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料金滞納で裁判にはなりたくない!無視できない支払い督促・催告書とは

カードローンや、クレジットカードの滞納を続けていると、ある日「被告」として裁判所に呼び出される恐れもあります。

借金に限らず、公共料金や携帯電話などの、各種支払いの滞納にもあり得ることです。

訴状が届けば原則出廷することになり、仕事や大事な予定にも影響が出ます。

そうなる前に、裁判までの流れを知って、正しく歯止めを掛けましょう。

この記事はこんなひとにおすすめ

今回紹介する内容は、以下に該当する人が特に、興味深く読み進められるものになっています。

  • 催告書とはどんなものなのか知りたい人
  • 料金の滞納で裁判になるのか知りたい人

滞納で簡易裁判所から届くモノ

簡易裁判所から届く書類は、特別送達という形式で配達されるため、受取にはサインが必要です。

配達員に直接手渡されるので、いつの間にか郵便受けに入っていていた…ということはありません。

また受取を拒否することもできず、不在の場合も不在連絡票が残されます。

わざと受け取らず返送されても、次回から「発送した時点で受け取ったものとみなす」という法的措置がとられることがあります。

まずは簡易裁判所から届く郵送物や郵送物への対処法、そもそも簡易裁判所とはどのようなものか、と言ったような基礎的な知識を確認していきましょう。

簡易裁判所とは

裁判所には、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所があります。

簡易裁判所は全国に438あり、扱う刑事事件は罰金刑相当の事件がほとんどです。

民事で滞納に関するもので言うと、140万円以下の請求に関する事件を扱います。

また、調停申立書の提出を行えば、訴訟を起こすことなく相手と公的な話し合いで解決することも可能です。

身近なもので簡易裁判所を活用して解決する法的問題に、家賃や学校給食費の未納問題、料の未払いについての法的解決として利用されています。

このように簡易裁判所の名の通り、簡便な手続きでトラブルの解決を目指す機関です。

そしてカードローンやクレジットカードなどの債権回収などにおいても、頻繁に利用されます。

支払督促と訴状の違い

簡易裁判所で滞納問題を解決するときには、支払督促を利用することがほとんどです。

裁判所というと、証拠集めや出頭・判決などが連想されますが、支払督促ではそのどれも行われません。

上でも述べましたが、簡易裁判所は「簡便な手続きでトラブル解決を行う」ことを目指しています。

支払督促はその最たるもので、申立人が申立さえすれば、裁判所を通じて一括支払いの命令ができるのです。

具体的には支払督促申立書と言われる書類を記入して、請求先の住所を管轄する簡易裁判所に内容証明郵便で送付するだけで、請求先に法的拘束力のある支払督促を送れます。

支払督促は訴訟とは違うため訴状とは異なり、相手と裁判では争うわけではなく、単純に相手に借金などの未払金の請求を行うだけです。

非常に簡単に請求ができますが、裁判と違い相手に拒否権がある点には注意が必要なので、後ほど詳しく解説します。

簡易裁判所の取り扱う民事事件のうち、約3割が支払督促です。

支払督促は異議申し立てもできる

支払督促が行われたとしても、請求された側は同封されている書式にて異議申立てを行うこともできます。

同封されている督促異議申立書に必要事項を明記の上、受取から2週間以内に返送します。

すると、異議申立書提出後、債権回収会社などと訴訟に移行するのです。

裁判が嫌だからといって督促異議申立もせず放置すると、強制執行により財産(給与や預貯金など)の差し押さえに移行します。

仮執行宣言付き支払督促申立書

支払督促を無視して期限が過ぎても、突然差し押さえにあうわけではありません。

申立人は、改めて裁判所に申し立てを行い、仮執行宣言付き支払督促を発送する必要があります。

ここでもう一度、異議申し立てのチャンスがあり、期限は受領後2週間となっています。

異議申し立てをしなければ、強制執行へと進みます。

執行宣言付支払督促を請求先に送付するときには、裁判所に仮執行宣言申立書を提出して再び簡易裁判所に発行を行ってもらいます。

執行宣言付き支払督促の督促状が届いたにもかかわらず、返答を期限内にしなかった場合には強制執行となり、財産の差し押さえが始まります。

訴状は民事裁判

一方「訴状」が届いた場合は民事裁判ですので、出頭する期日(口頭弁論)が最初から指定されています。

民事訴訟では原告と被告、あるいはその代理人が出頭しますが、ほとんどの場合和解を勧められるため、どちらかが一方的に敗訴することは基本的にありません。

和解の場合は、分割による無理のない返済計画を立て、和解調書を作成します。

しかし口頭弁論期日に欠席すれば原告の一括請求が認められ、それに応えられなければ、やはり差し押さえとなってしまうのです。

また、民事訴訟以外にも簡易裁判所では民事調停を行うこともでき、民事調停の場合には双方の話合いで返済のルールなどが決められます。

支払督促を選択する理由

支払督促をしても、異議申し立てがあれば訴訟に移行するため、申立人(債権を回収したい人)にとっては二度手間です。

なぜはじめから訴訟にしないのでしょうか?

訴訟と比べ費用が抑えられるということもありますが、それだけではありません。

それは「滞納者は支払督促を受け取っても、異議申し立てをしないだろう」と考えているからです。

一般的な滞納者は法律に関する知識がないため、支払督促が送られてきても「異議申し立てをしなきゃいけない」と考え至りません。

このため、支払督促が送られているにもかかわらず、異議申し立ての対応をせずに差し押さえをされるケースが珍しくないのです。

つまり、最初から強制執行(差し押さえ)を狙っているのです。

滞納者の性格をついた作戦とも言えます。

滞納で裁判になるまでの流れとは

カードローンや携帯電話料金、ガス代など、ありとあらゆる料金に対して、滞納すれば催促が始まります。

最初は電話連絡か、「お知らせ」程度の、柔らかい文言の文書が届いたりする程度です。

この段階で支払いをする人がほとんどですが、放置すれば督促(とくそく)状を経て、催告書が届きます。

督促状は、請求書とほぼ同じ意味合いの書面ですが、催告書に移ると事態は深刻です。

督促状と催告書は違う

催告書では、「期日までに支払いがなければ法的手段」の文言が入っています。

アプローチ特徴
督促状期日までに支払う旨ことば柔らかに催促
ハガキで届くことが多い
催告書封書かつ内容証明で届く 時効の中断
期日までに支払いがなければ法的手段と宣言

無視し続けると、知らない業者や法律事務所からの、封書に切り替わることも珍しくありません。

何かの詐欺か?と思って捨てたりせず、まず中身を改めましょう。

催促は必ずしも債権者の本来業務ではないため、回収を委託している業者や法律家に催促業務が引き継がれることがあるのです。

クレジットカードには連帯保証人という制度がありませんので、既に保証会社が代位弁済(保証会社が代わりに一括返済を行っていること)を行っているかも知れません。

しかし、滞納しても、いきなり裁判になるわけではありません。

ここでは一般的な流れをご紹介したいと思います。

裁判所からの通知特徴
訴状返信用の答弁書が同封されている。
要返送
支払督促返信用の異議申立書が同封されている。
要返送

これは、飽くまで全ての催促を無視し続けた場合です。

返済計画の相談を持ちかけたり、遅れながらでも返済を続けていたりすれば、一方的に訴えられることはありません。

裁判を避けるためには、催告書が届いた段階で、返済か相談かを行う必要があります。

訴状

訴状には、これまでの滞納分を、期日までに一括返済するよう書かれています。

もちろん、先方も一括返済は事実上無理だと分かっているので、分割若しくは差し押さえを考えているのです。

返信用の答弁書には、「分割支払いで和解を望む」旨を記して、返信できるようになっています。

和解できれば、和解調書で定めた条件で、今後の支払いを行うことになります。

しかし、出廷せず和解にならなかった場合は、原告側の一括請求が認められ、いずれ差し押さえに発展します。

訴状が届いた以上は、いずれにしても出廷する必要があるため、その前に対応するのが得策です。

支払督促

支払督促の場合は、債権者が最初から差し押さえを念頭に申立てを行っており、通知が届いた時点で「仮執行」の一歩手前となっています。

異議申立てを提出しない場合は、2週間で財産の差し押さえに移行してしまいます。

異議申立てを行って、初めて訴訟に進みます。

裁判所の通知を無視するとどうなる?

返信してもしなくても出廷は必要ですが、答弁や異議申立てを行わなかった場合、原告の訴えを認めたことになります。

この場合、一括返済に応じなければなりません。

一括返済ができるものなら既にしているはずですので、財産(給与・銀行口座など)の差し押さえへと進んでしまいます。

借金返済が終わったはずなのに催告書が届いたらどうする?

借金の返済は全て終わったはずなのに、「返済が遅れています」などという内容の勧告書が届く場合があります。

全く身に覚えがない社名だったとしても、先に話したように保証会社が代位弁済を行っている可能性もあるため無視をするのは得策ではありません。

しかし既に完済した借入分の勧告書が届くことで、どのような背景が考えられるのかを見ていきましょう。

催告書を送ってくるのは時効の中断が目的

実は完済したと思っているのが間違った情報で、まだ借入金額が残っていたということも考えられますが、多くは返済をそのまま放置し、「既に時効を迎えた」と思っているケースで勧告書が届くことが多いです。

借金にももちろん時効は存在します。

しかし刑事事件のように単に年月を重ねれば、時効が成立するという単純なものではありません。

金融機関から借り入れた借金の時効は、最終返済日から5年以上経過することが条件です。

しかし債権者も時効の存在は知っていますので、時効にならない手続き(時効の中断)をしてくるのです。

そのひとつが勧告書です。

届いた書面には、「あなたにはまだ借金が残っていますよ」「裁判に訴えますよ」という内容が、記載されています。

実際、裁判になればその時点で、時効は中断します。

つまり、時効の中断への布石として、勧告書を送っているのです。

詐欺の可能性も

「送り主や記載内容に全く心当たりがない」ということであれば、まず最寄りの警察署の生活安全課に相談をすることが最善策です。

ここで「確認のために記載されている番号に電話してみよう」と、電話を掛けることだけは避けてください。

詐欺の可能性が非常に高いので、電話を掛ければうまく誘導され、結果的に支払わなくてもいい支払いをすることになってしまいます。

心当たりがなければ、迷わず勧告書を持って警察へ相談です。

時効が成立しているかどうか確かめる

先に話したように借金の時効は、5年以上経過したからというだけで、成立するものではありません。

しかし長期にわたって返済を行っていない金融機関に、「もう時効でしょうか」と問い合わせることもできません。(問合せした時点で時効は中断されます)

そのため、まずは届いた書面から、時効が成立になっているのかを確認してみましょう。

確認する項目は、最終返済日です。

ここから5年以上経過していれば、まずは第一関門突破です。

次に返済をしていなかった期間に裁判を起こされなかったか、1円でも返済をしなかったのかを思い出してみましょう。

最終返済年月日から5年以上経過し、裁判もなく1円も支払っていなければ、時効は成立したとみなされます。

支払い義務がある場合には相談を

「もう完済したと思っていたのに計算間違えをしていた」など、本当に返済を行わなくてはならない勧告書も存在します。

返済金額が支払える金額であれば問題ありませんが、長期にわたって遅れている場合には、遅延損害金も発生しているので、思わぬ金額を請求されることも珍しくはありません。

しかし支払いをしなければ、裁判所から強制執行の手続きが入る可能性もあるので、まずは債権者に連絡をして「分割希望である」旨を相談するといいでしょう。

分割支払いも困難な金銭状況であれば、債務整理も視野に入れておきましょう。

訴状を無視するとどうなる

訴状を無視(答弁書や出頭をしない)すると、原告の全面勝訴となりますので、一括請求が認められてしまいます。

一括請求は、滞納者にとって現実的には無理な請求です。

しかし期日までに支払いをしなければ、強制執行に移ることになります。

強制執行では、会社からの給与や預貯金、生命保険(解約返戻金)など、お金に替えやすいものから順に差し押さえられてしまいます。

給与に関しては、全額ではなく4分の1までとされていますが、勤務先に滞納が知られることになり、社会的な立場を失う可能性もあります。

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訴訟は借金滞納の額にもよる

滞納者は訴訟を起こされる側の立場ですが、ある程度訴訟のことも知っておく必要があります。

訴訟の種類によっては、デメリットを受ける場合もあるからです。

少額訴訟

少額訴訟とは、60万円以下の請求に対して行われる訴訟です。

1回で結審するので、双方にとってスピーディーな解決につながります。

一方で、反訴や控訴ができないという特徴があるため、裁判が始まる前に被告側にも「少額訴訟か通常訴訟か」を選ぶ権利があるのです。

また、判決内容などに異議があるときには、通常訴訟への移行も可能です。

少額訴訟を希望する場合には、債権者は裁判所に対して少額訴訟手続きを行います。

基本的に、「間違いなく借金を滞納している事実があり、額も間違いない」というような裁判で争う内容がない場合は、少額訴訟を受け入れる形になります。

通常訴訟

60万円を超える金額を請求する際に行われる訴訟のことです。

なお、簡易裁判所では140万円までの請求の訴訟を取り扱います。

「そもそも借金に心当たりがない」「この請求額は実際より多すぎる」など、争う余地のある案件ですと、通常訴訟を選択する必要があります。

答弁書の書き方

少額訴訟や通常訴訟の訴状が届いた場合には、期日に裁判所への出頭が必要ですが、1回目の公判は日付の調整ができないため、どうしても出頭ができずに答弁書で対応することになります。

しかし、答弁書は弁護士や司法書士ではない素人でも記入できるものなのでしょうか。

ここでは、答弁書の内容や送付のルールなどを確認していきましょう。

答弁書の郵送と期限

届いた訴状には答弁書が添えられており、これを提出することで出廷したこととみなされます。(自分で作成することもできる)

答弁書には、「一括払いが難しいものの、毎月〇〇円ずつであれば払える」などの、前向きに支払う姿勢を示すことが大切です。

なお、裁判所のHPにて記入例が紹介されています。

もしも、不明点があれば時間のあるときに簡易裁判所の係員に相談をすれば、書き方のアドバイスももらえるので、自分で答弁書を作成するときには行ってみましょう。

◆裁判所:答弁書 記入例

時効で訴訟取り下げになることも

カードローンやクレジットカードの滞納については、5年で時効になります。

5年の間、返済を一切していない、返済の約束や書面へのサインも行っていない、などの条件が必要です。

この場合は、答弁書に「時効の援用」をする旨を記入して、返送しましょう。

時効が成立するかどうかは、申立人も知っていることですので、勝ち目が無いとわかれば訴訟を取り下げてきます。

しかし、時効援用の起算日や中断のルールなど、時効が成立しているかを確認するときには、法律上の専門的な知識が必要です。

できる限り、法律に詳しい専門家とともに時効援用をすすめて行くことをおすすめします。

借金の返済が難しいなら債務整理の検討を!

返済を行う意思はあっても、健康上の問題や失業など、支払い困難な状況も考えられます。

しかし返済を行わないと強制執行になるため、どうにかして支払いを行いたいものですが、ない袖は振れません。

また、カードローンやクレジットカードの支払いを滞納している場合、既に借金額が大きく膨らんでいることが多いです。

そのため、仮に裁判所へ「異議申立て→分割」に進んだとしても、支払いができるとは限りません。

弁護士を通じて、債務整理を行った方が良いでしょう。

債務整理とは、大きく分けて4通りあり、このうち裁判所にお世話にならなくてすむのは任意整理です。

特徴整理後支払い
任意整理弁護士が債権者と交渉
利息や元金の一部カット
36回~60回払い
個人再生裁判所に出向く必要あり
元金含む借金大幅カット
36回~60回払い
自己破産裁判所に出向く必要あり
借金をゼロに
税金滞納は免除されない
家や車など財産は失う
特定調停裁判所に出向く必要あり
大幅減額は難しいかも
36回~60回払い

弁護士費用はかかるのですが、催促が止まることや、裁判所に出向かなくてもすむことを考えれば選択肢に入ってくるでしょう。

弁護士費用は20万円~30万円ですが、法テラスを利用すればその費用も半額から3分の1程度に抑えられる上に、月々5000円からの分割支払いが可能になります。
◆債務整理とは借金を合法的に減らす手段

◆《特定調停》費用のかからない債務整理のススメ

任意整理

任意整理とは、その名の通り裁判所をとおさずに債権者と債務者同士が話し合い、減額に応じてもらうことを指します。

最もポピュラーなものだと、過払い金が挙げられるでしょう。

過払い金を請求し、もし過払い金が存在すれば現在の残債から差し引いた金額を、今後は支払っていくことが可能です。

過払い金額が大きければ、一括完済も夢ではありません。

また過払い金がなかったとしても、「なぜ返済ができないのか」「今後も支払っていく意思はある」という内容で相談をすれば、現状よりも返済金額を減らしてもらう交渉も可能です。

場合によっては、今後は元金のみの返済で利息はカットということもありますので、まずは債権者に相談をしてみるといいでしょう。

個人再生

個人再生は、必ず裁判所を介さないといけません。

しかし借入残高を5分の1まで減額することが可能ですし、自己破産とは異なり財産を没収されることもありません。

そのため自宅や車を所有しているけれども、返済が追い付かないという人は、個人再生を選択する傾向にあります。

自己破産

自己破産は全ての借入残高が0になる手続きです。

その分自己所有の財産は没収されてしまいます。

現在賃貸で車も所有していない、貯金もないということであれば有効な手段です。

しかし破産完了後は官報に自己破産者として氏名、住所が登録されるというデメリットはあります。

特定調停

特定調停は、いわば裁判所で行う任意整理のようなものです。

個人再生や自己破産のように、明確に「借金がいくら減る」ということが事前には分からず、飽くまで債権者との話合いで決定します。

もちろん話合いをするのは依頼した弁護士や司法書士なので、依頼者が特別な知識を持っている必要はありません。

しかし「なぜこのような事態になったのか」「今後どのように返済を行うのか」などの、質問には答えられるようにしておきましょう。

催告書が届いた時点での支払いが困難な場合

勧告書が届いて返済意思があったとしても、失業や低所得、また持病の関係で働くことが困難である場合には、どうしても返済していくことが困難になります。

そういった場合には、専門の機関にまず相談をすることが最優先です。

ではどのような機関に相談をすればいいのか見てみましょう。

年金に関する場合は日本年金機構に相談


年金支払いの件ならば、相談先は日本年金機構です。

このまま放置しておくと、財産差し押さえの手続きを取られてしまいます。

相談をすれば国民年金は、免除になる可能性が高いものです。

しかし自ら訴え出ない限り通常の金額が請求されますので、できる限り早めに相談へ行くことをおすすめします。

場合によっては全額免除も可能です。

日本年金機構は全国に設置されているので、居住する地域で検索してみるといいでしょう。
(参考URL https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html

金融機関の場合は弁護士に相談

カードローンや消費者金融への支払い関係であれば、弁護士へ相談に行くのが一般的です。

現在の残債、そして収入を鑑みて、総合的にどの債務整理が合っているのかなどの方向性を決めてくれます。

「返済していないことを怒られるのでは」と心配する人もいますが、まず怒られることはありません。

現状をしっかりとヒアリングし、方向性を導き出します。

その後相談者が正式に依頼をすれば、各借入先に通知が送られますので、督促も終わります。

もちろん弁護士に依頼せずに、個人で債権者と話し合うことも可能です。

しかし相当金融知識にたけていて法的知識がある人でないと、言いくるめられて終わってしまうことも懸念されます。

国保や市民税・区民税等は役所に相談

税金関係ならば居住している役所が、相談窓口です

相談したからといって100%要望が通るとも限りませんが、少なくとも今よりは支払金額を抑えることが期待できます。

相談の際に「ないものはない」と開き直りとも取れる言動をするよりも、「この金額ならば返済できる」「今後も支払う意思はある」と前向きな意見を伝えた方が、相手も納得しやすくなります。

カードローン滞納から裁判まで

カードローンには、大きく分けて二通りの会社があります。

  • 銀行カードローン
  • 消費者金融(昔のサラ金)

それぞれ滞納による催促については、少し事情が異なります。

消費者金融は貸金業者ですので、借入れを申し込む人の審査から、滞納金の催促まで自社で行います。

一方で銀行は、カードローン申込時の審査や、滞納金の回収は保証会社に委ねます。

保証会社とは?

例えば、SBI新生銀行カードローンの「レイク」は、新生フィナンシャル株式会社が保証会社となっています。

滞納した場合は、この会社が立替えを行い、以降の催促はこの保証会社が行うことになります。

◆銀行カードローン保証会社一覧
◆SBI新生銀行カードローン借入方法・返済方法

裁判を避けるためにはどうすれば?

キャッシングの滞納は、取立てが厳しいイメージがあります。

しかし、催促のために職場を訪問したり、夜中に自宅を訪問して怒鳴ったりなどの行為は禁止されています。

最初は郵便のほか、留守番電話へのメッセージ、自宅への訪問(日中)が行われます。

留守番電話へのメッセージには、必ず折り返すようにしましょう。

無視し続け、滞納が始まって2~3か月後に、裁判所に訴えを起こされます。

そうなる前にできることとしては、まずはコールセンターに電話して一度の支払額を下げてもらうことです。

もちろん、支払期間が伸びることで利息が増えてしまうのですが、裁判沙汰になるよりかはいいはずです。

クレジットカードの滞納から裁判まで

クレジットカードの支払いを滞納した場合は、クレジット会社によっては数日後に指定口座から再引き落としを行います。

再引き落としができれば、滞納扱いにはなりません(利息はかかります)。

再引き落としができなかった場合や、再引き落としのシステムを採用していないクレジットカード会社の場合、催促に移ります。

電話→文書と進んだにも関わらず、放置して1か月もすると、自宅訪問を実施されることもあります。

さらに2~3か月で強制解約へと進みます。解約されても催促は続き、さらに放置すると裁判を起こされてしまいます。

裁判を避けるためにはどうすれば?

訴状が届いてから慌てるのではなく、まずはいくらからであれば支払えるのかを明確にし、分割を検討してみましょう。

もし一括で支払いをしているのであれば、カード会社にもよりますが、後から分割払いにすることも可能です。

もちろん、分割にできるものばかりではありませんが、ひとつでも分割にできると、ひと月の支払額は大きく変わります。

<例>15万円の支払いの内訳

  • 5万円:公共料金など分割不可のもの
  • 10万円:大型家電の支払い

後者の10万円の商品代金だけでも分割にできるなら、ひと月の支払額は相当減額できるはずです。

また、支払日が2パターンから選べる場合は、給料日の直後の日程に変えてもらうなどの工夫も有効です。

いずれも変更には時間がかかりますので、早めにオペレーターに相談することが必要です。

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ローンを滞納してから裁判まで

住宅ローンや自動車ローンなどの支払いを滞納してしまった場合は、どうなるのでしょうか。

滞納してから、裁判に発展するまでの流れは上記のカードローン会社の項とほぼ同じです。

しかし、最終的に住宅や車などを、差し押さえられてしまうことが大きな相違点です。

強制執行

住宅の場合は、競売に掛けられ、人手に渡ってしまいます。

公募ですので、プライバシーもなく、落札後は強制的に家を出ることになってしまいます。

自動車の場合は、車自体がレッカーされて「引上げ」されてしまいます。

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裁判を避けるためにはどうする?

ローン支払いのスケジュールを変更(リスケ)していれば、免れることもできます。

ただし、滞納してからではなく、滞納しそうだと予測できた段階で行うといいでしょう。

携帯電話滞納から裁判へ

携帯電話の滞納も長期に及べば、裁判に発展する恐れが十分にあります。

大手キャリアに電話で確認した所、支払いに関して事前に相談しても、基本的には待ってはもらえないそうです。

唯一ドコモは15日後に再振替を行うため、それまでは猶予が与えられるとのことでした。

端末代金はローンと同じ

携帯電話は、一旦利用停止になればそれ以上に滞納額が高額になることはありません。

しかし、端末代金は割賦契約ですので、月々の利用料金と同時に支払っているはずです。

端末代金がまるまる残っている場合は、スマホの最新機種ですと10万円前後に及びます。

これは10万円のローンを滞納しているのと同じですので、滞納し続けると裁判になり得るのです。

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携帯、スマホが残高不足で引き落としができずに支払い遅れになった場合

支払期限後、10~20日ほどで督促状が届き、利用停止日が記載されています。

また利用停止から1か月程度で、強制解約となります。

同じキャリアはもちろんのこと、ローンの滞納として信用情報に傷が付く形になり、少なくとも5年は新規のローンに影響があります。

利用停止後の対応

滞納すると、全ての機能が利用停止になるのが一般的ですが、キャリアによっては着信などの一部の機能が使えることもあるようです。

ドコモやauは、メールや着信も不可となります。

ただしバッテリーがあれば、wifi下でネットは使えます。

◆ドコモの料金を滞納するとどうなっちゃうの!?「携帯会社に聞いてみた」

◆auの料金を滞納するとどうなっちゃうの!?「携帯会社に聞いてみた」

利用停止後に着信出来るキャリアも

一方で、利用停止後も着信は可能という、ケースもあります。

大手で調べてみた所、ソフトバンクとワイモバイルは着信可能です。

※イーモバイルとウィルコムは2014年に統合し、ワイモバイルとなりました。

◆ソフトバンクの料金を滞納するとどうなっちゃうの!?「携帯会社に聞いてみた」

◆ワイモバイルの料金を滞納するとどうなっちゃうの!?「携帯会社に聞いてみた」

公共料金の滞納でも裁判になる?

電気・ガス・水道などの公共料金の滞納も、理論上は裁判になり得ます。

しかし、その前に供給そのものが停止されるため、裁判費用を掛けてまで回収するような高額の滞納になるのはまれです。

ただし法人契約の場合は、数十万円単位に及ぶため、裁判になるケースも考えられます。

NHKの滞納

公共料金の滞納では、裁判まで発展することは考えにくいと述べました。

しかし、NHKの放送受信料は、長期の滞納の場合、裁判に発展したケースが実在します。

NHKは供給を停止したくてもできないので、滞納額が高額になってしまうのです。

契約を解除してしまえば、滞納額はそのままですが、今後は受信料の発生はありません。

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債権回収業者からの催促

ガスや電気の滞納が少額であるため、裁判に発展しなかったとしても、催促は行われます。

滞納が長引くと、業者によっては債権回収業者からの催促に切り替わることがあります。

(ちなみにNTTは、2014年から通常の請求からNTTファイナンスという会社が行っています。

滞納しているいないに関わらず、一括管理されています。)

その他催促が行われる場合

利用停止までに滞納額が高額に渡る場合は、裁判に発展すると考えて良いでしょう。

インターネットプロバイダー(フレッツ光など)や、生協(宅配)など、契約の仕方によっては高額になり得ます。

裁判にならなかったとしても、催促が続くことは間違いありません。

住民税滞納したら裁判になる?

住民税などの税金は、実は裁判を起こさずとも強制執行に移ることが可能です。

そのため、流れが上記の滞納とは異なります。

郵送物特徴
督促状期日までに支払う旨ことば柔らかに催促
ハガキで届くことが多い
催告書封書かつ内容証明で届く 時効の中断
期日までに支払いがなければ法的手段と宣言
差し押さえ予告 (この段階で既に財産の調査が行われている)
差し押さえ 預金・給与などの財産が差し押さえられる

差し押さえまでの日数は、実は定かではありません。滞納者が多く、全ての回収業務を網羅できないためです。

公には、年に300万円以上の所得がある人に、優先的に催促が行われるとされています。

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◆住民税を滞納したらどうなる?

ちなみに住民税は、地方税ですので、市町村役場が窓口となります。

どうしても支払えないとう場合は、強制執行となる前に、減額や免除、分割払いの相談に乗ってもらうことができます。

支払督促と民事訴訟の違いとは

支払督促と民事訴訟の違いは簡単にご説明すると、借金回収のために裁判を起こさないのが支払督促で、実際に裁判を行うのが民事訴訟です。

確かに支払督促も民事訴訟も手続き窓口は裁判所ですが、支払督促は簡易裁判所の書記官に申し立てるのに対して、民事訴訟は裁判所に対して申し立てをします。

つまり支払督促は簡易裁判所の書記官が代わりに借金を返さない相手に督促してくれる手続きで、民事訴訟はその名の通り訴えの提起から始まり、請求の原因を証拠によって証明しなければなりません。

民事訴訟では請求の原因など訴状に記載されている原告の主張が認められるかどうか審理を行い、口頭弁論を開くなど判決によって原告勝訴または原告敗訴の決定が下されます。

一方支払督促はお金を貸した側が申立を作成し、記入した内容の趣旨が借金回収請求に値する理由に相当すると判断された場合に相手側に支払督促申立書を郵送します。

民事訴訟は必ず金銭消費貸借契約書などの証拠書類が必要ですが、支払督促申立には証拠書類はとくに必要がないたため、個人でお金を貸したはいいけれど借用書を作成していなかったという場合でも裁判所を通して相手に借金の督促が可能です。

通常の訴訟ではお金を貸した側、お金を借りた側の両方が裁判所に出廷しお互いに自分の意見を主張し、証拠などの提示によってどちらの言い分が正しいのか双方の意見を聞いた上で裁判官が判決を下します。

ところが支払督促は督促手続きを行えば、お金を貸した側もお金を借りた側も裁判所に呼び出されることはありません。

また訴訟が提起されたことをお金を借りた側に連絡する必要もないため、お金を貸した側の言い分が妥当だと判断されれば支払督促が発せられるという特徴を持っています。

個人が扱いやすい少額訴訟手続

民事訴訟は民事上の紛争を解決する手続きですが、種類は大きく分けて4つあります。どの方法が最も効率良いのか、また貸してある金額や弁護士費用などもよく考えて選ぶ必要がありますね。

①通常訴訟

通常訴訟は金銭関係の民事事件受付件数のうち、38.7%を占める解決方法です、最終的には判決によって解決を行います。

争う金額が140万円未満の場合は簡易裁判所で処理できるため、個人間融資に限らず消費者金融などの金融機関が利用する場合が多いです。

②手形・ 小切手訴訟

手形小切手訴訟とは民事訴訟法の特別の規定によって審理される訴訟です。手形や小切手など証拠書類が揃っているため、比較的簡易で迅速な判決を言い渡すことができるため企業や自営業者なども広く利用しています。

③少額訴訟

少額訴訟は簡易裁判所で行う訴訟方法で、貸付金額が60万円以下の金銭を支払いを求める訴訟です。

訴訟と聞くと地方裁判所をイメージしてしまいますが、少額訴訟に至っては簡易裁判所で審理されるため、消費者金融などの金融機関に限らず個人間融資でもよく利用されています。

なお少額訴訟については後述します。

④その他(人事訴訟)

その他の民事訴訟としては離婚訴訟や家族関係の紛争を解決する訴訟として人事訴訟があります。離婚する際の親権者はどちらかとか、養育費についての取り決めなどを行います。

少額訴訟とは

少額訴訟とは手間暇をかけず60万円以下の金銭の支払いの訴えについて、1回の審理で紛争解決する迅速簡便な方法です。

少額訴訟手続の審理は会員裁判所が行い、訴訟申立書を作成するだけで証拠書類を必要とします。

もちろん借用書などの証拠書類があった方が有利に裁判を進めていくことができますが、何らかの事情で借用書を紛失してしまった、またはそもそも借用書を作成していなくても訴訟が可能です。

少額訴訟を起こすと裁判所は第1回口頭弁論期日を定め被告に訴状送達します。

第1回口頭弁論期日では通常訴訟の場合と同じように、裁判官が原告と被告の両方の言い分を聞き、証拠書類を調べることによって直ちに判決を出します。

少額訴訟手続で利用される証拠はすぐに調べができる借用書や領収書、念書があれば裁判官はとりあえず原告と被告に和解勧告をしますが、お互い和解できない場合は判決を言い渡します。

判決の言い渡しは口頭弁論が終わった時点で行い、被告の収入状況などを勘案し判決確定の日から3年を超えない範囲で分割払いさせる場合もあります。

なお判決確定日から2週間以内にどちらからも異議申し立てがされなかった場合は判決はそのまま確定し控訴できません。

少額訴訟が確定すると、原告は債務名義を取得でき強制執行を行うことができるようになります。これを少額訴訟債権執行制度と言います。

貸したお金を返してもらうための請求方法と借金の請求書の書き方

支払督促とは

支払督促とはお金の貸主が何度請求してもなかなかお金を返さない場合に、簡易裁判所の書記官に申し立てることによって、借主に代わりに請求してもらう方法です。

金銭債権に絡む事案としては通常訴訟に積む2番目の多さで、全体の29.7%を占めています。

訴訟の判決は裁判官が行うのに対して、支払督促は裁判官が判決を言い渡すことはありません。

裁判所の書記官が作成する支払督促には請求の趣旨及び原因、借金返済を求める文言が記載されます。

督促状には督促の送達を受けた日から2週間以内に異議申し立てしない場合は、貸主の申し立てにより仮執行宣言が行われる旨が記載されます。

支払督促を行う場合は借用書がなくても支払督促を行う貸主の言い分のみを見て、請求の趣旨や請求の原因に矛盾点がなければそのまま手続きができてしまいます。

支払督促の送達

支払督促はお金の借主に督促状が送達できることが必須条件です。通常訴訟のように公示送達はできません。

裁判所の書記官は支払督促状の送達ができない場合は、申立人に対して送達できなかったことを通知します。申立人は2カ月以内に送達場所の申し出ができなかった場合は支払督促を取り下げなければなりません。

なお借主が居住しているにもかかわらず支払督促の受け取りを拒否した場合は、借主の時間稼ぎを防ぐために簡易書留で「付郵便送達」によって完了させることが可能です。

借主が確実に住所地に住んでいるにもかかわらずどこに勤務しているのかわからない場合に有効な送達方法です。

仮執行の宣言

督促状を送達して2週間以内に異議申し立てがなかった場合は、裁判官の書記官は仮執行宣言を行います。

お金の貸主が仮執行宣言の申立をできる時点から30日以内に申し立てをしなければ支払督促は効力を失います。

財産や給料を差し押さえる目的がある場合は、日にちが限られていますので素早く手続きする必要があります。

支払督促の弱点は異議申し立て

訴訟は判決が出るため白黒をはっきりさせるには良い方法です。しかし支払い督促はあくまでも裁判所の書記官が代わりに請求するだけです。

お金の借主が支払督促について異議申し立てをしてしまうと、通常訴訟に移行してしまいます。

もちろん異議申し立てがなかった場合は債務名義を獲得し強制執行に向けて手続きを進めていくことができますが、「異議あり」となってしまった場合は支払督促は停止せざるを得ません。

せっかく弁護士を立てる必要もなく、また費用をかけることなく支払督促したのに異議申し立てされると通常訴訟に移行したのでは意味がありませんね。

それくらいなら最初から通常訴訟を起こすか、金額が少ない場合は少額訴訟を起こした方がはるかに有効な場合が多いのです。

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