SBIの信用取引で追証が払えないときはどうすれば良い?
株式売買やFX取引をしている人ならご存じのことですが、信用取引を行って追証が払えないで困る場合があります。
SBI証券などは手数料も安いことから利用している人も多いでしょう。
さて自分の持ち株や現金預金などをかき集めても、どうしても追証が払えないときはどうすれば良いのでしょうか。
追証の金額によってはカードローンで借りて払う方法もありますが、数百万円にも及ぶ追証となるとなかなか払えるものではありませんね。
この記事はこんなひとにおすすめ
今回ご紹介するのは、以下の人におすすめの内容になります。
- SBI証券から追証を請求された人
- 追証の金額が高額で払えない人
- 追証の仕組みを詳しく知りたい人
そもそも追証とは
株やFX取引をしている人でレバレッジや信用取引を行っている場合には、所有している証券の価値が変動することで、追証を支払わなければいけないリスクが常にあります。
しかし、そもそも追証とはなぜ発生するのか、追証が発生した場合にはどのように対応しなければならないのか、という基礎知識を詳しく知らない人もいるでしょう。
そこで、追証についての仕組みや具体例などの基礎知識を、始めに確認していきましょう。
追証が発生する仕組み
追証は投資の中でも、信用取引を行うときに発生する仕組みです。
株式投資やFX取引は自己資金が少なくても信用取引を行うことで、自己資金の3倍から25倍の資金を動かすことが可能です。
これを一般的に信用取引と言いますが、信用取引はあくまでも自分のお金ではなく不足金を証券会社やFX業者に立替てもらっているので、言ってみれば借金して金融商品の売買をしていることになりますね。
信用取引やレバレッジ取引のおかげで、投資家は現物取引だけではなく自己資産以上の取引が可能となります。
しかし、株価や為替値の急落などによって資産が急激に落ち込み、金融機関で定めている最低維持率を下回ってしまうと赤字の部分を補填しなければなりません。
追証とは、株取引などで赤字の補填で必要になる追加証拠金のことを言います。
追証が発生した例
例えばFX取引だと、4万円の証拠金を担保として提出すると25倍の100万円の為替の信用買いが可能です。
例えば、この信用買いが失敗して100万円がなくなってしまうと、最大で100万円-4万円=96万円を損失したといえるでしょう。
このような場合に、預り金が100万円あれば預り金から損失額が補てんされるため、損失の発生日以降も取引可能です。
しかし、損失額を預り金で補てんできない場合や、預り金として最低限必要な金額(委託保証金維持率等)の水準を下回った場合には、預り金不足額が追証として請求されます。
追証の発生は市場の営業日がクローズした時点で判断されるため、株価や為替が急激に変動したときには即日で請求がきます。
追証が発生した後の対処方法
先ほどの例え話では、預り金が4万円しかないにもかかわらず96万円もの高額な追証を請求される例を出しましたが、実際にはこのような高額な追証の支払いは滅多に発生しません。
なぜなら、FXなど高いレバレッジをかけられる取引では、強制ロスカットという仕組みがあるため、預り金に対して損失が一定以上になると強制的に建玉を反対売買するようになっています。
したがって、高額な損失がでそうになったときには、自動的に取引を解消してもらえるため大きなリスクはそこまでありません。
それでも、追証の危険性が無くなるわけではないため、株式投資やFX取引は信用取引を行ってしまうと、ほとんどギャンブルに近く当たれば大儲け、外れれば追証という名の借金に追われることになります。
昔からの格言で「株は家まで、為替は命まで」と言われるように最悪自殺にまで発展してしまう恐ろしいものです。
しかし追証は誰にでも発生することであり、作ってしまった追証を支払わないわけにはいきません。
さてどうしても追証が払えない場合はどうすれば良いのかについては、後ほど順を追ってご説明していきます。
SBI証券のFXサービスが人気
数ある証券会社でもFX取引を始める人なら、誰もがSBI証券に口座を開設することを検討することでしょう。
SBI証券はオンライン証券取引市場では大手であり、証券口座の開設数も業界トップクラスと言われています。
専門家や投資経験のある人でも、SBI証券を好む人は多く、中でもSBI証券のFXサービスは非常に人気があり、魅力的なサービスがいくつもあります。
ここでは、SBI証券の特徴についてFXサービスを中心に見て行きましょう。
5000円の取引から始められる
FX取引は24時間いつでもできることや、資金5,000円から米ドル/円の取引が可能であること、株式を保有しているなら株券を利用して現金ゼロ円から始められること、充実したFX取引ツールが無料であることから人気が高い証券会社です。
信用取引口座の作成も最低入金額の5,000円からで大丈夫なため、口座作成のハードルも低く誰でも気軽に作成ができます。
そして何より最大25倍までのレバレッジを効かせられるのが魅力的で、わずか4万円の資金でも100万円の取引ができるために、利益確保がしやすく手数料が安いことからもFX口座開設数も主要ネット証券NO.1です。
1万米ドルを運用するのに信用取引掛け率が25倍なら、4万円を証拠金として提出すれば良いのです。
スマホアプリなどのツールが用意されている
スマホアプリも充実しており、空いた時間に数回取引を行うだけで1日に数千円から数万円の稼ぎをたたき出すことも不可能ではありません。
スマホアプリに関しては、iOS、Androidどちらのスマホにも対応しており、株やFX、先物取引など分野ごとに専門のアプリがあります。
また、株主優待を狙ってクロス取引を行う場合にも、アプリから株式の購入が可能なため取扱会社に希望の銘柄があれば、簡単に取引可能です。
さらに、未来の相場を予測、分析を行ってチャートで表示してもらえる「総合分析チャート」や、株券を担保にFX取引ができる「株券担保サービス」など、FXを利用する上で便利なサービスが数々あります。
強制ロスカットの証拠金維持率は変更可能
SBI証券にも為替相場の急激な変動が起こった場合には、強制ロスカットとなるため、損失がでたときに自動的に発注され、証拠金よりも高額な損失がでることは基本的にありません。
さらに、強制ロスカットが行われるボーダーライン(証拠金維持率)の設定は、証拠金の30~90%内で自由に設定できます。
初期設定は50%(取引によっては30%)なので、追証などの危険性を考慮する人は90%に近づけると良いでしょう。
少ない資金でも多額の資産を運用ができるレバレッジのおかげで、儲けを出すこともできれば逆に損失を出してしまうことにもなります。
強制ロスカットのおかげで証拠金以上の損失はしませんが、強制ロスカットの設定によっては追証が必要となる可能性があるので注意が必要です。
つまり追証はレバレッジを効かせすぎた証拠金取引の副作用と言えるでしょう。
追証が払えないとどうなるの?
SBI証券のルールとして、証拠金維持率が50%を下回った場合は強制的にロスカットされます。
例えば40万円の証拠金を担保に1,000万円の資産を運用したとすると、為替の急落によって含み損が20万円となった場合に、自動的に含み損の決済が行われ手元に残る資金は40万円-20万円=20万円です。
もし新たに1,000万円分の資産を運用するには含み損となってしまった20万円を入金することで、再挑戦することも可能です。
この時点でまだ追証と呼べるほどの損失は出ていません。
20万円損しちゃったな、や、あと20万円追加してもう一度取引するぞ、と意気込むこともできますね。
しかし、強制ロスカットという仕組みがあるにもかかわらず、追証が発生するケースがあります。
ここでは、追証が発生する原因や追証が支払えない場合には、どのようなことが発生するかを紹介します。
追証は証拠金維持率が100%以下になった時
追証が発生するのは証拠金維持率が100%となってしまって、現在の取引為替分の証拠金が用意できない場合です。
先ほどの例の様に40万円で1,000万円の資金を運用できるわけですが、損失が出て証拠金が20万円まで減った場合、500万円までの資産運用しかできなくなります。
もしも、20万円まで証拠金が減ったにもかかわらず、1,000万円分の為替取引を行っている場合には、足りない分の20万円を追証として追加で請求されます。
このような、現在の取引している為替に対する証拠金の割合を「証拠金維持率」と呼ばれますが、証拠金維持率が100%を維持できなければ、常に追証の危険性があると言えます。
追証は15時30分までに対処が必要
SBI証券では追証が発生した場合は、発生した15時30分までに口座に入金しなければなりません。
それ以降になると、たとえ追証の支払いを行ったとしても翌日以降の取引が行えなくなる可能性があります。
また、追証の解消方法は証券口座への支払い以外にも、現在取引している建玉の反対売買でも対処可能です。
翌日以降の取引に影響をあたえないためにも、早めに追証の対処を行いましょう。
支払えない場合は強制決済後取り立てられる
前述した通り追証を支払わなければ強制決済によって証拠金から差し引かれ、同じ資産運用額で運用できません。
具体的には追証が発生した4日後に、現在所有している建玉等の強制売却が行われます。
強制売却をしても損失の補てんが行なえない場合には、不足分が保証金から差し引かれることになります。
また、担保を現金ではなく株式で行っている場合には、株式の売却も行われるので気を付けましょう。
追証から逃れることはできない
カードローンなどでお金を借りて借金返済義務を負うのと同じように、何らかの理由で追証が発生した場合は借金と同じですから、返済しなければならない義務を負います。
SBI証券では一時的に立替払いすることによって、損失分を穴埋めしてくれますが、立替払いするということはすなわち求償権を得るのと同じ効果をもたらすため、SBI証券が債権者となって取り立てを行うことになります。
先ほど紹介したように、補てん分が証拠金でも足りない場合には、実際に現金の支払いを請求されかねません。
とりあえずは電話による督促から始まり、追証を払うまで毎日のように電話が来ることや、場合によっては弁護士からの督促請求を受けることもあるでしょう。
さらに多額の追証となった場合は債権回収会社に譲渡されてしまい、債権回収会社からの厳しい取り立てにあうことも覚悟しなければなりませんね。
借金返済は逃れられないのと同じように、追証の返済はどこまでも追いかけてきて逃げることはできないのです。
追証を払えないときに取るべき行動
SBI証券会社のロスカットが機能しなかったがために、追証が発生したとしてもそれを理由に追証の支払いから逃れることはできません。
通常にロスカットが作動すれば証拠金の範囲内で収まるはずなのに、コンピューターシステムの不具合でロスカットが間に合わなかったと言うのではちょっと理不尽なのでは?と思うかもしれません。
しかし会員規約にも書いてある通り、急激な為替変動などのやむを得ない場合は瑕疵担保責任を問われることはなく、追証の支払い義務が残りますので追証を支払わないまま放置していても何の得にもなりません。
まず追証を払えないときにとるべき行動として、証券会社に連絡をすることです。
もちろん証券会社としても追証を支払ってもらわないと会社の損失にもなりますので、どうすれば返済できるのかスケジュールを立ててくれることでしょう。
とりあえずはFX取引をやめ、追証の支払いを分割払いにしてくれないか相談しましょう。
証券会社の担当者と交渉することによって数十回払いの分割払いに応じてくれる場合もあるようです。
よほど資産があるなら株式投資や他のFX取引によって追証くらいは稼げるかもしれません。
ところが泣きっ面に蜂のように、更なる取引失敗によって損失を出してしまうと状態はますます悪化します。
弁護士や司法書士に依頼して債務整理を行う
追証の金額が多額すぎて分割払いもできないな、となった場合は弁護士や司法書士に依頼して債務整理を行いましょう。
債務整理を行うことで、借金や追証で支払いができない不足分を、免除や減額をしてもらえます。
債務整理には、任意整理や個人再生、自己破産などの種類がありますが、基本的には弁護士などの専門家と相談をして、どの債務整理を行うか相談すると良いでしょう。
ここでは、債務整理の種類や手続きの簡単な内容を紹介します。
考えられる債務整理の手続き
債務整理として自分の財産を処分せずに行えるのが任意整理です。
任意整理の場合には、裁判所など公的機関を利用せずに、金融機関、今回の場合にはSBI証券と直接交渉をして、借入金額を減額してもらいます。
ただし、任意整理は支払えない追証の金額や交渉の状況によっては、SBI証券から認められないケースもあるため確実に成功するわけではありません。
そこで、裁判所を間に挟みながら行える個人再生や自己破産の方が、金融機関の意思に左右されにくいため成功率が高いです。
個人再生については自己破産と異なり、現在所有している財産の内不動産などの特定のものは処分せずに済むため、生活に影響を大きくあたえずに追証の大幅免除ができます。
ただし、裁判所を通じて行うため減額が確定するまでの期間が長いというデメリットもあります。
自己破産では免責が重要
おそらく任意整理では交渉が決裂することでしょうから、債務整理の選択肢としては自己破産になることが一般的です。
本来自己破産は、ギャンブルによる借金については免除ができないため、株式投資の失敗やFX取引の失敗は免責不許可事由に当たるとされ、自己破産しても免責が認められない場合があります。
しかし反省の色を濃く出している場合は、裁判官の裁量によって免責が認められることがほとんどです。
自己破産の申告書に追証が発生するまでの経緯を書き綴り、今後このようなことがないように信用取引はしませんとはっきり書けば、反省しているとみなされます。
そして自己破産することによって追証の支払い義務がなくなります。
レバレッジを効かせすぎた自己責任として、当面の間は金融事故を起こしたブラック扱いされますが、黙って10年間は真っ当な仕事をしたいですね。
まとめ
SBI証券の追証は、為替や証券の取引単位によっては非常に高額となり、払えない危険性がでてきます。
しかし、強制ロスカットの割合を変更したり、レバレッジの倍率を抑えて取引を行ったりするなど対策をすれば、払えないほどの追証の支払いを未然に防げます。
くれぐれも追証の支払いが必要になるような、ギャンブル性の高い取引を行わずに冷静に証券や為替取引を行いましょう。
タグ:借金・お金の悩み
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