ゆうちょがマイナス残高になるのはなぜ?マイナスになった場合の対処法
ゆうちょ銀行の通帳を記帳したときに、残高がマイナスになっていて驚いたという人もいるでしょう。
「どうしてマイナスになったの?」「マイナスだとどんな影響があるの?」と焦ってしまいますよね。
最初にお伝えしたいのは、残高がマイナスになっても全く心配する必要はないということです。
この記事では、ゆうちょ銀行の残高がマイナスになる原因や対処法を詳しく解説していきます。
記事の目次
ゆうちょの通帳がマイナスになる原因は?
まずは、ゆうちょの通帳がマイナスになる原因から確認していきましょう。
ゆうちょ銀行の総合口座には定期貯金、定額貯金、国債、財産形成貯金を設定できます。
口座から引落としや引出を行ったときに残高が足りない場合、設定した貯金や国債を担保にして、自動的に貸付けられるようになっているのです。
自動的に貸付が行われると、ゆうちょの通帳残高がマイナスになるという仕組みです。
貯金担保自動貸付
貯金担保自動貸付は、ゆうちょの総合口座に担保定期貯金や担保定額貯金があれば、それを担保に借入ができるものです。
マイナス残高になった人のほとんどは定期貯金か定額貯金を利用しているのではないでしょうか。
ゆうちょの提携ATMからであれば、営業時間はいつでも借入や引出ができますし、ゆうちょATMなら利用時間に関わらず手数料が無料で出金できます。
利用限度額は担保定額・定期預金で預けている金額の90%までとなっていますが、上限は300万円で、貸付期間は最長で2年(2年以内に満期日を迎える場合は満期日)です。
貯金担保自動貸付はカードローン代わりに利用できる
貯金担保自動貸付は限度額以内であれば何度でも利用できます。
期間内に返済すれば、限度額内なら繰り返し融資が受けられる点はカードローンと同じです。
さらに、銀行や消費者金融のカードローンよりも金利がはるかに低いので、低金利で融資が受けられます。
国債等担保自動貸付
国債等担保自動貸付は、総合口座にゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口で購入した国債があれば、それを担保に借入できます(借入期間は最長1年)。
こちらも、普通貯金の残高を超える引落としがあったときに、不足分が自動で貸付されるので、通帳の残高がマイナスになる可能性があります。
貸付限度額は、国債の80%で最高200万円までです。
なお、国債等担保自動貸付は、2019年3月29日をもって新規申込の受付は終了しています。
財産形成貯金担保自動貸付
総合口座に財形年金定額貯金または財形住宅定額貯金があれば、それを担保にして請求時の残高の一定割合に相当する金額を貸付けてもらえます(借入期間は最長2年)。
借入金額は預金金額の90%相当額で、最高300万円までとなっています。
担保とする貯金1件につき1回しか利用できませんが、借入単位は1,000円からなので、無駄なく借入できます。
ただし、2019年3月29日をもって新規申込の受付は終了しています。
通帳残高がマイナスになった場合の対処法は?
ゆうちょではこのように自動的に貸付けられることで通帳残高がマイナスになることがあります。
焦る必要はありませんが、「通帳がずっとマイナス」という状態は気持ちのいいものではありません。
通帳残高がマイナスになった場合の対処法を、詳しく紹介します。
ゆうちょの貯金通帳に入金する
マイナスを解消するためには、「ゆうちょの通帳に入金する」だけでOKです。
「それだけでいいの?」と疑問に思う人もいるかも知れませんが、マイナスの金額を入金しておけばそれで大丈夫なんです。
普通口座に入金すれば自動で返済が行われ、マイナス状態は解消されます。
ただし、借入額のほかに利息分も差し引かれますので、その分も入金することを忘れないでください。
解約はゆうちょ銀行窓口でのみ対応
返済するお金がないときは、担保となっている担保定期貯金や担保定額貯金を解約するという方法があります。
解約すると、解約金から貸付元金と利息が差し引かれた金額が総合口座に振り込まれます。
なお、解約はゆうちょ銀行の窓口のみの取り扱いとなりますので、窓口営業時間に出向く必要があります。
貯金担保自動貸付を放置するリスク
ゆうちょの貯金担保自動貸付を受け、通帳がマイナスのまま放置しておくと以下のリスクがあります。
- 利息が発生する
- 解約時に借入分が減額される
利息が発生する
ゆうちょの貯金担保自動貸付は、申し込み手続きを取らずに自動的に貸付をしてくれる便利なサービスではありますが、融資である以上必ず利息が発生します。
貯金担保自動貸付の貸付利息は、次のように定められています。
- 担保定額貯金:返済時の約定金利+0.25%
- 担保定期貯金:預入時の約定金利+0.5%
たとえば、2020年2月25日現在の約定利率は0.010%なので、定額貯金を担保にした場合は、0.010%+0.25%=0.26%となります。
貯金担保自動貸付は利率がカードローンよりも低いため、定額貯金を担保に5万円借りて90日後に返済する場合でも、利息は32円です。
ただし、利息は日割り計算となるため、借入期間が長引くほど支払う利息は多くなります。
解約時に借入分が減額される
自動貸付された分を返済できない場合は、担保となっている貯金が満期を迎えるとき、または解約するときに借入金に充当されます。
つまり、「定期貯金があるから大丈夫」と思っていても、解約したときに一部が返済にまわされてしまうということです。
「いつか使うときのためにゆうちょに貯金をしておこう」と思っていたはずが、本当に必要なときに残高がない可能性も出てくるのです。
Q&A
ゆうちょ銀行の口座残高がマイナスになったときの、よくある質問に答えていきます。
マイナスになっても、あわてなくて済むように確認しておきましょう。
はい、マイナスの場合は追加でも借りられます。
担保となっている定期貯金・定額貯金の90%までが借入できますので、まだ余裕がある場合はゆうちょから追加で借りられます。
ただし、借り過ぎると返済の負担が大きくなりますし利息もかかりますので、必要最小限に抑えることが大切です。
通帳は、マイナスのままでは解約できません。
担保となっている貯金等を解約して総合口座に入金し、マイナスを清算してからゆうちょの解約手続きをとります。
入金はATMからでも可能ですが、解約はゆうちょ銀行の窓口での取り扱いとなります。
残高がマイナスのときの送金は、担保の範囲内であれば可能です。
担保となっている貯金等の90%(または80%)までなら、引落としと同様に送金もできます。
いつどこに送金したのかは、通帳を記帳すれば簡単に確認できます。
まとめ
ゆうちょ銀行の総合口座に定期貯金や定額貯金、国債、財形貯金を設定しておくと、一定割合の貸付が利用できます。
そうすると残高がマイナスになってしまいますが、特に心配する必要はありません。
口座引落としで、たまたま残高が足りなかったときは便利ですが、常にマイナスになっていると利息がかかります。
また、解約のときに担保が返済に回されるので、必要最小限の利用にとどめ、できるだけ早めに返済するようにしましょう。