滞納した住民税は引っ越しても催促される?解決策は?
住民税の納付は、年4回の分割、もしくは一括で行います。
一定額以上の所得のある人に対して課税されるものですから、就業形態に関わらず納付義務があります。
万が一、住民税を滞納してしまった場合、引っ越し先まで催促が及ぶのでしょうか?
この記事はこんな人におすすめ
この記事は次のような人におすすめの内容となっています。
- 住民税が払えなくて困っている人
- 住民税の督促状が届いて焦っている人
- 住民税を滞納しているが引っ越しを控えている人
住民税を滞納したら役所に相談!
住民税の支払いができない場合、そのまま放置しておこうと考える人もいるかも知れません。 しかし、税金を滞納し続けると最悪の場合差し押さえされるということもありますので、督促状などが届いたら、早急に役所に相談することをおすすめします。 支払えない事情を話せば、減免措置などをとってもらえるかも知れません。
支払い方法を相談に乗ってもらえる
住民税を滞納した場合、期日までに納付した人と同じ納税額では不公平ですので、延滞金が課せられます。
また、督促状に応じなければ、次の段階へ進みます。
自治体にもよりますが、大まかな流れは以下の通りです。
- 督促状が届く
- 催告書が届く(財産の調査をしますよというお知らせ)
- 財産差し押さえ(給与含む)
財産差し押さえになると、給与から住民税を支払うことになります。(必要な生活費だけは確保される)
ただし、これはあくまで、支払いの意思がなく、逃げ続けた場合です。
支払いの意思があるけれども、現在の経済状況が厳しく、期日までの納付が難しい場合は、役場の納税課に相談をしましょう。
その人の経済状況によりますが、無理のない範囲での、住民票の分割払いや減免を認めてもらえるケースもあります。
差し押さえ通知がきてからでも遅くない
住民税を滞納すると、まず督促状が届き、次に催告状が届き、それでも支払わらないでいると差し押さえ予告書が届きます。 ここまで行く前に、できれば早い段階で役所へ相談に行くのが理想です。 しかし、差し押さえ通知書が届いてからでも納税は遅くないので、役所に相談しましょう。
免除や減額になる場合も
住民税が支払えなくても、役所に相談すれば一定の基準に該当する場合、免除や減額措置をとってくれることがあります。 次に該当する人は、減免の対象となります。
- 生活保護を受けている
- 失業した
- 前年に比べ所得が大幅に減少した
- 障害者、未成年者、寡婦(寡夫)である
- 災害被害を受けた
これらの条件にあてはまり、なおかつ住民税の納付が困難であると認められた場合、減免が認められます。
地方税滞納整理機構の場合は一括納付のみ
住民税の滞納を防止するために、自治体によっては「地方税滞納整理機構」という債権回収団体に債権の回収業務を移行しているところがあります。 地方税滞納整理機構の債権回収については、「取り立てが厳しい」という訴えも出ているほどで、今以上に強硬な取り立てをされる可能性があります。 そういった事態にならないためにも、早めに役所に相談に行くことが大切です。
住民税滞納の相談の流れ
住民税を滞納したら、役所の税務課に出向きましょう。 担当者と分割払いや減免などについて話し合い、必ず支払える方法を選びます。 基本的には、役所の窓口に出向きますが、自治体によっては電話でも分割払いや減免の相談ができるところもありますので、まずは電話で確認してみるといいでしょう。
相談に必要な書類
相談に出向くときには、必要な書類があるので、忘れずに持参しましょう。 一般的に必要とされる書類は次のものです。
- 給与明細(直近2~3か月分)
- 源泉徴収票
- 通帳
- 身分証明書(運転免許証)
相談内容によっては、さらに追加した方がいい書類もありますので、窓口に行く前に役所に電話をして、必要書類について確認しておきましょう。
住民税の滞納金を分割で支払う方法
住民税が支払えない場合、まず提案されるのが分納です。 督促状や催告状が届いてしまってからでも遅くはありませんので、なるべく早く相談に行きましょう。 分割納付額は、担当者と相談の上決めますが、「自分はいくらなら支払えるのか」をあらかじめ計算しておくことをおすすめします。 生活費などにいくらかかるか明細を書き出しておいてもいいでしょう。 これだけの手取り金に対して、これだけの生活費がかかるということが一目で分かれば、担当者も相談に乗りやすいです。
延滞金の支払いも必要
住民税の支払いが遅れているということは、当然延滞金も発生しています。 期日通りに支払っている人との不平等感をなくすためのペナルティですね。 延滞金は滞納期間が長くなるほど高額になりますので、早期解決を心がけましょう。 延滞金の金利は、次のように2つに分かれています。
- 納期翌日~1か月
- 2か月目~納付日
最大年7.3%(またはその年の特例基準割合に年1%を加算した割合)
最大年14.6%(またはその年の特例基準割合に年7.3%を加算した割合)
このままですとちょっと分かりづらいと思いますので、具体例を用いて計算方法を確認してみましょう。 例えば、15万円の住民税を2か月延滞した場合です。
- 納期翌日~」1か月の延滞金
- 2か月目~納付日の延滞金
15万円×7.3%×30日÷365日=900円…①
15万円×14.6%×60日÷365日=3,600円…②
したがって、①+②=4,500円となります。
分割納付を滞納してしまった場合
住民税を分割払いにしてもらっても、支払えないこともあるかも知れません。 納付期限までに住民税を納められず滞納してしまうと、一括納付を請求されたり、突然差し押さえが実行されたりする可能性があります。 「分割で支払います」と言ったにもかかわらず支払えなくなってしまったのなら、早めに役所に相談に行きましょう。
住民税の督促を無視すると差し押さえ!
住民税を滞納している人の中には、「税金を滞納しても大丈夫だろう」と甘く見ている人もいるかも知れません。 しかし、督促状や催告状を無視し続けていると、突然差し押さえされるという可能性もあります。 具体的にどのようなものが差し押さえられるのか、またどのようなタイミングで行われるのか、あらかじめ確認しておきましょう。
給料や年金を差し押さえられる
差し押さえの対象となるのは次のものです。
- 給料(ただし、原則差し押さえできるのは4分の1まで)
- 預貯金(普通口座の他にも、定期預金、当座預金なども含む)
- 自動車(ただし、生活必需品の場合は差し押さえ不可)
- 動産(骨董品、貴金属、有価証券など)
なお、実印や仏壇・位牌、生活必需品などは差し押さえされません。
支払い期限はいつ?差し押さえのタイミング
差し押さえ予告書(差し押さえ調書とも言われる)が、差し押さえ前の最後の郵便物となります。 それに記載されている支払い期限までに支払わないと、差し押さえが実行されます。 差し押さえが実行できるのは、国税徴収法によると督促状が届いてから10日後には可能とされています。 それ以降はいつ差し押さえを受けても文句は言えないことになります。
住民税を滞納しても引っ越しできる?
引っ越しするときは、役所に転居届や転出届を提出する必要があります。
ちなみに転居届と転出届は、意味合いが異なります。
転居:同じ自治体の管轄内での引っ越し
転出:異なる自治体への引っ越し
特に転出の場合、住民票を移動しなければ、年金や税金、選挙関係の通知も届かないなど、必要な市民サービスを受けられないケースもあるので注意しましょう。
では、滞納している税金が原因で、引っ越しができないなんてことはあるのでしょうか?
結論から言うと、引っ越し自体は問題なくできます。滞納分を払うまで引き止められ るなんて言うことはありません。
住民税は自治体に納める税金
税金のうち、住民サービスに最も関係する住民税について注目してみたいと思います。
住民税は、都道府県税と市町村民税のことをいいます。 収めた役所の管轄の、環境整備や医療や福祉の充実のために納付しなくてはいけません。 住民税は、所得税や相続税などの国税ではなく、自治体に納める税金です。
税額決定通知と引っ越しのタイミング
住民税の税額は前年度分の1月~12月の所得に対して計算・決定されます。
新年度の税額を知るには、6月ごろに、税額決定通知書を受け取る必要があります。
通知書を受け取る前に引っ越して、転居届が出されていないとすると、受取りそびれてしまうかも知れません。
住民税の支払い方法
住民税の支払い方法には、大きく分けてふたつあり、受取り方法もそれぞれに異なります。
- 特別徴収:会社員が勤務先の給与天引きで支払う方法
- 普通徴収:納付書に従って個人がコンビニや金融機関の窓口で支払う方法
1については、税額通知書が会社経由で手渡されるだけで、自分で何かアクションを起こす必要はありません。
また、公的年金からの特別徴収が認められるケースもあります。
2は、納付書に従って、個人がコンビニや金融機関の窓口で支払う方法です。 6月の上旬頃「決定通知書」が個人に送付されます。
税額決定通知の前に、退職をしていた場合は、やはり個人宅に送付されることになります。
引越し先に市民税や区民税の催促がくる
住民税とは、道府県税(都民税)と市町村民税(東京23区なら特別区民税)の総称を言います。
市民税は通常、道府県税(都民税)とセットで、居住している自治体に支払う形になります。
では、引っ越し先への催促は、いつまで行われるのでしょうか?
なお、転出先が分かっている場合は、転出先へ督促状が送られてきます。
住民税の時効は5年
住民税は、5年が時効とされています。 果たして、5年間も督促から逃げ続けられるものでしょうか?
文書や電話での催促に応じないなど、悪質な滞納者の場合、自宅訪問や捜索も行われます。
従って、時効は制度上は存在するけれども、実際はないものと考えましょう。
それよりも、役場の納税課に相談に行って、分割払いにしてもらえるよう交渉してみましょう。
税金滞納で入居審査に影響する?
入居審査は、賃貸物件に入居を希望するときに、家賃の支払い能力があるかを審査されます。
収入と家賃とのバランス、連帯保証人の属性、申し込み者の人柄などの諸条件から、総合的に判断されます。
基本的には不動産会社が審査を行い、大家さんが最終判断する形になります。
連帯保証人の代わりに民間の賃貸保証会社を介する場合は、保証会社の審査も必要になってきます。
保証会社は、信用情報機関を通じて、あなたのクレジットカードやカードローンの利用状況を把握できます。
税金の滞納がバレるケース
では、住民税を含む税金や公共料金を滞納していると、入居審査にマイナスの影響はあるのでしょうか?
基本的に、審査のときに自分でわざわざ申告しなければ、税金の滞納が知られることはありません。
しかし、以下の場合を除きます。
- 税金の納付をクレジットカード払いにし、かつ滞納している
- 税金滞納によって銀行口座が差し押さえられている
このような場合は、信用情報に登録されていますので、入居の審査は厳しくなると考えるべきでしょう。
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滞納した住民税の支払いから逃げるのは難しい
ここまで説明してきたように、滞納した住民税を支払わないまま逃げ切るのは実質不可能と言えます。 ちなみに、たとえ自己破産したとしても税金の支払いは免除されないので、必ず支払わなければなりません。 住民税を支払わずに逃げ切ろうなどとは、思わない方がいいでしょう。 後に自分にのしかかる負担が大きくなるだけです。
結婚しても戸籍を調べ催促がくる
「でも結婚して、名字が変われば逃げ切れるかも」と考える人もいるかも知れません。 しかし、いくら結婚により姓が変わったとしても、戸籍を調べられたらすぐにバレてしまいます。 結婚したあとに新居などに督促状などが送られてきますので、やはりどうやっても逃げ切れません。
Q&A:住民税の滞納に関する質問と回答
ではここからは、住民税の滞納に関するよくある質問について答えていきます。
- 生活保護を受けている
- 未成年者、障害者、寡婦(寡夫)で所得が基準以下
- 前年の所得が各自治体の定める額以下
の場合は住民税が非課税になります。
まとめ
住民税を滞納してしまうと、想像以上に重大な事態に陥ってしまうことになります。 督促状などで済む話ではなく、最悪の場合差し押さえが実行されることになります。 「どうしよう」といつまでも困っていても、延滞金がかさんでしまって事態は良くなりません。 住民税を滞納してしまった場合は、早急に役所に相談に行くことをおすすめします。
タグ:借金・お金の悩み