過去に存在した消費者金融会社一覧【廃業したら返済不要?】
2010年、あれほどまでに栄華を誇っていた伝説の消費者金融・武富士が倒産しました。CMの華やかさでも有名だっただけに、その衝撃は大きく、記憶に新しい方も多いかと思います。
しかし、消費者金融の倒産はそれだけではありません。2006年、貸金業法全面改正が国会で可決されると、上限金利が引き下がり、過払い金請求が増え始めます。
それによって、多くの消費者金融会社が倒産・吸収合併に追い込まれていきました。今回は、過去存在したけれども、今は倒産してなくなってしまった消費者金融を一挙にご紹介します。
最後には、廃業した消費者金融からの借金は返済しなければならないのか?ということも解説しています。
なお、過払い金請求についてや、グレーゾーン金利など、貸金業法についての知識は、以下の記事で詳しく書かれています。
即日OK!審査通る?カードローン
カードローン | 実質年率 最短融資 | 特徴のまとめ |
---|---|---|
アイフル | 3.0%~18.0% 最短18分※₁ ※₁お申込み時間や審査状況によりご希望にそえない場合があります。 | ・初めてのご契約で最大30日間利息0円 ・事前診断で融資可能かチェック可 ・原則自宅/勤務先への連絡なし※₂ ※₂審査状況により実施する場合があります。プライバシーに配慮し、担当者個人名で連絡します。 |
プロミス | 4.5%~17.8% 最短3分※ ※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。 | ・20~30代に人気 ・初めて契約する方は30日間利息0円 ・借入可能かすぐに分かる事前診断でチェック! |
SMBC モビット | 3.0%~18.0% 即日融資 ※申込曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱 | ・事前審査結果最短10秒 ・契約機で土日も融資可 ・WEB完結なら電話連絡、郵送物、原則なし ※収入証明を提出していただく場合があります。 |
目次
アイク
「アイク」は元々外資系企業の日本法人として1つの会社でしたが、アイク含む3社が経営統合し、「CFJ株式会社」になりました。
「アイク」という名前自体は、CFJ株式会社が提供するブランドの1つとして残るようになります。
しかし、同じCFJ株式会社のブランドである「ディック」と統合し、「アイク」自体はそこでなくなってしまいました。
その後の流れは「ディック」を参照してください。
アエル(日立信販)
「ひタッチくん」でおなじみの日立信販こと「アエル」。
家電製品で有名な「HITACHI」とは全く関係がなかったのですが、大手の名前にあやかろうとしたのか、ずっと「日立信販」という名前を使っていました。
しかし、最高裁判決が出て、社名変更を命じられ、「アエル」という名前に変わりました。
その後、メインバンクと主な借入先が一気に経営破綻してしまい、経営が悪化。
会社更生手続きを適用するも叶わず、2008年に全国の店舗が閉鎖されました。
アットローン
銀行系の消費者金融会社では初として一躍有名になった「アットローン」。
バックには三井住友銀行がおり、同じ三井住友カード株式会社のプロミスとは連結子会社の関係でした。
貸金業法改正前は、低金利商品としてプロミスとの差別化を図っていました。
しかし、貸金業法改正によって、プロミスも金利を下げざるを得なくなり、差別化ができなくなってしまいました。
結局、最終的にはプロミスに吸収合併され、現在に至っています。
栄光
横浜に本社を構え、長きに渡って営業をしていた株式会社栄光が、2016年8月15日に倒産しました。
この中では最も新しいかもしれません。
原因はやはり相次ぐ過払い金請求で、その訴訟の債務額は175億円にも上ったといいます。
キャッシュワン
キャッシュワンは、現在の三菱UFJ銀行の銀行系消費者金融会社として創業されました。
その後、アコムが現在の三菱UFJフィナンシャル・グループと資本提携したことで、アコムの子会社となり、称号を「DCキャッシュワン」に変更。
2009年にアコムに吸収合併され、アコム内の別ブランドとして存続します。
しかし、2011年新規契約を打ち切り、業務自体は2012年にじぶん銀行の手に渡されます。
現在も新規契約はなく、既存利用者のみのサービスとして存続しています。
三洋信販(ポケットバンク)
有名女優などを多数採用したCMで有名な「ポケットバンク」。
それを運営していた三洋信販株式会社は、最盛期には東証一部上場企業でした。
2006年、過払い金請求が始まると、返還額を抑えるために顧客との取引履歴を改ざんしていたことが発覚します。
これにより、金融庁より業務停止命令が下ります。
最終的にはプロミスに吸収合併され、解散。
ちなみに名前のにている「三洋電機」とは全く関係がありません。
三和ファイナンス
三和ファイナンスは、そらまめ君など豆たちが登場するCMで有名でした。
2006年では日本で400以上の支店を有し、韓国では現地法人が業界2位にランクインしているほどの業績を誇っていました。
過払い金請求でやはり経営状況にダメージが有りましたが、三和ファイナンスの場合はそれだけではありませんでした。
ちょうど時を同じくして、違法な取り立てをするマニュアル作成し、実際に違法な取り立てを行ったとして、金融庁から業務停止命令を受けてしまいます。
また、過払い金請求にも応じず、問題になりました。
そして2008年、三和ファイナンスは別の会社の完全子会社となり、商号を「SFコーポレーション」に変更。
過払い金返還業務に専念するも行き詰まり、2011年に倒産しました。
ステーションファイナンス(スタッフィ)
大阪の私鉄会社であり、不動産なども出がける阪急電鉄グループ。
実は一昔前は、消費者金融事業もしていたのです。
その事業を子会社として手がけていたのが、株式会社ステーションファイナンスです。
「スタッフィ」のブランドは、鉄道会社の消費者金融ということで有名になりました。
2009年、阪急阪神ホールディングスは金融業を手放すことを決め、売却。
商号は「Jトラストフィナンシャルサービス株式会社」に変わります。
その後、株式会社ロプロに吸収合併され、そのロプロも2010年に日本保証に吸収合併されました。
武富士
言わずと知れた消費者金融の雄・武富士。
鬼のようなノルマ徹底主義と営業力で、消費者金融No.1をものにしていた武富士ですが、2006年からの過払い金請求により、推定2兆円の過払い金が発生していたと言われています。
それにより一気に経営状態が傾き、2010年に倒産。
しかし現在も経営者一族に対する裁判はやみません。
元々経営事情にかなり問題があっただけに、その反動は相当なものがありました。
また、その取り立ても違法なものが多く、闇金と間違われても仕方ないレベルだったといいます。
そのような汚点も、大問題化した1つの要因だったのでしょう。
現在のところ、時効ということもあって、武富士の一件はおさまりつつありますが、結局お金が帰ってこないという人は相当数いるそうです。
ディック
ディックは元々ディックファイナンス株式会社という、ダイエーグループの一部として金融事業をしていました。
その後外資系企業へ売却され、2003年にCFJ株式会社に経営統合されます。
上記にも書いた「アイク」どうよう、「ディック」はCFJ株式会社のブランドの1つとして展開されました。
その後、「アイク」は「ディック」に統一され消滅、一時は業界第5位にまで上り詰めました。
しかし、CFJ株式会社の親会社がサブプライム問題で経営が悪化し、CFJは売却されてしまいます。
その後急激に事業縮小が進み、2010年には新規契約を廃止し、現在は以前の債権の回収にのみ専念しています。
プリーバ
プリーバは2000年にネットキャッシングの魁として誕生しました。
当時まだネットキャッシングが発達していなかったので、一躍注目を浴びました。
このブランドを運営するのは株式会社クレディアという会社です。
静岡市に本社をおいていた株式会社クレディアは、最盛期には東証一部上場企業でした。
2006年の貸金業法改正により業界そのもの環境が変わると、株式会社クレディアは2009年にJトラストフィナンシャルサービスの子会社となります。
その後、同社に吸収合併されます。
この「Jトラストフィナンシャルサービス」は上記で書いた「株式会社ステーションファイナンス」の社名変更後です。
この会社も、株式会社ロプロ(現在の日本保証)に吸収合併されました。
マキコーポレーション
「ふくぶくローンの本田ちよ」というローン事業をしていました。
一般にも貸付はしていましたが、学生向けにも貸付を行っていました。
他にもホテル経営やゴルフ会員権の売買もしていましたが、2006年の上限金利改正に伴い、ホテル経営事業にもしわ寄せが来て資金繰りが悪化、2014年に倒産します。
丸和商事(ニコニコクレジット)
チンパンジーのCMで広く知られ、審査がゆるいことで東海地方を中心に展開していた「ニコニコクレジット」。
丸和商事という中堅消費者金融会社のブランドでした。
丸和商事も、2006年の貸金業法改正による過払い金請求で経営が悪化し、2011年に倒産。
現在はスルガ銀行が受け継ぎ、「ダイレクトワン」というブランド名に変えて継続しています。
ユニマットレディス
1972年の創業以来、ずっと女性のみを対象とした貸付業務を行っていた「ユニマットライフ」のブランドが「ユニマットレディス」です。
非常に高い収益を誇ったといいます。
2001年に米系外資金融企業のシティグループに売却されますが、それ以後も高い知名度を維持し、「ユニマットレディス」のブランドはそのまま使用されていました。
その後、同じくシティグループ傘下にあった「ディック」のディックファイナンス株式会社、「アイク」のアイク株式会社と共に経営統合され、「CFJ株式会社」が誕生します。
それ以降も「ユニマットレディス」のブランドは使われ、女性専用のキャッシングとして営業を行っていました。
しかし、親会社であるシティグループがサブプライム問題で大損失を出してしまい、経営が悪化、CFJ株式会社も売却されてしまいます。
その後事業縮小が進み、2009年「ディック」に統合される形で「ユニマットレディス」は姿を消しました。
その「ディック」も、翌年2010年には新規貸付を停止してしまいます。
ライブドアクレジット
ライブドアといえば、ホリエモンこと堀江貴文氏が思い浮かびますね。
ライブドアは「livedoorブログ」「livedoorニュース」など、インターネット事業というイメージがありますが、かつては消費者金融事業も手がけていました。
萌えキャラを使った「萌えローン」なるものを打ち出し、人気を博しました(ただし内容は他社の商品となんの変わりもない)。
しかし、2006年にライブドア事件が発生し、ライブドアの株式上場が廃止されるなど経営が悪化します。
2007年に社名を変更し、その後もいくつかのファイナンシャルグループと提携をしますが、2012年に貸金業を廃止。
2016年に倒産しました。
最終的な商号は「クロスシード株式会社」でした。
GMOネットカード
GMOといえば格安simでも有名です。
主にインターネット事業を手がけている会社ですね。
そんなGMOインターネット株式会社が個人ローン事業をしている会社を買収して始まったネットキャッシングが「GMOネットカード」です。
当時は提出書類なし審査回答まで15分という圧倒的なスピード感を誇り話題になりました。
しかし、GMOインターネット株式会社が消費者金融事業から撤退し、2007年に「ネットカード株式会社」に社名を変更します。
その後貸金業を廃業し、会社だけが残っています。
NISグループ
NISグループは「ニッシン」の名前で記憶している方も多いかもしれません。
創業地は松山市ですが、東京や大阪にまで東証二部上場企業でしたが、これもやはり2006年からの金利の引き下げと過払い金請求によって経営が悪化。
債務超過にまでなり、貸金業を営めるだけの資産がなくなってしまいました。
それによって貸金業を廃業し、2012年に倒産しました。
SBIイコール・クレジット
SBIイコール・クレジットは、ネット完結型のネットキャッシング業務を行っていました。
SBIホールディングスが信販業務会社を買収したことで始まりましたが、このSBIホールディングスは当時はソフトバンクのグループ会社でもありました。
それもあって、一躍話題になりました。
貸金業法改正による金利引下げに対応して、上限金利を抑えた商品も開発しました。
しかし、貸金業法改正は消費者金融市場全体に対して大きな影響を与えました。
それに対応して、SBIイコール・クレジットは新規貸付を停止します。
2010年にはSBIカード(クレジットカード会社)と合併・統合し、SBIイコール・クレジットはなくなりました。
2012年、SBIイコール・クレジットは以前と同じ社名で、クレジットカード業務以外の業務を受ける形で蘇ります。
現在は過去の債権の回収など、残務処理を行っています。
消費者金融は廃業する場合がある
消費者金融って儲かっているんだろうな、とか、経営が苦しいと言いながらもしっかり利益を出しているじゃないか、消費者金融に対する一般の認識って大体そんなものですね。
しかし消費者金融は普通の企業と何ら変わりはなく、一般の企業に当てはめて考えれば、営業貸付残高は商品、利息は売上と考えれば意外とわかりやすくなりますよね。
利用中の借主が他の消費者金融に借入先を切り替えてしまえば、商品在庫は少なくなります。
また貸し倒れが多く発生すれば、同じように営業貸付残高が減ってしまうことから商品在庫が少なくなります。
商品がなくなれば消費者金融も売るものがないために、当然売上となる利息収入も減少していきますね。
大手消費者金融のように財務基盤がしっかりしている貸金業者なら、たとえ資金繰りが悪化してもメインバンクからの融資が受けられます。
ところが中小消費者金融になるとメインバンクが積極的に融資してくれることはまれですね。
よって営業貸付残高の減少と、利息収入の激減という負のスパイラルに陥ってしまうと、経費がかさんでしまうことから、もうこれ以上は消費者金融として営業できないとなってしまいます。
キャッシュフローは悪化の一歩をたどり、ついには廃業と言う事態に追い込まれることも少なくはありません。
消費者金融が廃業しても借金は残る
消費者金融が廃業するケースとしては、一般企業にもあるような会社更生法と民事再生によって会社を再建させようと頑張ったものの、顧客離れや利息収入の激減によって結局は会社を清算する形になることですね。
それともうひとつ、消費者金融が廃業するパターンとしては、消費者金融自体が会社倒産ではなく、まだ余力を残しながらも自主的に会社清算を行うことです。
どちらにしても、会社が持っていた資産を現金化して債権者に配分することには変わりはないため、現金や預貯金、貸付金や未収利息(未収入金)をできるだけ回収しなければなりません。
したがってたとえ消費者金融が倒産しても精算したとしても、営業貸付残高は会社の資産ですので、借りていた借金が消えることはありません。
会社が倒産した場合は破産管財人に対して返済しなければならず、自主的に会社清算を行った場合でも、消費者金融はみなし貸金業者として貸付金の回収を行わなければならないのです。
みなし貸金業者は通常の貸金業者と同じように、金融庁の管理下に置かれるため貸付金の報告義務や、会社として存続している限り決算書の提出を行う義務があります。
みなし貸金業者であっても貸付金は最後まで回収して、利益が出たらそれ相応の税金を支払ってくださいね、というのが税務署の姿勢です。
ですから借りていた消費者金融が例え廃業したとしても、借金返済しないで済むことにはなりませんので必ず最後まできちんと支払ってくださいね。
また消費者金融が持っていた貸付金が他の金融機関に債権譲渡されることしばしば発生するため、ある日突然に債権譲渡を受けた会社から、新しい債権者として貸付金を引き継いだことの通知を受けてびっくりすることもあるでしょう。
債権譲渡される金融機関の多くは債権回収会社であったとしても、借金返済は貸金業法を遵守しなければならない定めがあるため、強硬かつ強引に一括返済を求められることはありません。
基本的には今まで契約していた消費者金融の返済方法が引き継がれることから、分割返済していくことも話し合いによっては十分に可能です。
倒産する前に日本貸金業協会が動く
キャッシング会社はどのくらい貸付を行っているのか、毎年決算終了後に行政監督庁に対して報告書を提出しなければなりません。
行政監督庁はどこのキャッシング業者がどれだけ会員を持っていて、貸付総額がどのくらいあるのか常に把握しているのです。
また税務署に確定申告する場合、誰にいくらお金を貸しているのか1件ずつ一覧表にして提出しなければなりません。
及び信用情報機関に対しても誰にいくらお金を貸していて、現在の残金がどのくらいあるのか、返済状況はどうなのか全て登録しています。
したがってたとえキャッシング会社が倒産したとしても、契約書はそのまま残っていますし現在の借入残高も簡単に調べることができてしまいます。
信用情報機関ではキャッシング会社に加盟会員番号が付与されていますので、会員番号によって抽出してしまえばすべてまるわかりと言うことです。
また経営状態が厳しく倒産しそうだ、と情報が流れると加盟している日本貸金業協会が動きます。
どこか債権を買い取ってくれるキャッシング会社はないか、会員全てに対して打診するわけです。
そこでキャッシング会社の会員を買い取っても良いよと新たなキャッシング会社が出てくれば、倒産する可能性のあるキャッシング会社と、会員を買い取るキャッシング会社との仲介をしてくれる役割を持っています。
会社が倒産する前であれば、キャッシング会社が持っている会員の債権は自由に売却することが可能です。
新たなキャッシング会社に売却されれば、従来のキャッシング会社に借金返済をするのではなく新たなキャッシング会社に返済するようになります。
結局どうやっても契約自体は残ってしまい、お金を借りた事実をキャッシング会社の倒産によってなくすことはできません。
廃業してしまうと信用情報から借金が消える
消費者金融を廃業しみなし貸金業者になると、無駄な経費をかけたくないという理由から、日本貸金業協会を脱退することや、契約情報を登録していた信用情報機関JICCの会員をやめてしまうのが普通です。
日本貸金業協会はともかく信用情報機関の会員でなくなれば、みなし貸金業者はこれ以上契約情報を変更登録することができないため、信用情報機関としてもこれまで保有していた契約情報はすべて削除してしまいます。
そうなると借主としては他社借入状況や返済状況が信用情報から消えることによって、もうちょっと借りれるのではないかとか、滞納情報も消えることから追加融資を他の消費者金融に申し出る場合もあるでしょう。
申し込みを受けた消費者金融は、廃業した消費者金融の貸付情報が信用情報にないために、実態を把握できないこともないわけではありません。
仮に総量規制いっぱいまで借りていたとしても、廃業した消費者金融の貸付金が信用情報から消えてなくなれば、もうちょっと借りれるのではないかと考えてしまいますよね。
しかし他の消費者金融に嘘の申告はいけません。何らかの理由で虚偽申告がバレてしまうと強制解約されることや、一括返済を求められる可能性もありますので注意してくださいね。
キャッシング会社の貸付金は資産
キャッシング会社の会員に対する貸付金は、帳簿上資産の部類に分けられます。
日本貸金業協会によって新たな会員の引き受け先が見つからない場合でも、会社の倒産手続きを行うには決算書や貸借対照表、及び各種帳簿から、キャッシング会社が借金を抱えている債権者に対して、できるだけ返済できるように裁判所が手続きを行います。
もちろんそれの書類の中には個々の会員の個人情報、契約書や毎月の返済状況、及び現在の借入残高も含まれます。
会社更生法など会社清算に向けて手続きが開始されると、キャッシング会社がどれだけの資産を持っていたのか、またはどれだけの負債を持っていたのか細かな調査が始まります。
明らかに債務超過であることがわかれば破産手続きに入ることになりますね。
通常は破産管財人と言う裁判所が選任した弁護士が担当し、破産をするキャッシング会社の資産状況を全て調べていきます。
銀行に対していくら借金があるのか、事務所を借りている大家さんに対していくら家賃を支払わなければならないのか、そして最も重要なのが従業員に対する給料です。
たとえ債務超過になっていても、倒産するキャッシング会社には換金できる会員の借金があるわけです。
他にも金目のものがあればそれらも全て換金し、借金を背負っているすべての業者、並びに従業員の給料に対して支払わなければなりません。
破産管財人はキャッシング会社が持っていた会員情報から、優良な会員債権はなるべく高く買ってくれるところに借金額の50%から60%の金額で売却し、普通の会員債権は債権額の20%から30%くらいで売却します。
半分焦げ付いている会員債権は借金額の5%くらいの価格で債権回収会社に売却します。
つまり倒産するキャッシング会社の持っている会員債権をランク分けして、それぞれ価格をつけて全て債権回収会社に売却して換金するのです。
会員債権を売却したことによって得た現金を、キャッシング会社がそれぞれ借金を負っていたところに配分していきます。
廃業した消費者金融に過払い金請求はできるのか
消費者金融が廃業したとしても過払い金請求は可能です。みなし貸金業者となった場合でも払いすぎた利息を取り戻すことは可能です。
ただし会社更生法によって会社清算を目的とした廃業の場合は、過払い金請求の債権届出を出さなければ会社清算と同時に請求する権利を失ってしまいます。
利用していた消費者金融が廃業したな、とわかった時点で早めに債権届出を提出しておきましょう。
しかし会社清算を目的とした廃業の場合は、一般的に債務超過となっているため過払い金請求したとしても全額戻ってくることは期待できません。
武富士の例を見ても返還率が請求金額の3.3%と大幅に減額されてしまうことは避けられません。
廃業した消費者金融の貸付金が他の消費者金融に譲渡された場合は、過払い金返還義務がそのまま譲渡先に移行されるため、新しい債権者となった消費者金融に対して過払い金請求を行えば良いです。
すでに債権譲渡を受けてしまっているため、以前の消費者金融が廃業したことを理由に、不当に過払い金の減額を申し出ることはないでしょう。
その代わり過払い金請求は難しいものとなるため、過払い金問題に強い法律の専門家に依頼することです。
債権回収会社に借金を支払う
債権回収会社は銀行グループに属している会社もあれば、消費者金融グループに属している会社もあります。
債権回収会社のことをサービサーといい、サービサーを行うには純資産が5億円以上など条件がつけられ国の認可を得なければなりません。
倒産したキャッシング会社から買い取った会員債権は、債権回収会社が新たな返済先になります。
もちろん会員債権が債権回収会社に移動したことは、書面によってそれぞれの会員に対して通知されます。
通知文書は返済義務があることと、借金額がいくらあるのか、返済方法や現在の残高、及び振込先について細かな情報が付け加えられています。
もちろん倒産してしまったキャッシング会社から債権回収会社に会員債権が譲渡されたことは信用情報機関に登録されます。
しかし会社の倒産によって債権が譲渡された場合は、金融事故扱いにはなりませんので心配する必要はありません。
債権回収会社は貸金業法に基づいて徹底した法令遵守を行い、取立て行為の規制を受けてあくまでも紳士的に、倒産してしまった元キャッシング会社の会員に返済を要求していきます。
したがっていくらキャッシング会社が倒産しても借金が消えてなくなることはないのです。
会員債権が売られる前にすること
以上のようにキャッシング会社が倒産しても、借金がチャラになることや返済しなくてもよいとはなりません。
しかしただ漫然と会員債権が売られてしまうことだけは避けたいですね。
なぜかと言うと元キャッシング会社に対して過払い金が発生している可能性があるからです。
もし過払い金があるのであれば、会社が精算される前に過払い金請求訴訟を起こさなければ、本来であれば支払わなくても良い借金まで債権回収会社に売却されてしまいます。
もちろん過払い金が戻ってこなくても、利息の引き直し計算によって借金が減額されることや、もしかしたら借金がゼロになることもあるわけです。
会社の清算手続きはお金を借りている会員に対して特別連絡があるわけではありません。連絡があるのは全て手続きが終わってからになります。
したがって常にニュースを把握するなど、キャッシング会社が倒産しそうだといち早く情報を掴むことで会員のメリットとすることもできるのです。
キャッシング会社が倒産したことによって損をすることのないように、仮にニュースで流れなくてもキャッシング会社から清算手続きに入る旨の連絡が入ったら、過払い金があるかどうか相談窓口に電話しましょう。
相談窓口で埒が明かない場合は、弁護士や司法書士など金融問題に詳しい法律の専門家に相談するのも良い方法です。
キャッシング会社の倒産に関するみんなの口コミ
それではお金を借りた会社が倒産してしまった場合、借主はどのような考えや行動をするのか Twitter からいくつかご紹介していきたいと思います。
死んだら借金チャラとか絶対この国にはなくてすべて子孫に残る。今回のは、主人の名前で記録が残っている未払いの物をすべて払うという申請をして、きちんと全額払ったはずだったのに、また同じ項目の支払い請求が来てるので、????なんです。正直ボッタクろうとしているんだと思います。
— Sasha in Italy (@sashatax) April 16, 2019
確かに消費者金融が倒産したとしても、サランに借主が死んだとしても借金は相続対象ですから残っちゃいますよね。
一度借金したら逃げられないと考えるのが常識なんですね。
消費者金融が倒産したとき
残債がある場合債権を売却されますよね?
その場合の連絡って郵便(手紙)で来るのでしょうか?
家族に内緒で借りているので郵便などで送られ来てしまうと
非常に不味いのですが…
借り入れしている会社がそろそろ倒産するんじゃないかと噂を聞いて心配です><
ヤフー知恵袋でもこんな相談があるんですね。債権回収会社から通知がくると家族に借金をしていることがばれてしまいます。
二年前に倒産した大阪の消費者金融ラビットについて質問です。
倒産後、返済は委託されて
連絡先が変わりましたが連絡先をなくしてしまい連絡できなくなりました。残高など確認もしたいので、連絡したいのですがネットなどで調べても出てきません。
色々調べてみましたが、連絡先がわかりません。
返済額をを少し少な目にしたりしたのですが連絡も来ず…です。
どうすればいいか分かる方いらっしゃいませんか?
信用情報機関に情報開示請求すれば連絡先が分かります。返済しないまま放置してしまうと金融事故情報が登録されてしまうでしょう。
金融事故情報は信用情報に傷をつけてしまうため、長期返済滞納とならないうちにどこからいくら借りていて、現在の借金はどこが管理しているのか調べましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
2006年以前はグレーゾーン金利で貸付を行っていた会社も、改正後は過払い金返還に追われ、姿を消してしまった会社が多くあります。
それだけ貸金業法改正は大きな影響を消費者金融市場に与えたのです。
倒産してしまった会社からの過払い金は取り戻すことができるのでしょうか。
残念ながら、それは非常に難しいです。
また10年以上経つと時効になってしまう可能性もあります。
過払い金請求には専門的な知識と手続きが必要です。
今回述べた会社・ブランドからの借入をした覚えのある方は、なるべく早く、是非一度調べてみることをおすすめします。
タグ:その他金融業者
※₁お申込み時間や審査状況によりご希望にそえない場合があります。
※お借入れ総額により収入証明書(源泉徴収票等)が必要です。