カードローンで借金している人数ってどれくらい?その理由は?
最近の報道では、日本のGDPも28年ぶり8四半期連続で成長を遂げており、一見すると景気が良さそうな今の日本…。
しかしその裏では、貧困に悩む世帯も増え続け、借金で生活が破綻している家庭も少なくありません。
そこで、今回は日本の一般世帯がどれくらい借金をしているのか、そのデータや背景を読み取り、いかに借金をせずに生活ができるか…という点についても、考えてみたいと思います。
記事の目次
カードローンで借金している人数ってどれくらい?その理由は?
カードローンの利用者数に関して、正確に把握できるデータがあるわけではありません。
しかし、2015年に金融庁が発表した調査書によると、調査対象者のうち「最近3年以内に借入申し込みをした」と回答した人は、8.7%だったそうです。
この調査における「借り入れ」は、カードローンのみを対象にしているわけではありませんが、カードローンの利用者数を推測するのに非常に参考になるデータと言えるでしょう。
現在の日本の人口は1.3億人弱ですから、1,000万人前後の人がカードローンを利用しているとも考えられるわけです。
1,000万人という数字を多いと思うか少ないと思うかは、個々人の感覚次第だと思いますが、カードローンを利用することは決して珍しいことではないのです。
日本の借金人口を調べてみた!
続いては、カードローンに限らず、今の日本ではいったいどれくらいの人が借金をしているのかについて、いくつかのデータを見ていくことにします。
信用情報機関の登録件数から読み取る
まずはJICCやCICなどの信用情報機関に登録されている件数から確認してみます。
この機関に登録されている件数は、「なんらかの借金をしている」、または「借金をしたことがある…」ということを表わします。
これを見ると、JICCの登録件数は直近のデータでは「1,067.8万人」、CICの登録件数は「1,688万件」となっています。
各々加盟している貸金業者などが若干異なるため、数字が少し異なりますが、おおよそ1,000万人~1,600万人の人が、なんらかの借金をしているということになります。
カードローンの貸付件数から読み取る
次に、日本貸金業協会の統計データも見ていくことにしましょう。
このデータを細かくみていくと、月間の貸付残高や件数などがわかります。
ちなみにこの統計によると、消費者金融やクレジットカードのキャッシングで金利15%~20%の借り入れをしている件数は、「7,200万件」ということになっています。
先ほどの信用情報機関の登録件数「1,000万人~1,600万人」と比較すると、非常に多い印象を受けますが、これは一人あたり複数件の借り入れをしている証拠でもあります。
また、1円でも残高が残っている件数もこの中には含まれます。
いずれにせよ、非常に多くの人が「実は借金をしている…」という日本の実態が垣間見れます。
日本人の平均借り入れ額は?
カードローンでの平均借り入れ額に関しては、全体の6割以上が10万円未満の借り入れという調査結果が出ており、50万円未満まで金額を増やせば全体の8割近くになります。
まとまった金額を借り入れるという用途で利用している人もいると思いますが、ちょっとお金に困ったときにカードローンに頼る、というような使いかたをしている人が多そうな印象を受けますね。
資金使途が決まっているローンでは、何らかの目的のためにローンを利用するので、借り入れ金額が大きくなりがちです。
しかしカードローンは資金使途が自由であり、借り入れたいときに自由に借り入れられるという柔軟さが、借り入れ金額に多少なりとも影響を与えているのでしょう。
借金の理由で最も多いのは生活費?
では、カードローンを利用している人達は、どんな理由でお金を借りているのでしょうか?
意外に多い生活費の補填
カードローンやクレジットカードのキャッシングでお金を借りる理由のTOP3は、以下のようになっています。
1位:生活費を補うため(38.1%)
2位:欲しいものがあったが、手元にお金がなかったため(28.5%)
3位:クレジットカードの支払い代金を補うため(21.4%)
以上を見る限り、冒頭でも触れた日本の経済成長とは裏腹に、個人では非常に困窮しているケースも多いことがわかります。
◆金融庁公式サイト:「貸金業利用者に関する調査・研究<調査結果>」
何故生活費に困窮しているのか?
しかし、なぜ一部の人が借金をしてしまうのか…?
借金をしなくても生活ができている人がたくさんいる一方で、生活費に困って借金をしてしまう人の理由についても、もう少し深堀してみたいと思います。
その理由は日本の物価の高さ、離婚率の上昇、税金の負担など、いくつかの理由がありますが、現在の日本の雇用情勢も影響しています。
下記に参考URLを掲載していますが、直近のデータでは日本の非世紀雇用率は37.5%となっています。
ということは10人いれば約4人弱の人が、給与の低いパートやアルバイト、または派遣社員で生活をしている…ということになります。
このような雇用形態の場合は、どうしても給与が低い傾向があるため、借金をせざるを得ない背景の一つになっていると考えられます。
◆厚生労働省公式サイト:「正規雇用と非正規雇用労働者の推移」
ギャンブル依存症も原因の一つ
また、若年層の借金理由で意外に多いのは、「ギャンブル」というものです。
パチンコ依存症などはその典型で、一時よりは数は減っているとはいえ、依存症に悩んでいる人はいまだ320万人以上居ると言われています。
パチンコ依存症の人がみな借金をしているとは限りませんが、少なくともそのような人は自制心が効かなくなっているため、かなり借金している率は多いと見られます。
◆日本経済新聞デジタル公式サイト:「ギャンブル依存症疑い320万人 厚労省推計、諸外国と比べ高く」
借金を早期に返済するには?
借金をすること自体は、決して悪いことではありません。
ただ、借金をすると返済をしなければならない以上、多少なりとも家計に負担がかかります。
返済期間が長期化すればするほど、利息負担が重くのしかかることになるので、借金はできるだけ早期に返済する必要があります。
借金を早期に返済するためには、どうすればいいのでしょうか。
返済シミュレーションで常に残りの借金を確認しよう
借金をする前には、毎月いくら返済すればどれくらいの期間で完済できるかを確認するために、返済シミュレーションを行うことが重要です。
行き当たりばったりで返済を続けているようでは、いつか必ず破綻してしまいます。
この返済シミュレーションを、借り入れを行う前だけではなく、返済を行っている間も継続して行うことが重要です。
当初の予定通り返済を続けられているのであれば問題はありませんが、予定はいい方向にも悪い方向にも狂ってしまうものです。
毎月返済に回せるお金が変動しそうなのであれば、そのお金をもとにして再度シミュレーションを行い、家計にとって最適な形で返済していけるように修正しなければなりません。
完済というゴールが見えてきた場合は、最後は一括返済を行って少しでも早く支払いを終えることも、検討してみましょう。
ただし、無理して一括返済を行ってしまって家計の余裕をなくしてしまうと、急な出費が発生した場合に対応できず、結局改めて借り入れを行うことになってしまいます。
完済は急いだほうがいいですが、決して無理をしてはいけません。
増え続けた銀行カードローンの利用者
ここで、日本の借金人口を押し上げた理由のひとつである「銀行カードローン」の存在についても、あらためて説明していきたいと思います。
銀行カードローン利用者が増えた理由
以前は「カードローンと言えば消費者金融」というのが定番でしたが、2015年以降は、個人貸付残高で銀行が消費者金融を上回るようになりました。
それは銀行が企業への融資で利益を得られなくなり、個人融資に力を注いできたこと、さらには銀行カードローンが総量規制の対象外ということもあり、過剰融資が許されてきたことが背景にあります。
金融庁も立ち入り検査へ
そのような背景を受け、最近では低下の一途をたどってきた自己破産の件数が、再び増加に転じたり、銀行カードローンで年収の50%を超える融資が行われるなどの過剰融資が目立つようになってきました。
事態を重く見た金融庁は立ち入り検査などを行い、その結果、大手銀行の中にはテレビCMを自粛したり、限度額を総量規制と同じ年収の1/3までと決めるところも出始めています。
◆日本経済新聞デジタル公式サイト:「金融庁、3メガ銀に検査入り カードローン実態調査」
◆産経ニュースデジタル公式サイト:「三菱東京UFJ銀、カードローンCMを自粛 過剰融資批判に対応」
2018年からは即日審査不可に
さらに、2018年の1月からは銀行カードローンはカードローン申し込み時には警察庁データベースへの照会が義務付けられたため、即日審査や即日融資も不可となりました。
これは、銀行融資が暴力団の資金源に流れることを防ぐための規制ですが、今後益々このような規制が厳しくなることも予想されます。
借金している人の行く末とは?
次に、以上のように増え続けている借金をしている人達は、今後どんな結末を迎えるのか?
いくつかのパターンが考えられますが、その各々について触れていきたいと思います。
完済して見事復活する人
借金したとしても、全ての人が破滅に至る訳ではなく、借金地獄から見事這い上がった人もたくさん居ます。
しかし、そのような借金から復活する人に共通しているのは、「絶対に完済する!」という強い意志を持っていることと、まわりのサポートがあることです。
借金完済は非常に長い道のりですので、必ず家族のサポートが必要です。
益々借金が増える人
借金を完済する人がいる一方で、毎年借金が増え続けてしまう人もいます。
そのような人の多くは現実から目を背ける傾向があり、キャッシングをもはや貯金を下ろすような感覚で利用しています。
また、これらの人の特徴として、借金返済のためにまた借金を繰り返す、いわゆる「自転車操業」を繰り返している人も少なくありません。
債務整理をする人
どうしても返済が厳しくなった場合には、自己破産・任意整理・個人再生などを選択する人もいます。
確かに中には借金がゼロになる人もいるため、借金から逃げている…と思われるかもしれませんが、人並みの生活を送ったり、生活再建に向けて努力するためには、やむを得ない判断とも言えます。
借金から逃げる人
また、中には借金を返済せず、逃げ続けている人もいます。
しかし、今の日本社会では借金から逃げ続ける…ということは不可能です。
たとえ逃げ続けたとしても、結局は定職にも就けませんし、住居を構えることもできなくなるため、そのような人はホームレスを選んだり、自ら命を絶つようなケースも少なくありません。
借金をしないために、今なにをすべきか
少し暗い話題になってしまいましたが、そのような借金をせずに生活する方法についても、いくつかご紹介しておきたいと思います。
まずはカードローンの返済の恐ろしさを知る
カードローンなどを利用する際は、とても簡単に申し込みができるため、ついつい返済のことを考えずに申し込んでしまう傾向があります。
しかし、カードローンを利用する前には、必ず「返済シミュレーション」で、返済がいかに大変か…ということを自ら確認されることをおすすめします。
たとえば、300万円の借金を5年で返済するとなると、一体いくらの利息が必要なのか…。
大手カードローンサイトには、返済シミュレーションのコーナーがありますので、一度ご覧になってください。
きっと驚愕の結果が出ると思います。
借金せずにやりくりする方法
また、普段の家計管理をきちんと行い、借金せずにやりくり方法も身につけるようにしましょう。
有名な家計管理方法といえば、「五週家計管理法」や「3口座管理法」ですが、各々そのキーワードで検索すればやり方が出てきます。
まだやったことがない人は、一度チャレンジしてみてください。
収入を増やす
最後に、収入を増やすということも忘れないようにしましょう。
収入が少ないから借金をするのであって、どうしても生活に困窮しているなら、すぐにお金を借りることに頼らずに、副業やバイトなどを検討してみるようにして下さい。
人間その気になれば、本業とは別に3~5万円程度なら十分稼げます。
意外と安心、カードローン
そうはいっても、カードローンはなかなかハードルが高い、とおっしゃる方も多くおられるでしょう。
最後に、カードローンを利用する際に、安心して利用できるポイントを2つお伝えします。
ポイント①カードローンに慣れない!
一つ目は、カードローンを利用することに慣れない、ということです。
そんな当たり前のことを・・と思われるかもしれませんが、これがやっぱり一番大切なんです。
よく聞く話ですが、カードローンをたびたび利用していると、「借りる」という意識が薄らいで、自分の貯金から「引き出し」ているような感覚に陥ってしまうことがあるようです。
目的に関わらず借りられるだけでなく、利用枠内なら何度でも簡単に借りれるのが、カードローンです。
そのため、簡単に利用できてしまい(それがメリットにもなるのですが…)「引き出し」ている感覚に陥ってしまい、気が付くともう手遅れ、、なんてことも。
そうならないために、まずカードローンは借金なんだ、という自覚をしっかり、はっきりと持つようにしましょう。
カードローンは、あくまで一時的なもの、という感覚を忘れず、利用することに慣れないようにしてください。
ポイント②繰り上げ返済を多用する!
二つ目は、繰り上げ返済を利用することです。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額よりも早く、そして多く繰り上げて返済することを言います。
繰り上げ返済をすれば、借り入れ残高を確実に早く減らすことができます。
それだけでなく、借り入れ残高を減らしていけばそれにかかる利息も少なく済みますので、返済総額も少なく済むというメリットもあるのです。
お金が貯まった時や臨時収入が入ったときなど、タイミングを見つけて繰り上げ返済を行えば、カードローンを利用することにも慣れずに済みますよね?
まとめ
今回は日本の借金事情や、借金に陥る原因、そして借金しないようにするためにはどうすべきか…ということについて、いくつかの情報をお届けしました。
この記事でもお伝えしましたが、カードローンは一瞬にして現金を手に入れられますが、無計画に利用していると、いつかは返済不能に陥ります。
必ず「最少限度のお金を最短で返す」という鉄則を守って利用されることを、おすすめします。