気になるオリックス銀行の格付けは!?ネット銀行の信用度を図る指標
ネット銀行を利用するのが初めての場合、どうしても「銀行の信用度」は気になるものです。
一般的な銀行の場合は、銀行のカウンターにいるスタッフに、不安な点を色々聞くことも出来ますが、ネット銀行は店舗がありませんので、それが出来ません。
では、実際のところネット銀行の信用度はどうなのでしょうか…?
今回はオリックス銀行を例に、格付けランクなどから見えてくる信用度について、詳しく調べてみる事にします。
銀行の信用度を測る格付け制度とは?
ところで、みなさんは民間の格付け専門会社というものをご存知でしょうか?
企業のホームページや、経済ニュースなどを見ていると、頻繁に出てくるこの「格付け会社」ですが、主に投資を目的としている企業や個人の方が、投資の対象としている会社の信用度を測る為に、この格付けの情報を利用します。
格付け会社の種類
まず、オリックス銀行の格付けをご紹介する前に、企業の格付けを行う会社にはどんな会社があるのか…という点から見ていきたいと思います。
格付け会社は海外法人・日本法人など、いくつかの会社がありますが、「ムーディーズ・ジャパン(MJ)・スタンダード&プアーズ(SP)・格付投資情報センター(RI)といった会社が格付け会社としては有名です。
ちなみに、格付投資情報センターという会社は、1975年3月に日本経済新聞が発足させた「公社債研究会」というものが後々法人化されたものですが、企業や金融機関などの事業内容や財務基盤などをチェックしてランク付けを行い、その情報は一般にも公開されています。
格付け会社の視点とは
では、以上でご紹介した格付け会社は、どんな視点で企業や金融機関を評価しているのでしょうか?
評価の視点は、各社によって異なる部分はあるものの、おおまかな部分では「対象としている企業にお金を貸した場合、そのお金がきちんと返済されるだけの信用力があるかどうか?」という点が、最も大きな視点となります。
つまり、対象企業が債務を確実に支払えそうなら格付けは上がり、逆に財務基盤に不安があり、借金が返済できないリスクがある場合は、格付けは下がるという事になります。
ちなみに、企業や金融機関を判断する項目は、「収益性」「キャッシュフローの規模や安定性」、「負債のバランスや財務構成」が主な項目です。
オリックス銀行の格付けは悪くない
少し前置きが長くなりましたが、ここからは肝心のオリックス銀行の格付けについて、詳しくみていきたいと思います。
直近のデータを見ると、オリックス銀行に対してはスタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン(S&P)が「A-」、格付投資情報センター(R&I)が「A+」という評価をしています。
◆スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン(S&P)発行:「格付け一覧」
◆格付投資情報センター(R&I)公式サイト:「信用格付関連:オリックス銀行」
ちなみに、このAーやA+などという表記ですが、アルファベットのAの数が多いほど評価が高く、逆にBやCが付くと、企業としての信用度は低いという事になります。
例として、S&Pの格付け記号とその内容を表にしてまとめてみましたので、参考になさってください。
スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン(S&P)の格付け基準
格付けランク | 指 標 |
---|---|
AAA | 当該金融債務を履行する債務者の能力は極めて高い。 S&P の最上位の個別債務格付け。 |
AA | 当該金融債務を履行する債務者の能力は非常に高く、最上位の格付け(「AAA」)との差は小さい。 |
A | 当該金融債務を履行する債務者の能力は高いが、上位 2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化の影響をやや受けやすい。 |
BBB | 当該金融債務履行のための財務内容は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって当該債務を履行する能力が低下する可能性がより高い。 |
CCC | 当該債務が不履行になる蓋然性は現時点で高く、債務の履行は、良好な事業環境、金融情勢、および経済状況に依存している。 事業環境、金融情勢、または経済状況が悪化した場合に、債務者が当該債務を履行する能力を失う可能性が高い。 |
その他の視点でオリックス銀行を評価
次に、オリックス銀行の財務指標から見た信用度についても、調べてみる事にしましょう。
自己資本比率は?
企業の信用度をはかるうえで、「自己資本比率」というのはとても大切なポイントです。
自己資本比率とは、返済不要な自己資本が、資本の何%あるかを示す数値ですが、「自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)」という式で求められます。
つまり、資本と一言で言っても他人から借り入れたお金や社債、つまり「返済が必要なお金」が含まれるため、本当の資産はどれだけるのか?という指標の事を指します。
ちなみに、オリックス銀行の直近の財務データでは、自己資本比率は10.9%となっています。
尚、下記に日本銀行協会のHPを掲載していますが、日本で銀行を開く場合、最低でも自己資本比率は4%以上である事という条件がありますから、オリックス銀行はその基準を十分に満たしているという事になります。
オリックス銀行 2018年財務指標データより
◆オリックス銀行公式サイト:「2018年3月期 財務説明資料」
ROEは?
次に見ておくべきポイントは「ROE」です。
ROEとは、”Return On Equity”の略で、株主が投資したお金を使って企業がどのくらい利益をあげているのかがわかる指標です。
その指標が高い企業ほど、効率的に株主資本を活用できているという事になります。
尚、オリックス銀行の直近のROEは13.2%となっており、中期的な目標である11%を超えているという事ですので、こちらも問題はなさそうです。
ちなみに、銀行の格付けでオリックス銀行よりも低い評価を受けているSBI新生銀行の場合、直近のROEは「6.15%」となっていますから、やはりオリックス銀行は財務上特に問題ないと言えます。
信用度が高い銀行=良い銀行か?
ここまで、オリックス銀行の格付けや、信用度を見極める為の指標など、いくつかの情報をお届けしました。
では、結局のところ信用度や格付けが良い銀行は、利用者にとっても良い銀行と言えるのでしょうか?
自分が銀行に何を求めるのかが重要
結論から申し上げますと、資産が何億円…というような巨額の資金を預け入れる方以外は、今の日本ではどんな格付けがされた銀行でも、特に不安はありません。
それよりも、「自分が銀行に求めるスペックはなんなのか?」という点を重要視したほうが良さそうです。
ある人は金利を重視するかもしれませんが、ある人は手数料無料の面を重視する場合もあります。
そのように、ネット銀行でもその銀行が持つ特徴は様々ですので、信用度よりも、提供されるサービスなどをよく調べてから、銀行選びをするほうが賢明と言えるでしょう。
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信用度が高くても手数料が高い銀行もある?
さらに申し上げると、銀行としての信用度が高かったとしても、手数料が高い銀行はいくらでもあります。
例えば、メガバンクと言われる銀行は格付けや信用度も高いかもしれませんが、振込手数料も高いですし、定期預金の金利もオリックス銀行の1/20といった感じになります。
(※オリックス銀行のeダイレクト定期預金300と、三井住友銀行の定期預金利率を比較した場合)
何度も申し上げますが、信用度が高い=良い銀行とは、必ずしも言えないという事になります。
まとめ
今回は少し難しい話題になってしまいましたが、オリックス銀行の格付けや信用度など、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、銀行選びは迷う点がたくさんありますが、結局は「フィーリング」だったり、「キャンペーンの内容」だったり、自分が「ピン!」とくる内容があるかどうかを見極めながら判断するのがいいのかも知れませんね。
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