切迫早産の入院費が払えない!どうする?
妊娠22~36週に子宮収縮が頻繁に起こると「切迫早産」と判断され、病院に入院するように指導されます。
状態にもよりますが、そのまま出産まで入院となることが多いですので、切迫早産と診断されたときは入院期間が数ヶ月に及ぶこともあるのです。
入院期間が長引くと、「入院費はいったいどのくらいかかるんだろう?」と不安になりますよね。
切迫早産時の入院費が払えないときはどうすれば良いのか解説いたします。
意外と高額ではない!切迫早産の入院費
妊娠や出産は「病気」ではありませんので、健康保険が適用されず、全額実費となります。
しかしながら切迫早産で入院となるなら、医療行為を行うことになりますので、健康保険が適用され、3割だけ負担すれば大丈夫です。
差額ベッド代がかからないように注意!
もちろん、個室や特別室を希望する人は「差額ベッド代」が必要になり、差額ベッド代は保険適用外ですので全額実費になりますが、お金に困っている人はここで敢えて贅沢を希望するわけはありませんよね?
万が一、「大部屋に空きがないので個室に入院になりますが・・・?」と病院側から提案された場合は、病院都合の個室利用となりますので、患者が差額ベッド代を支払う必要はありません。
不安な人は、最初に「わたしとしては大部屋を希望しているのですから、病院都合で個室を使う、つまり、差額ベッド代は発生しないと考えて良いのですね?」と念を押しておきましょう。
切迫早産の入院費が払えないと退院させられる?
切迫早産のために入院しているとき、入院費が支払えないからと言って途中で強制退院させられることは絶対にありません。
医師法第19条では、医師は正当な理由なく治療を拒んではいけないと定められていますが、「入院費が払えない」ということは治療を拒める正当な理由とはされませんので、安心して入院して下さいね。
また、もしそれでも強制退院をほのめかすような言動があったときは、ソーシャルワーカーに相談して金銭的な問題を解決することができます。
特に切迫早産の入院は、とにかく安静にすることが大切ですから、余程のことがない限りは「退院して欲しい」ということにはなりませんが、だからといって横柄な態度をとって良いというわけではないということは、皆さんもよくご存じのことと思います。
切迫早産の入院費が払えないとなる前に
保険適用されますので、そこまで高額になることは少ないのですが、途中で手術が必要になることや特別な治療が必要になることもありますので、1ヶ月当たり数十万円の医療費が発生することもあります。
「もし、入院費が払えなくて退院できなかったらどうしよう・・・」と不安になる人は、入院中にぜひ次の2つのことを実施して下さい。
「限度額適用認定証」を作っておこう
医療費が高額になるときは「高額療養費制度」が適用されますので、清算するときには一旦立て替える必要がありますが、約3ヶ月後に差額が還付されます。
◆全国健康保険協会公式サイト:「高額な医療費を支払ったときは高額療養費で払い戻しが受けられます」
例えば標準報酬月額が30万円の人は、1ヶ月の医療費が例え100万円かかったとしても、自己負担額は87,430円です。
計算式:80,100円+(1,000,000-267,000)×1%=87,430円
窓口で100万円立て替えれば、後日、912,570円振り込まれるのです。
しかも4ヶ月目からは「多数該当」が適用され、自己負担額の上限は44,400円にさらに引き下げられます!
「限度額適用認定証」があれば立て替え不要
医療費が一気に下がる「高額療養費制度」ですが、たとえ後で還付されるからと言って、窓口で数十万円~数百万円を立て替えるのは難しいという人は多いのではないでしょうか。
そんな人は、「限度額適用認定証」を作成しておけば、医療費を支払うときに提示するだけで自己負担額(先程の例なら87,430円)だけを支払えばよくなります。
この「限度額適用認定証」は、家族が代理で発行することも可能です。
ぜひ入院中に協会けんぽ(全国健康保険協会)で作成しておきましょう。
「出産育児一時金」の手続きも始めよう
赤ちゃんが産まれたら医療保険から「出産育児一時金」として42万円(特定の医療機関で出産した場合は40.4万円)を受け取ることができます。
このお金も、病院に直接入金してもらうなら、出産費を一時的にでも立て替える必要がなくなります。
看護師さんに相談すればどのような手続きが必要なのか教えてもらえますので、ぜひ家族に頼んで出産育児一時金の受給手続きも開始しておくようにしましょう。
心配しないで大丈夫!出産まで安静を保とう
切迫早産のときにもっとも大切なことは「安静」です。
今は、余計なことに悩まされずに、心穏やかに赤ちゃんが1日でも長くお腹にいてくれることを願いましょう。
限度額適用認定証と出産育児一時金の手続きさえすれば、そこまで医療費が高くなってしまうことはありません。
ただし、差額ベッド代がかかる部屋で入院すると、高額療養費制度でもカバーされませんので、その点だけは注意するようにして下さいね。