売れる苔の種類・金額・販売方法の詳細|苔ビジネスで年間3000万円
「いらなくなったものを売りたい」「お小遣いを増やしたい」そう思った時に、リサイクルショップやフリマアプリなどで不要となった服や小物などを売る人もいるでしょう。
しかし今、「苔」の人気がじわじわと高まっているのです。
「苔って売れるの?」と驚く人もいると思いますが、苔は苔玉や盆栽に使うため、苔のニーズは高まりつつあります。
今回は、注目の苔ビジネスについて見ていきましょう。
この記事はこんな人におすすめ
- フリマサイトで売れるものを探している
- 元手をあまりかけずに転売がしたい
- 田舎でのビジネスチャンスが知りたい
苔って売れるの?
最近は、服飾品や日用品に限らず、流木や石なども積極的に売り買いされています。
実はインテリアやアート作品の材料にする人も多く、人気があるのです。
そして、その中には「苔」も含まれます。
何か売りたいけれどもう売るものがないときなど、家の裏の方を探してみてください。ひっそりと苔が生えていませんか。
新たに作り出す必要がなく、ただそこに生えているものを売るだけでお金が手に入るなんて、夢みたいな話ですが、実際に苔は売れるのです。
「なぜ苔」「誰が買うの?」と疑問に思うかもしれませんね。
次章では苔の需要についてさらにくわしく見ていきましょう。
苔は売れる!苔を拾って年間3,000万円売り上げる人も!
有名なので、知っている人もいるかもしれませんが「苔ハンター」としてテレビなどでも紹介されている清水さん親子がいます。
栃木県日光市の山中で苔を採取することで、年商3,000万円もの大金を稼ぎ出しているのだとか。
苔ハンターの清水さん親子は、ふだんは造園業者を中心に苔の販売をしていますが、他にもインターネットで苔通販専門店を運営しています。
山に生えている苔を採取するためには、山を所有する必要があります。
そのため清水さんは山の所有・管理も行っています。
「苔を拾って年商3,000万円」と言うと、大変おいしい仕事に思えますね。
しかし、実際には苔の管理状態の研究や、配送方法を工夫したりとなかなか簡単なことではないようです。
しかし、清水さん自身「本当に美しい苔が大好き」という気持ちで、苔を採取し売っているそう。
好きなことを仕事にし、3,000万円もの大金が稼げるのはすばらしいことですね。
苔ツアーがある程に人気がある
注目度の高い苔ですが、実は「苔ツアー」として、様々なプランが販売されています。
幻想的な風景が老若男女問わず大人気です。
ここ3年程で利用者は増えており、苔を眺めたり、触ったりします。
大自然の中にひっそりと茂る苔を見に癒しを求める人が多いようですね。
いつもは何気なく通り過ぎている苔も、足を止めてじっと見ることで、今までとは違った発見があるかもしれません。
特に有名なのが、長野県にある「苔の森」です。
長野県北八ヶ岳の白駒池周辺は、日本蘚苔類学会から『日本の貴重なコケの森』に選ばれました。
その絶景は、まるでジブリの世界に迷い込んだかのような美しさです。
他にも以下の場所が『日本の貴重なコケの森』に選定されています。
・苔の洞門(北海道)
北海道の千歳市にある苔の名所。約10メートルに及ぶ絶壁に30種類ほどの苔が生息しています。
・奥入瀬渓流(青森県)
美しい渓流と苔のコラボレーションが楽しめると人気のスポット。300種類もの苔が生息しており、その美しさから「日本の貴重な苔の森」に認定されました。
・黒山三滝と越辺川源流域(埼玉県)
パワースポットとしても知られている場所です。黒山三滝周りの岩には、美しい苔がびっしりと生え、水しぶきとともに太陽の光を反射し、美しさを一層際立てています。
白駒池(長野県)
一歩足を踏み入れると広がる幻想的な苔の絨毯が美しい人気スポット。その壮大な美しさは、日本でも屈指の場所です。苔を観察できる場所は10か所あり、それぞれ違った表情を楽しめます。
売れる苔の種類
苔と言うと、湿ったところに生えている、緑色のモコモコしたものというイメージがあるかもしれません。
しかし一言で苔と言っても、様々な種類があり、日本には1,800種以上もの苔が自生しているとされています。
そのため、森にあるすべての苔の種類を覚えるのは至難の業です。
次章では、高く売れる苔を中心に、幾つか種類を見ていきましょう。
【アラハゴケ】
湿度の安定した日陰の、杉の木の根元や腐木上に自生しています。
葉先が細く、フサフサとしており、半球状に丸くこんもりとした状態で生えています。
山の急斜面の木の根元にマット状に群生するのが特徴です。
庭園、苔玉、正月飾りなどに利用されています。
【カサゴケ】
カサゴケ、オオカサゴケ、カサゴケモドキの3種を、総称してカサゴケと言います。
カサ状に花のように開いた葉が美しく、人気のある種類です。
主に盆景、テラリウム、水中花として利用されています。
【スギゴケ】
低地から山地のやや湿った地上や、腐植土のたまるところに群生します。
針のような葉っぱをたくさんつけており、密集して生えているのが特徴です。
手入れや管理がとても簡単なので、初心者や忙しい人でも育てられると大人気。
苔庭などで最も使われている種類です。
【スナゴケ】
河原や山地の日当たりの良い砂質の土や岩の上、石垣に群生します。
2-3センチ程度の茎部分から、針状の葉をたくさん生やしており、地面に貼りつくように生えているのが特徴です。
庭園、盆景、屋上緑化などに利用されています。
売れる苔の採取方法
苔はとてもデリケートであるため、売れる状態で採取するには、苔の採取方法を知っておく必要があります。
家の周りを歩いてみると、今まで気が付かなかったところに苔が生えているかもしれません。
ただし、他人の私有地に生えている苔を取るのは不法侵入になります。
神社・お寺などの苔を無断で取るのもモラルに反しますのでやめましょう。
まずは自宅の裏庭や近所を探してみるのがおすすめです。
苔の生えているところ
苔は日陰で湿ったところに生えるイメージがありますが、地面の上はもちろん、コンクリートやブロック塀・岩の上・樹皮などでも見かけます。
苔の種類によって生える場所は異なります。
土や石・岩の上に生えるタイプや倒木・老木の上に生えるタイプ・水辺に生えるタイプ・斜面の岩に生えるタイプなど様々です。
苔を採取するときは、どのような場所に生えていたのかをしっかりと覚えておきましょう。
採取後も同じような環境に置くようにすると、苔の状態をキープできます。
苔の採集に必要な道具
苔の採取道具には、専門の道具というものはありません。しかし次のものを用意しておくとよいでしょう。
- 苔をそぎ取るヘラ状のもの
- ルーペ
- 容器
- 苔図鑑
容器は、持ち帰る苔の量にもよりますが、少量の場合は蓋の付いた瓶に入れておくと形を崩さず保管できます。
数種類の苔を取る場合は、種類ごとに分けて瓶やファスナー付きの、ビニール袋に入れましょう。
そうすることで混ざらずに持ち帰れます。
苔は仮根まで取らなくても大丈夫
苔を採取するとき、苔の仮根(根っこのようなもの)まで取らずに、葉の部分だけをカットして持ち帰っても育てられます。
なぜなら、本来苔には根がないためで、水を吸い上げる機能がないためです。
苔は空気中の湿気から水分を摂取しているので、根っこは必要ありません。
持ち帰るまでに乾燥しても、水に漬ければ元に戻ります。
また苔は蒸れに非常に弱い植物です。
そのため夏にビニール袋の中に保存した場合、高温で蒸されて枯れてしまうことがあるため注意しましょう。
苔の増殖方法
苔には様々な増殖方法があります。目的に遭った方法を選びましょう。
ここでは代表的な増殖方法を3つ紹介します。
蒔いて増殖
苔をバラバラにほぐし、土壌に撒く方法です。
少ない苔で広い範囲に増殖させるため、苔庭を作りたいときに最適です。
苔を撒いた土壌には霧吹きで水を与え、苔が乾燥しないようにしましょう。
当初はどうしても見栄えが気になりますが、新芽が出て徐々に苔らしく成長します。生ええ揃うまでの管理は慎重に行いましょう。
株分けして増殖
自然に生えている苔の一部を切り取り、別の土壌に分配します。
この際土壌は湿らせておくことがポイントです。
苔を植えたら、霧吹きでたっぷりと湿らせておきましょう。
狭い場所でもたくさんの苔を増やせることがメリットです。
広範囲な場所には時間がかかるため、たくさん増やしたい時は、撒くのがおすすめ。
胞子を飛ばして増殖
苔は種や球根ではなく、胞子で増えていきます。
そのため胞子を飛ばして増やす方法もあります。切り取った苔の一部を土壌に敷き、霧吹きで水を与えて湿らせて育てましょう。
やがて苔は再生し、増えていきます。
だたし、胞子をつける時期が限られることがデメリットです。
また胞子から原糸体とり、やがて植物の形になります。他の方法で増やすよりも時間がかかるので注意しましょう。
苔はいくらで売れるの?
苔は売れると言っても、どのくらいの値段で取引されるのでしょうか?
買い取ってくれる場所にもよりますし、オークションの場合は値段が上下することがありますため、一概にはいえませんが、目安となる金額はおおよそ以下のとおりです。
- カサゴケ:トレイ1枚約5,000円
- アラハゴケ:トレイ1枚約2,000円
- スギゴケ:トレイ1枚約1,500円
- スナゴケ:トレイ1枚約1,500円
近所を歩き回ってトレイ1枚分の苔を採取するのは難しいかもしれません。
しかし採取した苔を栽培してトレイ1枚分に増やせれば、まとまったお金になります。
特にカサゴケは高級品とされています。
しかしその分栽培が難しいので、初心者は管理の簡単なスギゴケから始めるとよいでしょう。
他にも、なるべく高い苔が生えている場所を探す方法もあります。
苔はヤフオクやメルカリで売れる
採取してきた苔や栽培して増やした苔を、売る方法についても知っておきましょう。
苔を買ってくれるところと言えば、園芸店が思い浮かびますね。
しかし園芸店にいきなり行って「苔を買ってください」と言っても買取りに応じてくれるとは限りません。
園芸店には、すでに提携している苔栽培の人がいるかも知れません。
そうなれば現実的には難しいでしょう。
そこで、最も身近でよい方法が、ヤフオクやメルカリで売る方法です。
ヤフオクやメルカリなら利用したことがあるという人も多いと思います。
また「今すぐに苔が欲しい」という人に大きな需要があると考えられるため、高額取引のチャンスです。
ヤフオクやメルカリでどのくらいの取引値となるのか、前もってチェックすると、傾向が分かっていいですね。
苔を売るときの注意点
ヤフオクやメルカリで苔を売ることを決めたら、次の2点について確認し、出品しましょう。
- 苔に虫や虫の卵が付いていないか確認する
- 苔の種類が判別できないときは「山苔」と表記
まず出品する前にはしっかりと水洗いし、虫や虫の卵が付いていないかよく確認します。
虫や卵は購入者に不快感を与えるだけでなく、苔にダメージを与える恐れがあるためです。
乾燥させたものを売る場合も、乾燥させる前に虫がいないかのチェックをしておきます。
また、苔には1.800種以上の種類があります。もしかしたら素人目には苔の種類の判断がしづらいかもしれません。
そんな時は、「山苔」と記載するのがおすすめです。
実際、ヤフオクやメルカリでも「山苔」とざっくり表記しているものがあります。
困ったら真似をしてみましょう。
苔は売れると言うけれど本当に稼げるの?
庭の隅や山野などで見かける苔ですが、最近はテラリウムなどの鑑賞やインテリアとして楽しむ人が増えています。
素朴な苔を使ったインテリアにはほっと落ち着く癒やし効果があり、ビジュアル的にもモコモコ感がかわいいと女子ウケも上々です。
苔が好きな女子のことを苔ガールと言うそう。そう呼ばれるほど注目されているということですね。
また、苔の名所を巡る苔ツアーとも、年々利用者が増えています。
ただ苔を見るだけでなく、苔玉や苔テラリウムを作るワークショップがセットになっていることもあって大人気です。
次章では、今注目を浴びている苔を利用して本当に稼げるのかを検証してみましょう。
副業として稼ぐ
本業の傍ら、副業で苔を売って、収入アップを目指してみましょう。
苔を入手する方法は、自分で採取する、花屋や園芸店での購入、インターネットでの購入などがあります。
入手した苔をさらに増やせば、さらにたくさん売れますね。
苔は種類によって、最適な光の強さや湿度が異なります。
そのため質の良い苔を売るためにも苔に適した環境作りがポイントになります。
基本的には少しだけ日光が当たる場所に置き、定期的に水やりをするだけで育ちます。それほど神経質になる必要はありません。
心配な人は、苔の専門書を1冊購入し、知識を入れておくと安心です。
またインターネットでもたくさん情報が出てきますよ。
「苔農家」というビジネススタイルで稼ぐ
苔栽培を副業にとどめず、本業として苔農家になる方法もあります。
苔農家という言葉はあまり聞き慣れないかも知れませんね。
しかし近年の苔ブームによって、日本では既に苔農家として苔を専門に栽培をしている人がいます。
例えば、過疎地域では、苔を売ることによって地域の収益がアップ!若い世代が戻ってきたという話があるほどです。
また、同じ畑で野菜を作るより、苔が2倍の収益を上げた経験談もあります。
苔農家を始めるには、広い土地があれば十分です。しかしできれば、山間部の湿度が高い土地が理想的です。
本業として苔農家を営むのであれば、苔に関する知識はもちろんのこと、売値の相場についても念入りなリサーチが必要がです。
また販売ルートの確保なども必要になります。
売れる苔!その使い道を知る
ところで、売った苔はその後どのように使われるのか気になりますよね。
苔玉は耳にしたことがある人もいると思いますが、他にも様々な活用方法があります。
また、苔をさらに高額で売るための、秘けつも併せて解説しますね。
苔玉だけじゃない!苔の使い道
苔を利用したものと言えば、まず苔玉を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
苔玉は、植物の根を用土で包んだ周りに苔を貼って思う球状にし、糸で固定したものです。
盆栽よりも洋風な雰囲気で、現代風の家のインテリアにもぴったりです。
しかし、苔を利用したものは苔玉だけではありません。
他にも、ガラス容器の中に入れて栽培するテラリウム・水槽内のインテリア、ミニ盆栽、意外なところでは正月飾りにも使われることがあります。
また、ジオラマを作る人が、レイアウトのワンポイントとしても利用することもあります。
付加価値を付けると価格UP
せっかく苔を売るのなら、できるだけ高く売りたいですよね。
少しでも高値で売るためには、苔にセットで付加価値を付けるとよいでしょう。
具体的には、苔をトレイや容器に入れてそのまま売るのではなく、自分で苔玉などの苔アート作品を作って商品販売するのです。
苔単体を欲しいという人もいれば、苔の作品が欲しいと思う人もいます。ニーズは十分にあるでしょう。
そして、言うまでもなく苔単体で売るよりも、苔アートで手間をかけた方がより高額になります。
より高額で売りたい人、また苔アートに興味がある人は試してみてはいかがでしょうか。
苔を手に入れるには?
肝心の苔を手に入れるためにはどうすればいいのでしょうか。
苔は主に、自分で採取する方法と、購入する方法に分かれるため、くわしく見ていきましょう。
採取しに行く
山や湿地帯などの自然に足を運び、苔を摂取します。
場所によって生えている種類も違うため、いろいろと探してみると楽しいかもしれません。
ただし苔を採取できるのは自宅の敷地内もしくは、所有者から許可を得た場所のみになります。
それ以外の場所で苔を採取することは違法行為となるため注意しましょう。
また、苔によっては絶滅危惧種に指定されているものもありますので、法律によって罰せられる危険性まであります。
花屋や園芸店で買い求める
一番手ごろで確実な方法です。
花屋や園芸店でもよいですが、できれば苔の専門店を探して購入するのがよいでしょう。
専門店であれば、取り扱う種類も多く、希望の苔が見つかる可能性が高いため、上手に育成ができれば高値で取引できるかもしれません。
またお店の人に苔についての質問ができる点もメリットです。
ネットショップで探す
苔はネットショップでも多くの取り扱いがあります。
ただしネットは実物が見えないため、ショップの評価はしっかりとチェックして購入するのが安心です。
また相場を知るにもぴったりの場所と言えます。
ネットショップのほかに、フリマサイトやオークションサイトも覗いてみましょう。
まとめ
近年の苔ブームを受け、苔を楽しむ人が増えています。
苔を育てたい、苔アートを飾りたい、苔を見に行きたいなど願望はそれぞれですが、ニーズがあるところにビジネスチャンスがあるものです。
既に、苔は注目されている市場ではありますが、これからでも参入の余地はあります。
苔に関する知識を得たら、まずは苔を探しに行ってみませんか?
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