証を行います。
動産活用ローンを利用すれば、不動産などの資産保有が少ない中小法人や、開業から間もない法人も、資金調達の可能性を高めることができます。
その他の融資
みずほ銀行には、その他にも法人が利用できる様々な融資制度があります。
中規模法人だけでなく、大企業にも対応する融資を行っていますので、大規模融資にも対応できる融資商品があります。
大企業に適する融資としては、不動産担保ローンだけでなく、シンジケートローンなどもあげられます。
シンジケートローンとは、みずほ銀行がアレンジャーとなり、「シンジケート団」と呼ばれる銀行グループを組成し、1件の融資を共同して行う方法です。
単独の1行で対応できない規模の融資や、リスクの高い融資などを、複数の銀行で協調して対応する融資手法です。
さらに、みずほ銀行では、「コミットメントライン」といった融資商品も取り扱っています。
コミットメントラインとは、規模の大きい法人を対象とした融資制度であり、事前に一定の「融資枠」の利用に関する契約を締結しておく方法です。
その後、融資枠の範囲内なら、機動的な資金調達ができるようになります。
個人が利用するカードローンや、中小法人などの当座貸越を、大企業向けにアレンジした商品と考えれば良いでしょう。
まとめ
みずほ銀行は、言わずと知れた大手都市銀行です。
中小・個人事業主向けであった「みずほ銀行」と、大企業取引を得意とする「みずほコーポレート銀行」が合併したことにより、あらゆる規模の事業資金に対応するのが、みずほ銀行の特徴です。
みずほ銀行には、広範囲の中小法人や個人事業主が利用できる、パッケージ化された「ビジネスローン」はありませんが、それ以外の融資商品が用意されています。
特に、みずほ銀行が推奨する特定業種向けの融資商品や、動産担保活用ローンなどが特徴です。
みずほ銀行を活用すれば、中小法人の調達能力の安定が期待できます。
タグ:その他金融業者
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