スマホの手帳型ケースにキャッシュカードを入れる危険度は?
スマホの手帳型ケースにキャッシュカードを入れると磁気不良を起こすと言われていますが、実際にどれくらいの危険度があるのでしょうか?
スマホケースにカードを入れるかどうか迷っている方に役立つ情報をまとめました。
記事の目次
手帳型スマホケースとは?
総務省が平成30年に発表した情報通信機器状況によると、モバイル端末のうち、スマホの保有率は60.9%と、年々上昇しています。
そして、スマホとともに人気が高まってきているのが、手帳型のスマホケースです。
手帳型スマホケースは、合皮や本革などでできていることが多く、スマホの背面をカバーするケースとは異なり、スマホの画面も覆うことができます。
表のカバーを開くとスマホ画面が現れ、このカバー裏の部分にポケットがあります。
ポケットに、ICカードなどを入れられるのは嬉しいですね。
手帳型ケースを利用するメリット
電車の中を見渡すだけでも、手帳型のスマホケースを利用している人が多いことが分かりますよね。
手帳型のスマホケースがここまで普及したのは、やはり使うことでメリットがあるからです。
次に、手帳型スマホケースの主なメリットを4つ紹介します。
一緒に確認していきましょう。
スマホの全画面を保護できる
背面のみカバーできるスマホケースは、スマホの裏面と側面しか保護できませんよね。
しかし、手帳型スマホケースなら、裏面と側面、そして表面も保護できます。
素材がプラスチックなどで出来ている、薄いスマホカバーは、落としたときにスマホにダイレクトに衝撃が伝わります。
しかし、手帳型スマホケースは、柔らかい合皮などで出来ていているので、衝撃がスマホに伝わりにくいことがメリットです。
また、手帳型スマホケースには「画面保護」の役割もあります。
手帳型スマホケースの値段は少々高くても、スマホを落とした場合に衝撃を受けにくく、画面が長持ちするなら、結局はお得なのではないでしょうか。
カードなどを収納しておくことができる
スマホに交通系ICカードや電子マネーのアプリを入れれば、お財布を持たずにお出かけすることもできますね。
しかし、スマホが電子マネーの支払いに対応していなかったり、改札のIC読み取りの反応が悪いと、アプリの利用は難しいです。
そんな時は、手帳型スマホケースのポケットにICカードや電子マネーのカードを入れておきましょう。
交通系ICカードを入れておくと、改札のIC読み取り部分にスマホケースをかざすだけで、支払いが完了します。
荷物を減らしたい方にも、収納ポケットのある手帳型スマホケースはおすすめです。
手鏡で身だしなみを整えられる
手帳型スマホケースには、画面のカバーの裏に小さい鏡がついていることが多いです。
手鏡があると、エチケットが気になったときの、ちょっとした確認のときに便利ですよね。
ただし、何度も開閉すると、ケース接合部がゆるくなる可能性がありますが、手帳型スマホケースは消耗品だと諦めてください。
また、手帳型スマホケースには手鏡がついていないこともありますので、購入するときに、確かめましょう。
他人にスマホを見られにくい
スマホの画面は、あまり他人に見られたくないですよね。
画面を消していても、スマホの設定によっては着信やメール受信のタイミングで画面に表示されてしまいます。
しかし、手帳型スマホケースなら、カバーを開かない限り、画面に表示されても他人に見られることがありません。
また、手帳型スマホケースを付けていないスマホの誤作動で、間違い電話をかけた、電源が長押しされて強制オフになっていた等の誤作動トラブルが起こっているようです。
誤作動で大きなミスが起きる前に、手帳型スマホケースに変えるほうがよさそうですね。
手帳型ケースを利用するデメリット
手帳型スマホケースには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
そのなかでも、とりわけ日常生活に影響を及ぼす可能性があるデメリットを4つ紹介します。
熱を貯めやすい
スマホは精密機器ですので、熱に強いとは言えません。
手帳型スマホケースで表・裏・側面をすべて覆ってしまうと、放熱ができずにエラーが出ることもあるようです。
特に暑い車の中や、夏場などは注意しましょう。
重量が重い
背面カバー型やフレーム型のケースなら軽量タイプも多く、30グラム程度のものもたくさんあります。
しかし、手帳型スマホケースはフレームとカバーで出来ていますので、重量も100グラムを超えることが多いです。
また、手帳型スマホケースのポケットに電子マネーカードや交通系ICカードを入れると、数グラムではありますが、重量が増えてしまいます。
片手で文字を打ちにくい
手帳型スマホケースは画面全体を覆っていますから、開いたときに片手では持ちにくいです。
画面保護の部分を折りたたんで持っても、タッチキーボードに指が届きにくくなってしまいます。
片手で文字を打つことが多い方には、手帳型スマホケースは不向きかもしれませんね。
カードが磁気不良を起こすことがある
最近の学生証は磁気ストライプ(磁気テープ)がついていることが多いですよね。
手帳型スマホケースがマグネットで開閉するタイプのときは、長期間マグネットと磁気ストライプが接することで、磁気不良を起こす可能性が高いです。
磁気テープがついているカードは、再発行するまでに時間と手間がかかります。
磁気テープ付きのカードは、手帳型スマホケースのマグネット部分に触れないように、財布やカードケースに入れておきましょう。
ケースに入れておいたカードが故障する原因
手帳型スマホケースに磁気テープ付きのカードを入れておくと、磁気不良を起こしてしまう可能性が高いです。
カードのなかには、裏面に幅7㎜ほどの黒い線が引いてあるものがありますよね。
この黒い線を磁気ストライプと呼びますが、磁力の強いものに長期間近づけていると、磁気ストライプが故障し機能しなくなってしまう恐れがあるのです。
手帳型スマホケースには、開閉用のマグネットがついていることが多いです。
マグネットのそばにカードを長期間置いておくと、磁気ストライプが故障する可能性は充分にあると言えるでしょう。
ただ、SuicaなどICチップが埋め込まれていて磁気テープが無いカードは、磁力の影響を受けにくいので、安心してください。
しかし、SuicaクレジットカードはICチップと磁気テープの両方がつかわれているため、マグネット部分には近づけないようにしましょう。
クレジットカード会社でも注意を喚起
クレジットカード側でも、磁気ストライプの磁力が弱まらないように注意を喚起しています。
たとえばJCBカードの公式サイトには、次のような一文があります。
カード券面には磁気ストライプがあり、磁気不良や破損の場合はカード自体が使えなくなってしまいます。磁石留め具や、携帯電話・スマートフォンなどの磁気を帯びているものに近づけたり、カードを曲げたり、傷つけたりすることのないようにご注意ください。
磁石の留め具は近づけないほうがよいと書かれてありますよね。
磁気不良を起こさないためにも、注意するようにしましょう。
スマホ自体もNG?
JCBカードの注意文には、スマートフォン自体も磁気を帯びているため、クレジットカードに近づけないほうがよいと書かれてあります。
手帳型スマホケースに入れておいたカードが使えなくなったのなら、もしかしたら、手帳のマグネットではなくスマホが原因なのかもしれませんね。
手帳型ケースの磁気不良防止策
手帳型ケースにカードを入れてもスマホの磁気の影響を受けないためには、何らかの対策をしておくほうがよいでしょう。
一般的に、次の4つの方法があります。
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いずれもそれほどコストをかけずにできる方法です。
スマホケースを買い換えるタイミングなどで、ぜひ実施してみてください。
マグネットなしのケースを選ぶ
スマホ自体も磁力を発しているとはいえ、手帳型ケースのマグネットとダブルで磁力を発しているのは、カードにとってはよい環境とは言えません。
スマホケースはスマホなしには成り立ちませんから、せめてケースの留め金が磁石式ではなくパチッと留まるボタン式にしてはいかがでしょうか。
磁気防止カードケースに入れる
外部からの磁気を遮断する磁気防止用ケースにキャッシュカードを入れて、手帳型ケースのカード入れに入れます。
カードをATMに入れる前にもう1手間かかりますが、留め金の磁石の影響だけでなく、スマホの影響も防ぐことができます。
なお、磁気防止ケースは、ネットショップなどで1,000円前後で販売されています。
磁気防止シートをスマホとカードの間に挟む
ネットショップなどで700円ほどで販売されている磁気防止シートをスマホとカードの間に挟む(カード入れのスマホ側に差し込んでおく)と、スマホからの磁気の影響を防ぐことができます。
磁気防止シートはカードと同じ大きさ、形をしていて、おもに電車の改札を通るとき交通系ICカードのエラー防止の目的で使われますが、キャッシュカードの磁気不良防止にも役立ちます。
磁気防止シート内蔵したスマホケースを購入する
手帳型スマホケースのなかには、磁気防止シートを内蔵したものもあります。
少し値段は高くなりますが、磁気防止シート内蔵型のケースを買ってみてはいかがでしょうか。
手帳型スマホケースとキャッシュカードの相性
磁気ストライプがついているカードは、クレジットカードだけではありません。
銀行のキャッシュカードにもついていることがあります。
いずれにしても大切なカードですから、わざわざマグネットやスマホのそばに置くことは避けたいですよね。
とはいえ、世の中にはマグネット付きのスマホケースが数多くあり、多くの人々が使っています。
みなさん、磁気ストライプは大丈夫なのでしょうか。
そもそも携帯をキャッシュカードの側に置くのはNG
磁気型のキャッシュカードは、電波の影響などによってすぐに壊れてしまいます。
「なんどもキャッシュカードが読み取り不能になった」という経験をお持ちの人も多いでしょう。
そのような人は、キャッシュカードを携帯電話の近くやテレビの上などに置いている可能性が高いです。
「磁気型キャッシュカードは電波に弱い」ということをよく認識し、普段から管理するようにしてくださいね。
手帳型ケースの留め具の磁石も影響する
手帳型スマホケースのほとんどは留め具に磁石を使用していますが、この磁石も磁気カードに影響を与えます。
キャッシュカードの種類 | 手帳型ケース との相性 | 留め金の 磁石との相性 |
---|---|---|
磁気カード | × | × |
磁気・ICカード | △ | △ |
ICカード | ○ | ○ |
磁石が付いている手帳型スマホケースに磁気カードを入れると、マグネットとスマホのダブルの磁力で磁気不良を起こす可能性が高くなります。
磁気テープとICチップが両方付いているカードは、磁気テープが不良になっても使えますが、ICカードに対応していないATMでは使えません。
現在は多くのATMがICカード対応ですが、ICチップ専用カードを発行している三菱UFJ銀行では「ご利用いただけるATM、サービスが、(磁気・IC)コンビタイプに比べ限定されます」と注意しています。
地方銀行や信用金庫のキャッシュカードはいまだに磁気型になっていることがありますので、磁気テープがついているキャッシュカードを利用している人は十分に注意したいですね。
相性が悪いのは磁気テープ付きカード
現在キャッシュカードには次の3種類があります。
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この中でスマホケースに入れると磁気不良を起こすことがあるのは、磁気テープが付いている2つで、ICチップだけのカードは携帯電話が発生する磁気程度には影響を受けません。
各種カードを生産している凸版印刷でも、ICカードは「磁気に近づけても影響がない」と述べています。
icカードに磁気は影響しない
ICカードは、ICチップに埋め込まれた情報をATMが読み取ることで入出金が可能になります。
そのため、ICチップそのものが壊れない限りは使用できます。
スマホやマグネットなどのそばにカードを置く可能性がある方は、磁気ストライプ型ではなくICチップ型のカードに換えるほうがよいかもしれません。
もし、取引のある銀行でICチップ型のキャッシュカードも出しているなら、窓口に行って交換してもらいましょう。
磁気不良を起こす確率はどれくらい?
金融機関やクレジットカード会社では、磁気ストライプの取扱について注意を呼びかけていますが、「手帳型ケースにキャッシュカードを入れても使えなくなったことは一度もない」という人がいるのも事実です。
実際に、JCBカードの公式サイトでも「ご注意ください」とは呼びかけていますが、「絶対に近づけないでください」とは書いていません。
手帳型スマホケースにカードを入れが付いているのは便利ですし、磁石式の留め金もすぐに開閉できて便利です。
出来れば使い続けたいところですが、磁気不良を起こす確率があまり高いようならキャッシュカードは別に保管しなければならず、悩ましいところですね。
NHKオンラインでは2017年4月に次のようなニュースを掲載しています。
スマートフォンの手帳型のケースに、クレジットカードやキャッシュカードを保管していたところ、磁気情報が損なわれて使用できなくなったという相談が増加していることが、カード会社や金融機関への取材でわかりました。 手帳型のケースには磁石が付いているものが多く、カード会社は、使い方に注意してほしいと呼びかけています。 |
どれくらい増えているかについては明らかではありませんが、注意が必要とされているのは事実のようです。
銀行のコールセンターに聞いてみました
ネット上でも、磁気ストライプの不良発生率についての情報はありません。
日々カードのトラブルの相談を受けている銀行のコールセンターに電話して聞いてみました。
りそな銀行 | 磁気不良を起こしたというご相談はときどきありますが、最近増えているかという点では、私はそのようには感じていません。 |
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三井住友銀行 | 最近増えたというわけではありませんが、磁気不良を起こしたというお客様に保管状況をお聞きするとスマホケースやカバンの留め金の磁石が原因かもと思われるケースはよくあります。 |
南都銀行 | 磁気が弱くなって使えなくなったというケースはよくありますが、保管状況まではうかがっていません。 |
手帳型スマホケースは2015年頃から発売されて、2016年~2017年にかけて四半期ごとに倍々ゲームで売り上げを増やすほど急速に普及しました。
しかし、各銀行のコールセンターでは、手帳型スマホケースの増加に合わせて磁気不良の問い合わせ件数が増えてはいないようです。
したがって、磁気カードを入れたら即アウトということはなさそうですが、注意をしておくことは必要と言えるでしょう。
磁気不良を起こしたときの対処法
いったん磁気不良を起こしてしまうと、自力で磁気ストライプを修復することはできません。
かならず、窓口で手続きをして、新しいカードを発行してもらう必要があります。
再発行には以下のものが必要となります。
キャッシュカードの再発行 |
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クレジットカードの再発行 |
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キャッシュカードやクレジットカードを紛失・破損した場合、再発行手数料が1,000円ほどかかります。
しかし、磁気不良で再発行する場合は、手数料が不要になることがほとんどです。
手帳型ケースとsuicaの使い勝手
不良を起こすとは分かっていても、スマホケースにカードを入れておくことが便利なのは間違いありません。
では、 Suicaカードの場合はどうでしょうか?
普段から電車に乗る人は、Suicaを手元に持っているスマホに入れておけば、改札の出入りにとても便利です。
Suicaカードはスマホケースに入れておいても問題はないのでしょうか?
suica(icカード)の場合
以前は、Suicaカードには磁気ストライプが使用されていました。
このため、古いSuicaカードを持っている人は、スマホケースに入れておくことで磁気テープが不良になり、使用不能になる可能性があります。
しかし、最近はSuicaカードもICカードになっています。
ICカードであれば、スマホケースに入れても磁力の影響を受けることはないので、壊れる心配はありません。
ICカードへの交換は、みどりの窓口や券売機でいつでも手数料不要でおこなうことができます。
モバイルsuicaの場合
モバイルSuicaの場合には、そもそもカードは関係ありません。
スマホのおサイフケータイ機能を利用して、スマホそのものが改札に読み取られる仕組みになっていますので、カードレスで運賃を精算できます。
Suicaカードをスマホケースに入れるか悩んでいる方は、モバイルSuicaへの変更を検討してみてはいかがでしょうか。
カードが落ちる場合の対策
スマホケースにカードを入れておくことによって、ケースからカードが滑り落ちてしまう可能性があります。
これは、最も気をつけなければいけないことです。
銀行が預金を保証してくれるのは「預金者に重大な過失または過失がない場合」です。
スマホケースからキャッシュカードを紛失した場合には、過失と判断される可能性がありますので、そのカードで預金を下ろされてしまった場合には、全額保証されるとは限りません。
カードの滑り落ち対策
カードの滑り落ち対策としては以下のような方法を考えることができます。
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スマホケースの中には、完全にカードが隠れるタイプのケースがあります。
そのような深めのポケットのケースに入れておけば、カード落下の可能性を防ぐことができるでしょう。
また、カードの後ろに厚紙を入れておけば、ケースとカードの密着度が増して、落下防止に繋がります。
ただし、確実にカードの落下を防ぐことができる訳ではありませんので、カードをスマホケースに入れる人は各自で落下対策をおこないましょう。
カード収納に何のカードを入れる?
ここまで、キャッシュカードやSuicaカードを入れることは、破損や紛失のリスクが高いということをご説明しました。
では、スマホケースのカード収納には、どんなカードを入れるべきでしょうか?
携帯やマグネットの影響を受けないカード
まず、破損する可能性が低いカードを検討しましょう。
つまり携帯やマグネットの影響を受けない、磁気ストライプで情報を読み取るタイプのカードではないカードである必要があります。
クレジットカードもやばいので入れるのはやめておこう
ICカードであれば、確かに影響は受けません。
キャッシュカードだけでなく、最近はクレジットカードもICカードになっていますので、入れておいても読み取りができなくなる可能性は低いでしょう。
しかし、スマホケースにはカード落下のリスクがありますので、クレジットカードはなおさら入れておくべきではありません。
キャッシュカードは暗証番号がわからなければ使用することができませんが、クレジットカードの場合には暗証番号が分からなくても使用できるからです。
このため、スマホケースにはキャッシュカードもクレジットカードも入れずに、ポイントカードなどの当たり障りのないものを入れておいた方がよいでしょう。
まとめ
手帳型ケースにキャッシュカードを無防備に入れるのは、磁気不良を起こす可能性があるのでNGです。
どうしてもカードを入れた方が便利だという人は、磁気防止ケースなどで対策しましょう。
ただし、カード落下のリスクはどうしても排除することはできませんので、できればスマホケースの中には、キャッシュカードやクレジットカードは入れておかない方が無難です。