オートローンはブラックでも借りれる?
オートローンは、ディーラーや販売店で利用すれば、車の商談をしながら申し込むことができ、少ない書類で借りられます。
また、銀行で利用すれば低金利で借りられ、少ない利息負担だけで高額な車も購入できるようになります。
しかし、オートローンに審査がある以上、誰でも借りれるとは限りません。
そんなオートローンにおいて、ブラックとなっている人は借りられるのでしょうか?
この記事では、ブラックでもオートローンは借りられるのか、借りられない場合はどのような方法であれば借りられるようになるのかを解説していきます。
- 執筆者の情報
- 名前:馬沢結愛(30歳)
職歴:平成18年4月より信用金庫勤務
通りやすいオートローンの条件は?
オートローンには借入先によっていくつか種類があり、審査に通りやすいオートローンもあれば、通りにくいオートローンもあります。
オートローンの審査に通るためには信用情報や属性も大事なのですが、その前に審査に通りやすいオートローンを選ぶことも大事です。
オートローンは大きく3種類
オートローンは提供されているところで分けると「銀行系オートローン」「消費者金融系オートローン」「信販系オートローン」の3種類に分けられます。
銀行系オートローンは、銀行が取扱っているマイカーローンであり、低金利で借りることができます。
消費者金融系オートローンは、カードローンのイメージが強い消費者金融において提供されているオートローンです。
信販系オートローンは、信販会社が提供するオートローンはであり、ディーラーで借りるオートローンがこれに該当します。
一口にオートローンといっても、提供されているところによって借入の内容は異なります。
審査が通りやすいのは消費者金融系
一般的に、オートローンの審査はカードローンと比べると厳しいです。
その厳しいとされるオートローンでも、提供しているところによって審査の通りやすさは違います。
3種類のオートローンを審査の通りやすさで並べると、以下のようになります。
消費者金融系オートローン > 信販系オートローン > 銀行系オートローン
このように、消費者金融系が1番審査に通りやすいといわれており、1番審査が厳しいといわれているのが銀行系です。
金利を見ると審査の厳しさがわかる
審査の厳しさは、金利を見ることによってある程度判断することができます。
金利を見ることによって、高ければそれだけ信用が低くて回収できなくなるリスクが高くても貸すことができますし、逆に低ければ信用が高くて回収できなくなるリスクが低い人でなければ借りられないといえます。
では、審査が通りやすい順にそれぞれの金利を比べてみます。
比べるにあたっては、消費者金融系をアイフル、信販系をオリエントコーポレーション、銀行系を三菱UFJ銀行としてそれぞれの金利を例にして比べていきます。
アイフル | オリエントコーポレーション | 三菱UFJ銀行 |
---|---|---|
13.0%~17.0% | 10%前後 | 2.975% |
このようになっておりますが、オリコの場合には提携するディーラーによって金利が異なりますので、オリコが公開している金利はありません。
ですが、10%前後の金利で借りているという人が多いことから、ここではこのような金利で比較しています。
消費者金融系は借りられる金額が少ない
アイフルを例にすると、借りることができる金額は100万円までとなります。
信販系や銀行系のオートローンで借りることができる金額がおよそ500万円~1,000万円ですので、そこから見ても消費者金融系オートローンの100万円は少ないです。
100万円までしか借りることができないとなると、購入するとしたら中古車が限界であり、とても新車を買う際には利用できません。
従って、消費者金融系のオートローンを借りる場合には中古車の購入や修理費用、カー用品購入の場合に考えることであり、新車の購入の場合には信販系や銀行でしか借りることができないといえます。
オートローンで審査落ちになる理由
具体的に、オートローンで審査落ちになる理由を挙げていきましょう。
- 信用情報にキズがある
- 複数の会社から借入している
- 複数社に対して同時に申し込んでいる
これら3つはオートローンの審査に落ちてしまう主な理由なのですが、これら以外にも年収に不相応な金額の車を購入するなどでも審査落ちしてしまいます。
いくら審査に通りやすい消費者金融系オートローンでも、カードローンよりは厳しい審査が行われますので、安易な申し込みは控えなくてはなりません。
では、オートローンの審査に落ちてしまう主な理由について、これからもう少し詳しく解説していきます。
信用情報にキズがある
信用情報にキズがあるという状況には、さまざまなケースがあります。
例えば、カードローンも借りており、その返済を延滞していることでもキズがついているとなりますし、重いものであれば過去に債務整理していてブラックになっているのも、信用情報にキズがあると言えます。
キズの程度により審査に通れる可能性も違いますが、まったくキズがない人よりも審査落ちする可能性が高いのは確かです。
特に、銀行系オートローンは信用情報に敏感ですので、少しのキズでも審査落ちする可能性があります。
特に返済の延滞や未払に注意
信用情報にブラックという深いキズがある場合は、審査落ちしても原因がはっきりしているため、そこまで落ち込むことはないでしょう。
しかし、数ヶ月前に延滞したことがある、返済したと思っていたら残高が少し足りなくて延滞となっていたなどという場合、「そこまで厳しくしなくてもいいのでは」と思う人もいるかもしれません。
ですが、お金を貸す側にしてみると、少しのキズが将来的に大きなキズになるリスクをぬぐい去ることはできません。
また、延滞や未払となっている理由はわかりませんし、申込者に対して聞くこともありません。
そのため、延滞や未払は金銭的に困窮している可能性が高いと判断するしかなく、審査落ちの一番の原因となります。
借りる側にしてみると、「たった一度の遅れで」と思うようなことでも、貸す側にしてみればリスク管理をするうえで重要なことなのです。
現在、複数の会社から借入をしている
現在、複数の会社から借入をしている場合、そこに対しても返済を行わなければなりません。
それにオートローンが加わると、延滞する可能性が高くなってしまいます。
特に、他社借入が3件以上の場合は「すでに返済能力はない」「無計画な借入をしている人だ」と判断されてしまいます。
複数の会社に同時に申し込みをしている
同時期に複数者に対して申し込みを行うと、申込ブラックと呼ばれる状態になってしまう可能性があります。
申込ブラックも、その名のとおり一種のブラックですので、債務整理などのブラックよりかはましですが、リスクが高いと判断されます。
インターネットサイトを見ていると、オートローンの一括審査などがあり、そのサイトに情報を入力するだけで複数社に対して審査してもらうことができますが、審査の際に各社が信用情報機関に照会したことも登録されます。
これにより、申込ブラックとなる人もいます。
一括審査は金利条件ができるだけ良いところや、審査に通れるところを探すという点にメリットがありますが、申込ブラックになる可能性があるというデメリットもありますので、あまりおすすめできるものではありません。
信用情報がブラックの人でも審査を通過する方法はある?
この記事の本題でもありますが、ブラックの人でもオートローンの審査に通ることができるのでしょうか。
ブラックでは借りられない
まず「ブラック」とは、債務整理や代位弁済(保証会社による肩代わり)が行われた、いわゆる「金融事故」によって借りることができなくなった状態のことをいいます。
お金を借りる契約をしたのにもかかわらず、その返済をすることができなくなったともなれば、その人に対してお金を貸すボランティアのようなところはありません。
これは消費者金融系、信販系、銀行系のすべてにおいて共通していることであり、ブラックであればどこであっても貸してくれるところはありません。
5年~10年は借りることができない
ブラックとなると、5年~10年は借りることができなくなります。
これは信用情報として登録される金融事故の記録が5年~10年は残っているからです。
ですので、ブラックとなった場合には5年~10年以上経たなければ借りることができませんので、オートローンの場合には借りて車を買うことも、修理をすることもできません。
申し込みブラックでも借りられない
オートローンのように審査が厳しいローンの場合には複数社に申し込みをする場合もありますし、一括審査をすることもあります。
せっかく購入する車も決まり、あとは審査に通って借りることができれば注文することができますので、1度や2度審査に通らなかった場合でもなかなかあきらめることができません。
こうしてさらに複数社に対して申し込みをしたとしてもその後も審査に通らないことが続いてしまいます。
このような状態のことを「申し込みブラック」といい、短期間の内に複数回申し込みや審査落ちを繰り返すことによって審査に通らなくなってしまいます。
最初の数回で審査に通らないということが信用情報で確認されると、「信用に問題があって審査に落されている」と後に審査をするところは判断します。
こうなってしまうと審査に通ることは極めて難しくなってしまいますので、このような場合には申し込みの情報が消える6ヶ月は期間を空けて申し込みすることをおすすめします。
保証人がブラックでも借りられない
特に、新成人や転職によって勤続年数が短い人によくあることですが、親などの家族を保証人としてオートローンを申し込みすることがあります。
保証人を付けることは、契約する人の信用だけでは借りることができないために、収入がある親などを追加して回収不能となるリスクを軽減することによって借りることができます。
保証人を付ける場合には、契約する人と保証人となる人それぞれが審査を受けますので、この保証人がブラックでも借りることができません。
自分がブラックであるにもかかわらず保証人となる人はいないとは思いますが、自分には審査に落ちるような理由がないという場合には保証人に問題がある可能性もあるということです。
ディーラーは審査に通りやすくするアドバイスをする
ディーラーでは保証人を付けるなどの審査に通りやすくなるアドバイスをしてくれることが多いです。
ディーラーの営業は車を売るノルマのほかに、オートローンのノルマもあります。
また、オートローンが成約になると、信販会社からマージンを貰うことができますので、積極的にローンを勧めてきますし、アドバイスもします。
このアドバイスの中には、保証人を付ける以外にも頭金を入れることや、下取りにするなどさまざまなアドバイスをしてくれますので、購入するディーラーでそのままオートローンを借りる場合にはそれらをすると審査に通りやすくなります。
保証人を変えるようにいわれることも
保証人の信用が低いことによって審査に落ちた場合には、保証人を変えるようにいわれることもあります。
契約する人自身には保証人次第で貸すことができるが、審査をした保証人に問題があれば貸すことができません。
そこで、保証人を違う人にして再度審査を提案することによって貸すことができる可能性が出てきます。
このように、保証人とした人に問題があり審査落ちとなった場合には、審査をした方から保証人についての提案をされることもありますので、この場合には信用に問題がない保証人を付けることができれば借りることができます。
ブラックの人は自社ローンに注目!
ブラックの人は、銀行系や信販系、消費者金融系にかかわらず借りることは不可能といってもいいでしょう。
しかし、そんなブラックの人でも、借り方を変えれば借りられるようになる可能性があります。
その方法が「自社ローン」です。
自社ローンというのは、中古車販売店が独自の制度を作り、それに沿って貸付を行うローンのことです。
通常、中古車販売店で借りるオートローンは、提携している信販会社に審査を依頼し、貸付も信販会社が行います。
これに対して自社ローンは、中古車販売店が審査をして、貸付も中古車販売店が行います。
自社ローンは独自性が高いローンなため、どこがいいとは言いきれない部分もありますが、信用情報がブラックの人でも借りれる可能性はあります。
自社ローンを利用する条件
中古車販売店のすべてで自社ローンが利用できるわけではありませんので、まずは自社ローン対応の中古車販売店を探す必要があります。
これが、自社ローンを利用するための最低条件であり、次はその販売店で自社ローン対応車種や車を探します。
というのも、自社ローン対応の販売店でも、車種や車によっては自社ローンを利用できないものもあるからです。
ただ、インターネットで自社ローンを調べると、すぐに自社ローン対応可能な販売店や車種、車を探すことができます。
一番問題となる可能性が高いのは、保証人です。
自社ローンを利用するためには、保証人を立てつのが一般的です。
保証人は親や兄弟などでも良いですので、あらかじめ了承を得ておくことをおすすめします。
自社ローンならではのメリット
自社ローン最大のメリットとも言えるのが、審査の通りやすさです。
販売店によって基準が異なるものの、多くは信販会社や消費者金融よりも通りやすくなっています。
また、販売店との人間関係によって審査に通ることもあり、販売店に知人がいたことで審査に通ったというケースも珍しいことではありません。
2つ目のメリットは、少ない書類でスムーズに手続きでき、納車までの期間も短くなることです。
自社ローンの特性上、審査は販売店で行われ、貸付可能と判断されればすぐに契約手続きや納車までのスケジュールが決まります。
車が整備済みであるなどの場合には、その日のうちに納車されることもあるほど簡単です。
なお、自社ローンの多くは金利がなく、一見するとメリットに思えますが、これは金利を付けるためには資格が必要なため、その資格保有者が販売店にいないことで金利をつけたくてもつけられない状況にあるからです。
とはいえ、全くのボランティアではリスクがありすぎますので、金利という形ではなく、車の費用に手数料などを上乗せする形で取り扱います。
よって、金利はかからなくても手数料が通常よりもかかるため、メリットとしては挙げることができないのです。
自社ローンで分割払いを利用するには?
自社ローンは基本的に分割払いです。
それもその筈で、一括で返済できるのであれば、最初から自社ローンなんて使う必要はなく、クレジットカードのボーナス一括払いのように数ヵ月後に一括請求してくる販売店もありません。
必要書類
自社ローンを利用するためには、少なからず必要となる書類があります。
その書類というのは、主に以下の書類です。
- 運転免許証
- 収入証明書(源泉徴収票など)
- 印鑑
ただし、販売店によっては上記以外の書類が必要となることもありますので、電話などで事前に確認しておくことをおすすめします。
自分の欲しい車種を自社ローンで購入するには?
自社ローン対応の販売店を探しても、そこに自分が欲しい車種がないこともあります。
欲しい車がないということで、自社ローン対応の選択肢の中から選べる場合はそれでいいのでしょうが、どうしても特定の車種が欲しい場合はその販売店にこだわっていても進展しません。
では、このような場合はどのようにすればいいのでしょうか。
中古車販売のサイトから自社ローン対応の車種を検索しよう
先ほどもお伝えしましたが、インターネットで自社ローンを検索すると、対応している販売店や車種を簡単に調べることができます。
そのため、どうしても欲しい車を自社ローンで購入したい場合は、インターネットで検索するようにしましょう。
ただ、自社ローンを取り扱っている販売店は少ないのが現状ですので、インターネットで検索しても欲しい車がない可能性もあります。
その場合は、欲しい車種に似た車や自社ローン対応車種の中から選ぶしかありません。
自社ローンに落ちたときの代替案
自社ローンの審査にまで落ちてしまうと、その人で借りられる方法はほぼありません。
その際の代替案として、家族に借りてもらい、車を貸してもらう形で乗る方法もあります。
例えば、自分はブラックだが妻は信用情報にキズがついていない状況で、妻であれば銀行系や信販系のオートローンにも審査に通れる可能性があります。
オートローンは家族が乗る車を購入する際も利用できるのが一般的ですので、妻に借りてもらい、実際の乗るのは自分ということも可能です。
もう1つの代替案として、家族にお金を借りるという案もありますが、そこまで高額を貸してくれる家族は少ないでしょうから、この案は車の修理に必要という場合など少額なときに検討しましょう。
オートローンに関するみんなの疑問
オートローンは借入先によって借入方法や審査難易度が異なり、自社ローンという特殊なローンもありますので、疑問点が多いローンでもあります。
オートローンに関する疑問を、1つ紹介します。
自動車の購入についてですが。
私は、ブラックなのでローンが組めません。
でも、 周りの友人で何人か自動車屋さんの自社ローン(直接の分割払い)で対応して購入した人もいます。ただ、現在そこの自動車屋さんが休業している為、購入できません。
愛知県で、自社ローンに対応してくれる中古車販売店はありませんか?
頭金等も、多少あるのですが…
仕事でどうしても自動車が必要なので。
どうか、よろしくお願いいたします。※ヤフー知恵袋から引用
この疑問は、この記事の本題にもなっているブラックの人が、銀行系や信販系のオートローンでは借りることができず、自社ローンで仕事に使用する車を購入したいというものです。
この方の場合、愛知県または近隣に住んでいるのか、地域を限定して自社ローン対応の中古車販売店を探しているようです。
自社ローンを利用するためには、販売店に行く必要もありますので、そのことも考えたうえでの質問でしょう。
これに対しての回答は、販売店が自社ローンを取り扱うリスクにも触れながら厳しい意見を言っています。
いくら仕事で使用するのに必要だからといっても、自社ローンを利用してまで借りるのは間違っており、まずはお金を貯めるのが先決というのは正論です。
また、ほかの回答者は安く車を購入する方法に触れており、自社ローンで高い車を購入するのではなく、とりあえず走れる車を購入すると回答しており、これも方法として正論と言えます。
ブラックで通常のオートローンが借りれない場合、最後の手段として自社ローンを考える人も少なくありませんが、自社ローンも車を購入するための1つの選択肢にしかすぎず、今は購入を控えるというのも立派な選択肢の1つなのです。
オートローンに関するよくある質問
最後に、オートローンに関してよくある質問にお答えしていきます。
1.未成年でもローンを組むことはできる?
未成年であっても、オートローンを組むことは可能であり、ろうきんなどの金融機関でも18歳から借りられるオートローンもあります。
しかし、未成年者の場合は、親(親権者)の同意が必要となり、保証人も必要となるケースがほとんどです。
また、学生であれば学生ローンを利用しても借りることができます。
学生ローンの場合は親の同意や保証人は必要ありませんが、収入面や信用面から借りられる金額が少額になるケースも少なくありません。
これは未成年でも借りられるオートローンも同じですので、未成年者が借りる場合は購入する車が高額にならないように注意しましょう。
2.審査をしたけど、後から購入をやめることはできる?
とりあえず審査に通るか試してみる、審査に通ったあとに別の車を検討するなど、車を購入するにあたってはよくあることです。
オートローンに限らず、ローンは審査に通っただけでは返済義務を負うことはなく、契約さえしていなければいつでも取り下げは可能です。
従って、契約していなければ審査に通ったあとになって購入をやめることはでき、別の車で再度審査してもらうことも可能です。
ただし、申し込んだ事実は消えることがなく、確実に申し込みの取り下げを行ってもらうよう依頼するようにしましょう。
まとめ
ブラックであればどこであろうとオートローンを借りることはできません。
ですので、ブラックとなっている間は借りるということは考えることなく、借金に対する意識を更生する期間であると解釈して生活していかなければなりません。
この期間中に借金に対する意識をきちんとしなければ、借りられるようになってからもすぐにブラックに戻ってしまう可能性があります。
それでも、どうしても借りたいという場合には、家族が乗る車を購入する場合でも借りることもできるオートローンもありますので、家族とよく相談をしてローンを組んでもらうことも1つの方法です。
また、対応している販売店は少ないものの、自社ローンという方法であればブラックでも借りられる可能性があります。
ですが、自分がブラックであるということを隠している場合には難しいことでありますので、そのことを良く考えたうえで借入についての意識を変えていかなくてはなりません。
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