前科があるとローンが組めないって本当!?
過去に犯罪をしたことで前科がある人でも、現在では更生して一般の人と変わらない生活を送っている人は多いです。
しかし、そのような人がローンを申し込んだ場合に、審査に通ることができなかったという話が多くあることも事実です。
銀行では、審査のために信用情報機関に信用情報を照会することはありますが、信用情報と関係のない犯罪歴についてはプライバシーの関係から知っているはずないという意見もあります。
今回は、犯罪によって前科があると、それが銀行に知られてしまうのか、知られている場合にはローンの審査に通ることができないのかということについてお話していきたいと思います。
目次
銀行は犯罪者のリストを持っている
冒頭でもお話しましたが、犯罪歴などの情報は警察が情報を管理していますので、プライバシーの関係から銀行では知ることができないという意見が多いです。
確かに犯罪者であっても守られるべきプライバシーがあることは確かですが、銀行も犯罪者リストというものを持っています。
実際に、私が金融機関に勤めていた頃には、新規の申し込みなどがあった際に、権限がある担当者が犯罪者リストに載っているかを確認していました。
リストには、氏名などの本人を特定するための情報や、前科となった原因(傷害罪等)などが詳細に載っており、定期的に更新されて管理されています。
金融機関は他の業種よりも公共性が高いですので、公共性を失わないためにも犯罪者の情報が提供されていると思われます。
保証会社もリストを持っている可能性がある
銀行ローンの場合、多くは保証会社の保証を受けて融資をしますので、審査は主に保証会社が行います。
実際に、保証会社で銀行と同じように犯罪者リストがあるのかということはわかりませんが、持っている可能性は高いです。
保証会社は、保証をしたローンが返済されない状況となった場合に、その債務を肩代わりしますので、そのリスクの度合いによって保証の可否を判断することになります。
前科がある人は、更生してもなかなか仕事に就くことができないなど、保証する側にとってはリスクになることが多くなります。
ですので、犯罪者リストを持ち、それも保証の可否を判断するために使用していると思われます。
融資を断る場合もある
申込者が銀行の持つ犯罪者リストに載っていた場合、口座を新規の際でも簡単に作ることはできません。
どのような罪を犯したのか、いつ前科がついたのかなどの情報から、支店長や本部の担当部署が相談して口座を開設するかを検討します。
口座を作る際にもこのようなことが行われますので、融資となればこれよりも厳しい判断となることは言うまでもありません。
従って、犯罪者リストに乗っていることが原因で、融資を断られてしまう可能性も十分にあるということです。
銀行ローンの審査は主に保証会社が行いますが、自行との取引内容や犯罪者リストに乗っているかなどの調査は銀行で行っていますので、保証会社に審査依頼の前段階で審査落ちすることもあります。
返済されないリスクの大きさが融資の可否を決める
なぜ、犯罪者リストに乗っている人は融資を断られてしまうのでしょうか。
それは、返済されないリスクが一般の人よりも高い場合があるからです。
銀行が融資において最も避けたいのは、返済されずに不良債権となることです。
1度罪を犯した人は再犯する確率も高く、そのような人に融資をしてしまうと、融資期間中に再度捕まってしまう可能性があります。
捕まってしまうと返済のために口座へ入金することはできなくなりますので、融資金を回収することができません。
犯罪の種類によって再犯率というものがありますので、融資の可否を決める際には前科となった原因がなんなのか、再犯率はどのようになっているのかが重要となります。
ローンを保証する保証会社としても、再犯率などによって肩代わりのリスクが高いと判断すると、保証不可となってしまいます。
反社会的勢力のリストもある
現在、銀行のカードローンは審査の仕組みが変わったことにより、即日融資ができなくなっています。
この仕組みとなったのは、銀行が反社会的勢力に対して融資を行っていたことが要因であり、今では預金保険機構を通じて警察庁のデータベースに照会してからでなければ融資を行うことができません。
しかし、このような仕組みとなる前から、銀行では反社会的勢力のリストというものも持っています。
ですので、実際には新規で申し込みなどがあると、犯罪者リストと反社会的勢力リストの両方を見て、該当していないかを確認しています。
こうしたリストがあるにも関わらず、反社会的勢力に融資をしていた原因はわかりませんが、ブラックリスト以外にも融資をしてはいけない人のリストというのは存在しています。
銀行ではある程度反社会的勢力を把握している
私は田舎にある金融機関でしたので、それぞれの地域に存在している反社会的勢力の会社などはある程度把握していました。
銀行の支店というのは、昔からその地域に根を張って営業していますので、当然そのような情報も蓄積されています。
中には引き継ぎの重要事項として載っている支店もあり、飛び込み営業などの際には訪問しないなど、関係を持たないよう指導されます。
それでも、把握していない反社会的勢力なのかということを、リストによって確認しています。
反社会的勢力は取引できない
預金取引をする際に、反社会的勢力ではないということの同意書に署名したことがある人は多いと思います。
この同意がなければ口座や定期預金を作ることはできなせんので、反社会的勢力に関係する人は銀行取引自体ができません。
反社会的勢力に関係している人が嘘をついて同意して口座を作った場合には、銀行では強制的に解約できることとしています。
当然、融資においても確認することですので、融資取引においても貸付してはいけない先となります。
まとめ
銀行では、犯罪者や反社会的勢力のリストを持っています。
犯罪者リストに乗っている人が融資の申し込みをしてきた場合には、罪を犯した時期や犯罪の種類、回数などによって取引の可否を判断します。
ですが、前科があるすべての人がリストに乗っているとも限りませんし、リストになっていたとしても融資を受けられる可能性はあります。
ただし、住宅ローンの場合は、融資額が高額となりますので、それが原因でどこからも借りることができないということも考えられます。
前科があるとこれまでの生活を送ることができなくなりますが、それはローンを組む際にも言えることです。
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