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戻し利息って何?どんな時に発生するの?

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金融機関から借入したお金を一括返済すると、先に支払いすぎた分の利息が返ってくる場合があります。

これを戻し利息というのですが、この戻し利息は必ずしも発生するわけではありません。

戻し利息が発生するのは下記条件を満たした場合のみです。

  • アドオン方式年率での借入
  • 満期日前に一括返済

そこで今回はこの戻し利息とはどういったものなのか、金融に詳しくないかたでもわかりやすいように説明していきます。

ローン契約しているかたは、戻し利息が得られる可能性が高いので、一括返済の予定がある人は特によく理解するようにしてください。

戻し利息が発生する契約は?

戻し利息については冒頭で話したとおりですが、戻し利息をよく理解するために重要なポイントとなるのが、「先に支払った利息で、払い過ぎた分が返ってくる」という点です。

先に支払った利息が払い過ぎだった場合のみ、戻し利息が発生します。

そこで戻し利息を理解するためにまず押さえておかなければならないのが、一体どんな借入において戻し利息が発生するのかという点です。

戻し利息が発生するのは、下記いづれかの金融取引においてのみとなります。

  • アドオン方式年率での契約
  • カードローンの過払い金

ほかの金銭取引においては、戻し利息は一切発生しません。

それでは上記2つの金融取引において、どういった仕組みで戻し利息が発生するのかについて説明していくことにしましょう。

アドオン方式金利

金融機関からお金を借入する際には、必ず利息が発生します。

しかし、その利息を計算するために必要となる金利は、必ずしも同じ金利基準が使用されているわけではありません。

金利基準は大きく分けると下記の2つに分類されます。

  • アドオン方式年率
  • 実質年率

これら2つの金利を用いた利息の計算方法は全く違っており、発生する利息も大きく違ってきます。

よって、金融機関との取引においてはどちらの金利が適用されているのかが重要なポイントとなってくるのです。

実質金利については後ほど説明することになるので、まずは戻し利息が発生するアドオン方式年率がどのようなものか、その特徴を見ていくことにしましょう。

アドオン方式年率の特徴

このアドオン方式年率の特徴を理解すれば、なんで戻し利息が発生するのかを簡単に理解できるので、しっかりと頭に入れるようにしてください。

このアドオン方式年率の最大の特徴は、利息の計算方法です。

貸付金額にアドオン方式年率の利率を掛けて利息計算し、元本と利息の総額を割賦回数で割ったものが月々の返済額となります。

つまり発生する利息を支払い回数に応じて、均等支払いしているというわけです。

実際の計算は割賦回数等で若干複雑になるのですが、まずはアドオン方式料率の理屈を理解してもらうため、単純計算したものを例に挙げて説明します。

1,000,000円の品物をアドオン方式年率20%で12回払いで購入したとしましょう。

この場合、利息は200,000円となり、支払総額は1,200,000円、そして毎月の支払額は120,000円となります。

つまり、このアドオン方式年率で借入した場合には割賦回数に応じて最初に支払う利息が決定され、それを毎月平均して返済していくことになるわけです。

なんで戻し金利が発生するの?

そして支払い回数を短縮して一括返済すると、なんで戻し金利が発生することになるのか、その理由はそれまで支払った利息を契約時の割賦回数に応じて均等返済しているからです。

それではこの理屈をよく理解してもらうためにも、実際に先ほどの契約で割賦回数を6回で完了した場合の利息が幾らになるのかを計算してみましょう。

1,000,000円の品物をアドオン方式年率20%、6回払いで完済した場合の利息は下記のとおりです。

  • 返済総額 1,099,998円
  • 発生利息 99,998円

つまり、12回で支払うものを6回目で完済した場合、下記のように発生利息に差が生じることになります。

12回払い時の利息 200,000円
6回払い時の利息  99,998円
利息差額     100,002円

ここで問題となってくるのは、12回払いで契約している場合はこの支払い回数で発生する利息総額をすでに5回分支払っていることになります。

それぞれの支払い回数に応じた、毎月の利息支払額は下記のとおりです。

12回払い時の利息/月 20,000円
6回払い時の利息/月  16,666円
差額         3,334円

*小数点以下の処理は取り扱う金融機関によって違ってきます。

よって、6回目で一括返済した場合、すでに支払った利息5ヶ月分において、下記の利息過払いが発生することになります。

毎月の過払い利息
3,334円 × 5ヶ月 = 16,670円

12回で支払うものを6回目に一括返済すると、アドオン方式年率による発生利息に差が生じるため、契約者に対して過払いとなった利息を返還する必要が出てくるため、戻し利息が発生するというわけです。

今回の戻し利息の算出は理屈を理解してもらうため単純計算となっており、正式な計算方法については後述しますが、アドオン方式年率で戻し利息が発生する理由については理解してもらえたでしょう。

カードローンの過払い金

カードローンの借入においても、戻し利息が発生するケースがあります。

現在は消費者金融をはじめとする貸金業者は利息制限法という法律によって、貸付時の上限金利が規制されています。

利息制限法は下記のように借入元金に応じて3段階で上限金利が決められており、これを超える金利貸付を行った場合には、営業停止処分などの罰則が課せられることになります。

  • 元金10万円未満       上限金利20.0%
  • 元金10万円以上~100万円未満 上限金利18.0%
  • 元金100万円以上       上限金利15.0%

しかし、これは利息制限法が改正される以前の話で、改正以前の利息制限法には罰則規定がなく、金利取締で罰則規定があったのは出資法という法律だけでした。

そしてカードローンの戻し利息を発生することになったのは、この出資法における上限金利の設定でした。

出資法の上限金利は29.2%と、利息制限法よりもかなり高い金利が設定されていたのです。

当時も利息制限法を超える貸付は違法でしたが、出資法においては違法ではなく、違法となる利息制限法でも罰則を受けることはない、適法ではないが違法でもないという実に理解しがたい状況を生み出しました。

そして、これに目をつけたのが消費者金融です。

当時、消費者金融が販売していた個人向けカードローンを、利息制限法ではなく、出資法の上限金利での貸付を開始しました。

なんで出資法での貸付ができたのか?

この消費者金融の適法ではないが違法でもない、出資法の上限金利での貸付をグレーゾーン金利と呼ぶのですが、疑問なのがなんで利息制限法ではなく、出資法の上限金利で貸付ができたのかという点です。

これは当時の貸金業法において、貸付金利が利息制限法を超えた出資法のものであっても、借入する債務者が任意で支払いする場合には「みなし弁済」とされ、出資法の範囲内であれば問題なしという規定があったことが影響しています。

しかし、このみなし弁済による貸付は平成18年1月の最高裁判所の審判で「原則として成立しない」という判決が出たことで、グレーゾーン金利の金利取引は無効とされ、利息制限法の上限金利に引き直した場合に過払い金が発生する際は、その額の返済義務が貸金業者に課せられたのです。

この判決が出た後、平成22年6月に貸金業法は改正され、その際に利息制限法と出資法の上限金利は同じになったため、現在は消費者金融をはじめとする貸金業者は利息制限法の上限金利を遵守した貸し付けを行っています。

しかし、改正以前にグレーゾーン金利で借入していた場合は、利息制限法の上限金利での引き直しで過払い金という名の戻し利息が発生するというわけです。

先に説明したアドオン方式年率での戻し利息とは、まったく性質の違うものではありますが、カードローンの過払い金も戻し利息の1つであると覚えておきましょう。

借金返済の過払い金を取り戻す方法を教えます!

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金銭貸借では戻し利息は発生しない

金融機関との金銭貸借契約においては、下記の2つの金利基準があると説明しましたが、実質年率による借入では戻し利息は発生しません。

基本的にローン以外の金銭貸借の場合には、この実質年率による利息請求が行われています。

金融機関からお金を借りた場合には、戻し利息は発生しないと考えていいでしょう。

それではなんで実質年率では戻し利息が発生しないのか、その理由について説明していくことにしましょう。

実質年率とは?

実質年率で戻し利息が発生しない理由は、その利息の算出方法を把握してもらえば簡単に理解できるでしょう。

アドオン方式年率と実質年率の利息計算は根本的に違います。

アドオン方式年率の場合、最初に支払利息の総額を計算し、それを割賦回数に応じて均等に支払っていきます。

しかし、実質年率の場合には、支払い月の元金残高に応じた利息計算が行われます。

実質年率18.0%という意味は、借入元金を1年間借りた時に発生する利息を計算するものです。

よって、上記の条件であれば、1年間で下記の利息が発生することになります。

1,000,000円 × 18.0% = 180,000円

しかし、この実質年率の利息計算は毎月の元金残高に応じて行われるため、アドオン方式年率のように毎月均等に同じ額の支払いにはならないのです。

実際に計算してみよう!

それでは実際にどんな計算になるのか、下記の条件で見ていくことにしましょう。

  • 借入額 1,000,000円
  • 実質年率 18.0%
  • 返済期間 58回

*プロミスの「ご返済シミュレーション」で計算

回数返済額元金利息元金残高
125,93610,93615,000989,064
225,93611,10114,835977,963
325,93611,26714,669966,696
425,93611,43614,500955,260
525,93611,60814,328943,652
625,93611,78214,154931,870
725,93611,95813,978919,912
825,93612,13813,798907,774
925,93612,32013,616895,454
1025,93612,50513,431882,949

*残高スライド元利定額返済方式で計算

上記のように元金残高が減るごとに、毎月発生する利息が減少していることがおわかりいただけるでしょう。

アドオン方式年率は契約時の割賦回数に応じて支払い総利息を決定し、それを均等に返済しています。

よって、途中で一括返済すると支払利息が変わってくるため戻し利息が発生しますが、実質年率の場合は毎月の元金残高に応じた利息を支払うので、過払い利息が発生することがありません。

たとえ途中で一括返済したとしても、それまでに支払った利息に過払いはないというわけです。

これが実質年率の金銭貸借契約で、戻し利息が発生しない理由です。

カードローンなど実質年率の金銭貸借契約では、繰越返済をすれば支払利息を節約できるとよく言われています。

しかし、これは戻し利息によう恩恵を意味するのではなく、元金返済に充てることで、発生する利息を少なくできることを指しています。

くれぐれも混同しないように、よく違いを理解しておきましょう。

戻し利息ってどうやって計算するの?

最後に戻し利息について、補足説明して今回の説明を終わりにしたいと思います。

説明するのは下記の2項目になりますが、実際にこれら情報を重要視されるのは一部の限られたかただけです。

  • 戻し利息の計算方法
  • 戻し利息の仕訳、勘定科目

必要ないというかたはその理屈だけ理解してもらい、雑知識として頭の片隅にでも残してもらえればと思います。

戻し利息の計算式は78分法

戻し利息の計算には78文法という計算方法を使用しますが、数学的な理屈をここで話しても意味はないので、どのような計算式に当てはめれば算出できるのかだけを説明します。

計算時に必要になってくるのは下記の情報です。

  • 回数(総支払い回数)
  • 未経過回数(未払い回数)
  • 利息合計額(支払総額から元金を差し引いた金額)

これらは契約後に渡される支払い計画書という名目の書類を見れば、簡単に確認することができます。

紛失してしまっている場合は、再発行してもらうようにしてください。

そしてこれら情報を下記の計算式に当てはめれば、戻し利息の算出ができます。

利息合計額×(未経過回数×(未経過回数+1)÷2)÷(回数×(回数+1)÷2)
実際に計算してみよう!

それでは下記条件で実際に戻し利息を計算してみましょう。

  • 回数 180回
  • 未経過回数 100回
  • 利息合計額 300,000円

未経過回数×(未経過回数+1)÷2の部分が下記のとおり。

100回 × (100回 + 1回) ÷ 2 = 5,050

回数×(回数+1)÷2の部分が下記のとおりになります。

180回 × (180回 + 1回) ÷ 2 = 16,290

よって、戻し利息は下記のとおり算出できます。

300,000円 × (5,050 ÷ 16,290) ≒ 93,000円

実際にはこの戻し利息から金融機関の手数料等が差し引かれるため、計算した額が満額返ってくるわけではありません。

一般的には戻し利息の3割程度が手数料とされるので、いいとこ7割程度の戻し利息となるでしょう。

一見複雑な計算式ではありますが、今回のように順序立てて計算すれば大して難しいものではありません。

戻し利息が気になるかたは、ぜひ利用してみてください。

戻し利息の仕訳と勘定科目は?

会社で組んでいる各種ローンを一括返済して、戻し利息が発生することもあるでしょう。

その際にはこの戻し利息を同処理すればいいのか、という会社経理の声が多かったので、経理上の仕分けはどうなるのかを説明しておきましょう。

基本的に経理上の仕分けでは、戻し利息を貸方の支払利息で処理します。

利息を振り込まれたことから、勘定科目は受取利息になると思われがちですが、戻し利息はすでに支払った利息が戻ってくるという性質のものですから、経理上での仕分けは支払利息となるのです。

よってローンを一括返済して100,000円の戻し利息があった場合は、下記の仕分けとなります。

  • 貸方 支払利息100,000円
  • 借方 普通預金100,000円

勘違いされるかたも多いので、間違わないようによく覚えておいてください。

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