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パート・アルバイトの収入の壁と社会保険、税金について

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人生100年時代という言葉が定着しつつあり、長い老後を過ごすには資金も不可欠です。

国は働ける人にはできるだけ長く働いて、支え手となることを期待していますし、個人としても老後に必要な資金を確保する必要があります。

そんな人生100年時代の働き方は、正社員一辺倒ではなく、パート、アルバイト、フリーランス、起業等々、自身のライフイベントに合わせて様々な選択肢の中から選ぶ必要があります。

今回は様々な働き方の中でも、年々割合が増えているパート、アルバイトという働き方について、社会保険、雇用保険、税金の視点から見ていくことにします。

パート・アルバイトと社会保険

雇用されて働く場合は、一定の要件を満たすと健康保険と厚生年金保険に加入することになります。

加入要件は原則としてひと月当たりの労働時間と労働日数に基準が設けられています。

具体的には、1日または1週間の労働時間および1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上あれば加入する必要が生じます。

例えば、1週間の所定労働時間が40時間、1か月の所定労働日数が20日の会社で働く場合、1週間に30時間以上、1か月に15日以上働く場合は社会保険への加入が必要となります。

また、社会保険に加入している社員が501人以上いる会社の場合は、次の基準を満たした場合は前出の条件に関わらず加入することになります。

①1週間の労働時間が20時間以上

②月額の賃金が88,000円以上
(年収に換算した場合、約106万円以上)

③勤務期間が1年以上見込まれること

④学生ではないこと

社会保険に加入した場合、健康保険は75歳まで加入することができ、厚生年金は70歳まで加入することができます。

健康保険の保険料は加入している組合などによって異なりますが、給料の5%程度が本人負担分です。

厚生年金保険料は給料の約9%を本人が負担します。

また、本人が負担する金額と同程度の金額を会社も負担しています。

その他に40歳以上の労働者は、介護保険も給与から控除されます。

パート・アルバイトと雇用保険

次に、雇用保険の加入要件について見ていきましょう。

雇用保険の要件は社会保険よりシンプルで、1週間の労働時間が20時間以上かつ31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であることの2点です。

以前は新規に加入できる年齢に上限がありましたが、平成29年1月1日から撤廃されています。

雇用保険料は給料の0.3%程度を本人が負担します(建設業や農林水産業などの特定の業種については0.4%程度となっています。令和2年3月31日までの保険料率)。

会社は労働者に支払う給料の0.6~0.8%程度の保険料を負担します。

社会保険と雇用保険のメリット

社会保険や雇用保険に加入した場合、給与から約15%保険料を天引きされるため、手取りが少なくなることを敬遠し加入を渋る方もいますが、社会保険や雇用保険は税金と異なり、給付というフィードバックがあります。

健康保険の場合、医療費の7割が保険給付ということは国民健康保険など他の医療保険でも統一されていますが、私傷病によって休業している間の収入を補填する傷病手当金や産前産後休業期間中の収入を補填する出産手当金などは、雇用されて働いている人が加入する社会保険でなければ受けられない給付です。

雇用保険の代表的な給付として、失業したときに受けられる失業給付以外に、高齢になって賃金が下がったときにこれまで得ていた賃金の一部を補填する高年齢雇用継続給付、育児や介護休業中であって賃金が支払われないときにその一部を補填する育児休業給付や介護休業給付など、会社に在職中でも受けられる給付もあります。

次に、パート・アルバイトで働く場合の税金について見ていきます。

パート・アルバイトと税金

ある一定金額以上の収入を働いて得た場合、税金を納める必要があります。

税金には国に納める所得税と、居住地に納める地方税の2種類があります。

所得税が発生するのは収入が103万円を超えた場合です。

一方で地方税は原則として収入が100万円を超えた場合に発生します。

税金が発生しない程度に働こうと考えて103万円を意識される方は多いですが、地方税の課税基準が100万円であることは案外把握されていないため、地方税と所得税のボーダーラインが異なることも念頭に置いてください。

ここまでのところで、パート・アルバイトで働く場合、税金と社会保険の年収の壁として100万円(住民税)、103万円(所得税)、106万円(社会保険の適用拡大)という3つの壁があることを見てきました。

それ以外にも130万円から201万円まで3つの壁が存在しますので、残りの壁を整理しましょう。

扶養の範囲

パート・アルバイトで働く場合、扶養の範囲内で働きたいという声をよく聞きます。

扶養の範囲には社会保険と税金の2種類があり、それぞれ収入要件が異なります。

社会保険における扶養の範囲の年収要件は130万円(60歳以上または障害年金受給者の場合は180万円)未満です。

配偶者以外の場合であって、主たる生計維持者が社会保険に加入しているときは、3親等以内であればその扶養家族として健康保険の被扶養者となることができます。

配偶者の場合はさらに年金についても国民年金の第3号被保険者として加入することができます。

税金の扶養の範囲は、配偶者以外は収入要件として103万円未満(65歳以上であって、公的年金等の収入の場合は158万円)ですが、配偶者の場合は150万円まで満額控除の対象となります。

150万円を超えた場合でも、収入に応じて減額されながらも201万円までは配偶者特別控除を受けることが可能です。

但し、主たる生計維持者の所得によって受けられる控除金額に制限があり、主たる生計維持者の所得が1,000万円以上(年収に換算して1,220万円以上)の場合は、パート・アルバイトで働く者の収入が201万円未満であっても配偶者特別控除は受けられません。

ここまでのところで残りの130万円、150万円、201万円の壁についても見ていきました。

パート・アルバイトで働くことを考えたとき、収入と社会保険や税金の関係について理解が深まったでしょうか。

一方で、目先の手取りを意識するあまり、給付や将来の保障に目が向かないということのないように、長い人生のライフ&キャリアプランと合わせて自分が望む働き方の参考にしてください。

特定社会保険労務士
永田 幸江

NIC社会保険労務士法人 代表社員
ノーブル・インクルージョン株式会社 代表取締役

大手教育サービス業で営業職に従事した後、育児休業後に社会保険労務士事務所で人事・労務管理に関するコンサルティング業務を学び独立開業する。
開業後は顧問先に対する人事・労務管理の他に、社会保険労務士とキャリアコンサルタントの資格と実務経験を活かし、企業向けの人事・労務管理および人材育成に力を注ぎ講演・執筆活動を行っている。

特に、サービス業や学校法人の人事労務実務に強みがあり、企業と働く側の両者に精通していることから、組織と働く側の相互成長を促す人材育成に定評がある。

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