お金がないことは馬鹿にされること?
お金は人間の生活に密接に絡んだものであるため、様々な形で人間の感情を刺激します。
皆さんの頭の中では何となく、「お金持ち=すごい、貧乏=ダメ」というような方程式が成立していると思いますが、お金が無いことは本当にダメで馬鹿にされることなのでしょうか。
今回は、お金が無いことが馬鹿にされるべきことなのかどうかについて、話を進めていきたいと思います。
記事の目次
「お金が無い=ダメ」とは言い切れない
まず結論から申し上げておくと、「お金が無い=ダメ、バカ」とは決して言い切れません。
人間の価値観には色々な種類や尺度があるため、人が人を客観的に判断するのは非常に難しいことです。
その際、多くの人が感覚的に理解しやすい尺度として「お金・財産の多寡」が用いられるため、「お金・財産が多い=善・良、お金・財産が少ない=悪」というような感覚が定着してしまいがちなだけです。
お金が無くても人から一目置かれて尊敬されるべき人もいますし、歴史的な作家や芸術家には極貧時代の経験から、後世まで残る珠玉の作品を作り上げた人も数多くいます。
反対に、お金があっても周囲からの人望はないような人や、親の七光りでお金があるだけで周囲からは陰で「バカ息子」と呼ばれてしまうような人もいます。
お金の有無で判断できるのは人間の一面的な部分だけであり、それだけでその人を判断しきってしまうのは早計だと言えるでしょう。
ただしTPOにもよる
ただし、あらかじめ「お金」というものに焦点が当たっている、重要であるということが周知されているような場では、「お金が無い」ということが馬鹿にされても仕方がないようなケースがあります。
例えば「男性参加者はみな年収600万円以上」のお見合いパーティーがあったとしましょう。
そこに、年収が400万円なのに色々と鯖を読んで参加したとしても、実際の年収が400万円であることがバレてしまったとしたらそれは馬鹿にされても仕方ありませんよね。
今回はお見合いパーティーを例として出しましたが、その他にも該当するようなケースはあるでしょう。
つまり、お金が無いことは一般的には馬鹿にされるべきことではないですが、TPOによっては馬鹿にされても仕方がないことではあると言うのがいいでしょう。
こんな理由なら許容されるべき
また、「お金が無い」のには必ず何らかの理由があるはずですが、その理由次第では馬鹿にするor馬鹿にしないの判断が変わってくるということも考えられます。
まずは、「こんな理由ならお金が無くても仕方ないな…」と思わせられる理由を挙げていきましょう。
色々な事情で借金の返済をしている
まずは、様々な事情から借金を抱えてしまいその借金返済のためにお金が無い、という場合です。
この場合の借金には、自分の都合で生んでしまった借金は含まれないので注意しましょう。
例えば、親が事業に失敗したまま亡くなってしまいその借金を自分が背負うことになった、などのような場合です。
そこまでヘビーな理由でなくもっと一般的なものであれば、奨学金を利用してその返済を行っているなども、仕方がないなと思ってもらいやすい理由と言えます。
親に仕送りをしている
親関連で言うのであれば、高齢で生活するのが不自由な親のために仕送りを行っているというのも「お金が無くても仕方がない」という理由になりえます。
親への仕送りは立派な親孝行ですから、親孝行を行ってお金が無い子供を馬鹿にする人はいないでしょう。
特に最近では、生活保護受給基準相当の収入で生活している老齢世帯も増えてきていますから、そんな親に対して仕送りを行っている子供も少なくないはずです。
自分が親孝行をできていないなぁという自覚のある人にとっては、まぶしいぐらいに映るのではないでしょうか。
夢のためにお金を使っている
ここまで2つの理由は、「私利私欲のためにお金を使っているわけではない」という点で共通していました。
しかし、自分のためにお金を使っていても許容されうるケースがあります。
それは、夢の実現のためにお金をつぎ込んでいる結果お金が無い、というような場合です。
例えば、学生時代からずっと組んでいるバンドでメジャーデビューしたい!というような夢を抱いていて、各地で行われるオーディション行脚をしているためにお金が無いような若手バンドのメンバーを、あなたは馬鹿にできるでしょうか。
特に、自分にも叶えたい夢があったものの現実に押しつぶされて今の生活をしているというような方の場合はこのような理由でお金が無い人は馬鹿にするどころか全力で応援したい対象であるはずです。
その人がなぜお金が無いのかの背景を知ることで、その人に対する見方自体も180度変わってしまうかもしれませんね。
こんな理由はバカにされるかも
では逆に、「さすがにそんな理由でお金が無いのは同情できんわ…」というような理由も見ていきましょう。
ギャンブルでお金が無い
まず1つ目は、お金が無い理由の筆頭格である「ギャンブル」です。
「パチンコ行き過ぎて今月金欠だわー」「昨日最終レース当たってたら今頃ウハウハやったのに…」なんて話、耳にタコができるぐらい聞いたことがありますよね。
そのような人にはさすがに同乗の余地はありません。
ただし、馬鹿にされるされないとは少し違う角度からの話にはなりますが、ギャンブルのせいでお金が無いような人はギャンブル依存症である可能性があります。
もしあなたの友人にそのような人がいたら、生活費までギャンブルにつぎ込んでいないかや借金してまでギャンブルをしていないかに関して、注意深く様子を見てあげたほうがいいかもしれません。
何かにハマりすぎてお金が無い
ギャンブルも、広い目で見れば1つの「趣味」と言えるかもしれませんが、何かしらの趣味にハマりすぎてお金が無い人もいわば自業自得と言えますね。
大金を使うことになりやすい趣味としては、アイドルの追っかけやホスト・風俗通いなどが挙げられますが、さすがにこれらが理由でお金が無いという話を聞いても、「苦労しているんだねぇ」という感想は出てこないはずです。
一般的な感覚を持っている人からすると、趣味というのは「身を持ち崩さない範囲で楽しむもの」であるため、日々の生活が危うくなるレベルまでお金をつぎ込んでいる人を見ると、馬鹿にしたくなる気持ちが湧いてくるのも致し方ありません。
趣味にお金をつぎ込みまくっている人は、周りから白い目で見られることを覚悟しておきましょうね。
計画性が無さ過ぎてお金が無い
最後は、特に何かにつぎ込んでいるわけではないけれど、お金の使い方に計画性が無さ過ぎてお金が無いという場合です。
給料が入って自由にできるお金が増えたタイミングで、たまたま以前から欲しかった時計が売っているのを見かけたから特に何も気にせず買ってしまう、その結果お金が無くて困っている…どこから突っ込んでいいのやら…という感じですね。
普通の人であれば「今これを買うと今後の予定に差しさわりが出ないかな?」などのように、今後のことを考えつつ購入するのですが、計画性が無い人はそのような過程をすっ飛ばして購入してしまいます。
普通の人が当たり前に行っていることが行えていない結果お金が無いのですから、馬鹿にされても仕方ないかもしれませんね。
「お金が無い」は厳密には2種類
そして、ここまで「お金が無い」と普通に説明してきていますが、「お金が無い」には厳密には2種類あるのです。
絶対的にお金が無い
まずはここまで説明してきているように、単純にお金が無いという場合です。
貯金はほぼゼロで、給料も入ってきた分は1カ月でほぼ使い切る、そんな人をイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。
要するに、小中学校の時の通知簿で言うなら「相対評価」ではなく、「絶対評価」の考え方でお金が無い人のことです。
グループの中で相対的にお金が無い
そしてもう1つは資産やお金がないわけではないけれども、普段から付き合いのある人々のグループの中では、相対的にお金が無いため「お金が無くて馬鹿にされる」というような人です。
このような人の場合は、付き合うグループを変えてグループ内での自分の立ち位置を変えることによって、「相対的にお金が無い人」の立場から脱却することが可能です。
ただし、大人になってしまうと仕事上にせよプライベートにせよ、所属するグループを変更するのは意外と難しいものです。
そのような場合は、グループ内での立ち振る舞い方を少し考える必要があるかもしれませんね。
馬鹿にしてきた人との付き合い方
ではここで上述の内容とも少し関連しますが、お金が無いことを馬鹿にしてきた人に対して、自分はどのように振舞えばいいか、付き合っていけばいいかということについて考えていきましょう。
できるだけ関わらないようにする
可能であれば、そのような人とはできるだけ関わらないようにしておくのが最善です。
長い人生、わざわざ自分に対してマウントを取ってくるような人とずっと関わっていくのはしんどいでしょう。
先ほどお伝えしたように、所属するグループを変更すること自体は難しいですが、大きなグループであればその相手とあまり関わらないような立ち位置に落ち着くことぐらいはできるはずです。
仕事上ならともかくとしてプライベートでの人間関係なのであれば、その人がいる場や集まりにはあまり顔を出さないようにして、接触の機会自体を減らしていくというのも有効な作戦と言えます。
うまく自分の味方を作っておく
また、人間関係というのはその相手と自分だけで構成されるものではなく、周囲の人も巻き込んだ上で有機的に変化していくものです。
つまり極端な話、自分がそのグループの中の王様のような位置まで上り詰めてしまえば、お金が無いことを理由に馬鹿にされることはなくなるであろうと予測されるのです。
ただグループの中でそのような位置まで上り詰めるのは難しいと思いますので、現実的には確実に自分の味方になってくれる人をグループの中に確保しておくことが重要になるでしょう。
自分のことを馬鹿にしようものなら、自分含めその仲間たちからもひどいしっぺ返しを食らうと分かっていれば、相手もひるんでなかなか攻撃には来れないでしょうからね。
マウントを取れる材料を探しておく
周囲との人間関係に頼らない方法としては、逆に相手にマウントを取り返せる材料を見つけておくというのも1つの選択肢となります。
相手が自分に対してお金のことでマウントを取ってこようとするのであれば、自分は相手に対して男女関係や教養に関してなど何でもいいので、相手をやり込められるものを持っていればいいのです。
そしてそれを利用して相手をぎゃふんと言わせる必要は全くありません。
ただ、私はこういうことについて知っていますよ、ということをほのめかすだけで充分相手の行動を制限することができます。
マウントを取りたがるような人は、その相手から逆にマウントを取られることを異常に嫌いますから、自分にも武器があるのだということをチラ見せするだけで、馬鹿にされることはなくなるでしょう。
確固とした「自分」があればよし
残念ながらお金のことについて馬鹿にする人は確かにいますし、お金が無いことが馬鹿にされる要因の1つであることは否定しようがありません。
ただし、馬鹿にされたからと言ってそれであなたの人生が台無しになるというようなことは決してありません。
そもそも確固たる信念を持っている人は、お金が無いことで馬鹿にされようとも全く気にしないものです。
自分にはお金よりも大事なものがある、自分にお金が無いのは夢の実現に向けてお金を全部つぎ込んでいるからだ、そういった人にとっては世間の目や声など逆風にすらなりません。
お金が無いことで馬鹿にされるかどうかというようなことを気にしている時点で、まだまだ精進が足りないのかもしれません。
とは言え、しがない一般市民である我々にそこまで達観した考えを持てというのも難しいことですけれどね。
まとめ
以上、お金が無いことが馬鹿にされるべきことなのかどうかについて話を進めてきました。
理想的なのはそのようなことを気にしない強い信念を持つことですが、そこまで人間ができているという自覚がない人にとっては、馬鹿にしてくるような相手との付き合い方や距離感が大事になってくると思います。
お金に惑わされないような人生を送りたいものですね。