労金は審査が甘くてブラックでも借りれる?
「労金(労働金庫)」はブラックでも借りられるのか。借り入れするに当たり、ブラック情報があると審査に不安を持っている人も多いことでしょう。
労金は非営利目的の金融機関で、しかも働くみんなの暮らしを豊かにすることを目的としているため、ブラックで生活に困窮しているのであれば借り入れできるのではないかと考えるでしょう。実際のところはどうなのでしょうか。
労金はブラックでも借りられる?
「ろうきん」は営利を目的としない金融機関として、組合員や一般の会社員から出資を募り労働者を支援するのが使命としています。
しかも労金の融資先のうち99%が個人向け融資で、住宅ローンや教育ローン、マイカーローンなどの各種ローンはもちろんのこと、カードローンにおいても労働者の家族を守り、生活を豊かにするために役立てられています。
そのような基本理念があるなら、ブラックでどこからも借りることができない、しかも生活に困窮している労働者なら助けてくれるのではないかと思っても不思議ではありませんね。
しかしながら労金は信用情報機関を使って借入審査を行っています。加盟しているのは次の信用情報機関です。
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
銀行や消費者金融、クレジットカード会社などお金を貸している金融機関を利用する信用情報機関の全てに加盟しています。
信用情報機関は各社とも金融事故情報や借入情報の相互データ交流を行っており、何か問題が発生すれば必ずデータが共有されることになっています。
労金はデータ共有に頼ることなく、借入申込者のブラック情報を見ることができるのです。したがって、どこか1ヶ所にでもブラック情報が登録されれば、労金は簡単に審査を行うことができることになります。
労金がブラックの人にお金を貸すかどうかは別として、信用情報機関にブラック情報が登録されている間は厳しい審査が行われることは容易に想像できます。
いくら労金が非営利目的の金融機関だとしても、返済能力のない人にお金を貸すほど甘くはありません。過去5年から10年の間に3ヶ月以上の長期滞納や自己破産を含めた債務整理を行った人は借り入れできないと考えるのがスジでしょう。
労金の審査基準は厳しい?甘い?
労金に限らず銀行や消費者金融などは審査基準を公表していません。審査基準を公表していない以上労金の審査基準が厳しいのか判断することは難しいです。
しかし労金は理念として誠実と公正、および公開することを重点としており、経営の健全化に尽くすとともに労金会員の信頼に応えなければならないため、労金の審査基準は公平であると考えることができます。
他の金融機関がブラックの人にお金を貸さないのは、借入希望者の信用がお金を貸すまでに至っていないからです。
信用情報に特に問題がなければ、労金会員は審査において若干有利になることはあったとしても、さすがにブラックともなると借入審査は通らないと考えておいた方が無難でしょう。
ろうきんの理念である誠実と公正によって、借入申込者はあまねく公平に審査されることは確かです。労金の組合員だからといって審査が優遇されることは期待できません。
労金自体がブラックリストを持っているわけではありません。しかし冒頭でご説明してあるように国が認めている信用情報機関全てに加盟していることを考えると、非常に細かいところまで審査対象になることは覚悟してください。
そもそもお金を預かる金融機関なので、預金者保護をするためにもお金を貸したら貸し倒れになってしまったでは済まされません。労金とトラブルを起こしていなくても、他金融機関とトラブルを起こしているのであれば労金からの借り入れは諦めておいた方がいいでしょう.
審査の甘さは金利で分かる
一般的に、ローン審査の甘さは金利を見ることで分かります。簡単にいうと、金利は高くなるほど審査は甘くなり、低くなるほど厳しくなります。
金利は、その全てが融資を行うところの収益となるわけではなく、一定の割合は不良債権となる場合などのリスクに備える部分として蓄えられます。このリスクに備える部分が適用金利に大きく影響を与え、より多くのリスクに備えるために金利を高くします。
反対に、金利が低いと、その分リスクに備えることができないので、高い返済能力がある人でなければ融資を行うことができないということです。
サービスが充実しても審査は厳しくなる
例えば楽天銀行のカードローンのように、入会などで楽天スーパーポイントがもらえるなど、カードローンを借りることで特典を受けられるものもあります。この特典を目的にカードローンを選ぶ人もいますが、融資以外の特典があるローンの審査は厳しくなってしまいます。
というのも、このような特典を提供するためには、相応の費用が発生するからです。この費用も金利で賄うとなれば、その分だけリスクに備える分が少なくなります。
このため、審査の甘さを重視する場合には、カードローンを契約または利用することで特典を受けられるものは避け、純粋にお金を借りるためだけに提供されているものを選ぶようにしましょう。
労金のブラック情報はいつまで残る
ブラックの人が労金からお金を借りる場合、信用情報機関に登録されブラック情報は何年なのでしょう。
ひとくちにブラックといってもさまざまです。
・3ヶ月以上の長期滞納
JICCでは返済滞納が解消されてから1年で信用情報機関から削除されますが、長期滞納が発生した事実は発生と同時にKSCとCICにデータ共有されます。
KSCとCICでは情報が5年間登録され続けます。例えば消費者金融で3ヶ月以上の滞納をしてしまった場合は、返済滞納を解消しても5年間はブラック情報として登録され続けます。
・任意整理
任意整理は裁判所を通さず弁護士や司法書士といった法律の専門家に依頼して、借金の軽減や将来支払う利息のカットを交渉し、借主が3年で支払えるようにするものです。
もちろん金融事故情報、つまりブラックとして登録されるわけですが、登録される期間はどの信用情報機関でも借金完済後5年間残り続けます。
したがって事案発生から借金完済まで3年で済んだ場合は、それから5年間ブラック情報が残り続け、合計で8年間は信用情報機関にブラックとして登録されることになります。
・自己破産と個人再生
自己破産と個人再生はJICCでは5年間、CICでは7年間金融事故として登録されますが、KSCでは10年間記録保存します。
他にも長期滞納によるカード強制解約や、クレジットカードショッピング枠の現金化など会員資格を強制的に失う金融事故もブラック情報です。
それらの情報も各信用情報機関で最低5年間は登録が残るので、結局ブラックの人がお金を借りることができるようになるまで最低でも5年間、最高だと10年くらいは必要、ということになります。
ブラックでも審査に通るケース
信用情報機関にブラック情報が登録されても審査に通るケースがないわけではありません。しかし、審査に通るのは無担保無保証のカードローンでは無理です。
住宅ローンや自動車ローンなど、担保融資の場合に頭金をどれくらい入れるのかによって労金の審査に通ることがあります。ただしブラック情報が登録されてから3年未満など、短いスパンでは厳しいようです。
できれば5年から7年程度経過してから申し込むといいでしょう。なぜならJICCやCICから情報が削除されるからです。
住宅ローンの審査に通るためには借入金額の20%から30%を頭金とすること、自動車ローンの場合は借入金額の30%から50%程度頭金として入金することで審査に通る可能性も出てきます。
銀行の考え方として基本になるのは、借主が万が一返済不能に陥っても担保物件を処分すれば損にならないことです。
銀行は返済能力があるかどうか調べる場合に返済負担率を重要視しています。銀行が最適とする返済負担率は20%から25%です。たとえブラックとして登録されたとしても一定期間過ぎていて、なおかつ返済能力が十分にあると判断されれば審査に通る可能性が残されています。
なお返済負担率とは、1年間に支払う借金額の合計を年収で割った割合のことをいいます。各種ローンの支払金額の合計金額が年間100万円で年収300万円の場合の返済負担率は30%です。
このケースでは返済能力もないと判断されてしまうため借り入れは難しくなります。実際審査に通るかどうかは申し込んでみなければ分からないのが実情です。
年収の状況や頭金の金額によっては、借り入れできる可能性が残されていると考えてください。
審査に落ちた場合の対処法
審査の厳しいろうきんのカードローン審査に落ちてしまった場合、まずは原因を分析することが大切です。
審査に落ちた原因が、既存の借り入れで度々延滞している、またはクレジットカードの利用代金を度々滞納しているというような、そもそもの信用が問題であれば、それを解消しないとなりません。
このような場合には、最後に延滞や滞納をしてから最低でも1年間はきちんと支払い、実績として返済能力があることを証明するようにしましょう。
延滞や滞納以外が原因である場合には、銀行や信用金庫などのカードローンに申し込むことで、審査に通る可能性があります。
しかし、金利は高額な利用限度額を契約しない限りろうきんよりも高くなるので、金利負担は増えてしまいます。
ろうきんカードローンの商品内容
ろうきんが提供しているカードローンを「マイプラン」といい、その商品内容は以下の通りです。
使いみち |
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融資金額 | 最高500万円(所属会員により最高融資額は異なる) ※一般勤労者は最高100万円 |
金利タイプ | 変動金利 |
返済方法 | 極度額に応じた定例返済額(ボーナス返済併用可) |
保 証 | 指定の保証協会を利用 |
銀行などのカードローンのように、比較的自由な資金に利用でき、高額な借り入れにも対応しています。
また、カードローンでは珍しいボーナス返済にも対応しているので、早く計画的に返済したい人も安心して利用できます。
金利は会員によって異なる
ろうきんは元々、出資をしている労働組合などの組合員(会員)を対象に融資を行ってきましたが、今では組合員でなくても営業エリア内に居住または勤務していれば利用できます。
しかし、組合員を支援する目的に変わりないので、ローンの金利は該当する会員によって異なり、以下の3つに分かれます。
団体会員の構成員の方 | 出資している以下の団体の構成員の方
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生協会員の組合員および同一生計家族の方 | 出資している生協のうち、生協組合員融資制度を導入している生協の組合員および同一生計家族の方 |
以上以外の一般勤労者の方 | 上記に該当しない方 |
それぞれの会員に適用されるカードローン金利は、以下の通りです。
- 団体会員の構成員:3.875~7.075%
- 生協会員の組合員および同一生計家族:4.055~7.255%
- 一般の勤労者:5.275~8.475%
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