借金した場合の返済期間と完済テクニック
TVで消費者金融のCMなどを見ていると、「ご利用は計画的に…」などというメッセージが流れます。
しかし、キャッシングをする時は、どうしても切羽詰まったケースが多いため、なかなか返済の計画を立ててからキャッシングする…ということができないのも実状です。
今回の記事では、そんな「返済計画」について、詳しくお伝えしていきたいと思います。
記事の目次
任意整理をした場合、生活への影響はどうなる?
借金の返済計画となれば、借金をする前に計画を立てるのか、返済が切羽詰まった状態だからこそ計画を立てるのかで方向性が変わってきます。
借金をする前の計画については、あとで詳しく述べますが、最も難しいのが借金返済に行きつまり返済計画を見直す場合です。
幾つかの手続き方法があるのですが、いずれの選択肢をとっても面倒な処理があることは避けられません。
「面倒はイヤ、でも返済するお金もない」とそのまま放置を続ければ、最終的に給与などを差し押さえられる強制執行手続きに入られてしまうので、遅かれ早かれ対策を講じなければなりません。
数ある債務整理の中でも、最初に検討するのが裁判所を介さない任意整理です。
では、任意整理とは何なのか、どのようなメリットがあり、返済は今後どのようになるのか詳しく見てみましょう。
任意整理をすることで遅延損害金や元金を減らせる
任意整理とは、裁判所を介さず借金の減額を債権者に申し出ることです。
多くは過払い金請求に絡めて動きますので、まずは自身に過払い金があるかどうかから調べてみるといいでしょう。
もしあれば過払い金で借金の完済も見込めますし、完済まで行かなくても、今よりも借金残金が減るので、月の返済金額も下がることが期待できます。
調べた結果、過払い金はないということであれば、任意整理一本で交渉を行いましょう。
もし債権者が任意整理に応じれば、今までの遅延損害金や元金、将来の利息などをカットすることも可能です。
「返済する意思はあるが、このままでは到底支払いができない」という前提で話合いはすすめられますが、任意整理はその名のとおり、飽くまで「任意」です。
たとえ債権者がその交渉に応じなくても、法的には問題ありません。
うまく交渉が行かなければ、裁判所を介しての債務整理(個人再生、特定調停、自己破産)に話が流れていきます。
返済方法には「一括返済」と「分割返済」がある
任意整理の返済方法ですが、一括返済と分割返済の2種類あります。
先述したように、任意整理の際には過払い金請求返還手続きも同時に行うことが多いので、過払い金で完済できるような残債まで引き下げられたなら、一括返済を促されることもあります。
「過払い金もない」「一括できるほどの残金に減額できなかった」という場合であれば、引き続き分割でも可能です。
これは互いの話合いで決まりますので、「任意整理だから必ず一括返済を」というルールは存在しません。
ただ分割を希望した場合、今後また延滞するようなことがあれば、裁判所を介さずにすぐに差し押さえ処理に入るような和解案を出されることが多いものです。
今後は延滞をしないよう心がけましょう。
任意整理の返済期間は債務者との話合いで決まる
任意整理でどの程度の金額まで減額するのか、また返済期間はどの程度なのかという点も、両者との話合いで決まります。
債権者としてはいち早い完済を望みますので、返済期間を短くしてほしいと、主張してくるでしょう。
しかし先に話したように、もし今後また延滞となれば強制執行になることが多いものです。
その場の雰囲気で返事をしてしまい、結局支払えなかったとなれば任意整理をした意味すらなくなってしまいます。
これらのことから、任意整理と言っても自分でするのではなく、弁護士などの専門家を間にいれて交渉を行うのがベターです。
一括返済なら返済が有利になることも
任意整理の交渉内容にもよりますが、もし分割での返済であれば「今後の利息は請求しない、元金のみの返済」という内容も交渉に含まれてくるでしょう。
金融機関はどこも利息を自社の利益としているので、その利息を放棄することは単純に利益がなくなることと同じ意味です。
そのため、余り首を縦に振りたがりません。
だからこそ「利息は支払うから、利息込みの金額を減額して一括返済をしたい」と要望した方が、交渉がスムーズに行くことも考えられます。
もちろんそれぞれの金融機関によって考えは異なるので、確実に「一括返済の方が有利になる」とは断言できませんが、今後の利息を放棄するよりも借金そのものを減額して、一括返済をした方が得だと考える債権者もいます。
したがって、交渉材料の切り札として持っておくのも方法でしょう。
分割払いの平均返済期間は3年程度
もし任意整理した分を今後も分割で、となれば平均返済期間は3年程度が主流です。
債権者としても、今後収益が見込めない債務者と長く付き合うメリットもない訳ですから、できる限り早い完済をと考えるのが自然でしょう。
とはいえ、債務者側とすれば「余り無理な金額を設定されても支払えない」となるので、そこで話合いとなるのです。
互いの折衷案として3年程度になるケースが多くなっています。
5年以上になると同意が難しいケースも
返済期間が長ければ、その分、月の返済金額を抑えられるので債務者とすれば、できれば長い期間の返済時間を設けてほしいものです。
しかし債権者からすれば、通常の金利を取れない人にそんなに長く付き合ううまみがないと考えるものです。
そのため返済期間が5年以上となると、同意そのものが難しくなるケースも出てきます。
繰り返しになりますが、任意整理は飽くまで「任意」です。
法的な拘束力もありませんから、「じゃこの話は受けられません」と債権者が交渉から降りてしまうことも珍しくありません。
せっかくまとまりそうだった借金減額も、交渉が決裂すれば何の意味もありません。
そのためひとつの基準として返済期間5年以上は交渉ハードルが高くなると覚えておくといいでしょう。
任意整理の返済中に気を付けること
任意整理が無事、同意すればあとはひたすら返済をするのみです。
ここで注意したいのが、今後は絶対に返済を遅れないということです。
先に話したように和解案の中に「今後もし遅れたら強制執行」という約束事が高確率で含まれています。
口頭で説明があっても、なくても、書面に記載され、サインして印鑑を押していれば同意したことと同じです。
そのため今後は絶対に遅れないことが大前提ですので、返済計画も毎月確実に支払える金額で交渉していくことが重要になります。
100万円借りた場合の返済期間は?
今まで「借金返済ができない場合の返済計画」について話してきましたが、次は借金をする前の返済計画について見てみましょう。
まだ借金をしていない状態(借入れ前)の段階で、しっかりと返済計画を立てられるかどうかで、今後の生活資金なども変わってきます。
重要なのは「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら返済できるのか」という点です。
そのため事前に「この金額を借りたら返済金額はいくらになるのか」を把握することが重要になってきます。
では、早速キャッシングをした場合の、毎月の返済金額や返済期間を、幾つかのケースに分けて考えてみましょう。
借入れ金額別 返済期間
ここでは、50万円・100万円・200万円を各々キャッシングした場合、毎月の最少返済額(約定返済額とも言う)から計算して、どれくらいの返済期間が必要なのか?考えてみます。
なお、ここで使用するシミュレーションは、プロミスの「ご返済シミュレーション」で計算したものです。
また、プロミスの場合は、残高スライド元利定額返済方式という返済方式を採用しているため、返済がすすむと最少返済金額も少なくなっていきます。
しかし、ここでは便宜上一旦最初に借りた金額に対する、返済額(50万円借りたなら残高50万円に対する最少返済金額)を完済まで支払い続ける計算で、シミュレーションしています。
50万円
まず、50万円を借りた場合からです。
プロミスの場合、50万円を借りた場合の毎月の最少返済金額は、約13,000円となっています。
そして、完済までの返済期間は、なんと「58か月」という結果が出ました。
プロミスは年率で17.8%が上限金利ですから、50万円キャッシングした場合の1か月の金利は、7.315円となります。
したがって、返済当初は返済金額の約6割近くが金利で占められているということになります。
100万円
次に100万円を借りた場合です。
借入残高が100万円の場合、最少返済金額は借入残高×2.53%=25,300円ということになり。
1,000円単位は切上げなので、毎月26,000円以上を返済することになります。
先ほどと同じように、借入残高が減るほど最少返済金額も減っていくのですが、毎月26,000円を返済し続けて、完済するまでには58か月掛かることになります。
200万円
最後は200万円を借りた場合です。
プロミスの場合は、100万円を超える借入れに対する最少返済額は、借入残高×1.99%ですので、最少返済金額は200万円×1.99%=39,800円となり、1,000円以上切上げで、毎月4万円を返済することになります。(金利は15%で計算)
これをプロミスのシミュレーションで計算すると、完済するまでは79か月…。
約6年半掛かることになります。
借金完済までにまずやるべきこととは
ここまでで、キャッシングの返済期間は予想以上に長い…ということはわかりました。
では、返済に向けてまずやらなければいけないことがあるとしたら、どういったことが挙げられるのでしょうか?
まずは借入れ金額を明確にする
最初に「やるべきこと」、そして借金生活から抜け出せない人が「やっていないこと」があります。
それは「自分の借入れ金額を明確にしておく」ということです。
借金生活から抜け出せない人というのは、自分の負債からついつい目を遠ざけてしまう傾向があるため、自分の借りている金額を明確に意識することが少ないようです。
どこのカードローンから、どれくらい借入れしているのか?1円単位まで借入れ金額を書き出してみてください。
頭で考えているだけではなく、紙に書き出すことで、恐らく返済の意識はより強まると思います。
支払える金額を明確にする
借入れ金額を明確にしたら、毎月返済に充てるべき金額を明確にしていきましょう。
ここで重要なのは、「支払える金額」ではなく、「支払うべき金額」です。
つまり、余ったお金を返済に回すのではなく、返済すべき金額を先に決めて、余った金額で生活をするようにしましょう。
このあとに詳しく触れますが、1日でも返済期間を短くするためには、やはり生活費の見直しは必須です。
完済目標を立てる
借入れ金額と毎月の返済額を明確にしたら、いよいよ返済計画を立てていきましょう。
利用しているカードローン会社の返済シミュレーションを使う方法もありますし、その他一般のサイトでも返済計画を立てることができるサイトはたくさんあります。
ここで重要なのは「きっちりとしたゴール・目標を立てること」です。
ここで立てた返済目標も、紙や手帳に書き込んでいきましょう。
ゴールを書くだけではなく、毎月のページにも「返済まであと何か月…」と書いておくことで、毎月意識を新たにすることもできます。
返済期間を少しでも短くする3つの方法
返済計画を立て、返済が始まったあとでも、完済までの期間を一日でも早くするために、やっておくべきことがあります。
利息を減らす
まずやってみていただきたいのは、「利息を下げる」ということです。
消費者金融カードローンなどを借りている場合、利息を下げる方法は2種類あります。
ひとつ目は、消費者金融の「おまとめローン」を利用するという点です。
アコムもプロミスも、借り換えローンという商品を用意していて、基本的に他社のカードローンを一本化して借り換える場合は、現在借りている金利よりは低くなります。(※審査結果にもよる)
ただし、借り換えローンは一般的なカードローンとは異なり、追加での借入れはできません。
返済専用のローンとなりますので、その点だけは注意しておいてください。
二つ目は、利用している消費者金融の会社などと、利息を下げる交渉をするということです。
筆者も、過去アコムを利用していて、1%だけでしたが利息を下げる交渉に成功しています。
ただし、利用期間は返済実績により交渉ができないケースもありますので、全てが交渉OKという訳ではありません。
繰上げ返済
最も重要なのが、この繰上げ返済です。
毎月の返済日だけではなく、給料日で少し余裕のある時や、ボーナスなどの臨時収入が入った時などは、こまめに臨時返済をするようにしましょう。
しかし、提携ATMで繰り上げ返済を利用する場合に、手数料が掛かるケースがあります。
せっかく元本を減らすために随時返済をしているのに、108円や216円のATM手数料を徴収されるとなると、非常にもったいないですから、できるだけ提携ATM以外で返済したり、振り込み返済したりなどを利用して、手数料が掛からないような返済方法を選びましょう。
家計を見直す
もちろん、返済できる金額を1円でも多く捻出するためには、家計を見直すことも重要です。
特に通信費用・保険の費用・教育費などは、見直せば大きな金額が捻出できる費用です。
スマホなどは格安スマホに。
また保険などは本当に必要な保険だけ残して、あとは解約する。
教育費についても、無駄な習い事は幾つかやめる…など。
少し厳しい部分もあるかもしれませんが、返済期間を短くするうえでは、とても重要なポイントです。
どうしても無理なら債務整理
なかなか借金が返せず、逆に借入れ金額が増えていく…。
さらに、ここから収入が増える見込みもないため、返済のめどが立たない。
そんな時には、思い切って信頼できる弁護士に相談するようにしましょう。
自分の借入れ金額と収入など、状況を整理したうえで弁護士に相談すれば、適切なアドバイスがもらえます。
その結果、任意整理や自己破産、個人再生などの方法で債務整理をすることをすすめられるかもしれません。
例えば任意整理を行った際には、信用情報機関にその情報が残っている期間(任意整理などは5年間)、新たなカードローンや住宅ローン、さらにはクレジットカードの契約などが行えないなど、ある程度の制約は受けますが、その他は日常生活には何ら支障は来しません。
任意整理とは、返せなくなった借金を、消費者金融会社と交渉して、利息等を計算しなおして計画的に返済していく方法ですが、通常であれば3年間で返済する計画を立てます。(長くても5年)
完済まで少々厳しい期間が続きますが、それでも通常返済していくよりは、金利負担も少なくて済みますので、どうしても返済が厳しい場合は、一度検討してみてください。
借金の返済期間に関するよくある質問
ここまで借金返済計画に関する内容を話してきましたが、もう少し内容を深掘りした疑問をQ&A方式でまとめてみました。
聞けそうで聞けない借金返済問題は、ここで解決していきましょう。
むしろ債務先に相談せずにどこに相談をするのかというほどです。
確かに「最初にこの金額を支払います」と約束して借入をした以上、返済期間を延ばしてほしいなどの相談はしにくいものです。しかしこのまま放置しておいても、いずれは支払い困難になり結局、強制執行となることだって大げさな話ではありません。
重要なのは下手に隠そうとせず、「今後も継続して返済する意思はあるが、返済期間を長くするなどのリスケは可能か」と前向きに相談をする姿勢です。特にまだ返済が遅れていない状態ならば、債権者側もできる限り寄り添う姿勢を見せてくれるので、相談をするならば早めが得策です。
民事なので逮捕はされません。
ただ借金返済を行わなければ、債権者は当然、督促を掛けてきます。それでも返済をしないようであれば法的手続きを取りますので、逃げようと思っても逃げられないのが現状です。
また長期延滞となれば、個人信用情報にもその事実は掲載されますから、今後どの金融機関に申込みをしても審査にとおる可能性は低いものです。
逮捕はされずとも社会的信用は失う状態となるので、いち早く返済もしくは相談を行うことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
返済期間は生活を切り詰めるなど、非常に苦しい場面もあるかもしれません。
しかし、返済がすすんでくると、逆に返済を楽しめるようになるのも事実です。
実際には借りたお金を返していっているだけなのですが、なぜか貯金をしているような錯覚も感じることができます。
そうなれば、返済までの道のりも、より早くなることでしょう。
カードローンは非常に便利ですが、完済するためには、返済計画や家計の見直しが非常に重要なポイントになります。
今回の記事を参考にしていただき、是非計画的にカードローンを利用したいものですね。