飲酒運転で罰金が払えないときはどうすればいい？

飲酒運転の罰則は、凄惨な事故が問題になったことを受けて2002年、2007年、2009年と頻繁に厳罰化が実施されました。

2018年時点では、飲酒運転の違反点数は35点、5年以下の懲役と最大で100万円の罰金も定められています。

厳罰化の影響もあり、以前に比べ減ってきている飲酒運転ですが、それでも「ちょっとくらい飲んでも大丈夫」と思って運転してしまう人もまだいます。

今回は、飲酒運転の罰則と高額な罰金を払えない時にどうすればいいのかについて見ていきたいと思います。

今回ご紹介する記事は、以下の方へとても参考になる記事です。

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飲酒運転の罰金刑っていくら？

飲酒運転で捕まった場合は、その程度に応じて罰金や違反点数が科されることになります。

事故を起こさなかったとしても、年末年始などは集中してアルコール検査をしていますので、飲酒運転をしていることが判明し、罰金や懲役刑を受けることも少なくありません。

酒気帯び運転と酒酔い運転の違い

もしまっすぐ歩けなかったり、ろれつが回らなかったりするほどに酔っていた場合は、正常に運転できない状態で運転したとされ、酒酔い運転という違反になります。

そこまでひどい状態に酔っていなかったとしても、アルコールが残った状態で運転したということで酒気帯び運転の違反となり、呼気1L当たりのアルコール濃度によって処分の重さが変わります。

アルコール濃度を測る検査で検出されたアルコールが0.15mg/L未満であった場合は、酒気帯びとはならず罰則等は適用されません。

飲酒運転の処罰内容

具体的な処分の内容ですが、以下の表のように刑事的な処分と行政処分の2つを受けることになっています。

刑事処分は多くの場合罰金となることも多く、初犯の酒気帯び運転であればアルコールの濃度にもよりますが、35万円前後の罰金が相場となっているようです。

いずれにしても、飲酒運転をしたことが判明すると、どんなに軽くても一発で免許が停止になり、重い罰金が科せられます。

上記の表では、それまで無事故無違反で運転してきたという前提での行政処分を載せていますので、もともと違反点数が累積していた人なら、さらに重い処分となることがあります。

また、飲酒運転で人身事故を起こしてしまった場合には、危険運転をした結果事故を起こしたと判断され、罰金ではなく懲役が科せられることになります。

同乗者も無関係ではない

飲酒運転の罪を問われるのは運転者だけではありません。

同乗者も責任を問われ、刑事処分と行政処分を受けることになります。

刑事処分は運転した本人よりは少し軽いですが、行政処分は運転手と同様のものとなるため、酒を飲んで運転しようとする人がいたら止めるようにしましょう。

初犯以外の酒気帯び運転の相場

ちなみに、初犯以外のときは、刑罰が重くなります。

前回の飲酒運転からあまり時間が経っていない場合には、反省をしていないということで、即、逮捕されることもあります。

また、前回の飲酒運転で執行猶予期間中だったときに、再度、飲酒運転をすると、執行猶予はかならず取り消されますし、すぐに実刑判決になることもあるでしょう。

再犯時の刑罰は、前回の懲役刑に今回の懲役刑がプラスされたものになります。

例えば、前回の刑罰が懲役刑1年・執行猶予2年で、今回の刑罰が懲役刑3年の場合は、1年＋3年で4年の懲役刑が執行されます。

飲酒運転の罰金支払いの流れ

飲酒運転は、場合によっては捕まった時点で身柄を拘束されることもあります。

軽い酒気帯び運転であれば、拘束されずに後日来る出頭命令に従って事情聴取され、略式裁判によって罰金が確定した後に、振込を求める通知書が届きます。

しかし、事故を起こしていたり、酔ってしまっている場合は、身柄が拘束されてそのまま逮捕となってしまう可能性は高いです。

前科があるかどうかや事故を起こしているかどうかによってその後は変わりますが、初犯であるときや事故を伴わない場合は、拘束されてもすぐに解放されてその後の略式裁判で罰金が確定します。

逆に事故を起こしていたりする場合は、そのまま勾留されて、正式裁判が開かれた上で、罰金ではなく懲役になる可能性があります。

罰金はいつ払う？

罰金は、裁判で刑が確定したときに支払います。

飲酒運転の罰金はいつ払うのでしょうか？

８月２０日に酒気帯びで捕まりました。
９月１８日に裁判所へ出頭せよとの事です。

引用：ヤフー知恵袋

この場合は、裁判は9月18日に実施されますので、裁判終了後、その場で罰金を支払うことになります。

酒気帯び運転で初犯の場合は35万円前後の罰金となりますので、お金を準備してから裁判所に行くようにしましょう。

罰金の支払い方法

罰金は、裁判所で納めます。

現金で支払いますが、現金がないときは近くのATMで下ろすようにと指示されますので、キャッシュカードを持っていくようにしましょう。

罰金が払えないなら分割払いは可能？

酒気帯び運転は初犯でも35万円程度の罰金になります。

かなり高額と言えますので、一括では支払えないという方も多いのではないでしょうか。

罰金の支払い期限

基本的には、罰金は裁判当日に払わなくてはいけません。

現金を用意して裁判所に出向くか、預金がある口座のキャッシュカードを持って裁判所に行きましょう。

罰金は原則として一括払い

罰金は、原則として一括払いです。

検察庁のホームページでは、「罰金を分割納付できますか？」という質問に対する答えが、以下のように提示されています。

罰金は，刑罰ですから，定められた期間内に一括して納付しなければなりません。

引用：検察庁「裁判の執行等について」

分割納付に応じてもらえる場合もある

どうしても期限までに支払うことが難しそうであったり、期限を既に過ぎてしまっているような場合は、検察の担当の人に相談してみるのも良いかもしれません。

罰金の納入は原則として一括でなければならないというのは検察庁のホームページにも書いてあるとおりですが、実際には事情によって分割や期限の延長を認めてくれることもあるようです。

法務省が発表している統計によれば毎年罰金納入者全体の数％は罰金の一部納入を行っています。

ただ、認められるかどうかは担当の検察の方次第で、認めるに十分な事情があるかどうかということも重要になってきます。

また、分割や延長が認められる場合でも、大幅な分割や延長が認めてもらえることはまずありません。

これは、罰金は経済的な痛みを与えて反省を促すためのお金ですので、楽に支払えるようでは罰の意味をなさないからです。

そのため経済的な負担にあまりならないような大幅な分割や延長は行われず、分割であれば2回か3回程度になるようです。

分割できないのは、嘘ではありません。

担当の検察庁によっては分割不可となることもあるのです。

罰金を払えないと強制労働も！

罰金刑が確定した時に、罰金を期限までに支払うことが出来ないときは、強制執行または労役のどちらかで強制的に罰金の金額分を精算することになります。

期限までに罰金を支払えなかった場合は、督促状が自宅に届き、再度支払いを促されます。

督促状に記された期間までに支払わないと、いよいよ財産差し押さえなどの強制執行が行われます。

強制執行をしても罰金の全額を精算できなかったり、元から強制執行できる財産がないなどのときは、労役をすることになります。

労役の場合、はじめのうちは出頭を求められますが、無視していると突然逮捕されて連れて行かれることもあり得るので気をつけましょう。

強制執行とは

強制執行とは、罪を犯した人が保有するものの中でお金になるものを押さえることで罰金を回収すること、つまり、財産の差し押さえを意味します。

一般的には、給料・預金・貴金属が差し押さえの対象になりますし、場合によっては、持ち家や車などと言ったものも差し押さえの対象となります。

その後、差し押さえたものは競売などにかけられて、その売上から罰金を差し引いた額が返金されます。

生活に必要な最低限の家財や貯金は差し押さえの対象とはなりませんが、生活にゆとりがなくなり、多大な損害を被ることになることも多いです。

過去我が家に住んでいた人宛に放置駐車の罰金督促状が届きまして。速かに支払わないと家財差押えます！ってやつ。電話して今は別の者が住んでいることを伝えたけど危うく警察さんが我が家の家財差押えに来るとこだったんでちゃんとみんな罰金払おうな。

— 藏合紗恵子 (@saezou813) 2018年1月9日

これは困りますよね。

ちゃんと連絡しておかないと、自分の罰金ではないのに家財が差し押さえられてしまいます。

労役とは

労役とは、罰金を精算し終わるまで強制的に働かされることを意味します。

労働の内容は一日八時間の簡単な軽作業となっており、基本的には土日は休みを取得できます。

基本的には一日あたり5000円と換算されるため、40万円の罰金をすべて労役で精算するには80日間働けばいいということになります。

ただ、労役は最長で二年間という制限もあり、罰金の金額が非常に大きい場合は、二年間で精算させるために一日あたりの金額を数万円などで換算することもあります。

一度労役が始まってしまうと、精算し終わるまで刑務所などの労役場から外に出ることは出来ず、懲役と近い状態になります。

仕事や学業などの日常生活を続けることが困難になってしまうので、できるだけ労役は避けたほうがいいでしょう。

ほんと、なんで飲酒運転なんかするんでしょうね。

お酒を飲むと判断力が鈍るからでしょうか。

しかし、判断力が鈍ったからといって、罰金50万円も労役も困りますよね。

言い古された言葉ではありますが、「飲んだら乗るな」を徹底的に頭に叩き込む必要がありますね。

罰金を自力で払えない場合の対処法

労役や強制執行はできれば避けたい処分ですが、その為には罰金を何とかして払うしかありません。

とはいえ、罰金の額が数十万円となっていることを考えると、普段から貯金をしていなければ、すぐに用意することは難しいでしょう。

罰金をどうにか払う方法としては、次の2つがあります。

親や知人から借りる

近くに頼れる親族や友人がいるような場合は、その人にお願いしてお金を借りることができないか検討してみましょう。

罰金が発生してしまったのは自分の責任でしょうし、できれば自分だけの力で払ったほうがいいですが、払えないのであればどうしようもありません。

強制執行を受けると自分の望まない結果を産んでしまう可能性も高いですし、労役も、時給にして625円という超低給与で働くことになると考えると、あまり気が進みませんよね。

ひとまずはお金を借りて罰金を一括で払い、後日、借りたお金を返済していく方が穏当な方法と言えるでしょう。

借用書を作っておこう

ただ、知人からお金を借りる場合は、人間関係に特に気を使う必要があります。

お金の貸し借りで人間関係が悪化してしまうことも多いので、きっちりと利子や返済方法などを明確にして、借用書や公正証書などをつくるようにしましょう。

また、滞納せずに返済していけるように、余裕を持った返済計画を立てておくことも大切です。

相手との関係によっては、金融機関などで借りるよりも安い利子で借りることができますね。

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カードローンで借りる

親や知人から借りるというのが難しい場合は、消費者金融などが提供しているカードローンを利用する方法もあります。

ただ、金融機関からお金を借りる場合は、質屋などの担保を取るものでなければ審査が行われます。

このため、審査に通って限度額が確定するまでは、罰金の不足分を全額借りられるかどうかわからないという欠点はあります。

とはいえ、他に借金を抱えていたり、過去に金融事故を起こしたりということがなければ、審査に通る可能性も十分あるので、試しに申し込んでみるのもいいでしょう。

既にクレジットカードに充分な額のキャッシング枠があるのであれば、無審査で利用できるキャッシング枠を利用するのも良いですね。

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飲酒運転で事故を起こした場合

また、飲酒運転で人身事故を起こしてしまった場合には、危険運転をした結果事故を起こしたと判断され、罰金ではなく懲役が科せられることになります。

当て逃げをした場合には、罰金刑の中でももっとも重い処罰を下されることが多いです。

例えば、酒気帯び運転の罰金は最大50万円ですが、酒気帯び運転および当て逃げのときは、最大金額である50万円の罰金刑になることが一般的です。

その他の交通違反の罰金

飲酒運転以外にも、交通ルールを守らないときは、処分が下されます。

主な交通違反の処分については、以下の通りです。

まとめ

飲酒運転は交通違反の中でも前科もつく犯罪行為ですので、絶対に避けなくてはいけません。

ですが、何かの拍子で飲酒運転をしてしまい、捕まってしまうことにならないとは限りません。

罰金の判決を受けた場合はなんとかして払わなくてはいけませんので、預金がない方は、親や知人、カードローンから借りることを検討してみましょう。

分割などが認められることも稀にはあるようですが、基本的には一括で支払う必要がありますので、借りて罰金を払う方が現実的です。

罰金を払わずに強制執行や労役を受けると日常生活を大きく損なってしまい、その後の生活が難しくなることもありますので、充分に注意してくださいね。