ローン審査では何を見られる?返済能力や借入状況が重要

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お金が必要だけれど手元に現金がない場合、ローンを利用する選択肢があります。生活費に充当したり、住宅や車の購入、教育資金の工面したりするなど、目的はさまざまですが、ローンを利用するには審査に通過しなければなりません。

「ローンの審査にはどんな項目があるのだろう」
「ローンの審査で何が重要視されるのだろう」

本記事では、ローン申込時に審査を行う目的や審査の流れ、ローンの審査基準、審査項目について解説します。その他に、ローン審査に落ちる人の特徴などもまとめたので、これからローン審査を受ける予定がある人はぜひ参考にしてください。

ローンの審査を行う目的

ローン申込時に審査を行うのは「申込者の返済能力」「申込者の借入状況」の2点を確認するのが目的です。

申込者の返済能力の確認

申込者に返済能力が認められない場合、ローン審査に通過しません。返済能力とは「返済に充当するお金を確保できるのか」「借入金を継続的に返済できるのか」という能力です。

ローンを契約した場合、中長期にわたる返済が継続します。仮に申込者が借入不能に陥った場合、貸し倒れとなって損失につながるリスクが高いです。
そういったことを避けるために、申込者の年収や職業属性、信用情報の履歴などから返済能力を判断し、審査通過可否を決定します。

返済能力を確認するのは、カードローンや住宅ローンなど、どのローンにも共通します。借り入れをするなら、審査は必要不可欠な工程と解釈してください。

申込者の借入状況

貸金業者が提供するローンを契約する場合、貸金業法の総量規制の対象となる点に注意してください。総量規制とは「貸金業者は、本人の年収の3分の1を超えるが貸し付けをしてはならない」とする制度です。

例えば、年収600万円の人が借り入れできる上限は200万円で、それ以上の融資を受けられません。
また、他の貸金業者から借り入れがある場合、融資可能額は借入残高と総量規制の上限額との差額です。年収600万円の人ですでに150万円借りているなら、あと50万円しか借りられません。

総量規制を超える貸し出しをした貸金業者は、業務指導や登録の取消、営業停止といった厳しい処分(貸金業法第24条の6の4第1項の2)を受けてしまいます。そうならないためにも、審査時に申込者の借入状況を把握しておく必要があるのです。

なお、総量規制の対象となるとなるのは消費者金融やクレジットカード会社などで、銀行は含まれません。

ローン審査の流れ

ローン審査の一般的な流れをまとめると、以下の通りです。

  1. ローンの申し込み
  2. 必要書類を提出
  3. 審査
  4. 審査通過後に融資契約
  5. 融資開始

ローンの種類は複数ありますが、審査を開始するのは申し込み手続きが完了し、必要書類を提出した後です。そして、審査通過後に審査結果が通知されるのが一般的な流れといえるでしょう。

ローン審査に必要な書類

ローンの審査を受ける前に、必要書類を準備しておくといいでしょう。一般的にローン審査で必要な書類は、以下の通りです。

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
  • 収入証明書

その他に、ローン残高が確認できる下記の書類が必要です。

住宅ローンの場合:購入物件の概要が分かる資料(パンフレットやチラシ、間取り図、物件概要書、見積書、土地の公図など)
車のローンの場合:見積書、契約書
他社に返済中のローンがある場合:償還予定表の写し、残高証明書、契約内容

ローンの審査基準と審査時にチェックされる項目

ローンの審査基準や審査時にチェックされる項目について、詳しく解説します。

ローン審査でチェックされる項目

ローン審査でチェックされる主な項目を表でまとめたので、参考にしてください。

審査項目内容
勤務先会社規模の大きさ(資本金や社員数、売上金など)を参考にする場合がある
勤務形態正社員が審査に有利ではあるものの、契約社員や派遣社員でも、継続した安定収入があるとみなされれば、審査通過の可能性は十分に高い
勤続年数勤続年数の長さが審査通過可否を左右する場合があります。勤続年数が短い場合、転職が多い、安定収入がないと判断されやすい
年収年収の基準はローンによって異なります。返済能力が求められるため、収入と返済額のバランスが重要。ただし、年収が高い方が融資を受けられる金額も高くなる
健康状態返済期間が長期にわたる住宅ローンは団信(団体信用生命保険)への加入が義務づけられている場合がある。健康状態に問題があって団信に加入できない場合は、融資を受けられない可能性が高い
所有資産住居が持ち家か賃貸か、預貯金や土地といったの所有資産も審査時に参考にする場合がある
返済負担率返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合。一般的に無理なく返済が可能とみなされる返済負担率は20~25%以内とされていて、借入後に25%を超える場合は審査が不利になる可能性が高い
信用情報クレジットカードやローンの返済トラブル(返済遅延や債務整理など)を起こしている場合、審査で不利になりやすい

審査基準は会社によって異なる

ローンの審査基準は、実際に申し込むローンによって異なります。しかし、各社とも具体的な審査基準を公開していません。どのローンも返済能力を重要視する点は共通しますが、確実な審査基準を把握できない状況です。

A社は審査否決だったけれど、B社の審査には通過したというケースも発生します。1社の審査に落ちただけで、ローンを利用することを諦める必要はないでしょう。

審査の所要時間

ローンによって審査の所要時間が異なります。一般的な審査の所要時間をローンの種類別に表でまとめたので、参考にしてください。

ローンの種類審査の所要時間
カードローン ・消費者金融カードローン:最短30分程度
・銀行カードローン:最短翌営業日
フリーローン・数日〜2週間程度
住宅ローン ・事前審査:1日〜1週間程度
・本審査:1週間~3週間程度
教育ローン・2週間~20日程度
事業性資金融資 ・プロパー融資:1週間〜1ヶ月程度
・信用保証協会付き融資:2週間〜1ヶ月程度
・ビジネスローン:1〜2週間程度

ローンの借入金額が大きくなるほど審査にかかる時間が長くなりやすいです。
また、金融機関のローンを利用する場合、反社会的勢力への融資防止を目的に警察庁データベースへの照会が義務付けられています。照会結果が出るまでに時間がかかることから、金融機関のローンは最短即日融資に対応していません。

その一方で、消費者金融カードローンは、警察庁データベースへの照会を実施しないため、最短即日融資が可能です。

審査結果の通知方法

審査結果の通知方法は、申込時に申告したメールまたは電話です。迷惑メール対策でドメイン指定受信をしている場合はいったん解除する、かかってきた電話には出られるようにしましょう。

ローンの審査に落ちる理由

ローンの審査に落ちる主な理由は以下の通りです。

  • 希望借入額に対して収入が低い
  • 他社にも連続で申し込んでいる
  • 他社ローンやクレジットカードで返済トラブルを起こしている
  • 属性情報がローンの審査基準を満たしていない
  • 在籍確認が取れない

それぞれの理由について解説します。

希望借入額に対して収入が低い

希望借入額に対して収入が低い場合、審査通過が難しくなる傾向にあります。返済を継続できる能力がないと判断される可能性が高いからです。
どのくらいの収入が求められるのかは、ローンによって基準が異なるため一概には言えません。収入面で不安な人は、申し込むローンの担当者に相談したり、公式サイトにある「借入診断」などを活用したりするといいでしょう。

他社にも連続で申し込んでいる

同時期に複数のローンへ申し込んでいる場合、審査否決となる理由になり得ます。過去のローン申込履歴は、信用情報機関が管理・保有する信用情報に登録されていて審査時に確認されているからです。
短期間に連続して申し込んでいる場合「金銭面に余裕がない」「返済能力が低い」とみなされてしまいます。

他社ローンやクレジットカードで返済トラブルを起こしている

過去にローンやクレジットカードを利用した際に、何らかの返済トラブルを起こしている場合も、審査通過が難しくなります。ローン審査で照会する信用情報には、申込者の返済履歴なども登録されているからです。

以下のような返済トラブルを起こしている場合、信用情報に金融事故として登録されます。信用力が低いと判断され、一定期間は全てのローン審査に通過できません。

返済トラブル登録期間
延滞・滞納1〜5年
債務整理5〜10年
強制解約最大5年
代位弁済最大5年

登録期間が過ぎれば、信用情報から金融事故の情報は削除されます。しかし、一度登録されたら削除されることはないため注意が必要です。

属性情報がローンの審査基準を満たしていない

雇用形態や勤続年数といった属性情報が、申し込むローンの審査基準に該当しない場合も審査に落ちてしまいます。属性情報の項目は以下の通りで、例えば雇用形態が正社員であったり、勤続年数が長かったりする方が審査において有利です。

  • 年収
  • 完済時の年齢
  • 職業
  • 雇用形態
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 居住形態
  • 居住年数

先ほど述べたように、雇用形態は派遣社員や契約社員よりも正社員、勤続年数は長い方が有利になります。

在籍確認が取れない

審査の最終段階で実施する在籍確認が完了しないのも、ローン審査に落ちる理由の一つです。
在籍確認とは、申込者が申告した勤務先に間違いがないか、勤務実態があるのかを理由に実施する行為です。在籍確認の実施方法はローンによって異なりますが、勤務先に電話をかけて実施するケースも多いです。

在籍確認の電話は申込者本人が対応しなくても問題ありません。申込者ではなく、同僚や上司などが電話に出ても「〇〇(申込者)は席を外しております」などと返答すれば、在籍確認は完了します。

なお、在籍確認は申込者のプライバシー保護のため、社名を名乗らず審査担当者の個人名で電話をかけるのが一般的です。在籍確認の電話だけでローンに申し込んだ事実が周囲に知られる可能性は低いので、安心してください。

ローン審査に落ちた際の対処法

ローン審査に落ちたとしても、半永久的に申し込めないわけではありません。再度の申し込みは可能ですが、審査に落ちるには何らかの理由があります。審査に落ちたローンの基準に該当しなければ、何度審査を受けても同じ結果しか出ないでしょう。

審査基準が異なるローンなら審査に通るケースもありますが、再度審査を受ける前に自身の状況を見直してみてください。以下のように何からの状況変化があれば、審査通過の可能性を高められるでしょう。

  • 安定収入を継続的に得られるようになった
  • 転職してから1年以上経過している
  • 他社借入(クレジットカードやローンの)の残高が減少した
  • 返済トラブルを解消した
  • 返済トラブルを解消してから5年以上経過している
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