運び屋バイトで無実の人が懲役10年の実刑【即金どころじゃない】
運び屋とは特定のものを指定された場所へ届ける人、のことをいいます。
運ぶものは拳銃や銀行口座、携帯電話、麻薬など多岐にわたります。
トランスポーターというジェイソン・ステイサムが出演する映画は、まさに運び屋をテーマとした映画であり、その人気から2008年までに3作が公開されました。（アメリカではテレビ化されております）
運び屋自体が違法というわけではなく、違法なものを運ぶことが違法になります。また、違法でないものの場合、運び屋を使用する機会も少ないことから、運び屋=違法な仕事、バイト という認識があります。
認識の通り、表立って運び屋の仕事が募集されることは少なく、現在ですと裏バイトの掲示板で常に募集されております。
無実の女性が麻薬の運び屋にされる事件
1992年
にメルボルン事件といって、オーストラリアにて日本人観光客が麻薬の密輸によって有罪判決を受けた事件をご存知でしょうか。
日本人観光客のバックの二重底にヘロインが隠されていた罪で、日本人観光客5名に懲役15年から20年の実刑判決が出ました。
旅行の企画者A と同伴して旅行に行った本多千香さんは、無実であるにも関わらず10年もの間服役生活を送ることになりました。(2002年に仮釈放)
本多千香さんは企画者Aの兄弟と知人の関係で、旅行に同席したそうです。当初は、企画者Aを含め5人は麻薬の密輸を全面的に否定していました。（後日Aとその兄弟2人は、確信犯だったことが判明します）
メルボルン（オーストラリア）へ行く途中で経由したクアラルンプール（マレーシア）で持参のバックが盗難にあい、代わりにガイドが新しいケースを手渡したそうです。そのケースにヘロインが隠されておりました。
麻薬の密輸は最高刑で無期懲役
日本でも麻薬の密輸はかなり厳しく取り締まられます。
弁護士ドットコムの『覚せい剤と知らず「運び屋」になってしまった「旅行客」 どんな罪に問われるのか？』の記事によると、
海外からの覚せい剤の密輸で違法となるのは
- 覚せい剤取締法違反
- 関税法違反
だそうです。運んだ量によっても刑期が違ってくるそうで、数キロ程度でも10年の実刑判決をうける、とのこと。
本人が覚せい剤のことを全く知らず密輸した、他の人に騙されて密輸した場合、無罪となるそうです。
一方、全く知らずを立証することは難しく、証拠に基づく事実認定で有罪か判断されるそうです。
借入のすべて、で紹介している森下さんの場合、韓国からの麻薬の密輸の話を闇金融業者から受けたと語っておりました。
もし森下さんが話を受けて密輸していた場合、密輸としての犯行となりますから、覚せい剤密輸の容疑で無期懲役の刑が執行されていた可能性があります。意外と身近に麻薬の運び屋、という存在を感じます。
税関でも厳しく運び屋を警告
税務署HPより引用
ポスターに乗っているように、運び屋で麻薬の密輸を手伝っただけでも、重い罪で罰せられます。
他人から預かった荷物でも自分は知りませんでした、で話を片付けることはできません。麻薬の密輸はどの国でも重罪となります。中国やマレーシアでは最高死刑判決が下されます。
| 国名 | 最高刑 |
|---|---|
| 日本 | 無期懲役 |
| 韓国 | 死刑 |
| 中国 | 死刑 |
| マレーシア | 死刑 |
| フィリピン | 死刑 |
| タイ | 死刑 |
| シンガポール | 死刑 |
| オーストラリア | 終身刑 |
| フランス | 無期懲役 |
| イギリス | 無期懲役 |
| エジプト | 死刑 |
| アメリカ | 無期懲役 |
麻薬の吸引による犯罪の発生が多く確認されていることから、各国の薬物の刑は厳罰となっております。
またアジアに限った話で言うと、19世紀中盤に起きたアヘン戦争の発端から、覚せい剤が人間を退廃的にしてしまう、薬物は絶対に断つべきという教訓があるのかもしれません。
税関による動画も公開されておりますので、興味ありましたら是非ご覧ください。
税関はどのように運び屋を見抜くのか
警察でも厳しく取り締まり
警察のHPでも薬物の運び屋に関する注意喚起を行っております。海外だけでなく、日本でも厳しく罰せられます。HPにけいさいされてい例をいくつか紹介します。
以下の事例を見ると、ほんの些細な軽い気持ちから運び屋に手を出しているのがわかります。それにたいして懲役の長さが運び屋がいかに重罪か、思い知らされます。
運び屋の体験談
仕事もなく、居候先の男に相談していたところ、「海外旅行に行ってくるだけで５０万円くらいになる仕事がある。渡航費用も心配いらない。」と誘われ、金欲しさから「運び屋」になった。(懲役8年 罰金300万円)
借金返済後、再度、借金を申し込んだところ、「儲け話がある。ヤバい仕事。スーツケースをマレーシアから持って帰るだけ。」と誘われ、会社の運営資金等欲しさに「運び屋」になった。（懲役７年 罰金3００万円）
刑務所仲間から、「仕事がある。シャブの密輸。警察から見つかっても、外人から無理矢理運ばされたと言え。お礼はする。」と誘われ、出所後に世話になっていたことと金欲しさから「運び屋」になった。（懲役９年 罰金２５０万円）
元職場の同僚から、「海外からカバンを運ぶ仕事をしないか。」と誘われ、金欲しさから「運び屋」になった。その後、同僚から紹介された者から「カバンの蓋の内側に物を隠している。Ｘ線検査も検知されない。」と言われた。（懲役８年 罰金４５０万円）
運び屋、という名の詐欺事件も
なかには運び屋の仕事といって、お金をだまし取る詐欺事件も発生しているそうです。
私も裏掲示板等をあさり運び屋の仕事を徹底して調べましたが、「1日で50万円もらえる」「物をあるとことまで運ぶだけでOK」などの文言が並んでおり、犯罪の匂いをぷんぷんと感じました。
お金に困って運び屋に手を出す前に、運び屋で10年の実刑判決を受けるか、お金を消費者金融から借りる。
大手消費者金融.中小消費者金融でも借りられない状態でしたら債務整理を行ってまた人生をやり直す。犯罪に手を染めて一生を棒に振らないように、あなたもご注意ください。
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