失業してお金がない!生活費に困ったらハローワークでお金がもらえる
「失業してお金がない・・・」このような状況になったら、ハローワークで利用できる制度を検討してみるのもおすすめです。
あまり知られてはいませんが、ハローワークには申請すればお金をもらうことができる制度があります。
そうした制度を活用すれば、失業してお金がないときのピンチを乗り切れる可能性が高くなります。
そこで今回は、そんなハローワークの制度を紹介していきます。
この記事はこんなひとにおすすめ
今回ご紹介するのは、
- 失業中でハローワークを利用している人
- 失業中でお金に困っている人
方へとても参考になる記事です。
記事の目次
ハローワークでもらえる給付金の種類
失業と言っても状況や利用目的によって、もらえる制度は異なります。
失業するともらえる失業手当や就職するために必要な手当ての再就職手当などがあります。
また病気やけがにより仕事ができない人を対象に傷病手当があり、育児休暇中の人には育児休業手当が対象となります。
ただしそれぞれの手当をもらうには条件を満たしていないともらえません。
ハローワークには状況によって、申請することでお金がもらえる制度があります。
今回はその中で代表的な3つの制度を紹介していきます。
退職後にもらえるお金【雇用保険(失業保険)】
雇用保険は、「失業してしまい職を探しているけどまだ見つからない」という人に現金を給付する制度です。
給付の条件は以下のとおりです。
- 雇用保険に加入している
- 離職前の2年間に11日以上出勤している月が12回以上あること
給付される金額は、おもに離職前6ケ月分の給料と離職時の年齢で決まります。
計算方法は非常に複雑ですので、ネットにあるシミュレーション等を利用するのがおすすめです。
雇用保険は失業した人がすべてもらえるわけではなく、先に紹介した給付条件を満たしており、なおかつハローワークで求職活動をしている人のみですので注意しておきましょう。
会社を退職すると該当する手当は、「失業保険(失業給付金)」「再就職手当」「職業訓練給付金」の3種類あります。
失業保険がもらえるタイミング
失業をした理由のよって給付金が支給される日が異なります。
まずは退職してから給付されるまでの流れを紹介します。
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ハローワークにて受給資格があるのか確認したのち、雇用保険受給者初回説明化に出席します。
説明会後に認定日を教えてもらえますが、この時の待機期間は7日間です。
自己都合の場合
自分の都合で会社を退職した場合は、失業保険をもらえるタイミングは待機期間の7日と3か月後となります。
ただし自己都合で退職してもやむを得ない事情であった理由では、「特定理由離職者」として3か月間の給付制限が解除されるケースもあります。
会社都合で失業した場合
会社の都合で退職した場合は、失業保険をもらえるのは待機期間後です。
会社都合で退職した人は「特定受給資格者」となり、失業保険が給付されるまでの3か月間はありません。
雇用保険のもらえる期間
雇用保険の給付日数は退職理由と勤続年数、年齢によって変わってきます。
受給期間は90日~360日で、離職の日における年齢や雇用保険の支払期間、離職の理由などによって決定されます。
退職理由 | 勤続年数 | 給付日数 |
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自己都合 | 10年未満 10年以上20年未満 20年以上 | 90日 120日 150日 |
会社都合 (29歳以下) | 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 | 90日 90日 120日 180日 |
会社都合 (30歳以上34歳以下) | 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 | 90日 90日 120日 180日 |
会社都合 (35歳以上44歳以下) | 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上 | 90日 150日 180日 240日 270日 |
会社都合 (45歳以上59歳以下) | 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上 | 90日 180日 240日 270日 330日 |
会社都合 (60歳以上64歳以下) | 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上 | 90日 150日 180日 210日 240日 |
日雇いの場合は日雇労働求職者給付金
雇用期間の定めがないケースや雇用期間が30日以内の日雇いで働いていた人は、退職すると「日雇労働求職者給付金」を利用できます。
ただし雇用保険の適用している事業所で働いている場合のみです。
雇用保険制度のひとつである日雇い労働休職者給付金をもらえるかは次の条件を満たしていることが必須です。
- 失業直前の2か月間に手帳に印紙や消印がある日数が26日以上
- 連続して6か月継続して働き、かつそれぞれの月で11日以上の手帳に印紙や消印があるとき
支給額は1日あたりの賃金と働いた日数によって決まります。
再就職のためにお金をもらえる制度
新たに就職をするためには、技術を身に着けたいと思う人もいます。
資格を取りたいけど授業料や試験代の費用がないときは、再就職のための制度を利用することをおすすめします。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度はその名のとおり、再就職のために教育や研修の制度を利用した人に対して支払われる給付金です。
支給額は教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額となっています。
ただし、上限は10万円までです。
さらに下限は4,000円となっていますので、支払った費用が4,000円を超えない場合は支給されません、
専門実践教育訓練給付金
専門分野でのキャリアアップや能力の開発向上を目指す人を対象とした給付金です。
厚生労働大臣の指定する講座が対象となるので、該当しない資格や講座には使えません。
職業訓練給付金
退職してから次の職に就くまでに、スキルアップを図りたいときに嬉しい制度です。
職業訓練受講手当の月額10万円と訓練機関までの交通費がもらえるのです。
ただし次の条件を満たさないと給付の対象にはなりません。
- 本人の収入が8万円以下
- 世帯収入が月額25万円以下、もしくは年収300万円以下
- 世帯の金融資産が300万円以下など
条件をすべて満たす必要があり、職業訓練給付金を受ける資格があるのかしっかり確認しておくことが大事です。
その他の再就職の支援制度
他にもハローワークを通して受けられる制度がありますので紹介します。
制度名 | 内容 |
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移転費 | ハローワークや自治体からの紹介で、引越しが必要となった場合の引越費用など |
広域就職活動費 | ハローワークの照会で遠距離の会社へ面接に行くときの交通費や宿泊代 |
求職活動関係役務利用費 | 子供のいる人が面接や職業訓練を受けるときに、子供を預かってもらう保育費用など |
ハローワークの就職祝い金について
ハローワークでは「就職祝い金がもらえる」という噂があるのをご存知でしょうか。
この噂は本当です。
雇用保険の受給中に早期再就職すると、ハローワークから「再就職手当」が発生するのです。
これが巷で言われる、ハローワークの就職祝い金に該当します。
再就職手当は雇用保険を受けている人が、早く自立して再就職できるようにするために、国が設けた制度です。
祝い金をもらうための条件
再就職の受給資格者とは以下の条件をすべて満たす必要がありますが、早期に再就職でき、制度の申請をすれば現金が支給されます。
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再就職手当はいくらもえるの?
再就職手当の金額は、雇用保険の「支給残日数(雇用保険をあと何日もらえるかの日数)」によって支給率が違い、次のようにことなります。
雇用保険の支給残日数 | 支給額 |
---|---|
3分の2以上 | 雇用保険の基本手当日額×支給残日数×70% |
3分の1以上 | 雇用保険の基本手当日額×支給残日数×60% |
たとえば、次のような条件の人の支給額を算出してみましょう。
- 基本手当日額 5,000円
- 所定給付日数 180日
- 支給残日数 120日
- 支給率 70%
この人の場合、支給残日数が3分の2以上ありますので支給率は70%です。
よって、計算式は「5,000円×80日×70%=28万円」となり、再就職手当の支給額は28万円となります。
再就職手当の金額はざっくりと計算するとこのようになります。
その他にも細かな支給要件がありますので、詳しくはもよりのハローワークで確認するようにしてください。
再就職手当はいつもらえるの?
再就職手当がもらえるのは申請をしてから、1ヶ月以上先になるケースが多いです。
再就職が決まったら、ハローワークにて再就職手当の申請をします。
それから、約1ヶ月後にハローワークが再就職先の会社に在籍確認をおこないます。
支給手続きはその後となりますので、再就職手当が支給されるのは支給手続きから、7日~10日程度はかかります。
育休後の復帰には育児休業者職場復帰給付金
育児休暇後に復帰したとしても、出産前のような収入を得られないこともあるでしょう。
育児休暇後6か月経過している人を対象にした給付金です。
受給資格は保険料を納めている人で、支給額は日額の20%となっています。
休職中にお金をもらえる制度
退職してから新しい仕事が見つかるまではお金に困ることもあります。
休職中にお金をもらえる制度は幾つかあるので、上手に利用しましょう。
傷病手当
傷病手当は、病気やケガなどによって仕事できない人に対してお金が給付される制度です。
この制度は失業中の人ではなく、あくまで仕事をしており、怪我や病気によって働けずに給料が発生しない人のための制度ですが、知っておくと良いかと思います。
傷病手当の給付条件は以下のとおりです。
- 病気や怪我によって4日以上仕事ができなかった
- 休業した期間の給料の支払がなかった
支給期間は支給開始した日から最長1年6ヵ月です。
支給される金額は「支給開始以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」となります。
「12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額」というのは、かんたんに言うと、12ヶ月間の給料の平均額です。
たとえば、傷病手当の支給開始以前に12ヶ月間の給料合計が360万円だったとしましょう。
この場合、「360万円÷12=30万円」となり、30万円が標準報酬月額を平均した額になります。
この30万円を先ほど紹介した、傷病手当の計算式で当てはめると、「30万円÷30日×2/3=6,666円」となり、1日あたりに支給される金額が算出されます。
以上がハローワークで申請すればお金がもらえるおもな制度となります。
もっと詳しく知りたい場合は、もよりのハローワークの担当者に相談するようにしてください。
育児休業給付金
育休中の社員が生活の困らないようにするための制度です。
条件を満たせば、正社員だけでなく契約社員やパートでも受給資格があります。
従業員が事業主に申請をするケースが多いですが、従業員本人から申請をすることも可能です。
産休の手当は社会保険からもらう
産休中に出産したときに、出産手当金をもらうには、会社の社会保険に申請します。育児休業給付金には産休手当は含まれていません。
失業中でも最低限の生活を確保するには
現在無職の人はとにかく最低限の生活費を確保しなければなりません。
ハローワークでは様々な制度を紹介していますが、「就職祝い金」を除きハローワークではお金はもらえません。
まずは、働かなくてももらえる手当てや制度を紹介しますので、自分に該当するかどうか順番に確認しましょう。
うつ病の診断でももらえる?疾病手当金と障害年金とは
病気やけがで働けなくなった人は、加入していた健康保険組合から、もらっていた給料から算出して3分の2程度の疾病手当金を、最長で1年6か月間受け取れる可能性があります。
また、その病気やけがの程度が障害1級か2級に認定されると、年間70万円以上の障害年金を受け取れる可能性があります。
さらに、病気の内容はうつ病などの精神疾患でも、重度であれば適用されるのです。
ただし、これらの手当ては重複して支払いされませんし条件についても複雑ですので、まずは年金事務所や役所の健康保険課に確認してみましょう。
ひとり暮らしでも使える?家賃補助制度とは
前職で雇用保険に加入していた人は、離職者住居支援給付金制度を利用できる可能性があります。
この制度は、ハローワークで求職活動をしている人を対象に、1か月6万円を上限として、最大で6か月間の住宅補助を受けられるものです。
さらに補助の対象はひとり暮らしの家賃でも、世帯の住宅ローンでも、住宅資金であれば適用されますので覚えておいてください。
生活保護は厳しくなっている
無職が受けられる手当てとして思いつくのが生活保護ですが、生活保護は収入がないからといって誰でも受けられるわけではありません。
それは、生活保護は能力の限り働いたとしても生活費が足りない人への補塡制度であり、働ける人の収入保証ではないからです。
さらに、近年の不正受給の増加によって生活保護の要件は年々厳しくなっていますので注意しましょう。
ここまでは、無職でも受けられる手当てや制度の一部を紹介しました。
ただし、このような制度でお金を受け取っても一時しのぎにしかならないケースが多く、生活を根本的に改善するには働くのが一番良いということを知っておいてください。
ハローワークを通してお金を借りることもできる
ここからは、ハローワークでお金が借りられる制度があるかについて解説していきます。
結論から言いますと、ハローワークにお金を貸す制度はありません。
しかし、ハローワークで求職申込と職業相談をすることで、「社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度」が利用できるようになります。
生活福祉資金貸付制度とは
生活福祉資金貸付制度とは、低所得者を対象に国がお金を貸す制度です。
金利は「連帯保証人ありの場合は無利子」で、「連帯保証人なしの場合は1.5%」となっています。
生活福祉資金貸付制度には、おもに以下の3つの種類があり、その種類によって借り入れできる金額がことなります。
生活福祉資金貸付制度の対象となる人
生活福祉資金貸付制度となる人は、「お金がなくて本当に明日をも生きられないような人たち」です。
申込条件や審査は非常に厳しいため、かんたんに利用できるものではありません。
大抵の場合、申込条件を満たすことができずに、審査を受けることすらできないかと思います。
また、あくまで貸付ですので返済の目処がない人に貸してくれません。
こうしたことから、生活福祉資金貸付制度が利用できるのは、生活が破綻寸前でどうにもならず、なおかつ将来的にはお金を返すあてがある人のみです。
この両方の条件満たす人はそういないため、実際に利用できる人は非常に少ないかと思います。
生活福祉資金貸付制度の種類
お金に困っている人のために無利子や低い利率で貸し付けをしてくれる「生活福祉資金貸付制度」は、目的ごとに幾つもの種類があります。
主なものについて紹介しますので参考にしてください。
生活支援費
生活支援費は生活再建までの間に必要な生活費用を貸付するものです。
借入金額は単身の場合、最高15万円、世帯ですと最高20万円となっています。
住宅入居費
住宅入居費は敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用を貸付するものです。
借り入れできる金額は40万円以内です。
一時生活再建費
一時生活再建費は生活を再建するために一時的に必要となり、なおかつ通常の生活費では支払うことができない費用を貸付するものです。
たとえば、再就職のために資格や技能を取得するための費用や、滞納している公共料金、債務整理をするための費用などが対象となります。
借り入れできる金額は最高で60万円までです。
無職でも生活を安定させて貯金する方法とは
無職の人でも生活を安定させて将来的に貯金をする一番の方法は、やはり働くことです。
そこで、少しでも早くお金を受け取れる仕事や、手軽に始められる仕事の選び方について紹介します。
即収入になる日雇いやアルバイトを選ぼう
パートやアルバイトの仕事を選ぶときは、日当払いのところを選びましょう。
例えば、給与の支払い条件が月末締めの翌月末払いであれば、働き出して給料を受け取るまでに最大で2か月間もかかってしまいますので注意してください。
今月ピンチ!すぐお金が必要!日雇いバイト、日払い現金手渡しの方法や注意点まとめ
実家でもOK!在宅ワークのメリットは?
現代では、ブログ記事の作成やWEBデザインなど、自宅にいながらパソコンでできる仕事も多くあります。
これらの在宅ワークは、就職活動費や通勤費、またスーツ代といった先行投資が少なくて済むというメリットがあります。
自宅では家族がいるから仕事をしにくいという場合は、実家を利用するのも良いでしょう。
運動になる仕事で精神的に安定させる
精神疾患が原因で無職である場合は、あえて体を動かす仕事を選ぶのもひとつの手段です。
それは、賃金をもらいながら、ストレスの発散ができる可能性があるからです。
ここまで話ししたように職業や就職形態は様々ですので、自分の能力や貯蓄状況に応じた仕事を選ぶようにしましょう。
失業してお金がない時のQ&A
仕事を辞めてお金がないときに利用できる給付金についてQ&A形式でまとめてみました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
あまり知られていないだけで、ハローワークにはお金のない人のためのいろいろな制度があるのですね。
どの制度も厳格な申込条件がありますのでかんたんに利用できるわけではありませんが、条件を満たし利用することができれば、現在の状況を改善できる可能性があります。
まずは最寄のハローワークで担当者に相談してみましょう。