源泉徴収票の再発行方法
確定申告やローンなどの契約の際、また保育園に子どもを入園させる際等に必要な書類に「源泉徴収票」があります。
紛失したときや2枚以上必要なときは、どのように再発行できるのでしょうか。
再発行方法と発行までの期間について徹底的に解説致します。
(源泉徴収票そのものに関するより詳細な説明を見たい方は、以下の記事をご覧ください。)
この記事はこんなひとにおすすめ
この記事は、以下のようなことで悩んでいる人におすすめです。
- 源泉徴収票を紛失してしまった人
- 源泉徴収票が2枚以上必要な人
- 源泉徴収票の再発行をどこに依頼したらいいか分からない人
記事の目次
源泉徴収票が必要なのは確定申告だけではない
源泉徴収票は確定申告書に添付する書類というイメージも強いことから、会社勤めの人にはあまりなじみのないものかもしれませんね。
確認だけして、後はどこにやったかわからないという人もいるのではないでしょうか。
しかし、住宅ローンを組むときや子供の保育園の入園、児童手当の申請、家族の扶養になる場合、転職など、源泉徴収票は以外と必要な場面があります。
源泉徴収票は再発行が可能
いざ、源泉徴収票が必要な場面に出くわしたとき、紛失などをしてしまって慌てる人もいるでしょう。
しかし、源泉徴収票は、再発行が可能です。
源泉徴収票の再発行は会社側の義務ですので、再発行を依頼されたら会社はすみやかに発行しなければなりません。
事務手続き上時間がかかる場合もありますが、再発行は可能ですので、慌てずに会社にお願いしましょう。
源泉徴収票の再発行の仕方
源泉徴収票は12月に勤務先から受け取ることが一般的です。
ですが、確定申告(翌年2月中旬~)や子供の保育園の申し込み(地域によって異なるが翌年10月~であることが多い)などの源泉徴収票を必要とするタイミングまでには日数がかなりありますので、紛失してしまう人も多いでしょう。
また、源泉徴収票を複数に提出しなくてはならないときも、源泉徴収票の再発行が必要になります。
次は、源泉徴収票の再発行ができる場所と実際の手続き方法について見ていきましょう。
依頼先は発行元の会社
源泉徴収票は勤務先の会社で作成するものですから、再発行も勤務先のみです。
ただし、派遣社員の場合は会社員と違い、勤務先ではなく派遣会社に依頼する必要があるので、気を付けましょう。
源泉徴収票の管理は経理担当者や経理課で行っていますので、紛失した場合は速やかに源泉徴収票を発行した事業所(転職等をしていない人は現在の職場)の経理担当部署に行きましょう。
再発行手続きに持って行くもの
源泉徴収票の再発行は、本人であるという身分証明書と会社に在籍していたことが確認できる書類が必要になります。
運転免許証や社員証を提示して、再発行を依頼しましょう。
再発行に必要な手数料
再発行は事業所側の義務ですから、費用は一切かかりません。
再発行に必要な時間
事業所にもよりますが、即日~2週間の日数がかかります。
急ぎの場合は、申請する時にかならずその旨を伝えましょう。
退職や転職をした場合の再発行の仕方
定年や転職のために退職した場合は、事業所は退職後1ヶ月以内に源泉徴収票を退職者に発行しなくてはいけないと、所得税法226条第1項で決められています。
ほとんどのケースで、自宅に源泉徴収票が郵送されてくることになりますが、1ヶ月経っても手元に届かない場合は電話で尋ねてみましょう。
退職後も源泉徴収票の再発行が可能
源泉徴収票は退職時に発行されますが、追加で必要な場合や紛失した場合は、退職後(正社員の場合もアルバイト雇用の場合も)も源泉徴収票の再発行を依頼することができます。
電話で申し込むこともできますが、事業所によっては来所することを求められるかもしれません。
本人確認できる書類を持って、事業所に申し込み・受け取りにいきましょう。
2度出向かなくてはならないケースもある
事業所によっては、申し込みも受け取りも本人による手続きが必要になることもあります。
その場合は最大2度、事業所に出向かなくてはなりません。
現在の仕事の関係上、どうしても2回出向くことが難しいときは、申し込みだけを電話で済ませられないか頼んでみましょう。
手紙で再発行を依頼する方法も
忙しくて前の会社に行けない、もしくはなんらかのトラブルを抱えて退職した場合、改めて出向くのは気まずいということもあります。
そんな時は、担当課や担当者に手紙で再発行の依頼をすることも可能です。
必要な源泉徴収票の年度や退職日などを記入し、切手を貼った返信用封筒を入れて依頼すると、スムーズに再発行してもらえる可能性があります。
年金の源泉徴収票の再発行手続き
年末に、年金の源泉徴収票は圧着式のはがきで送られてきますね。
この年金源泉徴収票も最大過去8年分まで再発行が可能です。
ねんきんダイヤル(0570-05-1165もしくは03-6700-1165)に電話をかけるか、最寄りの年金事務所に出向きましょう。
ねんきんダイヤルで申し込む場合は、発送までに約2週間かかります。
急ぎの場合は、年金基礎番号が分かる書類と本人確認書類を持って年金事務所に出かけて下さい。
公務員は再発行の申込が電話で可能
国家公務員や地方公務員、公立学校職員等は、前年分の源泉徴収票に限り、電話で再発行を申し込むことができます。
所属 | 問い合わせ電話番号 |
---|---|
国家公務員 | 03-5212-2243(24時間対応) |
地方公務員 | 03-3261-9846(業務時間内) |
公立学校職員 | 03-5259-8852(24時間対応) |
◆ 国家公務員各種証明書類の再発行自動受付サービスについて
◆ 地共済 年金相談の問い合わせ
◆ 公立学校共済組合 証明書等が必要になったとき
源泉徴収票の再発行を依頼できる期間
過去5年分は再発行可能
源泉徴収票など、賃金に関する書類は最低5年は保管するように事業所に義務付けられています。
従って、その間であれば源泉徴収票は退職後でも請求可能ですし、請求回数も制限はありません。
しかし、住宅ローンや保育園などの申込みの都度、勤務先に請求していては双方の手間も相当なものです。
提出先によっては、源泉徴収票の原本でなくてもコピーで対応可能なこともありますので、まずは提出する源泉徴収票が、原本である必要があるか確認しましょう。
ただし、確定申告で、給与所得者が医療控除や平成29年度より施行されたセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の控除申告をする場合は、申告する年の源泉徴収票の原本が必要になります。
予め原本が必要と分かっているのなら、事前に複数枚必要な旨を担当部署に伝えておくとスムーズですね。
源泉徴収票を再発行する理由
従業員が源泉徴収票の再発行を求めた場合、所得税法により会社はその依頼を拒否することはできません。
ですが、所定の書類に再発行の理由などを書くように求められることがあります。
そのような場合には、例えば「児童手当の手続きのため」や「住宅ローンの審査のため」などの適切な理由を記入するようにしましょう。
源泉徴収票の再発行は代理人OK?
前職を円満退職できなかった場合などは、以前の勤務先に再発行を申請するのも億劫なものです。
では、源泉徴収票は代理人が申し込んでも、再発行してもらえるのでしょうか。
再発行は基本的に本人が手続き
源泉徴収票は個人の所得をあきらかにするものです。
従ってあとに示す一部の例外を除いて、代理請求などはできません。
転職したのに再発行してくれない場合
年の途中で退職し、かつ年内に再就職をした場合、転職先で年末調整を行うことになります。
年末調整には源泉徴収票が必要ですので、転職先に提出する必要があります。
しかし、前職の源泉徴収票がまだ発行されていない、というケースも存在します。
または紛失などで再発行を申請しているのに、前職の担当者が対応してくれないなどの場合もあるのではないでしょうか。
あくまでレアケースですが、転職先の担当部署にその旨相談をすれば、会社経由で再発行を促すこともあるようです。
再発行してくれない時は税務署に相談
倒産等の事情により再発行ができないときは税務署へ
再発行を請求しても事業所側が拒否をするときは、事業所の管轄の税務署に出向いて相談しましょう。
税務署から事業所に、再発行するように直接指導してもらうことが可能です。
国税局:源泉徴収票不交付の届出手続き
しかし、会社の倒産などで、既に担当者と連絡をとることができない場合はどうすれば良いのでしょうか?
その場合は破産管財人などの法律家に連絡がとれるようであれば、発行してもらえる可能性があります。
源泉徴収票が必要となった場合は、提出先に他の証明書で代用が可能かどうかを確認してみましょう。
カードローン等の申し込みに源泉徴収票が必要なとき
消費者金融のカードローンは審査から借入まで短時間でできるのが魅力ですね。
しかし、源泉徴収票が必要なときに再発行を税務署経由で依頼していては、用途に間に合わない場合もあります。
源泉徴収票の再発行手続きに時間がかかってしまうと、迅速な融資が見込めないですよね。
そのようなときは、源泉徴収票不要で発行できるカードローンを利用しましょう。
次の記事を参考にしてください。
源泉徴収票の再発行に関するQ&A
ここでは、源泉徴収票の再発行に関する疑問に回答していきます。
源泉徴収票を発行できるのは、勤務先やねんきんダイヤル・年金事務所(年金受給者)のみです。
区や市町村の役場では再発行できません。
源泉徴収票の再発行請求を税理士に依頼することは可能です。
しかし、相談料や手数料がかかりますので、税理士に依頼する際はあらかじめ費用の確認をすることをおすすめします。
源泉徴収票の再発行は会社側の義務ですので、会社側に断る権利はありません。
もし、断られた場合は、源泉徴収票不交付の届出書を税務署に提出し、税務署から会社へ呼びかけてもらいましょう。
源泉徴収票の誤りに気が付いたらすぐに、会社の担当課や担当者へ誤りを確認してもらい、再発行してもらいましょう。
もし、再発行に応じてもらえない場合は税務署へ相談しましょう。
所得証明書と源泉徴収票はまったく違うものですが、所得証明書でも代用できることがほとんどです。
提出先に、代用がきくか相談してみましょう。
しかし、年内に転職や再就職をする場合は、転職先は前の会社の源泉徴収票と合わせてその年の年末調整をしなければいけないので、所得証明書は代わりになりません。
また、所得証明書で市民・県民税の課税証明書を利用する場合は、発行時期が6月頃になるので時期に気を付けましょう。
派遣会社に登録している場合、源泉徴収票の再発行依頼先は派遣会社になります。
派遣先に依頼しても発行してもらえないので、気を付けましょう。
確かに再発行手続きは事務処理が面倒なところもあるので、会社から嫌な顔をされるかもしれません。
しかし、源泉徴収票の再発行は会社の義務ですので、毅然としてお願いしましょう。
ただし、紛失した場合は自分の責任ですので、そこは忘れないようにし、今後はなるべく無くさないように保管しておくようにしましょう。
再発行手続きは簡単!慌てず手続きを
源泉徴収票の発行手続きはとても簡単です。
事業所あるいは発行手続き窓口に問い合わせ、必要な枚数の請求を行いましょう。