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水道料金滞納は何か月で止められる?給水停止になるまで

水道料金はどのくらい滞納すると、給水停止になってしまうのでしょうか?

蛇口から水が出てこないと、つらい生活になることは目に見えていますよね。

今回は、水道料金の滞納のリスクと、給水停止までの流れについて解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • 水道料金の滞納にしている人
  • 水道が給水停止になるまでの期間を知りたい人
  • お金がなくて水道料金を支払えない人

滞納していると水道が止まる!

水道料金を滞納していると、給水停止の措置がされ、水が使えなくなります。

飲み水はコンビニなどで購入できるとしても、入浴やトイレ、食器洗い、洗濯に水は欠かせませんので、清潔な生活を続けていくことが困難になります。

水道はいつ止まるのか、どのような手順で給水停止に至るのかについて見ていきましょう。

第一段階:お支払いのお願いハガキ

最初は、「お支払いのお願い」や「未納通知書」(管轄する地域によって表題が異なることがあります)と書かれたハガキが、水道の管理者から未納者に対して送付されます。

このハガキには、水道の使用者宛てに、未納分の納付期限や請求金額が記されており、ハガキ自体にバーコードがついていてそのままコンビニなどで支払えます。

お支払いのお願いハガキが送付されるタイミングは、水道局によって異なりますが、一般的には支払い期限が過ぎてから10日~1か月後であることが多いです。

尚、東京都水道局では、通常の支払い期限の2週間後にお支払いのお願いが発送されることになっています。

第二段階:督促状

お支払いのお願いのハガキを受け取っても、何のリアクションもしないでいると、次は封書(ハガキの場合もあります)の督促状が郵送されます。

お支払いのお願いと同様、バーコードがついた納付書が入っていますので、コンビニなどで滞納分を納付できるようになっています。

ただ、督促状である「お支払いのお願い」とは文面が異なり、勧告状なので「このまま滞納が続くと法的措置を取ることもあります」などの強い口調で警告が行われていることが多いです。

督促状が発送されるタイミングも管轄の水道局によって異なりますが、一般的にはお支払いのお願いが送付されてから2週間~1か月後のタイミングに送付されることが多いです。

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第三段階:給水停止予告書

督促状を受け取っても未納金を支払わない場合は、給水停止予告書が封書で送付されます。

最終的な支払い期限と金額だけでなく、期限を過ぎても支払わないときは給水停止や裁判などの措置を行うことも記載されています。

この給水停止予告書の封書にも納付書が入っています(給水停止予告書と納付書が一体型になっていることもあります)ので、記載されている期間内に支払いを行えば給水停止措置はされません。

また、この納付書にもバーコードが印刷されていますので、水道局の事務所に行かなくても最寄りのコンビニなどで支払えます。

給水停止予告書が送付されるタイミングも水道局によって違いますが、一般的には正規の支払い期限が過ぎてから1~4か月後に送付されます。

第四段階:直接集金・電話催促

給水停止予告書が送付されるタイミングと前後して、水道局の職員や委託を受けたスタッフが自宅まで直接集金に来たり、電話で未納金を支払うように催促されたりします。

職員が集金に来たときに現金を持ち合わせている人は、未納金を直接手渡すことで滞納分の支払いを完了できますね。

集金の際は必ず身分証を確認

水道局の職員を装って、各家庭から現金を詐取する詐欺が横行しています。

本物の水道局の職員もしくは委託を受けたスタッフの場合は、かならず身分証を持っています。

水道局の職員と名乗る人が自宅に来たときは、「身分証を見せてください」と言い、その身分証が正しいものであるか確認するようにしてください。

第五段階:給水停止

給水停止予告書に記された日時を過ぎると、給水停止が実施されます。

給水停止予告期限を過ぎた翌日に給水停止されることもありますし、期限を過ぎてから1週間後に給水停止されることもあります。

給水停止後は、未納金を全額支払わないと水道栓を開栓してもらえません。

なお、通常の支払い期限を過ぎてから給水停止までの期間も水道局によって異なりますが、一般的には1か月半~6か月程度で給水停止処分が実施されます。

勝手に開栓すると刑事罰になることも!

水道法第51条の2では、「みだりに水道施設を操作して水の供給を妨害した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」と記されており、刑法に触れるときは刑法で裁くと記されています。

つまり、給水が止まったからといって勝手に水栓を開けることは、「みだりに水道施設を操作」したことになりますので、罰金や懲役などの刑事罰が科せられる可能性もあるのです。

また、開栓するだけでなく水道管から出てきた水を使用すると、自分に所有権が無い物を使用したことになりますので「窃盗罪」にも問われます。

二重の罪を背負うことになりますので、絶対に自分で開栓作業をしないようにしてくださいね。

◆電子政府の総合窓口イーガブ公式サイト:水道法第七章「罰則」

第六段階:解約と裁判

給水停止後も滞納している水道料金を支払わないと、強制的に水道契約を解除されてしまいます。

もちろん、水道契約が解除されたとしても、滞納した水道料金を支払う義務は残ります。

解約後も滞納を続けると、次はいよいよ法的措置へと移ります。

財産、給与差し押さえ

裁判所から「支払督促」が届き、このまま滞納を続けると、給与差し押さえや預金などの財産差し押さえなどを強制執行することが告げられます。

支払督促も無視すると、次は差し押さえの実行に進みます。

裁判に進むこともある

支払督促が来て2週間以内に異議を唱えると、裁判が実施されることもあります。

裁判は滞納した水道料金以上の、多額の費用や精神的苦痛を伴いますので、できればこの段階まで進まないように適切な時期に適切な料金を支払うようにしてください。

滞納したらすぐに電話で連絡

水道料金はクレジットカードの利用代金や税金などの他の料金と比べると、請求書が送付されてから請求締切日までの期間が短い(10日前後)ため、ついうっかりして滞納してしまうことが多いのも事実です。

また、口座振替を利用している人の場合でも、口座に充分なお金が入っていないために、悪意はなくても滞納してしまうこともあるでしょう。

しかしながら、どんな理由であれ、使用したサービスの代金を支払わないことは違法行為です。

滞納したことに気づいたり、「お支払いのお願い」などの郵便物が送られたら、すぐに料金を支払うようにしましょう。

納付書を紛失してしまったときはすぐに水道局に電話をかけ、新たに納付書を郵送してもらえるようにお願いしましょう。


相談すれば少し待ってもらえる?

滞納したときや、滞納期間が長引いて給水停止処分を受けたときは、基本的には未納金を一括で支払わなければいけません。

どの水道局も給水再開の条件として「未納分の全額支払い」を掲げていますので、例外なく全額一括支払いを要求されます。

しかし、どうしても支払えない事情がある場合は、水道局に相談することで滞納料金の分割払いや一部払いによる給水停止処分解除が可能になることがあります。

まずは、水道局に電話をかけ、誠意を見せて事情を説明しましょう。

水道管理者から納付指導を受けることもありますが、通常の支払いより猶予が与えられる可能性もあるので一度相談することが大切です。

滞納金支払いから給水再開までの時間

なお、滞納金の支払いから給水再開になるまでの時間は、水道局が納付を確認するタイミングによって異なります。

今すぐ給水を開始して欲しい人は水道局に電話で納付したことを連絡するか、料金を支払ったことを示す印が押された納付書を持って最寄りの水道局事務所に向かいましょう。

最短数時間で給水停止が解かれることもありますよ。

土日も給水再開できる?

水道局事務所によっては電話受付を土日はしていないことがあります。

したがって、土日に給水再開が不可能なこともあります。

急ぎの場合は、管轄の水道局に問い合わせてください。

なお、東京都水道局では土曜日は給水再開可能ですが、日曜日は受け付けていません。

◆東京都水道局公式サイト:「手続き・料金」

滞納分の支払い方法

一般的にはどの自治体でも「給水停止の予告書」の納入期限内であれば、滞納分の支払いを銀行や郵便局、コンビニなどの窓口でできます。

しかしながら、給水停止後もしくは水道契約解除後は、コンビニなどで支払いができず、かならず水道局の事務所まで来るようにと指示がされるのです。

事務所が交通に不便な場所にあるときは、出かけるだけでも余分な時間を使うことになります。

現金書留で送付(水道局によっては認められていることもありますので、かならず問い合わせてから実施してください)するとしても、通常の切手代以上の料金が必要です。

水道料金の支払いがなかなか完了せず、未納の状態が続くと分納誓約書や納付誓約書の提出を要求されることもあります。

お金が不足して支払えない場合は、無利息期間キャンペーンのカードローンを利用して対応する方法もあるので検討してみましょう。

時間や費用の無駄を防ぐためにも、かならずバーコードが記載されている納付書が郵送されている期間中に支払うようにしてください。

滞納前なら幅広い支払い方法から選択できる!

滞納する前なら納付書を使った窓口払い以外にも、クレジットカードによる決済や口座振替、現金書留(一部水道局のみ)、振込(一部水道局のみ)など幅広い支払い方法から選べます。

なお、口座振替で支払う場合は、口座振替手続きに1~2か月かかることもありますので、申し込んだ月と翌月は納付書による支払いとなります。


水道料金の時効は2年

年金やマンションの管理費などの未払い料金は、5年で時効成立となりますが、水道料金は民法第173条1の「生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権」に該当しますので2年で消滅時効が成立します。

ただし、料金を滞納してから2年ではなく、水道局が水道料金の請求を行わなくなってから2年ですので、督促状を送付されていたり、裁判を続けていたりする限りは時効が成立しません。

結果的に、水道利用者はいつまでも料金支払いの義務を有することになります。

◆公益財団法人大阪府市町村振興協会公式サイト:相談室「上下水道の不納欠損処分について」

滞納すると利息が発生する場合も

水道料金を滞納すると、延滞金が発生することもあります。

延滞金の利息を定めていない水道局もありますが、年利5%程度の利息を定めている水道局も少なくありません。

利息を定めている水道局では、本来の納付期限の翌日~1か月後から延滞金が発生するようになっています。

水道の滞納は信用情報には記録されない

水道料金の滞納は借金の延滞金ではありませんので、信用情報機関に滞納した記録が残ることはありません。

つまり、水道料金の滞納経験があるからといって、クレジットカードの審査や住宅ローンなどのローン審査に影響が及ぶことはないのです。

信用情報対策がなぜ重要なのかについては、次の記事で詳しく説明していますのでぜひチェックしてみて下さい。

ローンが通らない理由を調べるには信用情報開示が一番

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クレジット支払いの場合は信用情報に記録される

水道料金をクレジットカード支払いにしている場合は、信用情報に記録されるので注意が必要です。

クレジットカードの支払い履歴は、信用情報にかかわる取引です。

そのため、クレジット払いの水道料金を滞納すると、これからローンなどの審査を受けるときに、結果に影響が出る可能性が非常に高いです。

滞納の回数が多かったり、延滞期間が60日を超えると事故情報とみなされて、金融事故として個人信用情報に記録されるので、クレジット払いは特に気を付けましょう。

水道料金の減免制度を利用しよう!

水道料金を滞納してしまう前に、減免制度が利用できないか検討してください。

水道料金の減免手続きは管轄によって異なりますが、手続きをする価値は十分にあります。

減免制度は管轄の自治体・水道局によって異なる

水道料金の減免制度は、管轄の自治体や水道局によって異なります。

経済的事情や身体的事情等のために減免制度が利用できると思われる人は、かならず市区町村役場もしくは最寄りの水道局に尋ねてください。

例えば、神奈川県横浜市では以下の基準に該当する世帯の水道料金は減免されますが、減免制度を実施していない自治体も少なくありません。

<横浜市の水道料金・下水道料金減免の条件>

  • 生活保護を受けているひとり親世帯
  • ひとり親家庭等医療費助成世帯
  • 特別児童扶養手当受給世帯
  • 身体障害者1級および2級の人が家族にいる
  • 知能指数35以下の知的障害者が家族にいる
  • 精神障害1級の人が家族にいる
  • 要介護4もしくは5 等の人が家族にいる

◆横浜市公式サイト:「水道料金・下水道使用料の基本料金の減免とはどういうことですか」

水道料金の滞納は破産するとなくなる?

自己破産をすると滞納金の支払い義務が法的に免除されますが、破産法第253条1の「租税等の請求権」によると、下水道料金の支払い義務はなくならず、同法の「租税等の請求権」に該当しない水道料金の支払い義務は一部を除いてなくなります。

実際には、上下水道料金を分けて請求されませんので滞納分に対する請求が行われないこともあります。

しかし、あまりにも長期にわたって滞納して、高額な料金の場合だったり、滞納が悪質な場合は、下水道料金の全額と水道料金の一部が破産後も請求されてしまいます。

◆電子政府の総合窓口イーガブ公式サイト:破産法「第253条1」

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