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法人倒産したいけれど費用がない!どうすればいいの?

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「会社を法人倒産したいけれど、その費用が工面できない!」

実はこんな悩みを抱えている会社経営者は少なくありません。

経営が立ち行かなくなって資金繰りができないから倒産させる、だからお金がないのは当たり前です。

「このような状況を国がどうにかしてくれないの?」

そう思っている経営者は多いですが、法人倒産させるためには裁判が必要となるため、弁護士や司法書士といった専門家の力が必要となってきます。

これら専門家の人たちは公務員のように税金から収入を得ているわけではなく、サービスに対する対価を収入としているので、この人たちの力を借りるにはその対価の支払いが発生するのは当然なのです。

しかも裁判にも費用が発生するため、裁判所に支払うお金も必要になってきます。

事実、費用が用意できない場合は辞退を申し出る専門家が大半ですから、酷いようですが費用がなければ法人倒産することは難しいのが実情でしょう。

そこで法人倒産にかかる費用にはどのようなものがかかってくるのか、そしてこの費用はどのように捻出すればよいのかなど、法人倒産における注意事項を詳しく解説します。

執筆者の情報
名前:馬井実
年齢:49歳
性別:男性
職歴:1992年~2008年まで地方銀行で貸付業務に従事
この記事はこんな人におすすめ

今回の記事は以下の人におすすめの内容です。

  • 法人の破産を行いたいが費用がなくて困っている人
  • 法人破産には具体的にどの程度費用が必要か気になる人
  • 法人破産に関して注意しておくべきポイントが知りたい人

法人破産するにはお金が必要!

法人破産つまり会社を倒産させるのにお金が必要だなんて、夢にも思っていなかったと言う人もいるでしょうが、実際にはそんなに甘くはありません。

法人破産のときには大きく分けて、必ず下記3つの費用が必要になってきます。

  • 弁護士費用:破産申立代理人となる弁護士の報酬
  • 裁判費用 :裁判所に納める印紙代や郵便切手代、交通費や通信費などの実費
  • 管財予納金:破産管財人の報酬に充てられる実費

これら金額は破産させる会社の規模や内容によって大きく違ってくる上、弁護士報酬は依頼先によって設定金額が違うので、どれくらいの金額が必要になると明言できませんが、一般的にはトータルで100万円程度の費用がかかります。

それではこれら3つの費用についし詳しく解説しておきましょう。

弁護士費用

法人破産は裁判によって結審されるため、法人破産の申し立てをしてその後の裁判を進めていくための代理人として、弁護士を雇うことが必須となってきます。

そこで気になってくるのが弁護士費用です。

弁護士費用に関しては、依頼する弁護士との合意内容によって変わってきます。

一般的には50万円というラインが最低額ですが、中には30万円と安いところもあるので、弁護士費用を抑えるためにもいくつかの弁護士事務所に当たってみる必要があるでしょう。

しかし、最低額を抑えたとしても弁護士費用は下記の条件によって変動します。

  • 廃業済みかどうか
  • 債権者数はどうか
  • 処分する資産はあるか
  • 決算書の粉飾があるか
  • 急を要する事情のあるなし
  • 事務処理量はどうか

これら条件が難解になるほど弁護士費用は大きくなり、場合によっては数百万円に上るケースも出てきます。

裁判費用

法人破産は裁判が必要となるため、裁判所に支払う手数料が発生します。

これには事務手続きに必要な印紙代や郵券費(郵便切手代)も含まれ、前もって納付が必要になってきます。

しかし、弁護士費用のように高額なものではなく、3万円程度で考えておけば十分でしょう。

その主なものは下記のとおりです。

  • 申立手数料の収入印紙代 破産申立1,000円、免責申立500円
  • 郵券費 数千円程度(東京地方裁判所の場合は4,100円)
  • 官報掲載のための広告費 10,000円~15,000円くらい

管財予納金

弁護士費用とともに高額となるのが管財予納金です。

管財予納金とは裁判所によって管財事件と判断された場合、債務者が負担しなければならない費用です。

管財事件とは?

破産手続きは下記のどちらの事件とされるのかによって、支払う予納金に大きな差が出てきます。

  • 管財事件
  • 同時廃止事件

管財事件は裁判所が破産管財人を選任して、その破産管財人が会社の財産を調査した上、その財産を処分して債権者に配当する手続きが取られます。

これに対して同時廃止事件は破産管財人の選任がなく、破産手続きが進められるため、破産管財人に対して支払う費用が発生しないので管財事件のように予納金が高額となりません。

ただし、自己破産の場合には同時廃止事件とされることが大半ですが、法人破産の場合には同時廃止事件とされることはほとんどなく、その大半が管財事件として扱われることになります。

破産管財人は外部招聘

そして管財事件で破産管財人として選任されるのは、裁判所の人員ではなく外部の弁護士となります。

つまり破産管財人は裁判所が外部招聘(しょうへい)する形となるため、その破産管財人である弁護士を雇う費用が発生してくるのです。

もちろん、この破産管財人を雇う費用は債務者が支払うこととなります。

管財予納金が高い理由は、支払う相手が弁護士だったからと言うわけですね。

またこの管財予納金は法人の抱える負債総額によって、下記のように額が変わってきます。

  • 5000万円未満      70万円
  • 5000万円~1億円未満  100万円
  • 1億円~5億円未満   200万円
  • 5億円~10億円未満   300万円
  • 10億円~50億円未満    400万円
  • 50億円~100億円    500万円
  • 100億円以上      700万円

※東京地方裁判所の管財事件の場合

一番安くても70万円と言う高額な費用が発生するのです。

しかし、法人破産を行うのに実質2人の弁護士を雇わなければならないなんて、これは破産を求める経営者にとっては大きな負担でしかありません。

そこでその負担を軽減することを目的に設けられた手続きが少額管財事件です。

少額管財事件については後ほど詳しく解説するので、管財予納金の準備が難しい人は検討してください。

自己破産の費用

法人経営者が自己破産をするかどうかは、法人の借金や融資に対して個人保証を行っているかがポイントです。

倒産させる会社の借金に対して保証人となっている場合には、連帯して借金の支払い義務が生まれるため、会社と併せて自己破産をしなければなりません。

自己破産を行うための費用についても、大きなものに弁護士への依頼費用が割合を占めます。

個人の自己破産の費用は最低額でも20万円程度必要であるケースが多いですが、法人の倒産の依頼と同じように、弁護士事務所によって費用が大きく変動します。

また、法人の破産の依頼をするときに合わせて個人の自己破産を相談すれば、別の法律事務所に依頼するよりも費用を抑えられる可能性があるので、弁護士に相談してみましょう。

法人破産にかかる費用はいつ支払うの?

それでは、法人破産にかかる費用の支払い時期について解説します。

弁護士費用は裁判が結審した後に精算されますが、弁護士事務所が設定している最低金額は着手金として最初に支払う必要があります。

また裁判所への費用は申し立てしないことには破産手続きが始まりませんから、これも手続き開始時に必要となります。

そして管財予納金も同様で、裁判所から破産管財人が選任された時点で支払うことになります。

支払期限が特に規定されているわけではありませんが、破産管財人である弁護士は支払いが済まなければ破産手続きは開始しません。

遅れるだけ自分の首を絞めることにもなりかねませんし、あまりにも支払いが行われないようだと裁判所から破産申し立ての取り下げが求められます。

したがって、法人破産を行う場合は弁護士に相談した時点で、今回説明した3つの費用すべてが支払える状態でなければならないのです。

「弁護士費用ふたり分の支払いなんて、破産を行う状況では無理だ」と言う人もいるでしょう。

しかし、管財予納金に関しては東京地方裁判所のように5万円ずつの分納を認めているところもありますし、弁護士にしても分割支払いに対応してくれるところがないわけではありません。

一括支払いが厳しいと言う人は、まずは分納が可能かを調べてみるのもひとつの手でしょう。

法人破産する場合の注意点

法人破産の場合には個人の自己破産と違い周りへの影響が大きいため、破産手続きは自己破産に比べて厳格、かつ慎重に進められます。

したがって、その手続き中に経営者が良かれと思ってやったことが、かえって周りに迷惑をかけることになるケースも少なくないのです。

そこでそのような結果とならないためにも、法人破産するときによく理解しておいてもらいたいのが破産管財人の持つ否認権です。

自己破産の場合には破産後も生活していかなければならないという問題があるため、ある程度の資産の保有が許されていますが、法人破産の場合には資産全てが処分されることになります。

そこで問題となってくるのが、その資産である管財を管理する破産管財人の持つ否認権なのです。

否認権とは?

否認権とは簡単に説明すると本来ならば管財として取り扱われるはずの資産が、破産手続き開始直前に処分された場合に取り戻せる権限を指します。

これは中小企業によく見られるのですが、親しい取引先だけには迷惑をかけたくないと考え、破産手続き開始前に残っている資産を処分して返済するケースが非常に多く見られます。

この経営者の気持ちはよく分かります。

しかし、ほかの債権者には返済せず、特定の債権者だけに返済することは、債権者の平等性を損なうこととなるため否認権の対象となるのです。

この結果、債権者に対して支払った財産については返還請求を起こされ、最悪な場合は訴訟を提起される可能性も出てきます。

良かれと思ってやったことが、かえって債権者に大きな迷惑をかける結果となることもあるのです。

また、下記の行為も同様に否認権の対象となります。

  • 破産前の事業用資産処分
  • 役員への報酬支払い

破産前に法人が所有している資産を処分すれば否認権の対象となってしまい、その返還作業に時間や労力が余分にかけられるため、手続き完了となるまでに無駄に時間が長くなります。

先ほども解説しましたが、手続きが長くなってしまうとその分弁護士費用などが高くついてしまう危険性があるのです。

破産前の法人資産は債務者に平等に配当されるものであることから、裁判所も財産の処分に関してはかなり過敏に対応し、厳しい措置を取ることが少なくありません。

この点を十分理解し、破産手続きを長引かせることのないよう注意して下さい。

法人破産は現預金が最大化した時がベストタイミング

ここまでの内容で法人破産は資産が全くなくなった時点で行うよりも、余剰資産があるうちに手続き開始するのがベストな方法であることは理解できたでしょう。

法人破産にかかる費用は法人資産から支払うことが認められているので、先程紹介した否認権の対象とはなりません。

したがって、余剰資産があるうちならば安心して法人破産の手続きを行えるのです。

法人破産の手続きの目安は?

資金繰りが厳しくなった状況では下記のケースが想定できるため、債務者に対する支払いが余儀なくされます。

  • 銀行支払いの苦慮
  • 取引先支払いの苦慮
  • 給与支払いの苦慮

また税金の滞納があれば現金化できる資産が差し押さえとなる可能性もあるため、法人破産の費用捻出は難しくなってくるでしょう。

こうなってしまっては会社の資産から、破産費用を捻出することは難しくなってしまいます。

そこで法人破産を検討するタイミングの目安として欲しいのが、1か月前後は通常営業できる余力がある時点です。

これ以上会社継続が厳しいなと言うのは、経営者なら直感的に分かるはずです。

その時点で弁護士等の専門家に相談し、破産すべきか建て直しを図るべきかを相談してみるのがベストでしょう。

まったく費用捻出ができない状態では法人破産はできません。

そうなってしまっては事態を深刻化させるだけです。

破産費用を確保するためにも、専門家に早期相談するようにして下さいね。

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破産費用がない!払えない場合の対処法

法人破産は経営がギリギリ行えるうちに行うのがポイントと紹介しましたが、実際問題として破産費用が用意できないタイミングまで、経営の悪化がすすむケースもあり得ます。

このような破産費用が用意できないときには、どのようにして費用を捻出すれば良いのでしょうか。

ここでは、破産費用が用意できないときの対処法について解説します。

弁護士に依頼し少額管財事件を利用する

法人破産が管財事件として扱われる場合、管財予納金が用意できずに困る人は、少額管財事件を利用すれば管財予納金を少額にできます。

この少額管財事件で手続きが進められれば、管財予納金は20万円と70万円から大幅に軽減ができます。

しかし、この小額管財事件は破産法に規定されたものではなく、あくまでも管財事件にかかる高額な費用を軽減しようと設けられた制度のため、裁判所からしてみれば必ず運用しなければならない制度ではありません。

事実、当初は少額管財事件を運用したのは東京地方裁判所のみで、近年は徐々に運用拡大の傾向が見られ、大阪地方裁判所をはじめとして札幌、横浜、静岡など利用できる裁判所は増えてはいますが、地域によっては利用できない人がいるのが事実です。

またこの少額管財事件を利用するには、申立代理人が弁護士であることが条件となっています。

司法書士に依頼している場合には、この少額管財事件を利用できないので、この点はよく覚えておくようにしてください。

少額管財事件は運用している裁判所ならば利用しない手はないのですが、まだまだ地方都市では運用されていないのが実情です。

地方都市にお住まいの方は70万円の管財予納金が必要になってくると覚悟しておくといいでしょう。

予納金や弁護士費用を分割で支払う

予納金や弁護士費用は、裁判所や弁護士事務所によっては分割支払いに応じてもらえる場合があります。

例えば、東京地方裁判所の場合には、予納金の分割払いを取り扱っており、最大4回まで予納金の分割に応じてもらえます。

また、弁護士を通しての引継予納金の場合、弁護士によっては積立や分割での支払いに応じてもらえる可能性もあります。

弁護士費用に関しては、弁護士事務所独自で分割支払いに対応してもらえるケースもあります。

どちらにせよ、居住している地域によって制度が異なってくるため、一度弁護士事務所に相談してみることをおすすめします。

自己破産を先に行う

どうしても法人破産の予納金や弁護士費用が用意できず、借金の請求に悩まされている状態であれば、先に法テラスに個人の自己破産の相談を行うと言う手もあります。

法テラスは法人の破産については、相談に乗ってもらったり、弁護士の紹介や費用の分割をしたりしてもらえませんが、個人の自己破産であれば借金の原因に関係なく話を聞いてもらえます。

個人の自己破産を行っている間であれば、借金の取り立ては個人に対して止まるため、返済に関する精神的苦痛は軽減が可能です。

この返済の催促が止まっている間に、知人や家族を頼って弁護士費用や予納金をかき集めるというのもひとつの手段です。

法人破産できない場合はどうなる?

これまで紹介してきたように、法人破産には一定のお金を用意しなければなりませんが、もしもお金が用意できずに法人破産ができない場合には、取引先や融資を受けている金融機関から、継続して債権の催促が行われます。

会社の資産が残っている場合には、債権者達は裁判所に差し押さえの許可をもらう手続きを行い、会社の資産を強制的に徴収しにくるでしょう。

また、会社経営者が会社の負債の保証を行っていた場合には、連帯して責任をとる必要があるため、併せて差し押さえが行われる可能性もあります。

法人破産や個人の自己破産を行っていれば、差し押さえなどの裁判が行われる可能性は低いため、どうにかして破産用の資金を手に入れたいところです。

ただし、いくらお金が必要だと言ってもヤミ金に手を出すことはやめましょう。

ヤミ金は法律違反の取り立てを平気で行うため、一度手を出すと確実に痛い目に遭ってしまいます。

法人の破産費用に関するQ&A

法人の破産費用の金額や、破産費用の支払い時期など紹介してきましたが、まだまだ伝えきれていない情報が幾つかあります。

ここでは、法人の破産費用に関する内容の中で、特に質問が多かった内容をQ&A方式で回答しているので是非確認してください。

①法テラスで法人の破産を取り扱ってもらえる?

法テラスでは残念ながら、法人の破産については取り扱ってもらえません。

しかし、先ほども紹介したように、個人の自己破産については相談に乗ってもらえるため、会社の借金の支払いの必要がある経営者は是非相談に行ってください。

②法人が破産した場合、税金はどうなる?

法人が破産した場合には、法人は消滅することになるため、税金や社会保険料の納付義務も併せて消滅します。

もしも、従業員の社会保険料や税金の支払いを滞納していたとしても、倒産までの支払いは消滅してなくなるので、支払う必要はなくなります。

③法人が破産すると代表者個人の財産も差し押さえられる?

法人が破産したときに、代表者の財産が差し押さえられるかは、債権の保証を法人代表者が行っているかがポイントです。

もしも、借金や融資の保証を代表者が行っていない場合には、代表者の財産は差し押さえられません。

④法人が破産すると連帯保証人はどうなる?

会社経営者の父などが、法人の借金対して連帯保証人となっている場合には、法人が破産したとしても連帯保証人のもとに借金の取り立てが向かいます。

ただし、保証協会を通じて行っている融資の場合には、保証協会が借金の回収を行う可能性があります。

⑤法人破産と同時に自己破産した場合の生活費はどうなる?

自己破産を行った場合には、自分の所有している財産を全て処分しなければならない訳ではなく、一部の財産は引き続き保有し続けられます。

例えば、現金であれば99万円まで保有できますし、生活必需品と判断される財産であれば処分されません。

また、自己破産後の給料なども処分されないので、ただちに生活ができなくなる心配は少ないでしょう。

まとめ

法人を破産させるのにもお金が必要となります。

経営者であれば、会社の先行きが不安になったら早めに弁護士に相談を行い、破産を行うか再生をするかの判断をしましょう。

相談が遅れてしまい、対応が後手に回るほど自分の首を絞める結果になるため、一刻も早い行動が大切です。

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