消費者金融の昔の金利は高かったけど…

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現在の消費者金融の金利は、昔の金利に比べて大幅に引き下がりました。

というのも消費者金融からの借入が返済できずに、自己破産する人や自殺する人が増えたとなっていたからです。

しかし自殺の原因については、必ずしも消費者金融の借金によるものと断定はできません。

それよりも重要なのは自己破産者の数です。

驚くべきことに消費者金融は昔の金利が高かった割には、自己破産者の数は少ないのです。

消費者金融の金利が下がるに従って、自己破産者の数が増えているのはどういうわけでしょうか。

執筆者の情報
名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営
この記事はこんな人におすすめ

今回ご紹介するのは、以下の人におすすめの内容になります。

  • 消費者金融の金利の移り変わりが知りたい人
  • 消費者金融を現在利用することは安全なのか気になる人
  • グレーゾーン金利や過払い金について知りたい人

消費者金融の金利の移り変わり


消費者金融の金利は利息制限法と出資法というふたつの法律が影響していますが、このふたつの法律で決められている金利は、過去には大きく違っていたため消費者金融の金利が引き下げられるきっかけになりました。

今回はふたつの法律の関係性を見ながら、過去から現在に掛けての金利の移り変わりを確認していきましょう。

消費者金融の現在の金利

現在出資法では金利の上限を20%、利息制限法では金額ごとに以下の上限金利となっています。

借入金額上限金利
10万円未満20%
10万円以上100万円未満18%
100万円以上15%

現在の大手消費者金融の金利は、標準で年18.0%ですね。

中小消費者金融では上限金利を年20.0%としているところもありますが、その金利が適用されるのは貸付金額が10万円未満の場合に限ってのことです。

貸付金額が10万円以上100万円未満なら、大手消費者金融と同じ年18.0%以下にしていることは貸金業法でも定められています。

よく中小消費者金融の金利は大手消費者金融に比べて、高いイメージを持っている人も少なくないと思います。

しかし前述の通り、年20.0%の金利が適用されるのは限定的です。

大手消費者金融も中小消費者金融も、10万円以上100万円未満の貸付金になら年18.0%、100万円以上の貸付金なら年15.0%の上限金利なのは同じなのです。

10万円を借りたとしても、年間の利息は約18,000円と少額で済むので返済が難しくはないイメージです。

出資法で決められた金利の移り変わり


現在の金利は出資法と利息制限法の金利がほぼ同じであるため金利が低いですが、2010年の出資法の改定までは、出資法の金利は利息制限法よりも高かったのです。

まず出資法の金利の推移についてご説明します。

出資法の金利は1983年10月31日までは、年109.5%までが有効とされていました。

出資法は貸付元本に関係なく上限金利を定めた法律ですから、5万円借りても50万円借りても、また100万円を借りたとしても年109.5%の金利は有効だったのです。

わかりやすく10万円を借りたとして、当時の利息はいくらだったのか計算すると、30日計算で9,000円です。

現在の利息が1,479円であることを考えると、ソフト闇金に近い利息ですね。

しかし1983年11月1日から議員立法によって貸金業規制法が制定されると同時に、出資法の改正によって上限金利が年73%まで下げられるようになりました。

ちょうどその頃サラ金問題が社会問題化したことで、消費者金融の上限金利が高すぎるとして審議する期間を設けることなく国会で議員立法をしたのです。

議員立法によって貸金業規制法が制定されると、3年ごとに出資法の上限金利を見直す規定が設けられ、その後徐々に金利が引き下がっていったのです。

引き下げる金利は貸金業規制法に盛り込まれ、計画通りにすすめられました。

カッコの中に書いてある数字は、10万円を30日間借りた場合の利息です。

参考までに一緒にご覧ください。

  • 1983年10月31日まで:年109.50%(9,000円)
  • 1983年11月01日から:年73.000%(6,000円)
  • 1986年11月01日から:年54.705%(4,500円)
  • 1991年11月01日から:年40.004%(3,288円)

出資法の上限金利は一旦年40.004%で落ち着いたかに見えましたが、今度は商工ローン問題が発生し、再び貸金業規制法改正と出資法改正により、段階的に上限金利を年29.2%まで引き下げることが決まったのです。

  • 2000年06月01日から:年29.200%(2,400円)

ところが日弁連を中心として消費者金融の上限金利は高過ぎで、そのため自己破産件数が増えていることを理由に、闇金対策のためにさらに貸金業規制法を改正していきます。

  • 2010年06月18日から:年20.000%(1,479円)

貸金業規制法は貸金業法と改められ、消費者金融は貸金業法に基づいて、出資法の金利で貸出しするよう定められました。

よって10万円借りた場合の金利は、年20.0%ではなく年18.0%です。

結局27年の歳月を掛けて出資法の上限金利は年109.5%から年20.0%へ、およそ82%カットされるに至ったのです。

金融庁 出資法の金利の推移

昔の金利はグレーゾーンだった

現在法律事務所のCMなどで耳にする機会が多い、グレーゾーン金利という言葉は、この出資法と利息制限法の金利の違いが影響しています。

先ほど紹介したように出資法は2010年以前、109.5%から徐々に下がってきていましたが、利息制限法はできた当時から変わっていないため上限金利は20%だったのです。

例えば、過去に25%の金利で融資を行っている消費者金融があったとすると、この会社は出資法には違反していませんが、利息制限法に違反しているという不思議な状態にあるのです。

この利息制限法には違反しているが、消費者金融の運営が規制されていなかったことをグレーゾーンと呼ばれています。

グレーゾーンの期間に融資を受けていた人は、現在20%以上の金利分を消費者金融から取り返すことが可能なので、消費者金融に確認してみましょう。

貸金業法の制定と出資法の金利引下げ

消費者金融の激しい取立てや融資方法が問題とされて、2000年代前半に社会問題となったため、消費者金融利用者を保護するために2010年に貸金業法という法律が施行されました。

貸金業法が制定されたおかげで、自宅や職場に直接乗り込み取立てを行われることや、恐喝に近い激しい取立ては法律違反になりました。

また、これまで有効と認められてきたグレーゾーンに関しても、無効とする内容に変わったのです。

この法律の施行に併せて、上限金利を29.2%としてきた出資法も、上限金利が20%となるように変更となりました。

従って、これまで存在していたグレーゾーンも、2010年以降は完全に撤廃されたのです。

◆yahoo知恵袋:「「グレーゾーン金利」という言葉は昔からありましたか?」

消費者金融の昔の金利

消費者金融の昔の金利は中小消費者金を中心に出資法の上限金利で貸付していましたが、大手消費者金融は出資法の金利よりも低い金利貸付をしていました。

その大きな理由として考えられるのは、それまで中小消費者金融を利用していた顧客を誘導することで、顧客数を増やし多少金利を安くしても膨大な利息収入を得ることが目的です。

中小消費者金融との差別化、大手消費者金融の利便性の良さをアピールすることで、目障りだった中小消費者金融を狙い撃ちした感があります。

ちょうど規模の小さい小売店が大型スーパーに、お客を取られるのと同じですね。

消費者金融の昔の金利で対応が最も遅れたのはアイフルで、素早く金利を引き下げて言ったのはプロミスです。

企業戦略もあったことでしょうが、せっかく出資法の金利で貸出ししても良いと決められているのに、早々に金利を引き下げるのはもったいないと感じたのかも知れません。

ここでは、倒産前までは大手消費者金融として名をはせていた、武富士の昔の金利がどうだったのか、金利の推移はどうだったのかご紹介していきます。

なおカッコの中の数字は、10万円を借りた場合の30日あたりの利息金額です。

消費者金融の利息がどのように下がっていったのか、わかりやすく見ることができますので一緒にご覧ください。

  • 1982年:年41.975%(3,450円)
  • 1984年:年39.784%(3,269円)
  • 1987年:年36.500%(3,000円)
  • 1988年:年32.850%(2,700円)
  • 1990年:年29.200%(2,400円)
  • 1996年:年27.375%(2,250円)
  • 2007年:年18.000%(1,479円)

出資法の金利が82%も上限がカットされたのに対し、武富士の利息はおよそ57%のカットです。

大手消費者金融は早め早めの金利の引下げによって、貸金業規制法で定められている上限金利の引下げを前倒しで実行していたことがわかりますね。
金融庁 大手消費者金融の金利の推移

消費者金融の金利の引下げによって何が起きたか


出資法や貸金業法が改正されていき、消費者金融の金利が引き下げられたことで、消費者金融の高額な金利に苦労することがなくなったように見えます。

しかし、現実としては借金に困っている人は減ることはなく、逆に増えている現状があるようです。

なぜ、このような事態が起こっているのか、自己破産者や経済的な理由での自殺者数を見ながら確認していきましょう。

自己破産件数と自殺者数が増えた

始めに金利の引下げと、自己破産者数の移り変わりを確認していきましょう。

武富士の金利の推移に合わせて、自己破産申立件数をご紹介します。

  • 1985年:年39.784%(1万4,825件)
  • 1987年:年36.500%(9,774件)
  • 1988年:年32.850%(9,415件)
  • 1990年:年29.200%(1万1,273件)
  • 1996年:年27.375%(5万6,494件)
  • 2007年:年18.000%(16万917件)

おかしいですよね。

武富士の利息の推移を見ても確実に安くなっているのに、なぜ自己破産申立件数が増えたのか。

それは貸付金利が下がったことで利息収入が減った分を穴埋めするために、それまで以上の貸付を行うようになったからです。

消費者金融はこれまでと経営方針を切り替えて、顧客の数を増やすため、審査の難易度を下げて通りやすくしたのです。

また、1人あたりの貸付限度額も出資法改正前よりも高額にしたため、余りローンの知識のない人が、高額な返済額を支払うことができずに自己破産者が増えたようです。

消費者金融にとっては、たった30年足らずで上限金利の引下げによって57%の利息収入が減ったのですから、このような経営方針の変更をすることは仕方がないと言えます。

それでは同じように生活苦による自殺者数を、武富士の金利に合わせて見比べてみましょう。

  • 1985年:年39.784%(1,800件)
  • 1987年:年36.500%(1,800件)
  • 1988年:年32.850%(1,800件)
  • 1990年:年29.200%(1,272件)
  • 1996年:年27.375%(3,025件)
  • 2007年:年18.000%(7,756件)

やはり上限金利が下がったのに、経済的・生活苦に自殺者数は増えていますね。

2000年過ぎに自己破産件数と自殺者数が増えているから、上限金利を引き下げるとした理由が根底から崩れています。

生活苦の原因が消費者金融の借入れだけとはいえませんが、議員立法によって貸金業規制法が設立された時期が近いことから影響がないとは考えにくいです。

つまり、法律改正で金利を引き下げたことで、逆に自己破産件数と自殺者数の増加を招いてしまったわけです。

ということは消費者金融の昔の金利が高かった頃の方が、金利が高いから余り借りないようにしようと自制心が働いていたのに、金利が下がったことによって同じ利息を払うなら、もっと借りても良いのではないかと資金需要が増えたのです。

もちろん貸付金額を増やそうとした業者にも責任はありますが、お金を借りるものにも責任があったと言えるのではないでしょうか。

金融庁 宇都宮健児氏提出資料

過払い金請求が行われるようになった

2010年以降の出資法改正と共に行われるようになった消費者金融関連の出来事として、過払い金請求が法律事務所を通して積極的に行われるようになりました。

過払い金請求とは先ほど紹介したグレーゾーン金利を利用していた人が、20%以上のこれまで支払っていた利息を取り返す請求方法です。

自己破産などの債務整理に分類されることが多いですが、他の債務整理とは異なりブラックリストに載ることなく借金を減らせる方法として知られています。

しかし、誰でも利用できるわけではなく、2010年以前のグレーゾーン金利で借入を行っていた人が対象ですので、現在債務整理を検討している人は確認しておきましょう。

過払い金の対応で倒産した業者もある

2010年の貸金業法の改正と共に、金利の上限が下がってしまい利息を受け取ることができずに経営が苦しくなった会社も多いです。

また、過払い金の対応も消費者金融には大きな影響をあたえており、過払い金の返金が原因で倒産した業者も存在します。

代表的な会社としては、これまで紹介してきた武富士が該当します。

武富士は過払い金の請求が特に多く、2019年現在でも裁判で過払い金の支払いについて争っている人がいるほどです。

出資法や貸金業法の改正は消費者金融、そして利用者どちらにとっても大きな影響をあたえてしまった出来事であると言えます。

消費者金融の昔の金利の方が借りにくくて良かった

結論を言えば消費者金融の、昔の金利の方が借りにくいし、たくさん金額を借りてしまうと利息の額が多くなるとして自制心が働き、自己破産件数や自殺者数は増えなかったとも言えますね。

金利が安くなったことで消費者金融から借りやすくなった結果、返済能力を超えた借入をしてしまい債務整理する人が増え、さらに銀行カードローンの過剰貸付が追い討ちを掛けた形です。

今後ますます自己破産者数が増えていくことでしょう。

朝日新聞デジタル 個人の自己破産、前年比6.4%増 カードローン影響か

借金している人数ってどれくらい?その理由は?

まとめ

2010年以前と比較すると金利が引き下げられているため、消費者金融を利用しやすくなったことは間違いありません。

しかし、「お金を借りている」という事実は変わらないので、消費者金融の利用は慎重に行う必要があります。

くれぐれも高額な借入を繰り返して自己破産や、生活苦にならないように気を付けてください。

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