郵便局(ゆうちょ銀行)でお金を借りる方法は沢山ある!
郵便局やゆうちょ銀行でもお金を借りることができるか、この記事を読んでいる人は気になるところだと思います。
結論から言うと、郵便局やゆうちょ銀行からは以下の方法でお金を借りることが可能です。(タップすると詳しい説明にジャンプします。)
それぞれどのような制度なのか、また郵便局でお金を借りる以外の選択肢にどのようなものがあるか確認していきましょう。
目次
貯金担保自動貸付でお金を借りる
ゆうちょ銀行が取り扱っているローン商品は、貯金担保自動貸付けと呼ばれる商品のみです。
「自動貸付ってふつうのローン商品とは違う点があるの?」
自動貸付とは、普通預金残高からの引き落とし時に不足分を借り入れできる仕組みで、ゆうちょ銀行の場合には担保となる資産が必要となります。
ここでは、貯金担保自動貸付けの特徴を詳しく確認していきます。
商品名 | 貯金担保自動貸付け |
---|---|
借入限度額 | 300万円 |
金利 | 約定金利+0.25%(定額貯金) 約定金利+0.5%(定期貯金) |
貸付期間 | 2年 |
返済方法 | 通常預金への預入 |
借りられる相当額 | 貯金に対して90% |
貯金担保自動貸付けとは
貯金担保自動貸付けは、ゆうちょ銀行で定額貯金や定期貯金を利用している人が、普通口座から残高以上のお金を引き出そうとしたときに、自動的に貸付を行ってくれるサービスです。
現在の定額貯金の90%が自動貸付けの上限金額となるため、高額な貯金をしている人ほど利用しやすくなっています。
また、貯金担保自動貸付けの金利は、貯金を担保としているため、1%以下と非常に低金利です。
郵便局の自動貸付けの特徴は?
郵便局の自動貸付けはこれまで紹介してきたとおり、自分の口座の不足分を自動で貸付してもらえる仕組みで、簡単にまとめると上限金額分までは残高不足になりません。
口座残高以上にお金を引き出した場合、預金残高がマイナスで表示されるため、預金通帳を確認すると自分がいくら借りているか一目で判断できます。
借り入れ回数の制限もなく、2年以内であれば自由に返済ができるため、利便性が高いですが、普通預金に残高があると借り入れができない点には注意が必要です。
また、郵便局やゆうちょの自動貸付けには、ほかにも以下の特徴があります。
- 定期貯金や定額貯金の担保が必要
- 借入日数に応じて利息が発生する
- ゆうちょ銀行で直接申し込みが必要
郵便局の自動貸付でお金を借りるには担保が必要
郵便局の自動貸付けは担保型であるため、口座の定期貯金などの預金を準備しなければなりません。
ただし、担保の準備が必要なだけあり、審査の必要がないため、職業や年収などの条件に影響を受けずに利用できる点がメリットです。
「簡単に借り入れできるし、利息も少額で済むなら、他のローンよりも積極的に利用しよっかな」
うんうん。たしかに、利息も年率1%以下で審査不要であれば、他のローン商品よりも条件が良く利用しやすいですよね。
しかし、気を付けてほしいことが、返済期間が長期間になる場合です。
自動貸付けの利息は定期貯金の約定金利を上回るため、利用すればするほど定期貯金の利息分が減るとも考えられます。
したがって、短期間で返済ができない場合には、思い切って定期貯金を解約してそのお金を利用した方が良いケースもあるのです。
定期貯金を解約することはもったいなく思えますが、返済期間を考えてからシミュレーションしてみてください。
日数分の利息が発生する
ゆうちょ銀行の自動貸付けは、利用した金額分を日割りで支払わなければならないため、少しでも早く返済をした方がお得です。
返済期日や返済日により利息の計算方法が異なるわけではないため、利息の仕組みとしてはわかりやすいですが、ずるずる返済を引き延ばすとその分利息が増えるというデメリットもあります。
例えば、100万円を自動貸付けで借りた場合、1日当たり7円の利息が発生します。
「7円程度どうってことなくない?」
たしかに、1日だけで見るとそう高額ではありませんが、1か月利用すると210円、1年間になると2,600円にもなるため、利用金額や日数によっては利息が負担になってしまいます。
利息は預金口座から引かれる
「利息の請求はどのようにしてくるの?もしかして定期貯金から引かれるの?」
たしかに、利息分が定期貯金から引かれてしまわないか不安ですよね。
利息は自動貸付けで借りたお金と同じように口座から引かれるため、借入金と同じように返済をすれば大丈夫です。
基本的には、担保としている定期貯金から勝手にお金が引かれることはありませんが、返済期間の2年を超えて返済をしない場合には、定期貯金から支払われるため気を付けてください。
自動貸付けを利用するには来店する必要がある
自動貸付けを利用するためには、郵便局内のゆうちょ銀行窓口に来店して契約する必要があります。
インターネットや電話での自動貸付けの申し込みは行っていないため注意が必要です。
「自動貸付けの申し込みに行くときは何か持って行った方がいいの?」
そうですね。自動貸付けの申込を行う場合には、以下の書類を持参してください。
自動貸付けの申込に必要な書類
- 本人確認書類
- ゆうちょ銀行の預金通帳
- 銀行印
公式ホームページでは、本人確認書類を持参してくださいと説明してありますが、念のために預金通帳と銀行印も持参しておいた方が、いざというときに役立ちます。
自動貸付の申し込みから返済までの流れ
自動貸付けの申し込みから返済は以下のような流れです。
- ゆうちょ銀行窓口で申し込み
- 口座引き落とし時に自動貸付け
- 預金口座に入金して返済
窓口で申し込む際は、先ほど紹介した書類を持っていき、自動貸付の設定をしたいと職員の方に伝えれば問題ありません。
一度自動貸付けの契約を行ってしまえば、あとは口座引き落とし時に残高が不足していたら自動で貸付をしてもらえます。
例えば口座残高が10万円の状態で20万円の引き出しや自動支払いが発生したときは10万円が自動で貸付されるというわけです。
その後、口座に入金すれば自動的にその額が返済に充てられます。
ただし、ゆうちょ銀行の窓口は平日の16時までしか空いていない店舗が多く、人によっては来店しにくい可能性もあるため気を付けてください。
かんぽ生命の契約者貸付け
郵便局でお金を借りるのであれば、かんぽ生命の生命保険など積立型の保険利用者は契約者貸し付けでお金の借入ができます。
生命保険の積立を行っている人は、解約したときに解約返戻金が返ってくるのですが、この解約返戻金の金額内で借入ができるという制度です。
かんぽ生命利用者にとっては、非常に便利な借入制度ですが、詳しい情報を知らない人も多いと思うため、契約者貸付を利用する上で必要な情報を確認していきます。
契約者貸付けの主な利率
契約者貸付けの利率は変動しますが、2019年12月現在の契約者貸付の年率は2.5%です。
銀行カードローンや消費者金融の金利は10%以上なのでそれらと比べると非常に低く設定されています。
また、以下の商品では一定の条件を満たすと利率が変動しますが、いずれにしてもかなり低金利で借り入れできることは間違いありません。
- 介護保険金付終身保険
- 学資保険
- 介護割増し年金付終身年金保険
利率については以下のページで説明していますが非常に複雑ですので、よくわからないという場合はかんぽ生命に電話で問い合わせをしてみてください。
契約者貸付けの対象になる商品
最初に説明した通り、契約者貸付の対象となる商品は解約返戻金がある積立型の保険です。
積立型の保険でなければ、担保にできる資産がないため、契約者貸付の対象にはなりません。
「積立型の保険だったらどれでも対象なの?」
いえ、実は積立型の中でも以下の保険は契約者貸付けの対象外です。
契約者貸付けの対象外
- 定期保険
- 保証期間の設定がない終身年金保険
- 財形商品及び確定拠出年金商品
これらの保険商品では、契約者貸付は利用できないため、自分の保険商品が対象かどうか確認してください。
契約者貸付けは郵便局に行く必要がある
契約者貸付けは、ゆうちょ銀行の自動貸付けと同じように、かんぽ生命窓口での申し込みが必要です。
窓口に行くときには、本人か委任状を持った代理人でなければ手続きができないため注意してください。
また、窓口で申し込みが完了したのちに、契約者貸付の審査通過後に口座へお金が振り込まれます。
「えっ、契約者貸付には審査があるの?」
はい。契約者貸付には審査があるため、残念ながらその場ですぐに借り入れができるわけではありません。
しかし、保険の解約返戻金を担保にして借り入れができるため、他の銀行の無担保ローンよりも審査には通りやすいケースが多いので安心してください。
契約者貸付けに必要な書類
契約者貸付に必要な書類は以下のとおりです。
- 保険証券
- 印鑑
- 本人確認書類
窓口で契約を行うため、ふだん携帯をしない保険証券を忘れずに持参してください。
さらに、代理人に依頼をするときには、以下の書類も必要です。
- 委任状
- 依頼者の本人確認書類(原本)または、印鑑登録証明書
- 代理人の本人確認書類
- 代理人の印鑑
代理人に依頼をするときには、用意する書類が非常に多いため、伝達し忘れで契約ができないという事態にならないよう気を付けてください。
「JP BANKカード」のキャッシング
郵便局が発行している「JP BANKカード」には、キャッシング枠を設定できるため、カードローンや自動貸付けのようにお金を借りることが可能です。
ただし、キャッシング利用を行う場合には、事前にキャッシング利用の登録をして、審査に通過しなければならないので注意してください。
「JP BANKカードのキャッシングはカードローンと比較して金利はどうなの?」
たしかに、お金を借りるときには金利がいくらくらいになるか気になりますよね。
JP BANKカードのキャッシングは、利用金額やカードの種類によらず一律で15%となっています。
金利15%は消費者金融と比較すると、金利は低めと言えますが、銀行カードローンよりも少し高めであると言えます。
1~2か月で返済ができるのであれば、利息の差は数百円と少額に収まることが多いですが、借入期間が長くなる場合には、他のローン商品と比較して慎重に選択してください。
郵便局とATMの営業時間
自動貸付けや契約者貸付を利用するときには、郵便局の営業時間内に利用しなければなりませんが、ゆうちょ銀行やかんぽ生命の営業時間は以下のとおりです。
平日 | 土曜日 | 日祝日 | |
---|---|---|---|
ゆうちょ銀行 | 9:00~16:00 | 営業時間外 | 営業時間外 |
かんぽ生命 | 9:00~16:00 | 営業時間外 | 営業時間外 |
ゆうちょATM (上野駅前郵便局内) | 9:00~21:00 | 9:00~21:00 | 9:00~21:00 |
郵便局によって営業時間は多少前後しますが、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の窓口は土日祝日は営業していません。
また、ゆうちょATMは設置場所や店舗の営業時間によって、大きく稼働時間が異なるため、最寄りのATMの営業時間を確認しておいてください。
「ゆうちょATMは手数料とかは必要なの?」
ゆうちょATMは稼働時間内であれば手数料が必要ありません。
したがって、自動貸付けの借入が行いたい場合には、ATMの稼働時間内に希望の金額を引き出すだけで大丈夫です。
郵便局の貸付を利用できない場合は無担保ローン
ここまで説明した方法を使えば郵便局やゆうちょ銀行でお金を借りることができます。
もしも郵便局で借入ができない場合には、残念ですが他の金融機関からの借入を検討してください。
担保がない場合には、銀行や消費者金融の無担保ローンの利用がおすすめです。
銀行や消費者金融の無担保ローンとしては、カードローンが申し込みしやすく、上限金額内であれば何度でも借り入れできるため便利です。
「銀行と消費者金融ではカードローンの特徴は違うの?」
カードローンの仕組みとしてはどちらも同じですが、それぞれ特徴は異なってきます。
例えば、銀行は消費者金融と比較して、同じ金額を借りる場合、金利が低めになることが多いため、利息の負担を抑えられます。
対して、消費者金融は借入までの時間が短く、WEBでの手続きだけで借入ができるなど、利便性に優れているという特徴があるのです。
取りあえず早く借入したいときは消費者金融を利用するなど、自分の好みに合わせてカードローンの申込先を選択してください。
金利 | 借入までの期間 | 利便性 | |
---|---|---|---|
銀行 | ◎ | △ | 〇 |
消費者金融 | △ | ◎ | ◎ |
郵便局の「したく」はなくなった
郵便局には実は以前、「したく」と呼ばれるカードローン商品がありましたが、残念ながら2018年以降新規申込の受付が終了しました。
このため、郵便局が取り扱うカードローン商品はなくなってしまったため、銀行などのように無担保で、気軽に利用できるローン商品は取り扱っていません。
郵便局とスルガ銀行は業務提携を解消した
「したく」がなくなってしまった大きな理由として、提携先であるスルガ銀行と業務提携を解消したことがあります。
カードローン「したく」などのローン商品は、郵便局やゆうちょ銀行が直接取り扱う商品ではなく、実際の融資業務などはスルガ銀行が行っていました。
しかし、スルガ銀行の一連の不祥事などを受けて、ローン商品での業務提供を解消する流れになり、2018年以降新規での利用が完全終了したのです。
「今後も郵便局は提携してローン商品を出さないの?」
いえ、決して提携を行わないわけではありません。
2019年にはSBI新生銀行とソニー銀行と新たに提携を行い、住宅ローン商品を展開しています。
今後、他のローン商品を展開する可能性は十分に考えられるため、ゆうちょ銀行の動向をチェックしておいてください。
まとめ
今回のポイントは以下のとおりです。
郵便局やゆうちょ銀行からお金を借りる方法には、
- 貯金担保自動貸付け
- 保険契約者貸付け
- JP BANKカードのキャッシング
の3種類があります。
ただし、「貯金担保自動貸付け」は定額貯金か定期貯金、「保険契約者貸付け」は積立型の保険を契約していることが利用条件です。
JP BANKカードの利用には条件はありませんが、審査に通過しなければなりません。
郵便局・ゆうちょ銀行からの借入ができなかった場合は銀行か消費者金融のカードローンがおすすめです。
銀行カードローンは金利が比較的低く、消費者金融はスピードやサービスが非常に優れています。
また、取扱いが終了した商品や新たに取扱いを始めた商品など、移り変わりが激しいため、公式ホームページで取り扱っている商品情報を確認することも大切です。
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