裏金融とは
裏金融とは、違法金融
裏金融とは正しい許可を受けていない金融業者のことであり、闇金融と同じ意味で使われます。
正規の業者とは、
- 貸金業法(開業届をする、強引な取り立て行為をしない etc)
- 利息制限法(年率の上限は年18.0%まで)
- 出資法(利率は年29.2%以下にする必要がある)
の基準を守っている業者になり、そちらに違反した業者は悪質業者、裏金融業者といわれます。
最近テレビで話題の闇金ウシジマくんや、少し前の時代のミナミの帝王も裏金融業者になります。
裏金融業者は、正規の消費者金融で借りられなくなった消費者(多重債務者や自己破産経験者)を対象に貸付を行っております。
2006年の貸金業法改正により、正規の金融業者が年収3分の1以上の貸付ができなくなったことから、消費者も借入ができなくなってしまい、裏金融に頼らざるをえなくなっている、という状況が出てきました。
その後、2008年の最高裁の判決で『闇金元本を認めない』『闇金融から借りたお金は返済しなくてよい』という判決が下され、またITの普及により裏金融の正しい対応が消費者に広く認知されるようになったことから、裏金融は以前ほど栄えなくなっております。
なお裏金融業者の利用は中小企業のつなぎ融資等での利用が多いそうです。
裏金貸しはブラックでも借りれる
急にお金が必要になった、給料日前なのに飲み会に誘われてしまったなど誰でも財布がピンチになることはよくあることですね。
またパチンコや競馬などのギャンブルで負けてしまったために生活費がなくなってしまったということもありますね。
そんなとき目にするのが、スポーツ新聞や週刊誌、パチンコやギャンブル関係の雑誌に掲載されている広告です。
- 誰でも貸します即日融資
- 審査なしで即日振込
- 300万円まで低金利年3.8%
- ブラックでも安心融資
- 審査が不安な人でも100%融資
広告に以上のような、誰にでも簡単にお金を借りれる、しかもブラックでもお金を借りることができるような宣伝文句で誘っているのは闇金か紹介屋などの融資詐欺業者です。
カードローンの知識を正しく持っていないと、審査なしで誰でも貸してくれるならそれはきっと善良な金貸しに違いないと思ってしまいます。
インターネット上でも審査が緩いランキング、審査が甘いランキングなどを載せているサイトを見つけることができますが、はっきり言って信憑性がありません。
そもそもカードローンでお金を借りるのに審査なしで借りれることや、ブラックでも借りれるなどありません。
しかし即日融資と言う言葉に誘われて、つい申し込んでしまう人が少なくありません。
高金利、脅しで知られている闇金融
以下の記事で説明があるように、闇金業者はとてつもない暴利をむさぼることで有名です。
金利を消費者金融と比較してみた(実質年率換算)
ー | 実質年率 |
---|---|
1週間で2割 | 年1,040.0% |
10日で3割 | 年1,095.0% |
2週間で4割 | 年1,040.0% |
三井住友銀行カードローン | 年1.5%~14.5% |
アコム | 年3.0%~18.0% |
※ヤミ金融は実質年率は単利で計算
正規の消費者金融や銀行カードローンと比べると、その実質年率の差が100倍近く違うほど圧倒的に高金利です。
またこちらにのせた闇金融の実質年率は単利ですが、複利で計算する闇金業者も多く存在するそうです。
複利で計算すると、年率に直すと単利の時より100倍近く利息がかかります。数値が天文学的な数字です。
また、万が一闇金業者への返済が滞りでもしたら、仏のような顔をしていた闇金業者の顔は一変し、様々な嫌がらせ、脅しが行われるようになります。
闇金融業者から一度借入をするために、身内の情報など洗いざらい話していますから、自分の家や家族はもちろん、近所や職場への嫌がらせや、自宅へピザや葬儀屋を手配されるなど、あらゆる嫌がらせを行ってきます。
それならば、闇金業者から借入しなかればいい、という話ですが、闇金業者の中には正規業者の登録番号を取得している業者も多く(取得することで広告を雑誌にのせることが可能となるため)、巧妙化しております。
裏金融のドン、杉山治夫
1980年代に杉山治夫という裏金融業者がテレビで話題となりました。
杉山治夫氏は後ほど「テレビの演出が入っているヤラセだった」と語っております。後年著書の中でそのように語っておりましたが、実際にテレビを見た方からの反響はとても大きかったそうです。
杉山治夫氏は暴力的な取り立てや女性をソープに沈めるなどは当たり前。借金の返済のために臓器売買を迫る、ということも杉山治夫氏が経営する日本百科通信販売(株)では行われていたそうです。
現在の時代からは想像できませんが、臓器売買を事業としていた杉山氏はテレビに頻繁に出ており、ついには石原慎太郎や渡辺美智雄などの政治家を巻き込んで、世の中に論争を起こしたそうです。
現在の時代でもそうですが当時も、臓器売買などと決して許されない空気感があったそうです。その一方、臓器を必要としている人は日本中でも数多くいたそうで、杉山氏へ臓器を売ってほしい、という依頼が後を絶たなかったそうです。債務者も臓器を売ると数千万円の大金が入る、ということで、臓器売買を行った人も多数いました。
裏金業者を使うと骨の髄まで搾り取られる
裏金融業者を使うと、金利の返済で他の闇金業者を使用する、という悪のループが生まれてしまいます。
現在の闇金業者の金利はトサン(10日で3割)が基本で、多くとるところだとトゴ(10日で5割)もあるそうです。
闇金業者を使うほどお金に困っている状況ですから、当然どこかで返済がいきずまってしまい、そちらの金利を返済するために他の闇金業者使用する。
当初は10万円だけ借りたつもりが、2か月後には56万円の借金に膨れ上がっているということもしばしばございます。
冒頭で、法律上闇金業者への返済は必要ないと言いましたが、借入する際にあらゆる個人情報を闇金業者に伝えている以上、返済が滞ると、悪質な嫌がらせをされることはまず間違いありません。
裏金融業者を利用する前に、大手消費者金融、それでもダメなら中小消費者金融。それでもダメなら質屋や買取を使用する、日払いのアルバイトを行う等、出来る限り別の手段でお金を工面するようにしましょう。
裏金貸しの巧妙な手口
通常カードローンで借入する場合の選択順番は①銀行カードローン、②クレジットカードのキャッシング、③消費者金融での借入となるのが普通ですね。
なぜならそれらの業者は正規にお金を貸していることが明らかだからです。
しかし裏金貸しを利用しようとする人は、審査に不安を持っており多分正規の金融機関ではお金を借りることができない事情があるからです。
借入件数が多い、すでに借りている金額が年収の1/3に達していると総量規制によってそれ以上お金を借りることはできません。
銀行の貸付は総量規制の対象外ですが、最近では貸付上限額を年収の1/3までと自主規制しているためやはりお金を借りることができません。
お金を借りようとカードローンを検討している人の中には消費者金融の貸付と銀行カードローンの貸付は別々に年収の1/3まで借りることができると勘違いしている人もいます。
確かに以前であれば銀行貸付は総量規制対象外となるため、消費者金融の貸付は銀行の貸付に関係なく年収の1/3まで貸すこことができました。
ところが消費者金融も返済能力がない人にお金を貸すわけにはいきません。お金を貸してもきちんと返済されなければ損をしてしまいます。
銀行カードローンも同じです。 信用情報機関のデータ共有によって、消費者金融からいくらお金を借りているのかが分かり、あまりお金を借りすぎていると過剰貸付となってしまい、最悪貸し倒れになる可能性が高くなります。
もちろん金融事故を起こしたのでは銀行カードローンでも消費者金融でもお金を借りることができません。
それを見越してか、 裏金貸しを行う闇金業者の数が最近非常に増えています。
無職でも貸してくれる、ブラックでも貸してくれる、それも即日借りれることを強調しているため、どこからも借りれない人にとっては藁にもすがる思いで申し込むわけです。
最近の闇金業者の手口は巧妙になっており、広告を見て電話をしても親切丁寧な言葉遣い、インターネットサイトを見ても爽やかイメージを演出する作りとなっていることから、まさか闇金ではないだろうと思ってしまうのです。
ソフト闇金なら安心なの?
裏金貸しの代表格は闇金ですが、最近ではソフト闇金の台頭には目覚ましいものがあります。
ソフト闇金は対応が丁寧で、返済期日に遅れそうでも事前に連絡しておけばある程度融通を利かしてくれ、1カ月以内に借金を完済しなければならない契約でも利息を支払えば延期してくれる便利さがあります。
返済期日に支払わないからと言って、24時間の電話督促や近所迷惑を考えない時間帯での自宅への訪問を行うことはありません。
まして会社にまで借金の取り立てに来ることもないことから、若い年代層でもソフト闇金の利用が増えています。
またソフト闇金の中には金利が10日で10.0%など、低く設定されているのも利用者を増やしている要因ですね。
しかし考えてみてください。たとえ金利が10日で10.0%だとしても、10万円も借りたら10日ごとに利息が1万円必要になるのですよ。
1カ月で借金を完済することができたとしても、借りた金額10万円と利息3万円を支払うことになります。
消費者金融からお金を借りることができれば、10万円借りても1カ月の利息は約1,500円です。
もちろんソフト闇金でも返済できないとなったら、今までの紳士的な態度から一気に本格的な闇金へと豹変します。
自宅に取り立てに来ては「金返せの大合唱」や玄関先へ「借金ドロボー」の貼り紙は覚悟しなければなりません。
玄関を壊れるくらいに叩くことや蹴飛ばすくらいは朝飯前です。
もちろん勤務先への訪問も何とも思っていません。上司に対して借金を返さないことをバラすことも平気で行います。
ソフト闇金は決して安全ではありません。ひとつ皮をむけば本格的な闇金と変わりがないのです。
金貸しの個人融資掲示板は安全?
個人融資掲示板やお金を貸します掲示板など、個人間融資をマッチングさせるサイトが賑わいを見せています。
どこからも借りることができなくなったブラック属性の人や、お金の借りすぎで返済能力がなくなった人が掲示板に「月末まで5万円貸してください」のように書き込みをします。
その書き込みを見た人が返信を出すことによってお金を借りる条件を交渉するわけです。
もしかしたら個人融資掲示板を利用する人の中には、世の中には善良な人がいて投資目的でお金を貸している人がいるのではないか、と考えている人が割と多いようですね。
残念ながら投資目的でお金を貸す善良な人はいません。
全く見ず知らずの人でたとえ免許証で住所を確認したとしても遠方だったら借り逃げされておしまいですよね。
個人間融資掲示板に登場するのはソフト闇金を含めた闇金業者です。
闇金業者には闇金業者の全国的なネットワークがあって、たとえ借主が遠方に住んでいたとしても借主の近くに住んでいる取立屋がいるため借り逃げすることはできません。
それどころかお金を借りたがために平和な暮らしが乱されるばかりでなく、家族を崩壊にも繋がってしまいますよ。
中小消費者金融ならブラック融資も可能
お金が必要だけど、審査がなかなか通らない。そんなあなたは一度信用情報を開示してみてはいかがでしょうか。
カードローン審査の要因は、年収と他社借入額というのが基本で、それプラス信用情報(簡単に言うと、クレカやカードローンなどの利用履歴の情報)をもとにカードローン審査を行います。
信用情報に傷があると(返済に遅れがある、債務整理歴がある)、大手消費者金融のカードローン審査は非常に通りにくくなります。
その際に頼るのが中小消費者金融です。中小消費者金融の場合、信用情報に傷があっても、積極的に貸し付けを行っております。
馬吉先生によると、電話連絡なしで融資する消費者金融や、債務整理経験者にいきなり100万円の融資する消費者金融、などとても大手では考えられない貸付を行てくれるそうです。
詳しくは以下の記事を確認ください。
借金返済で困ったら債務整理
借金返済のために闇金からお金を借りるくらいだったら、債務整理した方がよほどマシですよ。家族に迷惑をかけることはなく、勤務先にも迷惑がかかりません。
唯一気がかりなのは信用情報のキズですが、すでにどこからも借りれないのであればキズがついているのと同じじゃないですか?
信用情報のキズは5年から10年で消えます。その間に借金をしなくても良いように生活の見直しや収入を増やす努力をするべきです。
裏金融の対策は弁護士へ
なお、もしあなたが現在裏金融の激しい取り立てで精神が疲弊(ひへい)している状態でしたら、法テラスや弁護士への相談をお勧めします。
平成20年の最高裁の判決で、闇金からの貸付は元本返済は不要、という判決が下されました。
つまり闇金融から借入したお金は全く返さなくてよい、ということなのですが、とはいっても闇金業者も貸付した以上、貸付した元本の返済はしつように求めてくるでしょう。
あなたと闇金業者の間を取り持ってくれるのが、弁護士になります。弁護士は弁護士でも、闇金対応していない業者も存在しますので、注意が必要です。
当サイトにて体験談を執筆した馬たちの中でも、ご友人が闇金業者からの激しい取り立てに精神を病み、自殺を試みた、自殺したというケースがいくつかございます。
精神的にも考えることができる状態の際に、弁護士への相談を行っておく等、しておいた方がよいです。
タグ:借金・お金の悩み