武富士の金利は違法だったのか検証してみた

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武富士の貸付金利は違法だったから過払い金請求されたと認識している人も少なくないようです。しかし当時の貸付金利は違法だったのでしょうか。

貸付金利が違法だったから、払いすぎた利息を返還しなくてはなくなり破綻したのではないか。実際武富士の貸付金利が違法だったのかどうか検証してみましょう。

執筆者の情報
名前:梅星 飛雄馬(55歳)
職歴:地域密着の街金を30年経営

武富士の金利は違法なの?

武富士の金利に違法性があるかどうか判断する前に、利息の上限を定めている2つの法律を知っておかなければなりません。

それは利息制限法と出資法です。

貸金業法が改正された2010年6月18日から、消費者金融やクレジットカード会社などノンバンクが貸し出す上限金利は利息制限法に統一されました。

しかし貸金業法が改正される以前、武富士をはじめとした貸金業者は出資法の金利を適用していました。

いち早く法律が改正されることを察知したのは大手消費者金融で、2006年から2007年にかけて利息制限法の上限金利を採用し、現在の金利水準まで下げています。

では出資法の上限金利でお金を貸し付けることは違法性があったのでしょうか。

武富士が倒産に至った原因は過払い金の返還請求に他なりませんが、当時の大手消費者金融と言われた武富士やアコム、プロミス、アイフルなどを含めて、ほとんどの貸金業者は出資法に違法性がないと考えていたフシがあります。

もしも出資法の上限金利が違法であったのなら、金融庁の定期監査や日本貸金業協会の前身である県単位で設置されていた貸金業協会の定期監査においても、何らかの行政指導があったはずです。

貸金業法が改正されるまで行政監督庁や日本貸金業協会が、金利について何の行政指導も行ってこなかったのは、金融庁や日本貸金業協会が出資法の金利は違法ではないから、そのまま営業を続けても問題ないと判断したからに他なりません。

当然ながら出資法の金利を超えて契約することは刑事罰対象となることから、出資法の金利に著しく違法性を欠くものなら出資法違反として警察が取り締まっていたことでしょう。

警察とすれば当時消費者金融業界の最大手であった武富士を出資法違反で取り締まることで、他の消費者金融に対して一定の指導効果もあったはずです。

少なくとも刑法上は武富士の貸付金利は違法ではなく適法と考えるべきでしょう。

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武富士の金利と出資法の金利

出資法の金利は過去5回改定され、その度に上限金利が引き下げられています。

そこで武富士の金利と出資法の金利を比較してみましょう。

①1954年
・出資法の上限金利は年109.5%

②1982年
・出資法の上限金利:年109.5%
・武富士の貸付金利:年41.975%

③1983年(出資法改定①)
・出資法の上限金利:年73.0%
・武富士の貸付金利:年41.975%

④1984年
・出資法の上限金利:年73.0%
・武富士の貸付金利:年39.785%

⑤1986年(出資法改定②)
・出資法の上限金利:年54.75%
・武富士の貸付金利:年39.785 %

⑥1987年
・出資法の上限金利:年54.75%
・武富士の貸付金利:年36.5%

⑦1988年
・出資法の上限金利:年54.75%
・武富士の貸付金利:年32.85 %

⑧1990年
・出資法の上限金利:年54.75%
・武富士の貸付金利:年29.2%

⑨1991年(出資法改定③)
・出資法の上限金利:年40.004%
・武富士の貸付金利:年29.2%

⑩1996年
・出資法の上限金利:年40.004%
・武富士の貸付金利:27.375%

⑪2000年(出資法改定④)
・出資法の上限金利:年29.2%
・武富士の貸付金利:年27.375%

⑫2010年(出資法改定⑤)
・出資法の上限金利:年20.0%
・武富士会社更生法申請

武富士の貸付金利の推移を見る限り、出資法の上限金利にあぐらをかくことなく、常に出資法以下の貸付金利を適応していたことがお分かりいただけたと思います。

まして武富士の貸付金利が年29.2%に引き下げたのが1990年のことであって、出資法の金利が年29.2%になったのは2000年のことです。

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武富士の何が違法だったのか

多くの皆さんは過払い金請求が認められるようになったのは、貸金業法が改正された2010年6月からと認識しているのではないでしょうか。

その結果武富士の貸付金利が違法と認定され、過払い金請求によって会社更生法の適用を余儀なくされた、その結果会社が更生することなく倒産に至ったと思っていることでしょう。

残念ながら過払い金請求が初めて民事裁判によって認められるようになったのは、1964年最高裁判決に由るところが大きいのです。

判決の内容を簡単にご説明すると、利息制限法を超えた金利で利息を支払った場合は、利息制限法によって定められた金利を超えた分の返還請求をすることはできないとしても、超過分の利息は元本に充当しなければならない、との判決を端に発しています。

さらに1968年最高裁判決において、超過分の利息を元本に充当した結果借金が消滅したにも関わらず利息を支払い続けた場合は、民法によって不当利得とされ返還請求できると判断を示したのです。

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出資法の金利は違法ではなかった

しかし当時の貸金業法には、お金の借主が自由意志によって支払った利息は出資法の金利であっても有効である旨の条文があったのです。

これを俗にいうところの旧貸金業法第43条みなし弁済と言います。

もちろん武富士もみなし弁済が適用される条件を知っていますので、貸付契約を結んだら必ず写しを渡すこと、及び返済を受けたら領収書を発行することをきちんと守り、貸金業法においても違法性は全くありません。

みなし弁済が認められれば1964年と1968年の最高裁判決を無視することが可能で、過払い金は発生しません。

不当利得返還請求(今で言うところの過払い金請求)事案が発生する原因は、旧貸金業法第43条守らなかった場合に限定され、なおかつ民事訴訟として訴えなければなりませんでした。

武富士をはじめとして貸金業者は旧貸金業法第43条をしっかり守り、出資法の上限金利を超えなければ違法ではないと認識していたことになります。

武富士の違法性は契約書にあった

ところが2009年最高裁判決によって旧貸金業法第43条は否定されることになります。

現在の契約でも返済期日までに返済しない場合は延滞金が発生することや、2カ月以上の長期滞納した場合は一括返済しなければならないことがカードローン契約書にありますよね。

延滞金や一括返済をしなければならないのか定めたことを、金融用語で言うと「期限の利益の喪失」と言います。

返済期日までであれば借主は自由にお金を使うことができること、返済期日以前に全額返済して欲しいと、消費者金融側が強制することはできないことを借主の利益と考え、このことを期限の利益と言います。

2009年頃まで消費者金融の契約書には「期限の利益喪失約款」が書いてあるのが普通でした。

しかし2009年の最高裁判決は、契約書に期限の利益を失った場合は一括返済しなければならないとするのは、みなし弁済を認めることになる借主の自由意志によって返済したとは認められない。

一括返済しなければならないことで返済を強要されていると判断したわけです。武富士の違法性は金利ではなく契約書にあったと言うことですね。

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