田んぼを担保に融資を受けられる?

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「お金を借りたいけど、担保となる土地がない」という人「親の田んぼを相続したけどこれって価値があるの?」という方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?

また、「田んぼならもっているけど資産価値がないから」と決めつけている人も少なくありません。

田んぼなどの農地は資産価値がない=担保としてお金を借りることができないと一般的に言われていますが、これはなぜでしょうか?

原則的に誰でも簡単に田んぼを担保にお金を借りるということはできないのが実情です。

しかし、方法が全くないかといえばそうでもありません。

この記事では、田んぼなどの農地に担保を融資を受けることができない理由と、例外的に融資を受けることができる方法などについて解説していきます。

執筆者の情報
名前:手塚 龍馬(36歳)
職歴:過去7年,地銀の貸付業務担当

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なぜ田んぼは価値がないといわれる?

一般的に田んぼなどの農地は担保としての価値がないといわれています。

この理由は「誰でも取得することができず」「基本的にモノを建てることができない」ためです。

農地は農地にしか使えない

農地の取得や売買については「農地法」という法律によって縛られています。

一時日本の基幹産業であった農業を守るため、つまり、農地が農地以外の目的にやたらに使用できないように縛った法律が農地法という法律です。

農地を取得するには許可が必要

農地を農地として取得するためには農業委員会の許可が必要になります。

この許可を農地法第3条を根拠にしていることから3条許可といいます。

3条許可を得ることができる人は「農業に使用できる」と農業委員会が判断した人だけです。

要するに農地を農地として取得することができる人は農家だけなのです。

農地以外に使用するには許可が必要

それでは、農地以外に使用する目的で農地を取得しようとする場合はどうでしょう?

お金を貸す業者は農業ができないため、むしろ農地以外に使用する目的で農地を担保としたいはずです。

農地を農地以外の目的で使用するためには農業委員会の許可が必要になります。

こちらは農地法第5条で定められていることから、この許可を5条許可といいます。

農地から他の使用目的へ転用することを農地転用といいますが、農地転用には農業委員会の5条許可が必要になるのです。

ほとんど許可は下りない

農家以外の人は農地を取得することができないため、銀行や貸金業者などの農業法人でない企業が、農地を担保にして取得する場合には5条許可が必要になります。

しかし、いかに担保として取得したからといって、その理由だけでは5条許可は下りません。

つまり、農地を担保としても、その土地を取得することも売買することも容易にはできないため、銀行や貸金業者は農地に対して担保としての価値を認めていないのです。

また、農地の資産評価額が非常に低いのも農地法の縛りによって「農地以外に使用することができず」「農家以外は取得できない」ため、資産としての価値が他の土地と比べて著しく農地は低いのです。

融資の可能性はゼロではない

農地が担保としての価値がないのは、「農地として農家しか取得することができない」ためです。

したがって、農家からならお金を借りることができますし、農地転用が決まっている土地であれば融資に可能性があります。

債権者が資産価値があると認めるか否か

担保となる不動産について、担保としての価値があるかどうかを決めるのはあくまでも債権者(お金を貸す側)です。

したがって、農家が農地を取得したい場合や、農業委員会の5条許可がおり、農地転用(農転)が決定している土地であれば、田んぼなどの農地を担保にお金を借りることができる可能性が高くなります。

「農地に抵当権を設定してはいけない」という法律はありません。

債権者が資産価値があると認めれば、田んぼでも理論上はお金を借りることができるのです。

もしかしたら、農業委員会が田んぼの一体を農地転用する計画があるなどという情報を債権者がつかんでいたり、この田んぼの下には徳川埋蔵金が埋まっているかもしれないとか、この田んぼの土で作った米は格別に味がいいなどと債権者が判断すればお金を貸してくれる可能性があります。

要するに債権者が農地をどう判断するかだけなのです。

ただし、現実的に、農地を担保価値があると判断するような銀行や貸金業者は存在しません。

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地方には、農家をやりながら貸金業を営んでいるような人がたまにいます。

地元のやくざみたいな存在ですが、そのような人からであれば農地を担保としてお金を借りることができる可能性があります。

ただし、金利はかなりの法外な金利でしょうし、登録貸金業者ではない闇金の可能性もあります。

銀行や貸金業者からは基本的に難しい

農地転用が決まっている農地でない限りは、銀行や貸金業者からお金を借りることはまず難しいと考えたほうがよいでしょう。

特に銀行や消費者金融には金利、融資限度額、融資期間などがあらかじめ決まっているパッケージ商品として不動産担保ローンがありますが、このような商品を農転が決まっていない土地を担保にして利用することはまず不可能です。

不動産担保ローンは返済が不可能になった際には担保となっている不動産を競売に出して貸したお金の回収に充てますので、流動性が著しく低い農地を担保にお金を借りることは不可能です。

田んぼなどの農地を担保にお金を借りることができるケースは「農家からお金を借りる」「農地転用が決まっている農地を担保に入れる」この2つだけです。

農地を担保に融資ができるケース

「農家からお金を借りる」「農地転用が決まっている農地を担保に入れる」というケース以外で農地を担保にお金を借りることができる例外的なケースが2つだけあります。

農家住宅の住宅ローン

農家が自宅と隣接した農地に住宅を建築する場合には、農業委員会の許可が下りることが一般的です。

このような住宅を農家住宅といいます。

農家住宅は民間の銀行でも住宅ローンを組むことができます。

また、住宅を建築した農地は銀行へ担保に入れることになります。

「農家住宅を住宅ローンを組んで建築する」このケースが農地を担保に入れてお金を借りることができる1つ目のケースです。

ただし農家住宅は農家しか建築できないため、この方法も農家しか利用することはできません。

農協では取り扱いの可能性も

農協は農家に対して融資を行っています。

基本的に農家の運転資金や農機具購入などの設備資金の融資を行っていますが、最近はフリーローンやカードローンの取り扱いがあります。

また、農協は銀行法などの適用を受けないため、審査に関してもかなりざっくりとした側面があります。

筆者は、銀行員時代に農協の組合員が農協で組んだ住宅ローンで抵当権を設定し忘れているケースを目にしたことがありました。

要するに農協組合員に対しては、昔からの付き合いでそれほどざっくりと審査をしているのです。

このため、農協組合員であれば農協に「田んぼを担保にお金を借りたい」と相談すれば融資に応じてくれる可能性があります。

仮にお金を返すことができずに差し押さえとなっても、多数の組合員を抱えている農協は取得した農地を農家に転売することもできますし、そのほかにも農地を有効利用することが可能であるためです。

農協組合員の方はまずは農協へ相談してみましょう。

ただし、農地は資産価格が低いため、それほど多くの金額を借りることは難しいでしょう。

200~300万円程度が限度であると考えてみましょう。

まとめ

田んぼなどの農地を担保に融資を受けることは基本的には不可能です。

農地は農家だけが農業に使用することを目的に取得できるものですので、銀行や貸金業者にとっては資産としての価値がなく、担保にとっても回収に充てることができないためです。

ただし、農地転用が決まっている農地であれば銀行や消費者金融からもお金を借りることができる可能性があります。

また、農家からならお金を借りることもできます。

農協であれば田んぼなどの農地でも融資に応じてくれる可能性もありますので、どうしても農地を担保にお金を借りたいという人はまずは農協へ相談してみてはいかがでしょうか?

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