お金に困ったときは「お金がない馬」

生活費が足りないと親が援助を求めてくる場合

親は定年退職後にどうしても収入が減ります。

貯えがない場合は老後の生活に困り、子供に頼るという親も少なくありません。

しかし、親に頼られてもすぐに援助できないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、親に貯えもなく生活に困る状態になったときに、親自身がお金を工面する方法や、子供が援助をする場合の注意点について解説します。

親自身がお金を工面する方法を紹介

子供が親の援助をするのは厳しい状態であれば、まずは親が自身でお金を工面する方法を探してあげましょう。

具体的に親自身がお金を準備する方法には以下のようなものがあります。

上記の方法を親に行ってもらえば、子供が援助せずとも金銭的問題を解決できるかもしれないため、行えるものがないか確認してください。

働いてもらう

働きたいけれどなかなか仕事が見つからない高齢者におすすめなのは、全国のシルバー人材センターに登録して働くという方法です。

定年退職した親が再び働く場合、年齢的にも再び正社員としては難しいでしょう。

アルバイトやパートも、年齢が高くなるほど働けるところが少なくなってきます。

しかし、シルバー人材センターであれば年齢が60歳以上で働く意欲がある人であれば誰でも登録ができます。

地域ごとに定められた会費を払う必要がありますが、それほど高額ではありません。

気になる収入ですが、全国平均で月8~10日就業した場合で、3~5万円程度です。

それほど高額の収入にはなりませんが、毎月少しでも収入があれば生活の足しにできます。

シルバー人材センターのホームページ(http://www.zsjc.or.jp/)に、さらに詳しい情報が掲載されていますので、確認してみてください。

一時的な場合は借り入れしてもらう

親の年齢や持家の有無によっては、親世代でも金融機関でお金を借りることができます。

一時的であれば銀行のカードローンなどを利用する方法もありますが、年齢が高くなると審査に通らない可能性があります。

ここでは親世代でも借入できる方法を3つ紹介しますので、自分の親に利用できる方法がないか確認してみてください。

不動産担保融資

不動産担保融資とは、その名の通り自身が所有する土地や建物などの不動産を担保にして銀行やその他金融機関からお金を借りる方法です。

カードローンのような無担保融資よりも一度に借りられる金額が大きく、低金利で借りることが可能です。

持ち家がある親におすすめの借入方法ですが、借りたお金を返済できなくなってしまうと担保にいれている自宅が売却されてしまうというリスクがあります。

自宅を失うリスクがあることを親にも納得してもらった上で、利用することをおすすめします。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、今住んでいる住宅を担保にしてお金を借りる方法です。

基本的に死亡時に不動産を売却して返済する仕組みとなっているため、一時的な借入には向きません。

しかし、持ち家があるけれど手元にまとまったお金がないという高齢者向けの金融商品として注目されています。

リバースモーゲージは、家を担保にお金を借りたあとも契約者が生存している間は住宅に住み続けることができ、返済は利息だけの場合が多いので負担が少なく済みます。

独立行政法人福祉医療機構の年金担保融資

独立行政法人福祉医療機構の年金担保融資とは、国民年金、厚生年金保険または労働者災害補償保険の年金を担保にして借入することが法律で唯一認められている制度です。

一時的に資金が必要な高齢者のための制度で、下記の年金証書を持っている人を対象にしています。

  • 国民年金・厚生年金保険年金証書
  • 国民年金証書
  • 厚生年金保険証書

ただし、この年金担保融資は、厚生労働省より2022年3月末で借入申し込み受付終了の方針が発表されましたので、申し込み期間に気を付けましょう。

家賃の安い賃貸物件へ引っ越してもらう

親の住居が賃貸物件で毎月の家賃が高い場合、それが家計の負担になっていることもあります。

その場合は今よりも賃料の安い物件へ引っ越ししてもらうのも一つの方法です。

例えば公営住宅であれば、収入制限はありますが、民間の賃貸住宅よりもかなり安い賃料で借りることができます。

東京の都営住宅の賃料を例に一部紹介します。

所得金額0円

1,628,000円
1,628,001円

1,856,000円
1,856,001円

2,048,000円
2,048,001円

2,276,000円
2DK(和6・4.5・DK)・36㎡17,600円21,300円25,200円29,100円
3DK(和6・6・4.5・DK)・55㎡30,300円36,800円43,500円50,200円

公営住宅は申し込み後に公開抽選があり、当選しなければ住むことができません。

また当選後も資格審査があり、審査に合格しなければ入居できないため、注意が必要です。

公的制度を利用してもらう

家もなく収入もない親の場合は、金融機関でお金を借りることもできません。

そのような場合は、「公的制度」を利用することで親の生活の助けにできます。

親が受けられる公的制度について確認していきましょう。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、各都道府県の市区町村社会福祉協議会が窓口となって実施している貸付制度です。

低所得世帯や高齢者世帯、障害者世帯を対象としています。

借りられる資金は、下記のような種類があります。

資金の種類貸付限度額貸付利子資金の使い道
生活支援費単身 月15万円以内
2人以上 月20万円以内
保証人あり⇒無利子
保証人なし⇒年1.5%
生活を立て直すための資金
住宅入居費40万円以内保証人あり⇒無利子
保証人なし⇒年1.5%
敷金、礼金などの費用に使える資金
一時生活再建費60万円以内保証人あり⇒無利子
保証人なし⇒年1.5%
一時的に必要な生活費用に使える資金
福祉費580万円以内保証人あり⇒無利子
保証人なし⇒年1.5%
介護や障害のための費用
緊急小口資金10万円以内無利子緊急かつ一時的に必要な資金用
教育支援費【高校】月3.5万円以内
【高専】月6万円以内
【短大】月6万円以内
【大学】月6.5万円以内
無利子高校や大学への就学に必要な資金用
就学支度費50万円以内無利子高校や大学への入学に必要な資金用
不動産担保型生活資金・土地の評価額の70%程度
・月30万円以内
年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率居住用の不動産を担保に生活費を借りる資金
低所得者向け
要保護世帯向け不動産担保型生活資金・土地及び建物の評価額の
70%程度(マンションなどの場合は50%)
・生活扶助額の1.5倍以内
年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率居住用の不動産を担保に生活費を借りる資金
用保護世帯向け

上記の表のように、資金の種類によっては無利子で借りられるものもあります。

何のために、どのぐらいの金額を借りたいのかによって種類が変わってきますので、親と相談をしておきましょう。

生活保護

生活保護制度は、生活に困窮している人に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行う制度です。

ただし、生活保護制度は土地や住宅、車などの財産があると受けることができませんし、貯金もなく、収入もないことで生活が困難になっている人だけが対象となります。

また、子供が支援できる状態にある親も生活保護を受けられない可能性があります。

自身の生活が大変で親の支援ができないなら、その旨を聞き取り調査時に話しておくようにしましょう。

高額医療・高額介護合算制度

「高額医療・高額介護合算制度」とは、同じ世帯で医療保険サービスと、介護保険サービスどちらも利用している場合に支給を受けられる制度です。

医療と介護どちらも高額な費用を支払いをしている場合には、介護保険や医療保険の負担をさらに軽減してもらえる可能性があります。

ただし、同一世帯であっても、父親が後期高齢者医療保険、母親が国民保険など違う保険制度を利用している場合は、自己負担額の計算が異なり支給金額が異なるため注意が必要です。

親へ資金援助するときのコツ

生活に困っている親を放置するわけにもいかず、子供が毎月支援しているというケースもあるでしょう。

しかし、親への資金援助を行って、子供の生活がままならなくなってしまっては意味がありません。

そこで、以下のような、子供が親へ資金援助する場合に気を付けるコツを確認していきましょう。

親への援助は余裕があるときのみ対応する

親へ援助するときには支援する額も無理に多くする必要はなく、自分の生活に影響がない範囲で支援するようにしましょう。

親へ資金を援助するときは、子供にある程度資金に余裕があることが大前提です。

子供もお金に困っている状態なのに親を援助すれば、子供の生活まで破綻してしまう可能性がでてきます。

親への支援が継続してできないようなら、先に紹介してきた公的制度を利用するなど他の方法も検討してください。

浪費が原因の場合は家計見直しをする

親の浪費が原因なら、お金を支援する前にまずはお金に困っている原因を把握し、生活の見直しを提案してみましょう。

病気のために収入が減っているなら、支援する必要がありますが、単にお金の使いすぎが原因なら、親がお金の使い方を見直せば十分に生活していける場合もあります。

また、浪費癖がある親の場合、子供が援助すると浪費が悪化する可能性があるため、安易に援助することはおすすめできません。

生活の見直しは簡単にはいかないかもしれませんが、根気強く話し合いをしていくことが大切です。

扶養控除を受けられるケースもある

扶養している親がいる場合、親を扶養親族として子供は扶養控除を受けることができます。

扶養控除を受けることができれば、所得税や住民税の納付額が減らせるため、家計に余裕を持てるかもしれません。

扶養控除を受けるための扶養親族には、以下の人が該当します。

  • 6親等以内の親族、および3親等以内の婚族であること
  • 納税義務者と同一生計であること
  • 年間の合計所得金額が38万円以下(2020年分以降は48万円以下)であること

自分の親については、上記の条件を満たせば、同居していなくても扶養親族として認められます。

ただし、別居中の場合は毎月生活費などの送金が行われていることの証明が必要です。

年末調整や確定申告で申請すれば、扶養親族の年齢、同居の有無等によって、下記の金額が控除されます。

区分控除額
一般の控除対象扶養親族38万円
老人扶養親族・同居老親等58万円
老人扶養親族・同居老親等以外48万円

所得税率が10%の人であれば、年間3.8~5.8万円も納付額が変わってくるため、扶養控除についてしっかりと把握しておいてください。

義理の親が無心をしてくる場合の対処法

自分の親だけでなく、場合によっては配偶者の親から資金の援助をお願いされることもあるでしょう。

義理の親からお金を無心された場合は、自分の親と違ってきっぱりと断りにくいという人が多いようです。

義理の親に角が立たないように断るために、下記のような言い訳と対処法を紹介しておきましょう。

  • 子供の教育費がかかるから余裕がない
  • 自分にも本当にお金がないことを力説する
  • 家計の見直しを提案してみる

子供が小学校から高校生ぐらいの年齢であれば、教育費にお金がかかることを説明したり、住宅ローンの返済などで本当に貸すお金がないということをとにかく力説したりするのも対処法としては有効です。

そこまで言いにくい場合は、義理の両親が今なぜ生活が苦しいのか、家計の見直しを一緒に考えてみようと提案してみましょう。

義理の両親への対処法は自分の親と違って難しいですが、一度貸すと今後何度でも無心に来る可能性が高くなりますので、あいまいにせずにきっぱりと断ることが大切です。

親の扶養義務は法律で決められている

親は子供を扶養する義務がありますが、実は子供にも親を扶養する義務があります。

民法第877条1項に「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」とあります。

ただし、自分の生活が苦しい状態でも親を援助しなければならないという訳ではありません。

自分の子供や配偶者の扶養義務がまず優先されますので、自分の生活を守ったうえで、余裕があれば親を援助するようにしましょう。

また、自分が未成年の時に扶養してもらえなかった場合や虐待が認められるなど、親が子への扶養義務を果たしていない場合は、親の扶養を拒否することができます。

親の老後と扶養についてのQ&A

それでは最後に親の扶養義務について、その他のQ&Aを紹介しておきますので、参考にしてみてください。

親が葬儀費用を貯めていないときは援助が必要?
親が葬儀費用を貯めていなかった場合、子供が葬儀費用を工面しなければなりません。ただし、経済的に葬儀を行えない状況の場合、国が葬儀の費用を負担してくれる「葬祭扶助制度」を利用することができます。そのほかに、葬儀費用として健康保険から「葬祭費」を受け取ることもできます。
親の借金は相続しなくてもいい?
親にお金がないどころか、多額の借金をしている場合もありますが、親の借金を子供が返済する義務は法的にはありません。しかし、親が亡くなるときに遺産を相続すると、借金もそのまま相続してしまうことになってしまいます。親のプラスになる遺産よりもあきらかに借金の額が多い場合は、「相続放棄」をして借金を引き継がないようにしてください。

まとめ

親にお金がない場合は子供が少しでも援助できればいいですが、子供にも生活があります。

基本的には、親がどうしても生活費を工面できないときに、子供が援助を行うべきなので、まずは親自身にお金を手に入れる方法を試してもらうようにしましょう。

高齢者でも働くことができるサービスや、高齢者が利用できる公的制度もあるため、子供に頼らずお金を用意することはできます。

親の援助のために自身の生活が破綻しないように、無理のない範囲で援助することが大切です。

援助以外の支援の方法も併せて、親とお金の相談をしてみてください。

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