キャッシュカードとは何?~クレジットカードやデビットカードとの違いは?~
キャッシュカードはATMでお金を引き出すだけでなく、いろいろな機能が加わったものが増えました。
キャッシュカードの様々な機能や違いについてしっかりと理解し、さらに便利に活用できるようにしたいですね。
キャッシュカードの基本的な使いかたと、多機能カードの種類や区別について分かりやすくまとめました。
この記事はこんな人におすすめ
この記事は以下のような人におすすめの記事になります。
- キャッシュカードと一体型のカードを作るかどうか悩んでいる人
- キャッシュカードとクレジットカード、カードローンの違いを知りたい人
- 3つのカードを便利に活用したい人
キャッシュカードとクレジットカードの違いを詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
記事の目次
キャッシュカードとクレジットカードの比較一覧表
キャッシュカードとクレジットカードは、発行手続きや取り扱っている金融機関も違いますが、できることも大きく異なってきます。
そこで、具体的にキャッシュカードとクレジットカードでできることをまとめてみました。
キャッシュカード | クレジットカード | |
---|---|---|
店舗での買い物 | △ | 〇 |
ネット通販 | × | 〇 |
チケットの予約 | × | 〇 |
預金の引き出し | 〇 | × |
口座振り込み | 〇 | × |
借り入れの可否 | △ | 〇 (キャッシング枠設定の場合) |
中高生での所有 | 〇 | × (家族カードを除く) |
基本的には上記のように、買い物に利用できるカードがクレジットカードで、預金の預け入れや引き出しに利用できるカードがキャッシュカードと区別されています。
しかし、現在キャッシュカードやクレジットカードには、様々なオプションや付帯サービスがあるため、それぞれのカードでできることも増えています。
ここでは、ふたつのカードごとにそれぞれできることと、できないことを詳しく見て行きましょう。
キャッシュカードとは何か?
キャッシュカードとは、そもそもどのようなカードなのでしょうか?
パスポートなどのように、本人確認時に利用できるものなのでしょうか?
口座開設時に発行されるため、「言われなくても知っている」という人も多いかも知れませんが、キャッシュカードの概要について説明しておきましょう。
また、キャッシュカードの付帯している様々な機能についても紹介します。
銀行口座からATMでお金をおろすキャッシュカード
キャッシュカードとは、金融機関の窓口ではなくATMで自分の口座からお金を引き出したり、振り込みしたりできるカードです。
ATMは金融機関の店舗の他に、コンビニやスーパーマーケットなどにも設置されています。
ATM相互のネットワークも発達しているので、取引銀行の窓口で通帳と印鑑で手続きしていた昔と比べると、非常に便利になりました。
キャッシュカードには、他人に悪用されるのを防ぐために暗証番号がセットされていて、入金以外の操作では暗証番号の入力が必要です。
キャッシュカードは、最初の頃は磁気テープに情報を書き込む磁気カードだけでしたが、近年はたくさんの情報を書き込めるICチップを埋め込んだICカードが増えました。
また、暗証番号だけでなく、指の指紋などを登録する生体認証付きICカードも増えつつあります。
キャッシュカードを使うようになってから、通帳を使う機会がめっきり減りましたが、通帳が必要なくなったわけではありません。
通帳には入金や引き出しの記録が日にちごとに詳しく載っているので、口座のお金の管理にはぜひ必要なものです。
月に一度くらいは、ATMで通帳記入をしておきましょう。
もしも未記入件数が一定数以上に増えてしまうと、通帳への記入ができなくなります。
ただし、最近普及しているネット銀行は、通帳の代わりにWEB上で口座のお金の動きを確認したりダウンロードしたりできるので、通帳の発行はありません。
お金を借りるという使いかたはできない
キャッシュカードそのものでは、お金は借りられません。
キャッシュカードはあくまでも、預金残高の範囲内のお金をATMから引き出すためのカードです。
預金残高を超える金額は、キャッシュカードでは引き出せません。
ただし、銀行カードローンの多くが、今はカードローンと一体型のカードを発行しており、このカードを持っていれば預金を引き出せますし、カードローンでお金を借りることも可能です。
商品購入時に使えるものではない
キャッシュカードではお金を借りられないのと同様に、キャッシュカードは商品購入時に使えるものでもありません。
商品を購入するためには、あらかじめATMでキャッシュカードを利用して、口座からお金を引き出しておく必要があります。
ただし、後述するようなデビットカード一体型やクレジットカード一体型のキャッシュカードであれば、デビットカードやクレジットカードの機能を用いて、商品購入が可能です。
定期預金が有ればキャッシュカードで借り入れできる
総合口座通帳という通帳を持っている人も多いのではないでしょうか?
総合口座通帳とは、通帳の表が普通預金で、通帳の裏面が定期預金となっているカードです。
総合口座通帳に定期預金を預けている人は、定期預金の残高の9割まで借り入れが可能です。
たとえば、総合口座の定期預金に10万円を預けている人は、普通預金がマイナス9万円になるまで(つまり9万円分)、お金を借りられるのです。
万が一借りたお金を返済しない場合でも、裏面の定期預金と表面の普通預金のマイナスを相殺できるため、このようなことが可能になっています。
審査なしでお金を借りられる、数少ない手段の1つです。
キャッシュカードは通帳よりも便利
預金通帳を使い慣れている人の中には、「預金通帳があるのにキャッシュカードがなぜ必要なの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
しかし、キャッシュカードならではのメリットもたくさんあるため、積極的に持ち歩いたほうが良いでしょう。
まず、通帳はキャッシュカードよりもかさばるため、持ち歩きには不便になってしまいやすいですが、キャッシュカードなら財布の中に入るためカバンを持たずに済みます。
また、キャッシュカードであれば他行のATMでも預金の引き出しや預け入れができるため、預金通帳よりも様々な場面で活用できます。
銀行によっては、キャッシュカードにデビットカードやクレジットカードを付けられるので、さらに財布の中身を少なくできるのも魅力です。
キャッシュカードを活用するときには、併せて確認してください。
代理人カードを含めて2枚持つことができる
キャッシュカードでは、「代理人カード」と呼ばれるカードの発行が可能です(家族カードと呼ぶ場合もあります)。
代理人カードは、「口座の名義人と生計を同一にする親族」が発行できるカードです。
子供用に銀行口座を開設するときに、子供に本来のキャッシュカードを持たせて、親権者が代理人カードを持つというような使いかたをするのが一般的です。
たとえば、家元を離れて生活している子供の生活費を銀行口座に振り込む場合に、代理人カードがあれば1つの口座で預け入れと引き出しを行えるので、非常に便利でしょう。
金融機関によっては、代理人カードを2枚まで作成できる場合もありますので、その場合は本来のキャッシュカードを含めて3枚までカードの発行が可能です。
J-Debitならキャッシュカードで支払いもできる
取り扱っている店舗は少ないですが、J-Debitに対応した店舗で買い物を行えば、キャッシュカードで買い物できます。
デビットカードのように特別なカードを用意せずに、手持ちのキャッシュカードが活用できるため、特別な手続きは必要ありません。
J-Debitカードで買い物をした代金は、すぐにキャッシュカードの口座から引き落としになります。
このため、預金残高の範囲内だけJ-Debitで買い物が可能です。
クレジットカードとは何か?
キャッシュカードとクレジットカードの違いを理解するためには、キャッシュカードだけでなく、クレジットカードについても理解をしておく必要があります。
クレジットカードは、ショッピングの利用代金を支払えるカード、と何となく認識している人も多いと思いますが、クレジットカードとは何かについて、解説していきます。
お店の支払いに使えるクレジットカード
引き出し | 借り入れ | 買い物 |
---|---|---|
△ | ○ | ○ |
クレジットカードの機能を一言で説明すると、買い物代金を後払いにできるカードと言えます。
そのため、クレジットカード一枚あれば現金を持っていなくても買い物ができるのです。
先ほど紹介したJ-Debitを利用する場合、キャッシュカードで買い物の支払いを行うときは、即座に口座から代金が引き落とされます。
一方、クレジットカードの場合はいくつかの支払い方法があります。
|
※分割払い、リボ払いは金利が発生します
このように、クレジットカードはキャッシュカードと違い、どの支払い方法でも使用してからお金を支払うまでに間隔が空きます。
そのため、口座に入っている金額までしか使えないJ-Debitと異なり、クレジットカードなら給料日前で口座にお金がない状況でも利用がきます。
クレジットカードは、買い物やサービスの代金を一時的に「借りる」カードと言えるでしょう。
世界中で使用できるのもメリット
クレジットカードには、VISAやMasterCardなどの国際ブランドがついています。
クレジットカードは、日本国内で発行されたカードであっても、国際ブランドに対応している店舗であれば世界中で買い物ができます。
ちなみにVISAやMasterCardであれば、海外でも幅広く展開しているため、世界中の店舗で所有しているクレジットカードを使用できます。
海外旅行や出張に行くのであれば、保険の意味を込めて携帯必須とも言えるのがクレジットカードです。
国際ブランド
クレジットカードの国際ブランドは、7大ブランドと呼ばれる以下のものがあります。
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AmericanExpressやDinersなどは審査が厳しく、対象の国際ブランドのクレジットカードを保有することそのものがステータスとなっています。
また、加盟店数が圧倒的に多いVISAやMasterCard、日本に加盟店が多いJCB、中国に圧倒的に強みがある中国銀聯など、国際ブランドによって特徴は様々です。
自分のライフスタイルや好みに合わせて、最適な国際ブランドを選択するようにしたいですね。
クレジットカードにはキャッシング機能もついている
買い物時の代金支払いがクレジットカードの基本的な機能で、ほとんどの人はこの機能でしか使用していませんが、実はクレジットカードにはもうひとつキャッシング機能がついています。
キャッシュカードの説明でも言及しましたが、ATMから現金の借り入れを行うことをキャッシングと呼び、クレジットカードにはこの機能がついています。
ちなみに、一般的な買い物での使用方法はショッピング機能と呼びます。
クレジットカードを利用したキャッシングでは、キャッシュカードの場合の定期預金のような特別な条件はありませんが、キャッシング枠が付いていることだけが必要となります。
クレジットカードは利用可能枠が決められており、ショッピング枠とキャッシング枠は別々になっているのです。
そのため、カードによってはショッピング枠30万円に対してキャッシング枠が0円に設定されていることがあります。
その場合には買い物では30万円まで利用できますが、キャッシングでは1円も借りられません。
クレジットカードの枠に関しては、マイページや発行会社への電話によって確認できます。
もしキャッシング枠がついていない場合でも、申請すればキャッシング枠の追加は可能です。
その場合は枠の確認と同様、インターネットや電話で行ってください。
ただし、キャッシング枠には審査があり、実際にお金を借りる枠ですので、ショッピング枠の審査よりも厳しくなります。
そのため、人によってはショッピング枠を持ててもキャッシング枠の審査には通過できないこともあります。
なお、キャッシング枠は年収の3分の1以内までしか借りられない総量規制の対象になるため、気を付けましょう。
キャッシングするとショッピング枠が減る
クレジットカードのキャッシング機能を利用すると、面倒な手続きをすることなく簡単にお金を借り入れられますが、使い過ぎるとメインのショッピング機能が使えなくなってしまう危険性があります。
先ほども説明した通り、クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠がありますが、両方合わせて総枠(ショッピング枠と同じ金額)までしか利用ができないのです。
つまりショッピング枠50万円、キャッシング枠30万円なら、10万円キャッシングしている状態ではショッピング機能は40万円までとなります。
逆にショッピング機能で30万円使用しているならキャッシングは最高20万円までです。
クレジットカードのキャッシングは、口座にお金が入っておらず、ショッピング機能での支払いもできないときに便利です。
ただ、ショッピング枠を気にしながら利用しなければならず、そもそも利用できる金額はあまり多くありません。
クレジットカードで借りられる金額以内なら問題ありませんが、金額が大きい場合やショッピング枠で多く使っている場合には、別の方法を利用しましょう。
ETC機能が付帯しているカードもある
クレジットカードの中には、付帯カードとしてETCカードを発行できるものもあります。
ETCカードは、高速道路の料金を後払いで支払えるカードで、料金所をノンストップで通過できるため、長距離ドライブの時などには特に重宝します。
料金後払いという特徴からも、ETCカードは高速道路専用のクレジットカードのようなものであることが、お分かりいただけるでしょう。
ETCカードの発行手数料や年会費は、発行元となる親カードによって異なります。
クレジットカードのスペック詳細を確認して、できるだけ維持費の少ないETCカードを発行するようにしましょう。
なお、ETCカードの利用代金は、親カードの利用代金が引き落とされる口座から、親カードの利用金額と合わせて引き落とされます。
ETCカードを利用している場合は、クレジットカードの利用金額だけでなく、ETCカードの利用代金も引き落とされることを考慮に入れて、引き落とし口座にお金を入れておくようにしましょう。
2つのカードの違いが分かりにくい理由①一体型
クレジットカードとキャッシュカードは別物ですが、銀行が発行しているクレジットカードの中には、キャッシュカードの機能を兼ね備えたものがあります。
キャッシュカード一体型なら、一枚で買い物の支払いとお金の引き出しができるため、持ち歩くカードを少なくしたい人には銀行が発行する一体型クレジットカードがおすすめです。
ほとんどの銀行でクレジットカードとキャッシュカードを一体化できますので、普段利用している銀行で一体型カードを発行しましょう。
しかし、キャッシュカードとクレジットカードが一体化していることが、キャッシュカードとクレジットカードが分かりにくいと言われる原因ともなっています。
ICキャッシュカードとは
現在は、キャッシュカードはICキャッシュカードとなっていることが一般的です。
以前のような磁気テープによるカードではなく、ICチップに埋め込まれたカードの情報をATMが読み取るカードですので、複数のカードの情報を入れられます。
このため、ICキャッシュカードが登場してから、銀行はキャッシュカードと一体型になったカードを多く登場させています。
一体型には危険もある
一体型カードはとても便利です。
しかし、もし一体型カードを紛失してしまった場合には、クレジットカードとキャッシュカードが同時に使えなくなってしまうことには気を付けてください。
また、クレジットカードは暗証番号が分からなくても使用できる場面が多いので、紛失してしまうと不正利用の可能性が非常に高くなってしまいます。
キャッシュカードだけのカードを喪失した場合よりもリスクが高いので、取り扱いには十分に注意してください。
2つのカードの違いが分かりにくい理由②デビットカード
クレジットカードは支払いが後回しになるため、場合によっては自分が持っている以上の金額のお金を使えます。
自分の手元にある金額以上のお金が使えることで、ついつい使い過ぎて返済ができないという状態に陥ってしまう危険性があります。
このため、クレジットカードを発行する場合には、しっかりとした返済能力があるのかどうかを審査し、審査に通過できなかった人にはクレジットカードは発行されません。
クレジットカードがなくても、普通に生活は行えます。
しかしクレジットカードがないと、高額の買い物をするときに現金を持ち歩かなければならず、ネットショッピングをするときにわざわざ銀行からの振り込みや代引きを選ばなければなりません。
キャッシュカードで利用できるJ-Debitではまだまだ対応店舗数が少ないですし、ネットショッピングには対応していません。
そんなときに活躍するのが、デビットカードです。
実はデビットカードには、キャッシュカードのJ-Debit機能以外にも、さきほど紹介したVISAやJCB、Mster Cardの決済システムで支払いを行えるものがあります。
これらはクレジットカードと異なり、どこの銀行でも発行しているわけではありませんが、三菱UFJ銀行や三井住友銀行で作られます。
地方銀行でもデビットカードを発行しているところがありますので、主に利用している銀行が発行しているかどうか確認してみましょう。
また、デビットカードなら口座に入っている金額しか使えず、使い過ぎの心配がないため、あえてクレジットカードではなくデビットカードを使うというのもいいでしょう。
今や、多くのキャッシュカードにデビット機能がついています。
後述しますが、デビットカードにはクレジットカードと同じVISAやJCBなどの国際ブランドが付与されています。
そのため、クレジットカードが使える場所ではクレジットカードと同じように利用できるので、キャッシュカードとクレジットカードが混同されがちになるのです。
デビットカードとは
デビットカードとは、お店で現金を払う代わりにカードで決済するシステムで、クレジットカードでの支払いに似ていますが、後払いではなく紐づいている口座から利用代金が即時に引き落とされます。
日本では1999年に登場した新しい機能なので、なじみのない人も多いでしょうが、使えるお店も増えて急速に普及してきました。
デビットカードにはデビット専用カードとキャッシュカード一体型があります。
【デビットカードのメリット】
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【デビットカードのデメリット】
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デビットカードには、J-デビット、VISAデビット、JCBデビットの3種類があります。
J-デビット |
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VISAデビット |
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JCBデビット |
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このうち、VISAデビットとJCBデビットには、クレジットカードと同じようにVISAやJCBの表示があるので、デビット付きのキャッシュカードをクレジットカードと混同してしまう人が多いようです。
引き落とし口座にお金がないと使えない
クレジットカードは、引落口座の残高に関わらず、限度額の範囲内まで利用できますが、デビットカードは紐つけされた銀行口座の残高の範囲内しか利用できません。
デビットカードはクレジットカードのように、利用し過ぎてしまう心配はありませんが、先々の収入を見越して口座残高以上の買い物を行うというような利用方法は、できません。
預金口座の管理をきちんと行っていなければ、いざというときにデビットカードでの支払いができずに、買い物の支払いが円滑に行かない危険性があります。
J-Debitとの違い
支払いのタイミングを後回しにできるということ以外にも、利用可能な状況がクレジットカードのほうが圧倒的に多いです。
クレジットカードは世界中の4,000万店近くで利用できる一方、J-Debitは国内の45万店でしか利用できず、ネットショッピングでも使えません。
対応店舗の多さや支払い方法の柔軟さなどの理由から、買い物の支払い目的で使うのであれば、キャッシュカードよりもクレジットカードが優れています。
キャッシュカードは銀行や信用金庫が発行するものですが、クレジットカードはそれ以外の会社からも発行されています。
クレジット機能付きデビットカードを使うときの注意点
<キャッシュカード+J-デビット>にクレジット機能も付いているカードは、お店での支払いのときに必ず「デビットで」と一言ことわる必要があります。
黙っているとデビットで支払うつもりがクレジット払いになってしまいますので注意が必要です。
VISAやJCBの加盟店数に比べるとJ-デビット加盟店数はまだ少ないので、「デビットは御使いになれません」と言われることがあるかも知れませんが、そのときは現金かクレジットカードで支払うことになります。
デビットカードの暗証番号はキャッシュカードと同じ
デビットカードの利用方法は、クレジットカードと同じように会計時にデビットカードで支払いたいと伝えて、暗証番号を入力するか、サインをするだけと簡単です。
なお、デビットカードも暗証番号は4桁の数字で、キャッシュカードと一体になっている場合は、同じ暗証番号になります。
「キャットカード+デビットカード」とクレジットカードが一体になっている場合は、キャッシュカードとクレジットカードの暗証番号を別々に設定することができます―と言うか別々に設定しなければならないカードもあります。
クレジットカードをATMに入れるのはおもにキャッシングのときですが、キャッシュカードとして使うときとはATMに挿入するカードの方向が反対です。
キャッシュカードでお金をおろすつもりがクレジットカードで借金してしまうことにならないようにカードの挿入方向に注意が必要ですが、暗証番号を別にしておくともう1つ関所ができるので安心です。
ただし、挿入方向を間違ったことに気づかずに何回も違う暗証番号を入力すると、ロックがかかってしまいカードが使えなくなります。
デビットカードの1日利用限度額
J-デビットの1日の利用限度額はキャッシュカードの利用限度額(通常50万円)と同じですが、その範囲内で自由に設定できます。
限度額の初期設定は誰もが同じですが、窓口で手続きすると自分なりの個別設定をすることができますので、使いすぎを抑制するために低めに設定するなど自由に設定するとよいでしょう。
J-デビットでの買い物の額とキャッシュカードでの現金引き出し額の合計が限度額になりますので、あまり限度額を低く設定すると不便なカードになってしまうことは覚えておいてください。
VISAデビットとJCBデビットの利用限度額は30万円、50万円など金融機関によって違いますが、やはりその範囲で自由に設定できます。
1回の利用上限額 | 1日の利用上限額 | 1ヵ月の利用上限額 | |
---|---|---|---|
国内ショッピング | 50万円 | 50万円 | 1,000万円 |
海外ショッピング | 50万円 | 50万円 | 1,000万円 |
海外ATM引き出し | 10万円 | 10万円 | 300万円 |
また、利用限度額は、これも三菱UFJ-VISAデビットのように任意で変更可能で、自ら利用上限額を増減して、利用制限を行うことも可能です。
1回の上限額 | 1日の上限額 | 1ヵ月の上限額 | |
---|---|---|---|
国内ショッピング | 0円~200万円 | 0円~200万円 | 0円~1,000万円 |
海外ショッピング | 0円~200万円 | 0円~200万円 | 0円~1,000万円 |
海外ATM引き出し | 0円~10万円 | 0円~10万円 | 0円~300万円 |
デビットカードの年会費
J-デビットの年会費は無料ですが、VISAデビットとJCBデビットは金融機関によって無料のところと有料のところがあります。
なお、カードの発行手数料に関しては、ほとんどの金融機関が無料のため安心してカードを作れます。
【デビットカード年会費の一例】
金融機関 | VISAデビット | JCBデビット |
---|---|---|
三井住友銀行 | 無料 | – |
東京三菱UFJ銀行 | 初年度無料 2年目から1,000円 | – |
みずほ銀行 | – | 初年度無料 2年目から1,000円 |
りそな銀行 | 初年度無料 2年目から500円 | – |
楽天銀行 | 952円 | 無料 |
セブン銀行 | – | 無料 |
デビットカードはどう使う?3つの利用シーン
最近は銀行で口座開設すると、自動的にデビットカード機能が付いたキャッシュカードが発行されることが多くなってきました。
届いたキャッシュカードを見て、「デビットカードって何?」と不思議に思われる人も少なくないでしょう。
そこでまずは、デビットカード初心者に向けて、デビットカードはどんな利用ができるのかを説明していくことにします。
お持ちのデビットカードを有効利用するためにも、しっかりと目を通すようにしてください。
お店での支払いに利用できる
デビットカードの利用方法としてまず挙げられるのが、ショッピング時の決裁手段です。
イメージはクレジットカードと全く同じと考えてもらっていいでしょう。
しかし、デビットカードはクレジットカードのように、分割支払やリボ払いには対応していません。
支払方法は一括払いのみですから、支払い方法を聞かれた時は、必ず一括支払いを選択するようにしてください。
海外のATMで現地通貨を引き出せる
またデビットカードはクレジットカード同様、海外でのショッピングにも利用可能です。
所有しているデビットカードの国際ブランドが利用できる店舗であれば、どこでもショッピング決裁に利用することができます。
海外ではVISAブランドの加盟店が多いため、海外利用を見越すならば、国際ブランドでVISAが選べるデビットカードに申し込むことをおすすめします。
また、キャッシュカード一体型のデビットカードであれば、海外ATMで現地通貨を引き出すことも可能です。
付帯している国際ブランドによって、下記の通り利用可能なATMがことなるので、この違いを把握しておけば、戸惑うことなく現地通貨を引き出すことができるでしょう。
- VISAの場合:「VISA」または「Plus」のマークがついたATM
- JCBの場合:「JCB」または「Cirrus」のマークがついたATM
それでは現地で戸惑わないように、海外ATMの操作方法について、簡単に説明しておきましょう。
海外ATMで現地通貨を引き出す流れは下記の通りです。
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以上が現地ATMで現地通貨を引き出す方法です。
海外ATMでも日本と同様に、使用手数料が発生します。
また、デビットカードによっては、別途手数料が発生することもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
利用金額は自動で通帳に記載される
デビットカードを利用すると、その利用履歴が自動的に通帳に記入されます。
デビットカードによる決済は、銀行口座と直結しているため、決済と共に銀行口座から利用金額が引き落とされるためです。
クレジットカードの場合は、1ヵ月分の利用額がまとめて請求されますが、デビットカードは利用時、即決済が原則となっています。
3機能一体型カードとは
キャッシュカードにデビット機能もクレジット機能も付いている3機能一体型のカードもあります。
金融機関が発行するクレジットカードにはキャッシュカードの機能を付けることができますが、そのキャッシュカードにJ-デビットが付いていると3機能一体カードになります。
3機能一体型のカードのデビットはJ-デビットだけで、VISAデビットとJCBデビットにはありません。
カードの機能 | 店舗型金融機関 | ネット銀行 |
---|---|---|
キャッシュカード単一機能 | ○ | ○ |
J-デビット単一機能 | × | × |
VISAデビット単一機能 | ○ | × |
JCBデビット単一機能 | ○ | × |
キャッシュカード+J-デビット | ○ | ×(※) |
キャッシュカード+VISAデビット | × | ○ |
キャッシュカード+JCBデビット | × | ○ |
キャッシュカード+J-デビット+クレジット機能 | ○ | × |
キャッシュカード+VISAデビット+クレジット機能 | × | × |
キャッシュカード+JCBデビット+クレジット機能 | × | × |
キャッシュカード+クレジット機能 | ○ | ○ |
※ジャパンネット銀行にはキャッシュカード+J-デビットがあります。
キャッシュカードとクレジットカードのその他の違い
キャッシュカードとクレジットカードの違いは、ここまで説明してきた点以外にもいくつかあります。
その他の違いについても簡単に説明していきます。
カードの作りかた
カードの作りかたにも違いがあります。
- キャッシュカード:銀行に口座を作る
- クレジットカード:クレジットカード会社の審査を受ける
キャッシュカードとクレジットカード一体型のカードを銀行窓口に申し込む場合にも、実は、預金口座やキャッシュカードの申込書とは別にクレジットカード会社への申込書を記入しています。
キャッシュカードは銀行が発行し、クレジットカードはクレジットカード会社が発行しています。
ただし、クレジットカードを発行している金融機関は、クレジットカード専門の信販会社の他に、銀行、消費者金融など様々な会社が取り扱っているので、申込対象は複数から選択可能です。
カード発行の審査
審査についても違いがあります。
- キャッシュカード:反社会的勢力でない限りはほぼ確実に作れる
- クレジットカード:与信審査が行われ、信用が低い人は作れない
キャッシュカードは口座を作れれば作成できますし、口座の審査は反社会的勢力でなければほぼ確実に作成できます。
一方、クレジットカードは前述したように、「買い物やサービス代金を借りるカード」です。
このため、信用が低い人は審査に通過できませんし、通過できたとしても利用限度額がかなり低めに抑えられてしまいます。
審査がゆるい流通系のカードであれば、信用情報がブラックでなければ審査に通過できます。
しかし、ハイブランドカードであるAmericanExpressやdinersなどは、年収500万円以上などハイクラスの人でないと審査に通過できません。
また、キャッシュカードは未成年でも作れますが、クレジットカードは本人名義では18歳以上でないと作れないカードがほとんどです。
無料か有料か
年会費についての違いもあります。
- キャッシュカード:無料
- クレジットカード:有料なものもある
キャッシュカードは、個人名義の口座であれば年会費はかかりません。
一方、クレジットカードは年会費無料のものもありますが、有料のものもあります。
また、入会費などその他の費用が必要な場合もあるため、クレジットカード申し込み前には良く確認しておかなければなりません。
基本的にはゴールドカード以上のハイクラスのカードになると、年会費や入会費などの手数料が必要になります。
ポイントの有無
キャッシュカードには基本的にポイントは付きませんが、クレジットカードはほとんどのカードが利用に応じてポイントが付与されます。
ポイントの種類は様々で、クレジットカード会社内でしか利用できないような自社ポイントから、Tポイントや楽天ポイントのように、ショッピングにも活用できるポイントが貯まるクレジットカードもあります。
ポイント還元率もクレジットカードごとに設定されているため、クレジットカードを選ぶときの指標にすると良いでしょう。
カードが破損したときは?
クレジットカードやキャッシュカードを誤って破損させてしまったり、経年劣化で使用できなくなったりする場合も、カードを持っていると出てきます。
このように、磁気カードやICチップカードを破損してしまったときには、どのような対応をすれば良いか気になるところです。
そこで、カードが破損してしまったときの対処法を紹介します。
自分で直すことは不可能
磁気カードやICチップカードが磁気不良になってしまったり、カードが割れてしまったりしたときには、自分で直すことはほぼ不可能です。
中には、カードの磁気部分にセロハンテープで補修をすることで、一時的に機能を回復させている人もいるようですが、カード読み取り機を破損させてしまう危険性があるため、絶対に止めておきましょう。
もしも、お店のカード読み取り機を破損させてしまった場合には、最悪弁償をしなければならない危険性まであります。
カードの発行元に連絡しよう
磁気カードやICチップカードを破損させてしまった場合には、素直にカードの発行元に連絡をしましょう。
キャッシュカードの場合には発行店舗や銀行のフリーダイヤルから、クレジットカードの場合には再発行専用のフリーダイヤルから受け付けていることが多いです。
どちらのカードの場合も、公式ホームページに再発行の案内ページがあるため、ホームページやフリーダイヤルで手続き方法を探してください。
盗難時も速やかに連絡しよう
カードが盗難されてしまった場合も、「自身がカードを使えない」という意味では、カードが破損してしまった場合と同じです。
むしろ他人にカードを悪用されてしまう可能性がある分だけ、盗難されたときのほうが速やかに対処しなければなりません。
カードが破損した場合と同様に、カードの発行元に連絡をして、カードが盗難された旨を伝えましょう。
すぐに盗難カードを使えなくする手続き、およびカードの再発行手続きを進めてもらえます。
新しいカードが手元に届くまでは、少し不便ですが我慢するしかありません。
キャッシュカードのおすすめはどこ?
キャッシュカードは預金口座を作成できるほとんどの銀行で作成できますが、どの銀行のキャッシュカードがおすすめと言うような比較はできません。
なぜなら、キャッシュカードの機能に大きく違いはないためです。
このため、キャッシュカード自体の性能を比較するのではなく、ATMの手数料が無料のカードや、コンビニATM手数料無料のカードを選択すると良いでしょう。
銀行系クレジットカード一体型は便利
カード | 銀行 | 年会費 | 特徴 |
---|---|---|---|
みずほマイレージクラブカード | みずほ銀行 | 無料 | ANAマイレージが貯まる |
三菱UFJ-VISA ゴールド | 三菱UFJ銀行 | 10,800円 | クレジットカード(機能)の利用代金の引き落としが1円でもあれば、三菱UFJATM利用手数料が無料、提携先コンビニATM利用手数料も優遇適用期間中2回まで無料 |
SMBC CARD | 三井住友銀行 | 初年度無料 (2年目以降1,350円) | 三井住友カード「ワールドプレゼント」のポイント |
楽天銀行カード | 楽天銀行 | 無料 | 楽天市場の買い物で楽天スーパーポイント4倍 |
JP BANK JCB カード | ゆうちょ銀行 | 1,350円 | かんぽの宿利用でポイント3倍 |
この他にも、地方銀行にはキャッシュカードと一体型になったクレジットカードは多数存在します。
自分が普段から利用する銀行に取り扱いがないか、確認してみましょう。
豆知識:ローンカードは借り入れ専用
カードローンでもクレジットカードと同じように、ローンカードと呼ばれる磁気やICチップカードが発行されます。
ローンカードとクレジットカードなどを勘違いしている人もいるため、これらの違いも理解しておきましょう。
クレジットカードよりも限度額が高い
クレジットカードのキャッシングは、ショッピング枠の範囲内までしか作成できません。
また、クレジットカード自体ショッピング利用を目的に作られているため、上限金額がそこまで高くないケースが多いです。
しかし、カードローンの限度額は審査によって決定するので、一般的には、クレジットカードのキャッシング枠よりも高い限度額を作成できます。
カードローンはスピード発行
クレジットカードは手元に郵送でカードが届かなければ利用できないため、ほとんどのクレジットカードは発行されるまでに、最短でも3日〜1週間程度の時間がかかります。
しかし、カードローンは発行スピードが速く、受取方法に郵送以外を選択できるため、早くお金を借りたいという人はカードローンを利用することにメリットがあるでしょう。
自動契約機のあるカードローン
アコムやプロミスなどの大手消費者金融は、日本全国に自動契約機を設置しています。
自動契約機であれば、審査通過後すぐにカードの受け取りができ、土日や夜でも稼働しています。
自動契約機でカードの発行を受けられれば、発行されたローンカードを使用してATMからすぐに借り入れができます。
即日融資を受けたいという人は、自動契約機が設置されているカードローンを契約しましょう。
利息ゼロで借り入れ可能
アコム・プロミス・アイフルなどの大手消費者金融では、初回利用者限定で無利息期間を設定しています。
この期間内に返済をしてしまえば、利息ゼロ円で借り入れができます。
クレジットカードのキャッシングにはこのようなサービスはありません。
短期間の利用であれば、大手消費者金融のカードローンを利用したほうがメリットは多くあるでしょう。
年収3分の1借りるときは銀行カードローン
消費者金融やクレジットカードのキャッシングは総量規制の対象ですので、年収の3分の1までしか借りられません。
銀行カードローンは総量規制の対象外ですので、理論上は年収の3分の1超を借り入れできます。
今は、それほど高額の融資を行うことはありませんが、やはり消費者金融やクレジットカードのキャッシングよりも、高額の金額を借りることが可能です。
審査は厳しくなりますが、より高額な借り入れを希望する場合には、銀行カードローンを利用するという方法もあります。
ただし、銀行カードローンも2017年以降、年収の3分の1を超える高額な融資を行わないように、自主規制を行っている銀行が増えています。
高額な借り入れを行いたい場合には、ブライダルローンやリフォームローンなどの目的ローンを活用したほうが、借り入れできる可能性が上がります。
なお、銀行カードローンも銀行のキャッシュカードと一体化できます。
まとめ
キャッシュカードとクレジットカード、ローンカードなどの違いを知って上手に利用しましょう。
とくに、一体型の多機能カードの使用は注意が必要です。
また、自分の持っているキャッシュカードと、近くにあるコンビニなどのATMの相性を知っておくと便利です。