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年金をもらうタイミング、在職中と退職後、年金額どう変わるの?

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年金というと皆さんは何を思い浮かべますか?

年を取ってからもらえるもの、金額は少なくそれだけでは生活できないもの、働いているともらえないもの、早くもらうと減ってしまい、遅くもらうと増えるもの…。

様々なイメージがあると思います。

年金には大きく分けて3つの種類があります。

一つ目は老齢年金、老齢になってから受給できる年金です。

二つ目は障害年金、障害の状態になったとき(疾病や傷害状態)に受給できる年金です。

三つ目は遺族年金、遺族になった時に受給できる年金です。

障害年金も遺族年金もある一定の条件(受給要件といいます)が整うと受給できる年金です。

老齢年金にも受給要件はあります。大きく分けて次の二つです。

  1. 60才に到達していること
  2. 受給資格期間が10年以上あること

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【段階的に遅くなっている支給開始年齢】

老齢年金は現在段階的に支給開始年齢を引き上げています。

最終的には支給開始年齢は65才に統一されますが(男性:昭和36年4月2日生まれ以降、女性:昭和41年4月2日生まれ以降は65才が本来の支給開始年齢となります)、現在は引き上げの途中段階で、例えば令和元年に60才を迎える方(昭和34年4月2日生まれ以降の方)は、男性は64才、女性は61才から一部の年金が受給できます。(女性の支給開始年齢が男性と比べて早いのは1号厚年記録(※)に基づく受給のみ)

この65歳前に一部受給できる年金を特別支給の老齢厚生年金報酬比例部分(以下、特老厚)と言います。

特老厚は厚生年金等の被用者年金記録が1年以上ある方が受給できます。

※1号厚年記録とは共済組合期間ではない厚生年金記録

【在職中に受給する際の年金停止】

現在企業では、定年延長や定年廃止、再雇用制度を充実させ65才までの雇用延長制度の策定を義務付けられています。(経過措置あり)

よって、65才まで働く方も大変多く給与を受けながら、年金も受給する(特老厚を受給する)という選択肢が可能になります。

ただし、給与額と年金月額の合計がある一定の水準に達すると年金額の一部又は全額が停止となります。

この仕組みを在職老齢年金による支給停止と言います。

よく、「在職中だから年金はもらえない又はもらわない、よって今は年金請求の手続きをせず、後から(65才以降になってから)もらい始めることにしよう。」と考える方がいらっしゃいますが、この特老厚は給与が下がってから、または仕事を辞めた後に、遡って受給する手続きをしたとしても、停止にならず全額受給できるとは限りません。

本来受給できる年齢当時に遡って在職老齢年金の支給停止の計算を行いますので当時の給与額との調整の結果、支給停止となる場合には後から請求しても結果は同じ(支給停止)です。

【老齢年金の請求のタイミング】

自身の被保険者記録だけで10年以上の受給資格を持っている方は、本来の支給開始年齢に近くなると実施期間(日本年金機構や各共済組合)から年金請求書が郵送されますので、例え支給停止になってしまうとしても請求手続きをしておくことをお勧めします。(請求手続きができるのは誕生日の前日以降です)

また、もう一つのよくある誤解ですが、特老厚を受給することによって65才以降の老齢年金額が減額されてしまうのではないかと心配される方がいらっしゃいますが、それもありません。

【繰上げ請求】

それでは、どういった場合に年金は減額されるのでしょうか。

先ほど、老齢年金の受給要件として、「60才に到達していること」と記載しましたが、60才になると生年月日にかかわらず前倒しで老齢基礎年金や老齢厚生年金を繰上げ請求することが可能です。

特老厚を受給できる方も本来の支給開始年齢前に繰上げて受給することも可能です。

少し話が複雑になりますが、具体例で言いますと、昭和34年4月2日生まれ以降の男性が特老厚を60才からもらうことも可能です。

この場合は本来64才の支給開始年齢であったものを4年間前倒しで受給することになるので減額率は0.5%減(1か月繰上げる毎に0.5%減額)の48か月分となり64才で受給するより24%減額されます。

同時に65才で受給できる老齢基礎年金も前倒しで受給することになりますので(繰上げは基礎年金と厚生年金をセットで行います)0.5%減の60か月分となり老齢基礎年金は30%が減額されます。

繰上げした老齢厚生年金(特老厚も)は在職老齢年金の支給停止の対象になりますので在職中の方は注意が必要です。

ただし、老齢基礎年金は在職老齢年金の支給停止の対象ではありませんので全額(減額されていますが)受給できます。

【繰下げ請求】

それでは逆に老齢年金が増額されるのはどういった場合でしょうか。

本来65才から受給できる年金を1年間以上請求せずに置いておき、66才以降から受給する手続きを行うことができます。

繰下げ請求と言います。

最短で12か月後、最長で60か月後まで繰下げ待機が可能です。

増額率は8.4%(1か月繰下げる毎に0.7%増額)から42%(60か月繰下げ)の範囲で老齢年金を増額することが可能です。

繰下げ請求は老齢基礎年金と老齢厚生年金で別々に行えます。(1号~4号厚年は同時期に請求します)

ただし、既に遺族年金や障害年金等(障害基礎年金のみの受給権者であれば老齢厚生年金だけの繰下げは可能)の受給権者である場合は老齢年金の繰下げ請求はできません。

また、繰下げ待機期間中に(仮に請求していたとすれば)在職による年金支給停止がある場合は、支給停止がされていない部分(受給できる部分)のみが繰下げ対象(増額の対象)となります。

【65才以降の在職老齢年金】

昨今は65才以降も働き続ける方も多いですが、65才以降に給与を受けながら年金を受給する場合も在職老齢年金の支給停止の対象となります。

ただし、65才前の支給停止の仕組みよりは要件が緩和されています。

また、停止の対象となるのは老齢厚生年金のみで老齢基礎年金は停止されません。

【退職したあとの年金】

在職中に老齢厚生年金が支給停止(一部または全部停止)になっていた方も、退職して厚生年金の被保険者でなくなった場合は支給停止が解除され全額受給できるようになります。

その際は退職日の翌日(厚生年金の資格喪失日)の前月分までの被保険者期間が参入され退職後1か月後に老齢厚生年金額が再計算されます。

これを退職改定と言います。(改定は在職のまま70才を迎えた時も行われます)

退職後1か月を待たずして再び就職等をして厚生年金被保険者となった場合は退職改定が行われず、年金額は再計算されません。

退職改定されてもされなくても、再就職後の給与によって在職老齢年金の支給停止の計算は再び始まります。(既に70才を過ぎていた場合は厚生年金適用事業所に勤務した場合に在職老齢年金の支給停止の対象になります)

なお、65才前に離職し雇用保険の基本手当を受給する際は、退職改定された特老厚(又は繰上げ受給している老齢厚生年金等)と基本手当は選択受給となり併給はできません。

65才以降に離職して失業認定を受け受給する高年齢求職者給付金(一時金)と老齢厚生年金は併給可能です。

特定社会保険労務士
茅根真由美

旅行会社勤務を経て平成19年に「かやね社会保険労務士事務所」を設立。特定社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントとして企業の労務管理やカウンセリング、各種研修を行う。

年金相談業務は10年以上従事する。

令和元年「あすの行政書士事務所」を併設し申請取次行政書士として外国人の在留資格取得、雇用管理などで増える外国人労働者問題に対応、国際結婚や帰化申請等幅広く支援する。

自身も育児や介護、キャリアの問題に直面し悩んできた経験を生かし働く現場の課題に日々取り組んでいる。

社労士HP:かやね社会保険労務士事務所
行政書士HP:あすの行政書士事務所

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